PARFUM SATORI®︎

最新情報

2011.05.12

バラ色の雲、ニュアージュローズができるまで

南仏のバラ色の雲、ニュアージュローズという名の香水。

南仏のさらっとした空気、明るい太陽。
朝と夕は、空いっぱいにピンクと紫が交互に広がる。

グラースで出逢う天然香料と、南仏の風景はいつもひらめきを与えてくれる。

人工的でなく、かつシンプルでもない。
複雑すぎず、丁寧に作った感じ。

バラとスミレとの組み合わせは特に新しいアイデアではないが、重くくどくならないようにしたいとずっと考えていた。

南仏の空に染まる優しい色の雲のような、そんな香りを作りたくて
処方をずっと組んだり崩したりした。

イリスは、ここでも使われた。
そして、スミレほど強くなく、粉っぽいミモザは、バラ色と紫の間をぼかすような、優しいトーンを与えた。

グラースには植物園があり、5月はバラの花盛り。
香料用のバラはもちろん、さまざまな香りのバラがある。

中でも、フルーティノート、果物の香りのグループには心魅かれていた。
まだ青く固い果実の香り。
爽やかでみずみずしい。

りんごや梨、ベリー調の香りのバラもある。
バラの香りに、この洋梨のフルーティを強化したら・・・。

今回の新しい香水、ニュアージュローズのトップノートに何を持ってこようか迷っていた時、ふっとこのグラースのフルーティなバラの香りを思い出した。

バラの香りは、もともと洋梨の香りを含んでいる。
ゲラニルアセテート、シトロネリルアセテート、ヘキシルアセテートという匂い成分は、バラの香りを作るときに爽やかさを出す重要なノートだ。

ちょうど、とてもよい洋梨のベースを作っていたのでトップノートに合わせることにした。
洋梨の甘さ、爽やかさ、そしてとろけるバターのようなクリーミー感。
このベースを作るために、カンヌで毎日食べていた思い出の味と香り。


ラストは色が濁らないよう、質のよいサンダルウッドを少量。
今はインドマイソール産を使うのは現実的ではない。
これはスリランカ産のサンダルウッドだが、甘さがあり、とてもパワーがある。
インドネシア産、オーストラリア産などと共にいくつかの中から選んだ。

サンダルウッドが、ニュアージュローズの透明感を損なわないようにしつつ、全体の輪郭を描き出す。
そういう効果を出すのは、合成のサンダルには絶対にできないことだ。

ここまでくれば、あとは99パーセントまで来た処方を微調整。
作業は一万分の1から十万分の1の香料を増やしたり減らしたり。
このさきにも数十の試作がある。

もう、ひと色。
つかもうとしてなかなかつかめない、どこで良しとするかは、ちょっと油絵を画くのにも似ている。


よくある人工的なバラの香りではない。
とはいえ、「ナチュラルだけど素朴」ではイメージと違う。

王道とも言える香料の組み合わせから生まれる新しいニュアンス。


このコンセプトを成立させるのは、絶対的に素材のよさが必要だ。
このよさを出すのは、ひたすら質感のよいものを過不足なく取り合わせる、生真面目なトライアル。
そしてひらめき。

作品は、初めの発想から、着手して完成までの道のりが長く、どのプロセスもひとつづつ思い入れがある。

途中は行き詰って辛かったりするし、世の中に出るまでは、我が子の将来を心配するように気がもめるものだ。

ニュアージュローズが、人生の喜びや美しさを情緒豊かに感じる女性のそばにあることを願って。


☆パルファンサトリ 新作香水 こちら→Nuage Rose(ニュアージュローズ=バラ色の雲)