紺と白の調和：「コンシロ-KON SHIRO-」2013年制作
イメージ
「コンシロ-KONSHIRO-」の香りは、シンプルで上質な日本の暮らしになじむ色の組み合わせ「紺と白」をイメージしています。
朝、最高級のコットンシャツに袖を通し、清々しい高揚感をまといながら呼吸を整えるひととき。スーツを着こなす、オフィシャルな装いに似合います。
夜はお仕事終り。バスタイムでさっぱりとした気分のあと、ひとり静かに過ごす憩いの部屋。清潔なリネンに包まれて眠るまで、安らぎがお供します。
香調
「コンシロ」のトップノートは、大人っぽい爽やかさ。果汁の爽やかさに加えて、白い中果皮のほろ苦みとグリーンが特徴です。その後のミドルノートでは、ドライプルーンのような濃縮した甘さと深みが出て来ると思えば、温かみのあるウッディに移り変わり、アルデヒドが滑らかな光沢を与えます。、最後はリネンにアイロンをかけた時のような、清潔感のある香り。ラストまで続くさらっと乾いた肌ざわりの香りは、「紺と白」の清潔感と品の良さにあふれています。
香りの骨格
2種類のオリジナルベース
「コンシロ」の香りは、二つの大きなオリジナルベースを中心に作られています。
一つ目は「ヒュミディテ（湿度）」というベース。アルデヒドやシトラスからなるビターでシャープな香りです。これは香水コンシロの中では主として前半部分、トップノートのパートを担当しています。
それは熱いシャワーを浴びた後に、湯気の上がる身体をホテルの白い大きなバスタオルで包むシーンを表現します。
もう一つは「ダウンロウベース」。カカオ、タバコ、ドライプルーン、オレンジフラワーなどを組み合わせた、オリエンタルで重めな香りです。
これはゆったりとした就寝前の書斎を思い描いたもので、ブランデーを片手にドライフルーツとビターチョコレートをつまみながら、葉巻を楽しむ贅沢な大人の時間を表現しています。
この対極にある二つの香りベースを合わせるのは、ちょっと勇気がいりました。
使用素材、香料について
「コンシロ」に使用されるアルデヒドC-12 MNAは、メタリックな固い香りでランドリーのような要素を持ちます。特に「ヒュミディテベース」の中では、まっ白な洗いたてのバスタオルやアイロンをかけたリネンのシャツのような清潔感を出しています。
ダウンロウベースに入れた、カカオアブソリュートも重要な香料の一つです。天然香料の素材として、カカオアブソリュートはかなりパワフルな香料であり、深みとコクを加えるためにオリエンタルの香水にしばしば処方されます。
※こちらの詳細情報は、「カカオの香料；にてお読みください
アルデヒド、アルデハイド、Aldehydeとは
アルデヒド（アルデハイド）という言葉を香水の世界でよく耳にします。
アルデヒドは、自然界にも存在し、香水にもよく使用される芳香物質の一種です。その構造に応じて「軽やかさ」から「深み」まで、香水に多様な香りの層を加えます。
特に脂肪族アルデヒドは、炭素数が異なることによって、さまざまな「香りのキャラクター」を持っています。
それぞれのアルデヒドが持つ独特の香りが、香水の複雑さと魅力を形成する重要な要素となり、「アルデハイドタイプ」と呼ばれるような香調の分類、タイプ名にもなっています。
ベースとは
数本から十数本が合わさったベース香料（調合香料）は、香水を作るプロセスで、柱となるイメージを積み上げるために作られます。
2-3本の香料をバランスよく合わせたアコードが和音なら、いくつかの和音が集まって旋律になるように、アコードを重ねて香料のベースができていきます。さらに長くなれば一小節や小品のような調合ベースになり、さまざまな作品に応用していくことができます。
すでに調合香料として販売されているベースもありますが、調香師は自分のイメージに合ったオリジナルでベースを作り、それが調香師の刻印ともいえる特徴を作ることがあります。
分析データから作った香りや、既成のベースとは異なり、オリジナルベースとは、その調香師の創造性の根幹にあたるものです。
紺と白の配色
夏の涼し気な浴衣の柄。染付の食器の藍（あい）と白。瑠璃色のレトロガラスカップ。シンプルで上質な日本の暮らしになじむ色の組合せです。
もちろん、「紺と白」は、ビジネスシーンでのスーツやオフィスカジュアルに多く見られ、さまざまなスポーツシーンで好まれます。
「黒と白」の装いはフォーマル感が強くシャープなイメージがありますが、それに比べ「紺と白」はソフトでフォーマルより幅広く使えます。
香水「紺白-KONSHIRO-」の香りは、朝のアクティブな始まりや、夜のリラックスタイムにもまとえる、日々のさまざまな瞬間で活躍する一本です。
香水「紺白-KON SHIRO-」のページ→コンシロ
