私的 桜 情緒巡り 春は突然やってくる。 日夜更新される開花予報に半ば急かされながら、変わらぬ朝に辟易とした心を強引にも揺すり起こす。 気持ちは未だ冬の中。 春。を迎えると世の中から求められている気がする。明るく気丈に振る舞うこと。重ねる日…
香り が記憶を壊し、再び繋ぐとき|IRIS HOMMEという物語 香り が導く、過去の破壊と接続 寒空の元凍れる外気のその只中あなたは何処で何をしているのだろう 気づけば猛る恋慕は薄れ、枯れた想いがしがない筆を走らせる。 約1年ほど前だっただろうか。 都会も都会。その一角。押し込められ…
ありのままが美しい──究極のシンプル、「 侘び寂び 」という美意識 ありのままが美しいという感覚 私たちはいつから「完璧であること」を美しいと思うようになったのでしょうか。 一方、それとは対照的に、慎ましく質素なものや不完全なものにこそ趣や魅力を見出す美意識があります。 それが「侘び寂び…
HANAHIRAKU-ハナヒラク- メイキング —濃度設計 (賦香率) という調香 HANAHIRAKU-ハナヒラク- 初夏に咲く朴(ホオ)の木の花は、子どもの頭くらいはある。 この巨大な花は、崇高と言ってもいい。遠くに木の姿が見えるころから、香りはもう届いている。あたり一帯に拡散しているのだ。私は近づ…
香りに出会うための場所──PARFUM SATORI 香りジャーナル 書きたい気持ちがあふれて 香水のブランド設立後、2009年に、個人で「パルファンサトリの香り紀行」というブログを始めました。そこでは、香水のことだけでなく、読書、植物、和のこと、食べもの、音楽、芸術など、さまざまな事柄を…
常盤の松 — 新しい年に寄せて 年頭のご挨拶 新しい年を迎えました。皆さまにとって、穏やかで健やかな一年となりますよう、お祈り申し上げます。本年も、香りとともに、静かに考える時間を大切にしていきたいと思います。 松について 松は冬でも葉を落とさない常緑…
塩野のゆず饅頭から始まる、 柚子の香り——冬至と暮らしの節目を結ぶ ふたを開けた瞬間の、柚子の香り お菓子の箱の蓋を開けると、ふわっと 柚子の香り が立ちます。 今日、塩野のゆず饅頭を久しぶりに買いました。四十年以上前になりますが、冬になると父のお使いで、ここの柚子饅頭を買いに来たもので…
ひとりで過ごす 大人のクリスマス |静かな香りのご褒美時間 行事を卒業した 大人のクリスマス 12月になると、街はクリスマスの飾りでにぎやかになります。クリスマスからお正月へとイベントが続くこの季節、若いころとは少し違う「 大人のクリスマス 」の過ごし方を考えるようになりました。…
”捉え直す”という捉え方 ―オリエンタリズムを引きながら 先日グランドツアーを題材とした映画を鑑賞した。 (※グランドツアー:”近世英国の習慣として、貴族や裕福なジェントリ層の子弟の多くが、外国語を学び、一流の芸術や古代遺跡などの異文化に触れて教養を高め、洗練したマナーを身につ…
PARFUM SATORI コレクション|香りの設計 ─時間と空間の中で生きる香り─ 香りの設計 ― 時間と空間の中で生きる香り ― BASIC(ベーシックコレクション)で確立された“ 香りの設計 ”は、香りがどのように立ち上がり、空気の中でどのように変化し、やがてどのように静かに消えていくかという、時間…
和菓子 に見る芸術──日本の四季と香りが奏でる美のかたち 暑かった夏も終わり、すっかり秋らしい季節になりました。 芸術の秋に食欲の秋、秋は人の感性を静かに呼び覚ます時季でもあります。 身近な存在にあって、芸術と食欲の両方を満たしてくれるものは何だろうと考えた時、私が真っ先に思い…
This is の正体 —パルファンサトリ の香りの語彙をめぐって— 日本人の感性に寄り添う香りを探求し続けてきたパルファンサトリ。アトリエで生まれる香りと、その背景にある美意識を「This is」の言葉から読み解きます。