Q&A|強く香らせない。 香水3レイヤー のコツ|PARFUM SATORIの考え方

雨の日、足元から香りが立ち上がるイメージを表現した写真

香水3レイヤー とは

香水を使い慣れてくると、一度は浮かぶ疑問があります。
「重ねて使ってもいいのだろうか?」
「レイヤーって、どうやるのが正解なのだろう?」

今回は、その問いにQ&A形式でお答えします。

Q:香水は、重ねて使ってもいいのでしょうか?

A:香りは混ぜず、ほのかにまとう。

これが、パルファンサトリの一貫した答えです。

ブランド創立以来、私たちが変えずにお伝えしてきたのは、「過不足なく。つけすぎないこと」。
香水は、ふとした瞬間に、その人の印象をそっと引き上げるためのものだと考えています。

これは、「ごく少量で我慢する」という意味ではありません。
香水は、きちんと香りを感じられる量を使ってこそ、はじめて楽しいものです。


なぜ「混ぜない」ほうがいいのか

一本の香水は、数十から百種類以上の香料を、微量単位で組み合わせて設計されています。
ほんのわずかな配合差で、香りの印象は大きく変わります。

完成した香水同士を、液体として混ぜたり、同じ場所に重ねたりすると、その繊細なバランスが崩れてしまいます。
おいしい料理同士でも、鍋で混ぜれば別のものになってしまうのと同じです。

そのため、パルファンサトリでは、香水は一本ずつ、その設計を味わうことを大切にしています。

それでも「レイヤー」が語られる理由

近年、「レイヤー(重ねづけ)」という言葉が広く使われるようになりました。
これは、香りの楽しみ方が少しずつ成熟してきた表れでもあります。

ここでいうレイヤーとは、香水を混ぜることではなく、
つける場所によって香りの役割を分けることです。

香り同士を肌の上で混ぜるのではなく、空間で調和させる。
これが、現代的なレイヤーの考え方です。


強く香らせないための「 香水3レイヤー法 」

おすすめしているのが、次の3つの考え方です。

つける量を減らすのではなく、
香りが心地よく立ち上がる場所に分散させる。
それが、3レイヤー法の考え方です。


① ベース:下半身につける

腰や太ももには、香りをきちんと感じられる量をつけます。
下半身は体温が比較的穏やかで、香りが一気に立ち上がりにくいため、
上半身よりもしっかり使っても、強くなりすぎる心配はありません。

動いたときに、足元からふわりと立ち上がるくらいが、
全体のバランスとしてちょうどよいでしょう。

② ミドル:胴まわり、衣服の内側

胸元や背中など、直接鼻に届きにくい場所。
ここでは香りが和らぎ、肌の香りとなじみます。

「肌から香る」という感覚をつくるのに、
とても適した位置です。

③ トップ:上半身は最小限に

手首など、香りが立ちやすい上半身は、量を足す場所ではありません。
シルクイリスのような柔らかな香りを、
全体をまとめるために、軽く添える程度で十分です。

香りを控えめにする、というよりも、
香りの重心を下げると考えるほうが近いかもしれません。

上半身を軽く保つことで、下半身の香りは安心して使える。
そのバランスが、全体として「強すぎない」印象をつくります。

香り同士は、肌の上ではなく、
空間の中でふわりと重なります。


なぜ「つけすぎ」は起きてしまうのか

同じ香りを使い続けていると、嗅覚は自然と慣れていきます。
自分では「もう消えた」と感じても、周囲には十分に香っていることが少なくありません。

その結果、無意識のうちに量を足してしまうことがあります。
これは、経験の浅さではなく、人間の感覚の特性によるものです。

だからこそ、最初から「やや控えめ」を基準にすることが大切です。

香りは、ふとした瞬間に届けばいい

素敵だと感じる香りの多くは、強く記憶に残りません。
正確には、「香水」ではなく、「その人の雰囲気」として記憶されます。

すれ違いざまに、ふと。
何かのしぐさの拍子に、ほのかに。

そのくらいが、ちょうどいいのです。

秋の日、足元からふわりと香る余韻を表現した写真
香りは、季節とともに、足元から立ち上がる。

原則:香水は「主張」ではなく「余韻」

香水は、量ではなく、距離で感じるものです。
強さで印象を残すのではなく、距離の中で信頼を積み重ねていくもの。

強く香らせないことは、遠慮ではなく、成熟した選択だと私たちは考えています。


発信:PARFUM SATORI(パルファンサトリ)

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