同じ重さの黄金より価値のある最高の沈香木・伽羅の香り。その香りが一本の道筋となって香炉から立ち上るさまを、女性の凛とした姿勢になぞらえています。
和室では、光のやわらかなほの明るさに立居振舞がより美しく映えます。さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂にその女性の面影を追う…そうした日本の美意識をこの香りにこめました。
辛・苦・甘・酸・鹹(しおからい)の五味を持つといわれる伽羅の香。この五味のうち、一の辛味は肉桂(シナモン)・丁子(クローブ)のスパイシー、苦味は可可阿(カカオ)、甘味を香草蘭(バニラ)でそれぞれ表現。酸と鹹は、苦橙(ベルガモット)と樫の木の苔(オークモス)のシプレーをわずかに使うことで陰翳を深めました。 これらの五味を白檀(サンダルウッド)や乳香(オリバナム)を中心とするウッディでまとめあげ、全体として優しさとあたたかさを醸し出すようさまざまな香料を調合。伽羅の香りに象徴される和の世界観を表現しました。