沈香に倣う──香水における緩やかな香り立ちの設計思想 ──熱分解と昇華、香りの時間と空間をめぐる考察 ■ 香木の香りと時間の体験 香木が静かに香る様子には、どこか時間の流れを感じさせる趣(おもむき)があります。香炉の中の小さな炭は灰で覆われ、間接的に熱を伝えます。沈香や伽羅…
MOTHER ROAD(マザーロード)──17年愛される香水の物語 名前の由来と背景 「MOTHER ROAD」は、アメリカのロサンゼルスからシカゴを結ぶ国道「ルート66」の愛称です。スタインベックの小説『怒りの葡萄』の中で、“The Mother Road”と表現されたこの道は、かつて…
ひそやかに広がる香り──「苔清水」が辿りついた森の記憶 最近、あるインフルエンサーの方がご紹介くださったことをきっかけに、香水「苔清水」に静かな関心が寄せられています。 いまの流行とは少しちがう、ひとりひとりの記憶にやさしく触れるような広がり。「初めてなのに懐かしい」「森の中…
「ヒョウゲ-HYOUGE-:抹茶香水の魅力と秘密」 抹茶香水の魅力「ヒョウゲ -HYOUGE-」2008年制作 ヒョウゲ、それは物心ついた頃から慣れ親しんできた、茶室で感じる雰囲気や文化そのものを香りで表現したものです。こんにち、「日本の緑茶」は海外でも定番の飲み物となり…
香りを包む、美しい紙の物語。 母の日限定バスソルトに込めた想い Parfum Satori のバスソルトは、香りだけでなく、その佇まいにも物語があります。今年の母の日に向けて、数量限定でご用意した「バスソルト3袋セット」。その中のひとつには、特別な手…
ジャパニーズウイスキー『ミズナラ』から生まれた香水:芳醇な樽香の世界 『ミズナラ-MIZUNARA』香水は、2018年に「パルファン サトリ」から発表され、日本固有のミズナラの木とその木で熟成されたジャパニーズウイスキーの豊かな香りからインスピレーションを受けています。新緑の風と芳醇な樽の香りが融合したこのシェアフレグランスは、幅広い層に支持されています。特に群馬県赤城山でのフィールドリサーチから得た自然の美しさが、香調に繊細で深みのあるエッセンスを加えています。
暁の茶事に宿る侘び寂びの香り:新作香水の物語 序章:侘び寂びの精神 茶道の「侘び寂び」とは、シンプルさや静けさの中に潜む美しさを表現する哲学です。今回の香水は、利休の侘び茶に触発され、その精神を香りで表現して作られました。 特別な茶会を場面に、夜明け前の静寂と、日の…
思い出が蘇る:キンモクセイの香水「ソネット-SONNET-」 2011年、東日本大震災の深い悲しみの中で誕生した香水「ソネット」。家族の絆を感じさせるキンモクセイの香りが、世代を超えて愛され続ける理由を紐解きます。
合歓の香水:万葉の夢を紡ぐフローラルパウダリー 2008年に制作されたパルファンサトリの香水「ネム-NEMU-」は、万葉集に詠まれた合歓の花にインスパイアされ、ライチとローズの香りが織りなす、日本の情緒を感じさせるフローラルパウダリーの香りです。
水面に揺れる夢:スイレン-SUIREN-の香水とその物語 モネの庭と「スイレン-SUIREN-」の香水 2007年制作 イメージ 「スイレン-SUIREN-」の香りは、モネの庭に触発されて作られました。水面に揺蕩う、露を含んだ睡蓮の花。きらめく陽の光と木影の反射、風とさざなみ。…
自然を歩く香り「苔清水-KOKE SHIMIZU-」メイキングストーリー 苔の種類 苔類は四億年の歴史を持つ、あらゆる植物の祖先です。世界中には一万種類を超えるとか。 中でも日本は雨が多く、湿度も高いため苔がよく育ち、約1,800種が自生すると言われています。日本庭園でもよく利用される身近な植…