ひとりで過ごす 大人のクリスマス |静かな香りのご褒美時間

白いクリスマスツリーに揺れるゴールドのオーナメントは 大人のクリスマス にふさわしい

行事を卒業した 大人のクリスマス

12月になると、街はクリスマスの飾りでにぎやかになります。
クリスマスからお正月へとイベントが続くこの季節、若いころとは少し違う「 大人のクリスマス 」の過ごし方を考えるようになりました。


日本ではクリスマスが終わると、すぐに松飾りとお正月の準備へと移っていきます。
クリスマスは、もともと海外のイベントですし、昭和時代のような熱狂も、今はあまり感じません。

昭和の頃は、どうしてあんなに盛り上がっていたのでしょうね。子供のころは商店街でも、デパートでも、クリスマス一色。サンタが来ると信じていたころは、一年で最も楽しみなイベントでした。
その後の高度成長期を経て、バブルの時代に至り、イルミネーション、ケーキ、ホテルディナー、プレゼント…。

あの時代は「クリスマス=特別な日」として、皆で同じ方向を向いていたようにも思います。

今は、ケーキも一年中食べられますし、欲しいものがあれば、いつでも自分で買える豊かな時代です。
「この日じゃないと手に入らない」という特別感は、ずいぶん薄れました。


その代わりに、行事に振り回されず、自分に合った時間の使い方を選べるようになってきたのかもしれません。

私は、家族の行事はある程度、もう卒業した気分でいます。
にぎやかな場は嫌いではありませんが、今の自分にとってのクリスマスは、
「自分のためのご褒美の時間」です。

昔は「一人のクリスマスは寂しい」と思われがちでした。
若い頃の私も、どこかでそう教え込まれていたように思います。マーケティングの刷り込みでしょうか?

最近は、誰かと過ごす日があってもいいし、静かに一人で過ごす日があってもいい。
そのときの自分に合うほうを選べること自体が、「大人のクリスマス」の贅沢なのだと思います。

大人のクリスマス のために、バスルームに灯したキャンドルのやわらかな炎

ホテルで使うバスソルトという、ご褒美

宣伝のつもりはまったくないのですが、
私は旅先のホテルで、お風呂にバスソルトを使うのがとても好きです。

ホテルのバスルームには、日常の生活臭がありません。
お湯をを満たしてからバスソルトを入れると、香りがきれいに立ち上がり、
バスタブにつかった自分の身体と、湯気のあいだから、ふわっと香りが広がります。

ベッドに入ってからも、新しいシーツの間でほんのりと香りが続きます。
強すぎず、でもちゃんとそこにある、特別な感じ。
一度それを知ってしまうと、香りがまったくないと、少し寂しく感じてしまうほどです。

クリスマスの日に、ホテルで過ごす必要はありません。
けれど、自宅でもできるだけ「生活感のにおい」を少し遠ざけて、
小さな“ホテル気分”をつくることはできます。


大人のクリスマス 、暖炉の前に置かれた白いバラの花束とグラスワイン

市場のペースに乗らず、ひとりの静けさを楽しむ

今の時代、クリスマスだからといって、「必ず誰かと一緒に、にぎやかに過ごさなくては」と思うこともなくなりました。

欲しいものは大体、自分で買える。
ケーキも、プレゼントも、いつでも手に入る。
それなら、年に一度のこの時期くらい、市場のペースからすっと降りて、

「ひとりの時間を楽しむ。」

そんな選択をしてもいいのではないでしょうか。

大人のクリスマスの 、小さな儀式

私が思う、大人のクリスマスの夜は、とてもシンプルです。

  • バスルームはキャンドルの明かり
  • いい香りのお風呂にゆっくりつかる
  • 湯上がりに本を読みながら、温かい飲み物を味わう

それだけで、十分に豊かな時間になります。

大人のクリスマス の夜に、私が選ぶ小さなごちそう

ひとりで過ごすクリスマスの夜に、私がいちばん欲しいのは、
何かに急き立てられることもなく、しなければならないことから解放されて、心を守る、きままな時間です。

昼から夕方までにはきちんと食事をすませておいて、夜は「おやすみ前の小さなごちそう」を少しだけ。
ごちそうは、食べものそのものよりも、「ゆっくり味わえる時間」なのだと思います。

だから、食べものの用意に追われて、台所とテーブルを行ったり来たりしているうちに、気がついたら夜が終わってしまっていた……というのは、少し本末転倒かもしれません。

もちろん、料理を作ること自体が楽しい方は、どうぞ大ご馳走を用意してください。
キッチンに立つ時間そのものが、その人にとっての「ごちそうの時間」になるはずです。

私の場合は、特別な食べものではなく、「いつも家にありそうなもの」で充分。
むずかしいレシピを追いかけるよりも、本のページをめくりながら、ほっと一息つけるものがそばにあれば、それでいいように思います。

そんな「時間のおとも」として、私がよく用意するささやかなものを二つほど挙げておきます。

◆チーズとりんご、白ワインを少しだけ

薄く切ったりんごと、好みのチーズを少し。スプーンにすくったマヌカハニーを、少しずつ舐めながら。
グラスに少しだけ白ワインを注ぐと、それだけで立派な「一人の晩餐」になります。

◆バニラアイスにヨーグルトと塩をひとつまみ

バニラアイスにプレーンヨーグルトをかけて、塩をほんの少し。
甘さの中に、ヨーグルトの酸味と塩気がきいて、意外なほど大人のデザートになります。

どれも凝ったレシピではありませんが、
「自分が本当に好きな味」を、自分のために少しだけ丁寧に用意してあげる。
それだけで、ひとりのクリスマスの夜は、静かで贅沢なご褒美になります。

大人のクリスマスに楽しむ紅茶と小さなスイーツのティータイム

電子レンジでつくるあたたかい飲み物

冬の夜は、暖かい飲み物もいいですね。
手の込んだ作り方ではなく、電子レンジで作るのが簡単です。
お風呂上りや、夜寝る前にキッチンに行って、さっと作れて、
洗いものもほとんど出ないのがいいところです。

◆ホットココア

耐熱カップに

  • ココアパウダー 小さじ2
  • 砂糖 小さじ2

を入れて、よく混ぜます。
そこに 牛乳 小さじ2 を加え、なめらかなペースト状になるまで、よくよく練ります。

ペーストができたら、牛乳 150ml を少しずつ注ぎ、だまにならないようにかき混ぜます。
電子レンジで 1分半程度 温めれば、できあがりです。

マシュマロの残りなんかあると嬉しいですね。

牛乳を泡立てるカプチーノ用のミキサーがあれば、仕上げにふわふわの泡をのせても。
生クリームよりもあっさりしていて、寝る前にも重くなりすぎません。

◆ホットワイン

  • 赤ワイン 適量
  • はちみつ 大さじ1
  • スティックシナモン 1本

赤ワインを耐熱カップに入れて温め、はちみつを加えて、スティックシナモンでよく混ぜます。

あればオレンジスライスを一枚浮かべてもきれいですし、
スパイスが好きなら、クローブやジンジャーをほんの少しだけ加えても。

ボトルに残ってしまったワインを混ぜ合わせて使っても大丈夫です。
湯気といっしょに、スパイスと果物の香りが立ち上り、静かな夜にふさわしい「大人の一杯」になります。

キャンドルの炎と、お風呂上がりの余韻。
そして手の中の、温かいカップ。

誰かと比べない、誰かに見せるためでもない、
「自分のためだけのクリスマス」は、
とても静かで、贅沢な時間だと感じています。


発信:PARFUM SATORI(パルファンサトリ)/ 創業者・調香師 大沢さとり


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