香りとメイク 〜歴史とコーディネート術〜 1. メイクの歴史と日本での変遷 毎日のメイクは欠かせないし、すっかり生活の一部となっている、という方は多いのではないでしょうか。最近では男性の間でも身だしなみの一つとして、また美容意識の高まりからメイクされる方が増え、…
コンシロに見る“間”の美学──日本の色彩文化と香りの哲学 (一)紺と白のあわいに宿る、すべての色彩 紺と白の間に、全ての色調が詰まっている。憂いに濡れる湿夜から、雌伏を讃える薄明まで。暗澹とした深淵から、淡い七彩が分光する清澄まで。全ての色彩は詰まっている。紺と白の間に。 人は…
香水と自然、自己との対話へ―季節とともに深まる香りの感性 4.日本の香水で四季を巡る旅 香りの世界に深く魅了された私は、もっと深堀りしたい思いで「パルファン・サトリ」の香水スクールに入会しました。〔現在は閉校〕そこでは“香りのパトロール”という課題がありました。 香りのパトロー…
香水と出会い、記憶と美意識の旅へ── 想像の世界を歩く香りのパスポート 1.香りと美と旅と── 私なりの香水の楽しみ方 「現実の世界には限界があるが、想像の世界は無限である」 —— 哲学者ジャン=ジャック・ルソーのこの言葉は、私が香水の世界を愛する理由にぴた…
浴衣と香りの心地よい関係 ― シアーな香りが肌に寄り添うように ― 浴衣にこめられた美意識とそれにマッチするパルファンサトリの香り。なかでも引き算の美学を体現したようなシルクイリスとイリスオムと浴衣ならではの味わい。また、浴衣は非日常の入り口。「なりたい自分」を思い描くことで潜在意識が働くため、この機会を活かせば、新しい自分に出会えるかも?
和精油とノビヤカ 今回は精油、その中でも特に「和精油」に焦点を当てて話をしよう。 概略 精油(エッセンシャルオイル)は植物の部位、例えば、花・蕾・葉・草・根・枝・果実・果皮・種子・豆・樹皮・樹幹など、多様な部分から抽出される「純天然」の芳…
沈香に倣う──香水における緩やかな香り立ちの設計思想 ──熱分解と昇華、香りの時間と空間をめぐる考察 ■ 香木の香りと時間の体験 香木が静かに香る様子には、どこか時間の流れを感じさせる趣(おもむき)があります。香炉の中の小さな炭は灰で覆われ、間接的に熱を伝えます。沈香や伽羅…
MOTHER ROAD(マザーロード)──17年愛される香水の物語 名前の由来と背景 「MOTHER ROAD」は、アメリカのロサンゼルスからシカゴを結ぶ国道「ルート66」の愛称です。スタインベックの小説『怒りの葡萄』の中で、“The Mother Road”と表現されたこの道は、かつて…
香りとシーンの心地よい関係 香りは「何の香りか」より「どう感じたか」で記憶されるもの。シトラス系=軽やか、ウッディ系=落ち着きなど、色や印象と結びつけてシーンに合わせて選ぶと、自分らしい香りのまとい方が見えてきます。パルファンサトリの香りを8つの雰囲気別にご紹介。
ひそやかに広がる香り──「苔清水」が辿りついた森の記憶 最近、あるインフルエンサーの方がご紹介くださったことをきっかけに、香水「苔清水」に静かな関心が寄せられています。 いまの流行とは少しちがう、ひとりひとりの記憶にやさしく触れるような広がり。「初めてなのに懐かしい」「森の中…
苔清水──雨と静謐の季節に寄り添う香り どんな場所も環境も、息が詰まるような、鬱蒼(うっそう)とした。それは緩く、生暖かい。総身に幾らかの重しを科されたような気怠い時候。6月。1年のちょうど真ん中。皆さんはこの1ヶ月に何を思い、何を感じるのだろうか。 前述の体…
雰囲気で選ぶ、自分らしい香りのまとい方 香りは洋服を選ぶように、感覚で似合うものを見つけられます。「キャラ」や「カラー」を思い描き、自分の雰囲気と調和するかを感じてみてください。視覚に頼れないぶん、嗅覚を使うことで自分らしさが見えてきます。