「 初めての香水 」に興味はあるけれど、何から始めればいいのか分からない。
大学生になって、そんなふうに思う人は意外と多いのかもしれません。
最近、大学生の男性スタッフと話していて、少し意外なことを聞きました。
大学に入ってから急に香水に興味を持つ男子が、思ったより多いというのです。
女子はもっと早い時期から香水に触れていることが多いけれど、男子は大学で初めて香水デビューすることが多く、何を選べばいいのか分からない。そのスタッフが「香水のお店でアルバイトをしている」と知ると、友人たちがいろいろ聞きに来るのだそうです。
高校までは制服や部活、受験などで、香りにまで気持ちが向かなかった人もいるでしょう。それが大学に入ると、服の選び方が変わり、人と会う場面も増え、自分をどう見せるかを少し意識するようになる。そんな変化の中で、香水が急に身近になることがあります。
ただ、興味はあるけれど、いきなり店に行くのは少し気後れする。高いものを買って失敗したくない。自分に似合う香りが何なのかも分からない。そう思うのは、ごく自然なことです。
そんなときは、最初から詳しくなろうとしなくても大丈夫です。まずは、自分に合うかどうかを静かに試してみるところから始めればよいのです。
大学に入ってから香水に興味を持つ人は意外と多い
大学に入ってから香水に急に興味を持ち始めるのはなぜでしょう。
大学に入ると、服の選び方が変わり、人と会う場面も増え、自分をどう見せるかを少し意識するようになる。そんな変化の中で、香水が急に身近になることがあります。
ところが、特に男子学生の場合、周囲に詳しい友人があまりいなくて、何を基準に選べばいいのか分からないことも多いようです。
でも香水は、詳しい人だけのものではありません。むしろ、分からないからこそ、少しずつ試していける入口が必要なのだと思います。
最初から高いフルボトルを買わなくていい
初めて香水を選ぶとき、つい「ちゃんとした一本を選ばなければ」と思ってしまうことがあります。けれど、最初から高いフルボトルを買う必要はありません。
香りは、頭で理解するより先に、身体で感じるものです。その場でよいと思っても、翌日には少し違って感じることがありますし、季節や天気、その日の体調でも印象が変わります。店頭で一度試しただけで、長く付き合える香りかどうかを判断するのは、案外むずかしいものです。
だからこそ、最初に大事なのは「高いものを買うこと」ではなく、毎日使えるか、自分が心地よいと思えるかどうかです。背伸びをして選ぶより、自然に手が伸びる香りのほうが、結果として長く付き合えることが多いのではないでしょうか。
知識が少ないうちは、それで十分です。香りの名前や系統をたくさん知らなくても、自分が落ち着くか、気持ちよく使えるか、それを確かめることのほうが先にあります。

香りは、少しずつ試せるものから始めるのがよい
初めての香水選びには、少しずつ試せる形が向いています。少量で試せると、失敗したと感じにくくなりますし、香りとの距離も取りやすくなります。
たとえば、一日つけてみてどう感じるか。朝と夕方でどう変わるか。暑い日と涼しい日で印象は違うか。そういうことは、実際に少しずつ使ってみると分かってきます。
香りは、最初の一瞬だけで決まるものではありません。何度か試すうちに、だんだん「これは落ち着く」「これは少し強く感じる」「これは今の自分にはまだ早い気がする」といった感覚が育っていきます。その積み重ねが、自分なりの選び方になっていきます。
初めての香水 は、軽めの香りから
どんな香りから試せばよいか、少しだけ道案内をするとすれば、最初は軽めの香りが馴染みやすいと思います。
男性用・女性用という区分けはあまり気にしなくて大丈夫です。自分が「いい」と感じる香りであれば、それで十分です。ただ、最初の一本として選びやすいのは、シトラスやグリーン、マリン系のような、さわやかで清潔感のある香り。つけていることを意識させすぎず、それでいてちゃんと香る。そういう香りは、日常の中に自然と溶け込みます。
「香水をつけるぞ」と少し気負って、セクシーで存在感の強い香りに最初から手を伸ばすのは、少し待ってみてもよいかもしれません。「まず香りをまとうことに慣れてから」でも遅くはないはずです。
やわらかいフローラル系も、今の時代には自然な選択肢のひとつです。幼いころから衣類や暮らしの中でフローラルの香りに親しんできた世代にとっては、どこか落ち着く、安心できる香りのひとつです。
価格も、初めての香水 選びでは大切
大学生にとっては、価格も大切です。一万円以下で入りやすいものなら、香りを試してみたいという気持ちを、無理なく形にしやすいでしょう。
そういう意味でも、いきなり一本を決めるより、少量から試せる形は、初めて香水を選ぶ人に向いています。いろいろなブランドでも、小さな香水をいくつか試せるセットが用意されています。まずはそうしたものから、自分の感覚に合う香りを見つけていくほうが、香水との最初の出会いとしては自然だと思います。
贈りものなら、バスソルトという入り口もある
香りを贈りたいと思っても、香水そのものは少しむずかしいことがあります。香りの好みは思っている以上にはっきりしていて、相手にぴったり合う一本を選ぶのは、案外むずかしいからです。
そんなとき、香りの入口として考えやすいのがバスソルトです。香水ほど直接的ではなく、生活の中でやわらかく香りに触れられる。贈る側にとっても、受け取る側にとっても、少し気軽なところがあります。
香りを身につけるのはまだ少し勇気がいる、という人でも、お風呂の時間に香りを楽しむことなら受け入れやすいかもしれません。自分用としても、贈りものとしても、香りとの距離をやわらかく縮めてくれる形です。
さらに、使った後にブックカバーとして残るような工夫があると、贈りものとしての印象もより静かに深まります。香りそのものだけでなく、使ったあとにも余韻が残る。そういう入口は、香りにまだ慣れていない人にも、無理なく受け取ってもらいやすいように思います。

初めての香水 は急いで決めなくてもいい
香りは、人に見せるためだけのものではなく、自分が心地よく過ごすためのものでもあります。背伸びをして難しく考えすぎるよりも、自分の感覚で選ぶ。
最初の一本は急いで決めなくても大丈夫です。まずはつけてみること。その中で、「これなら自分に合う」と思える香りに出会えたら、それがいちばんよい始まりになるはずです。
発信:PARFUM SATORI
創業者・調香師 大沢さとり

