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2008.03.01

わかさ生活

わかさ生活3月号 「社長対談」病は気からに 記事掲載

社長対談「病は気から」- 株式会社わかさ生活 代表取締役社長 角谷建耀知(かくたにけんいち)

大沢さとりさん調香師

香りとともに毎日をイキイキと―
「香りで心も優雅に、健康に」

フリーランスの調香師、大沢さとりさんは、花の中でもバラが大好きで、ご自分で育てていた経験もあるとのこと。「バラの香りは自然からの贈り物」と言われる大沢さんに、わかさ生活社長 角谷建耀知がお話をうかがい、文字通りバラ談義に花が咲きました。

角谷  大沢さんは、植物の香りを心身の健康や美容に役立てる「アロマテラピー」という言葉がまだ一般的に知られていなかった頃から、先駆的に香りのお仕事をされてきたとうかがっています。優雅で夢のある、素敵なお仕事ですね。

大沢  ありがとうございます。最近ではたくさんの方が、様々な方法で香りを楽しむようになってきました。以前は、香りといえば海外のブランド香水を思い浮かべる方も多かったと思いますが、「日本人の情緒や体臭、気候風土に合う香りを」との思いで私の店「パルファンサトリ」でオリジナルの香水をご提案してきました。さらにこだわりのあるお客様のために、オーダーメイドの香水をお受けしています。人とは違った香りを求める方、お仕事柄、強いにおいは避けたい方など、様々なニーズに合わせてお作りしています。個人だけでなく、音楽アーティストの制作依頼や、ファッションブランドからのご注文もあります。香水によく使われる香料はおよそ500種類。それらを丹念に組み合わせ、その方のイメージにふさわしい香りに仕上げていきます。また、香りの好きな方が調香を学べる教室も設けています。皆さん素敵な香りをつくっておられます。香りに関して、日本人は繊細な感覚を持っていると思います。

角谷  子供の頃から、香りに興味がおありだったんでしょうか。

大沢  はい。もともと花や植物が大好きで、学校の帰り道には、ポケットに入れた小さな植物図鑑で野の花を調べながら歩いたものです。

角谷  調香師になるためには、やはり香りに敏感でなければならないんでしょうね。

大沢  よほど鼻がいいのでしょうと、よく聞かれますが、そんなことはありません。嗅覚は訓練によって鍛えられるものです。毎日トレーニングは欠かせませんが、それ以上に豊かな感性を養うことも、調香師には大切です。

バラの香りの効用

角谷  実は昨年、ブルガリアの国立バラ研究所を訪れた際、60年前に抽出されたローズオイルを出していただいたのですが、香りが全く変わっておらず、その技術に感銘をうけたんです。

大沢  抽出の技術と保管方法も関係しますね。アンティークの香水でも、保管がきちんとされていたものは、傷みが少なく、往時の香りをとどめています。

角谷  大沢さんはバラの香りはお好きですか。

大沢  もちろん、バラは花も香りも大好きです。生きるエネルギーを与えてくれる気がします。バラの香りが嫌いという人は少ないのではないでしょうか。見た目も美しく華やかで、香りは気品に満ちています。また、アロマテラピーでは、ローズは生理不順など、女性特有の体調不良の症状に用いられていますね。ホルモンのバランスを整え、イライラや落ち込み感をやわらげる効果があるといわれています。多くの人に愛されている証拠に、バラにちなんだ伝説もたくさんあります。フランスの詩人ぺローでしたでしょうか、心の美しい乙女の話す言葉が、魔法でバラの花に変わる、という童話があります。「バラの吐息は素敵な贈り物」ですね。

角谷  ブルガリアは「バラの谷」にも訪れたのですが、その名のごとく、一面にダマスクローズが咲き、優雅な香りが谷いっぱいに広がっていました。

大谷  ブルガリアでは、バラのお祭りが有名ですよね。ちょうどその季節にブルガリア大使公邸の催しにうかがったことがありますが、バラを使ったハンドマッサージやアレンジメント、折り紙のパフォーマンスなど、バラにちなんだものにあふれ、とても華やかで楽しい一日でした。「バラの谷」には、どのような目的で行かれたのですか?

角谷  わかさ生活には、飲むフレグランスの「ソフィアローズ」という商品があります。その原材料には世界中に2万種以上もあるバラの中で、とりわけ香り高いといわれるブルガリア産ダマスクローズからとれる最高級のローズオイルを使用しています。「自分が飲めないようなものを人様にお売りすることはできない」という信念から、品質確認のため、ブルガリア産ダマスクローズの故郷を訪れたというわけです。

大沢  そうでしたか。バラは、品種改良によってたくさんのモダンローズが誕生しましたが、ローズオイルをとるダマスクローズは、ガリカ、アルバ、センティフォリアと並ぶ、原種に近いオールドローズと呼ばれるものです。鑑賞用に比べると、花そのものは素朴ですが魅力にあふれ、私は大好きです。

真心をこめて花を育てる

角谷  「バラの谷」で驚いたのは香りの高さとその繊細さです。花の咲き始めが最も香り成分が多いのに、朝露が消えるとき、香り成分も飛んでしまいます。そのため、夜明け前から手摘みで収穫して、手早く蒸留所に運ばれていきます。これだけ徹底した管理のもとで、世界最高級といわれる香りが守られているのだと感動しました。

大沢  ダマスクローズのローズエッセンスは、香水ではフローラルな香りの中でとても重要な素材です。主役になる一方、パワーがありますので、少量入れただけでも香りを引き立て、花のナチュラルな甘さを与えてくれます。

角谷  幅広い魅力を持っていますね。その香りを育むために、ブルガリアの気候、雨量、土壌などの条件が最適なことが前提条件としてあるのは、いうまでもありません。大沢さんも、バラの花を栽培されていたことがあるそうですね。

大沢  はい。香りの高い花を咲かせるためには準備が必要です。バラは毎日の手入れが大変で栽培カレンダーに従って本格的に育成している人は旅行にも出られないと聞きます。私も庭でバラを育てていたときは苦労しました。丹精こめた時間が実って花が咲いて、香りに包まれて作業するのは楽しいものです。「自然界からの贈り物」という感じですね。

角谷  人々が愛情と手間ひまをかけ、丹精こめてバラを育てるからこそ、最高の香りが生まれるのだと、私も思います。

優雅な香りを楽しむ習慣

角谷  香りのお洒落を楽しまれる方が多くなり、最近では男性の間でも注目度が高まっているようですね。

大沢  ええ。「誰もつけていない香りを身につけたい」「つけていて安らぐ香りが欲しい」という男性からのオーダーも徐々に増えてきました。人それぞれですが、男性も興味を持ち始めていると感じています。

角谷  「加齢臭」という言葉もよく耳にしますが、においを気にする男性は増えていると思います。

大沢  50~60代の男性はにおいが気になる年代ですよね、ただ、香りに興味はあるけれど、ちょっと躊躇なさることころがある方もいらっしゃいます。

角谷  そうですね。お嬢さんや奥様からすすめられて、わかさ生活の商品を飲み始めた、という男性もおられます。

大沢  それはいいきっかけですね。私は、本当に香りのおしゃれが楽しめるようになるのは、ある程度年齢を重ねてからではないかと思っています。私はパリを訪れる機会が多いのですが、街中のいたるところに公園があって、時間のあるときはそこでのんびるするのが好きなんです。植栽のセンスや色の組み合わせなど、勉強にもなります。滞在中、毎日出かける公園がサンジェルマンにあるのですが、そこで素敵な紳士を見かけました。その方も毎朝、公園に立ち寄って、ずっとかがんでバラの香りをかいでいらっしゃるんです。花を見るだけでなく、香りも鑑賞するという感じ。フランスでは、子供の頃からお風呂上がりにちょっとオーデコロンをつけてもらったりするといいますから、着こなし同様に香りの楽しみ方が、皆さん身についているのでしょうな。

角谷  なるほど、自然に身についたエチケットというのはさりげなくていいですね。最後に「香りの伝道師」として、今後はどのような夢を持っていらっしゃいますか。

大沢  これからもすこやかに、美しいものを楽しむゆとりを持って香りを創造し、また伝えていきたいと思っています。洋服もそうですが、香りもファッションの一部分。身にまとった人が美しく見えなければなりません。香りだけが突出することのないよう、その方の生き方も含めてトータルで調和するお洒落を提案するとともに、美しい香りの文化を広めていきたいですね。

角谷  香り高いお話を、ありがとうございました。


おおさわさとり/プロフィール

調香師。フランス調香師協会会員。1988年よりハーブとアロマテラピーのショップを経営するかたわら、フレグランスデザイン・調香を学ぶ。2000年、東京・代々木にて「サロン・ド・ラチメリア」(現パルファンサトリ)をオープンする。オートクチュール香水の受注、講演、調香の教室などを中心に活動。また、イベント活動として、ガラス作家や宝飾品デザイナーとの共同展示会、美術館などのショップ展示のプロデュースも数多く手がける。