「この香りはどんな時につけたらいいの?」
「どんなシーンに向いているの?」
今回もアトリエで頂いたご質問を例に、おすすめの方法をご紹介します。
コンテンツ
- 「香りを選ぶとき、どんな視点が大事?」
- 「そもそも洋服を選ぶ感覚では・・・」
- 「香りは「何の香りか」より「どう感じたか」で覚えている」
- 「雰囲気をベースにしたシーン分け」
- 「 香りを掴むコツは「カラーイメージ」にあり」
- 「香りの「印象軸」で感じ方を深める」
- 「シーン別・パルファンサトリの香り」
- 「香りとシーンの組み合わせは無限」
「香りを選ぶとき、どんな視点が大事?」
アトリエショップでは、日本人のお客様より海外からのお客様のご来店の方が多い日々が続いています
そして、こんなご質問をいただきました。
「この香りはどんな時につけたらいいの?」
けれども、来店された方の暮らしの背景や文化、気候などは、私たち日本での日常とは異なることもしばしば。
だからこそ、一概に「この香りは〇〇向きです」と言い切るのは、実は難しいのです。
そこで、こんな時には、具体的な場面を決めつけて提案するのではなく、香りを選ぶ「考え方」をお伝えするようにしています。
こちらでは、それらをもう少し詳しくご紹介します。
「そもそも洋服を選ぶ感覚では・・・」
あなたは、どんな時・シーンに、どんな服やコーディネートを選びますか?
こんな要素を無意識に考えていませんか?
- 季節・気候:夏は軽やかに、冬は深みある色や素材に。
- 場所:自宅ではリラックスできる服、フォーマルな場ではきちんとした装い
- 気分・目的:デートの日は華やかに、勝負の日は自信の出るカラーでなど
「香りは「何の香りか」より「どう感じたか」で覚えている」
ですが、先の記事で、嗅覚情報は、脳の中でも感情や記憶に関わる部分に直接伝えられるため、言葉(言語的なラベル)として記憶されず、感情を伴う記憶、例えば「雰囲気」や「昔の体験」として記憶されています、と書きました。
香りは「何の香りか」よりも「どう感じたか香りか」という、印象を含めた雰囲気で記憶されている場合が多いわけです。
「雰囲気をベースにしたシーン分け」
ですので、香りの場合は、お天気や場所のような物理的な事柄に照らし合わせるよりは、雰囲気を軸に考えてゆくとよいと思っています。
そこで、私は香りを選ぶとき、以下の8つの「雰囲気シーン」を意識しています。
シーン | イメージ |
カジュアル | 日常、爽やか |
リフレッシュ | 軽やか、爽快、切り替え |
フォーマル | きちんと、格式、品格 |
クールダウン | 鎮静、落ち着き |
リラックス | まったり、安らぎ、心の余白 |
ドレスアップ | 華やかさ、艶、魅せる香り |
アクティブ | エネルギッシュ、爽やか |
ビジネス | 知的、清潔感、信頼感 |
「今日のシーンをどんな雰囲気で過ごしたい?」と問いかけながら、コーディネートしてみましょう。
次のセクションでは、この「雰囲気シーン」にぴったり合う香りを選ぶヒントとして、
「カラーイメージ」の考え方をご紹介します。

「香りを掴むコツは「カラーイメージ」にあり」
香りをどのシーンに合わせたらいいのか――
そのヒントになるのが、「香りから連想される色(=カラーイメージ)」です。
たとえば、香りを嗅いだときにこんなふうに感じたことはありませんか?
- 柑橘系なら → 明るいオレンジやレモンイエロー
- みずみずしい香りなら → 薄いブルーやグリーン
- 甘く官能的な香りなら → ワインレッドやディープパープル
このように、香りがもたらす「色の印象」を捉えることで、どんな雰囲気やシーンに合う香りか、自然と見えてきます。
「香りの「印象軸」で感じ方を深める」
軸 | 対比する印象 |
① 軽さ | 淡い(軽やか) ⇔ 濃い(重厚) |
② 色調 | 暖色系 ⇔ 寒色系 |
③ 彩度 | 明清色(爽やか) ⇔ 濁色(魅惑的) |
④ 透明感 | クリア(直感的・わかりやすい) ⇔ グレイッシュ(複雑・洗練) |
※ここでいう「わかりやすい」とは、構成が単純という意味ではなく、誰にとっても比較的とっつきやすい香調を指します。例:シトラスやフルーティなど。
もちろん、これらの判断は日々ブレが生じるはずですし、他の人の評価と異なることも多々あるでしょう。これは、先にも書いた通り、香りというものは、各自の主観的な印象が雰囲気として脳に記録されるからです。
とはいえ、続けることで、少なくとも自分の感覚としては安定してきます。
「この香りは淡いけど、少しグレイッシュだな」
「寒色系で、クリアな印象だからリフレッシュ系かも」
と、より具体的にシーンとの相性をイメージできるようになってゆきます。

「シーン別:パルファンサトリの香り」
それでは、ここからはパルファンサトリの香りを、おすすめの8つの「雰囲気シーン」に合わせてご紹介します。
※あくまでおすすめ例であり、感じ方や使い方に正解はありません。
シーン | 香り |
カジュアル | マザーロード66、ヒョウゲ、水連 |
リフレッシュ | 苔清水、紺白 |
フォーマル | イリスオム、侘助 |
クールダウン | サトリ、桜 |
リラックス | ネム、ソネット、ワサンボン、ヒョウゲ |
ドレスアップ | 紫の上、夜の梅、シルクイリス |
アクティブ | マザーロード66、ヒョウゲ、水連、ノビヤカ |
ビジネス | イリスオム、ミズナラ、苔清水、紺白 |
カジュアルシーン
日常、気軽なショッピングなど
- マザーロード66
- ヒョウゲ
- 水連
→ 軽やかで、わかりやすく清涼感のある香り。
リフレッシュシーン
小旅行、朝の気分転換、気持ちを切り替えたいときに
- 苔清水
- 紺白
→軽やかで、心を奪われるような洗練された清潔感のある香り
フォーマルシーン
式典、舞台鑑賞、ホテルでの会食などに
- イリスオム
- 侘助
→すっきりした落ち着きを感じさせる洗練された香り
クールダウンシーン
夜のひととき、感情を整えたいときに
- サトリ
- 桜
→ざわついた心を包み込んでグッと落ち着かせてくれる、暖かく洗練された香り
リラックスシーン
読書、音楽、自宅でのくつろぎタイムに
- ネム
- ソネット
- ワサンボン
- ヒョウゲ
→淡く暖かみのある、心を和ませる香り
ドレスアップシーン
パーティーや特別なお出かけ、晴れの日に
- 紫の上
- 夜の梅
- シルクイリス
→ツヤ感やきらめきで華を添えてくれる、暖かみのある洗練された香り
アクティブシーン
アウトドアイベント、フットワークの軽い日
- マザーロード66
- ヒョウゲ
- 水連
- ノビヤカ
→軽やかで涼しげな、動きのある場面に自然となじむ香り
ビジネスシーン
仕事の場、プレゼン、初対面などに
- イリスオム
- ミズナラ
- 苔清水
- 紺白
→清潔感と知性を感じさせるクールで洗練された香り

「シーンと香りの組み合わせは無限」
シーン別のおすすめの香りを先のセクションで書きました。
ただ、シーンに合わせて香りを選ぶのも楽しいですが、香りで「シーンを演出する」という発想も、香水の面白さのひとつです。
例えば、カジュアルな日常のワンシーンに、「アクティブな雰囲気」のノビヤカ香りを纏って、気分をあげてみたり、ドレスアップの場で、「リラックス系」のソネットを纏うことで、癒しを演出することもできます。
なお、冒険をされる時は、香りの付け方にひと工夫加えることでうまく行くことが多いです。香りの付け方については、よろしければ以下の記事も参考にしてみてください。
皆様の香り選びの時間が、楽しいひとときとなりますように!
ニックネーム:T.T
プロフィール:香水ソムリエ。パルファンサトリ フレグランススクールにてインストラクターをさせていただいていました。現在はアトリエで接客を担当しております。
カラーイメージを掴むための参考に、よろしければ以下の記事も参考にしてみてください。
香水ソムリエが6月のイメージカラーで選ぶ 、 パルファンサトリのおすすめ香水
香水ソムリエが7月のイメージカラーで選ぶ 、 パルファンサトリのおすすめ香水
香水ソムリエが8月のイメージカラーで選ぶ 、 パルファンサトリのおすすめ香水
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