スイレンに見る「水」という精神的象徴性 スイレンの香りが喚起する情景 パルファンサトリのスイレンを香る 霧がかった水面を想像する。それは眼前にだけ広がっていても良いし、周囲一帯を覆いつくしていても良い。 確かな体覚として湿り気の中に居て、視線は霞みを超えたあた…
金木犀(キンモクセイ)― 共通の香りが教えてくれる境界と敬意 金木犀 香り が映し出す「自」と「他」の境界 金木犀 香りは、誰にとっても「あ、金木犀だ」と分かる共通の合図です。けれども、その瞬間に立ち上がる記憶や感情は、一人ひとり固有のもの。共通の刺激から、個別の物語へと分岐してい…
「紫の上」に込められた、源氏物語から続く香りの美学(後編) やまとことばに根差す「かをり」と「にほひ」は、発音体感と情景が結びつき、日本人の美意識や文化に受け継がれてきました。平安期の源氏物語にも表れ、現代の香水文化にも影響。言葉と響きが織りなす感覚は、今も私たちの感性を豊かにしています。
やまとことばで感じる香り―「かをり」と「にほひ」の語感(前編) やまとことばに根差す「かをり」と「にほひ」は、発音体感と情景が結びつき、日本人の美意識や文化に受け継がれてきました。平安期の源氏物語にも表れ、現代の香水文化にも影響。言葉と響きが織りなす感覚は、今も私たちの感性を豊かにしています。
香りとメイク 〜歴史とコーディネート術〜 1. メイクの歴史と日本での変遷 毎日のメイクは欠かせないし、すっかり生活の一部となっている、という方は多いのではないでしょうか。最近では男性の間でも身だしなみの一つとして、また美容意識の高まりからメイクされる方が増え、…
コンシロに見る“間”の美学──日本の色彩文化と香りの哲学 (一)紺と白のあわいに宿る、すべての色彩 紺と白の間に、全ての色調が詰まっている。憂いに濡れる湿夜から、雌伏を讃える薄明まで。暗澹とした深淵から、淡い七彩が分光する清澄まで。全ての色彩は詰まっている。紺と白の間に。 人は…
浴衣と香りの心地よい関係 ― シアーな香りが肌に寄り添うように ― 浴衣にこめられた美意識とそれにマッチするパルファンサトリの香り。なかでも引き算の美学を体現したようなシルクイリスとイリスオムと浴衣ならではの味わい。また、浴衣は非日常の入り口。「なりたい自分」を思い描くことで潜在意識が働くため、この機会を活かせば、新しい自分に出会えるかも?
和精油とノビヤカ 今回は精油、その中でも特に「和精油」に焦点を当てて話をしよう。 概略 精油(エッセンシャルオイル)は植物の部位、例えば、花・蕾・葉・草・根・枝・果実・果皮・種子・豆・樹皮・樹幹など、多様な部分から抽出される「純天然」の芳…
沈香に倣う──香水における緩やかな香り立ちの設計思想 ──熱分解と昇華、香りの時間と空間をめぐる考察 ■ 香木の香りと時間の体験 香木が静かに香る様子には、どこか時間の流れを感じさせる趣(おもむき)があります。香炉の中の小さな炭は灰で覆われ、間接的に熱を伝えます。沈香や伽羅…
香りとシーンの心地よい関係 香りは「何の香りか」より「どう感じたか」で記憶されるもの。シトラス系=軽やか、ウッディ系=落ち着きなど、色や印象と結びつけてシーンに合わせて選ぶと、自分らしい香りのまとい方が見えてきます。パルファンサトリの香りを8つの雰囲気別にご紹介。
苔清水──雨と静謐の季節に寄り添う香り どんな場所も環境も、息が詰まるような、鬱蒼(うっそう)とした。それは緩く、生暖かい。総身に幾らかの重しを科されたような気怠い時候。6月。1年のちょうど真ん中。皆さんはこの1ヶ月に何を思い、何を感じるのだろうか。 前述の体…
雰囲気で選ぶ、自分らしい香りのまとい方 香りは洋服を選ぶように、感覚で似合うものを見つけられます。「キャラ」や「カラー」を思い描き、自分の雰囲気と調和するかを感じてみてください。視覚に頼れないぶん、嗅覚を使うことで自分らしさが見えてきます。