Parfum Satori

調香のまじめなはなしの最近のブログ記事

私の調香オルガン台 My Perfume Organ ③

20160301調香オルガン台2.jpg

自作の調香オルガン台。
下の部分は、一枚の板からカットした。

その設計図をしばらく探していたのだが、ちょっと見当たらないので残念だ。
設計図と言っても、方眼紙をつなぎ合わせて、そこに手書きで実寸大の図面を引いたもの。

大きなアールが必要だったから、鉛筆に紐を結んでコンパスのようにして曲線をひいた。


20160117私の調香ミニオルガン台4.jpg

机から全部作るのはちょっと大変なので、オルガン台の本体はライティングビューローを利用することに。
小ぶりできれいなアンティークのビューローを探したのだが、日本にはなかなか適当なものがない。

ネットで調べに調べたところ、ボストンの家具屋さんに、イメージぴったりのものがあるのを発見した。
当時はまだ今ほどネット検索が盛んでなかったころだが、試行錯誤しながら見つけたときは嬉しかった。

15年前のこと、どうやって注文したのか詳しくはよく覚えていない。
ようやくお店から買うことができて、ボストンに住む知人の家に送って、そこからまた日本に送るよう運送会社を手配してもらった。

しかし、最大手の運送会社に送料の見積もりを取ったところ、な、なんと32まんえん。
送るだけで?吃驚仰天(びつくりぎょうてん)。

そこでまた知り合いのつてを頼り、輸入会社のコンテナに一緒に入れて、ボストンから送ってもらうことができた。

送料はごくごくわずかですんだ。




20160301調香オルガン台1.jpg

ビューローの内側の部分を採寸し、それに合わせて方眼用紙に線を引く。
近くのDIYの店で板を買い、天板のサイズに合わせて板を直線カット、さらに設計図面に合わせてアール部分の曲線カットもオーダー。

さすがDIYの店、自分の糸鋸ではこうはきれいに切れない。
比較的薄い板を使ったので繊細な感じに作ることができた。

棚を階段状にするために、後ろには支え板をつけて持ち上げている。

工作をよくやる人ならすぐわかると思うが、
このひな壇のような香料を並べる台の部分は、そういうわけで、組み立てた板と板をバラせば、また元の一枚の板に戻るのである。




あとはビューロー本体と、上に置いた棚に色を合わせて、深いローズウッド調の色にニスを塗る。
ビューロー本体の中に、棚の部分が格納できるか調整。

「おおーっ」という感じで、外と中がぴったりと合ったときの感激!


そして、香料をひとつづつ並べてみると、夢にまで見たという言葉があるが、本当にイメージ通りのエレガントなオルガン台になった。


自分の頭の中の構想から、素材を選び、発注して、図面を起こして、組み立てて・・・と、自作の調香オルガン台とはいえ、完成まではいろんな人の手を借りてるので、みんなの合作でもある、と思っている。







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フレグランスデザイン科・香水ソムリエ科
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私の調香オルガン台 My Perfume Organ ②

090515ハニーサックルオルガン.jpg

初めは、調香オルガン台の上の棚だけがあった。
この上置き棚は、同じ形で5台くらい作ったものの最後の一台だ。


20年以上前、初期のバージョンは、白いペンキや、チークの明るい茶色を塗ったものもある。
縦横の比率もほぼ正方形でこれとはちょっと違う。

これはローズウッド調の深いブラウンでアンティーク風にしてみた。



子供のころから工作は好きだったし、DIYの店に行けば木材カットもしてもらえるので、シンプルな直線の本棚くらいは簡単。

もともとの木材のサイズをできるだけ利用するように図面を書いて、東急ハンズへ行き、厚さ10mm×幅60mm×長さ600mmの板を7本購入。

台座の板と背板を別にカットしてもらい、後は組み立てて釘を打つだけ。
やはり自分で鋸(のこぎり)で切るよりも、ここはお店にカットを頼んだ方が角がきっちりでるし、最後の仕上がりがきれいだ。

ボトルが落ちないように棚板の前部に薄い板を貼って立ち上げる。
飾り縁を周囲に張り付け、ペーパー(紙やすり)をかけて古布でニスを塗る。
手や爪がニスで茶色に染まった。

確かそんな感じだったはず。

棚だけだと素朴な造りだけど、金のキャップの香料をずらっと並べると、キラキラしてモノスゴクきれいに見えてしまうのだ。

20160228オルガン.jpg

初めは机の上にコの字型に乗せただけだったけれど・・・。
狭いところでの作業だから、ひな壇のようにスペースが取れなかったのだ。

これはディスプレイ用ではなく、本当に使うために作った、棚を机に置いただけのオルガン。
若い~。

このころは目が良かったし、コンパウンダーさんもいなかったので自分で香料を調合していた。
というのはまた別の話で。
だんだん年を取ってくると昔語りがしたくなるものである。

下のアールのついたオルガン部分はあとから作った。





オー・デ・コロン Eau de Cologne

4711ケルニッシュワッサー.jpg

 

Eau de Cologneは、習慣的に、オー・デ・コロンと表記されることが多い。

香水の開発-2 処方 アコードをとる

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イメージを描いたら、それをもとにアコードをとって処方を書く。 

 

香水の開発-1 設計 イメージを描く

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新しい香水の設計開発は、イメージを描くところから始まる。 季節はちょっと外れるが、ここでは、わかりやすく「さくら」の香りを創ったときを例にして、香水のできるまでを順に説明してみたい。

TOKYOとParisの香水匂いだち

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「まったく同じ香水であっても、日本でつけるのと海外とでは、匂いの立ちが全然違う。」
というのは、よく知られた事実である。



海外と行き来しながら香りを作っているといつも思うことでもある。 

フランスでも同じ処方で調合するために、日本で作った香水の処方や実物を比較のために持っていくたびに感じるこの大きな違い。
これは、気候のせい。特に湿度や温度は大きく関与している。

 

いくつもの試作途中の香水は、紙の上だけでなく肌に載せて時間を追いながら、匂い立ちを確認する。

また、普段の仕事中はコンシャスが下がるので香りをつけることができないのだが、人と会う時などは、プロモーションと追認の意味もこめて製品になった自分の香水をつけていくようにしている。

パリでも南仏でも、東京で作って持っていった香水をつけて、しばしば出かけてみた。

 

100615エッフェル.jpg

日本で作ったものはどれも軽く持続が短い。つけた途端に、空気中に散っていくような感覚だ。
「こんなに淡いなんて」
1‐2時間もしたら、香りはごく薄くなっている。

 

思った以上にほのかだったので、帰国してから再び確認のために同じ香水をつけて時間を計ってみた。

たとえばシルクイリス。朝11時に肘の内側につけた香りは、夜11時帰る時、まだ匂っている。
もちろん、プンプン匂うというのではない。肌にまだやわらかく残っている、という程度だ。

ここではなにか、空気の壁がしっとりと身体を包んで、匂いを逃さないような感覚がある。
香りは、体のそばにとどまって、寄り添うようである。

日本でちょうどよい香水は、海外では淡く感じる。

 

そこで逆説的に思うに、ヨーロッパの香水を、そのまま日本でつければ、数倍は強く、濃く、長く感じるのは当然。
それらは、ヨーロッパの気候の中で際立つように作られているということである。

日本で、香水嫌いの人が、「香水は強くて酔ってしまう」というのは「香水」のせいではなくて、「欧米向けの処方」の組み立てのせいだ。

 

しかし、世界から見て日本のマーケットはごく小さい。
何百万本と製造する香水ブランドは、小さな市場のためにカスタマイズされた商品は作らないだろう。

ヨーロッパで販売するためにはヨーロッパで調香し、日本での販売には日本で調香しなければ、本当にその土地に適した香りはできない、とあらためて感じるのだった。

 

 

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▶ オードパルファン・ブラックラベル シルクイリス ▲ for Her   ▼Him

▶ オフィシャルサイト  パルファンサトリ・スクール

 

香水とオードトワレの違い ④ 発売ライン

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Q.最近はオー・ド・トワレなどが目について、香水(パルファン)があまり売られていないようですが?

A.通常、香水類を発売するときには、先に商品ラインを決めます。

 

香水とオードトワレの違い ③ 処方

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Q. 香水とオードトワレなどは、濃度が違うだけなのですか?香水を薄めればオードトワレになるのでしょうか?

A. 処方そのものが違います。

 

名香を鑑賞するとき

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香水の記事を書く時は、昔の記録を読み、資料や本を開き、過去の記憶が正しいかどうか実際の香りを試して確認する。

色と香りの表現-1

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100109カラーチャート.jpg 

色を香りで表現して作る。逆に、香りを色で表現して言う。


香りは目に見えない。それに、香りを表現する専門の言葉はとても少ない。そこで、人に伝えたり、話し合うためには借り物の言葉を使って香りを説明する。

香りを色でたとえることはポピュラーな方法のひとつだ。匂いを嗅ぐとだれでも、なんとなく色を思い浮かべることがあると思う。

 

例えば、レモンの香りを嗅ぐと、黄色いイメージが湧く。それは、レモンの色を記憶していることもあるだろう。バラの匂いはピンクと思う人が多いようだ。でも、香料の名前を教えないで匂いをみると、また違った色を感じたりもする。白や、グリーンと言う人もいる。

だれもがはっきりと色が浮かび、近い色に意見がまとまる香料と、人によって思い浮かべる色にばらつきのある香料がある。それは、個人の記憶の差も関係する。

ただ、調香師が色と香りを評価すると、それほど大きくぶれることはない。現物が手元になくて、仮に電話やメールでも、「明るいグリーンの、やや黄を帯びた透明感のある鋭い香り」といえば、だいたいどんな香料かは絞られてくる。それは訓練と経験による。

 

表現するときだけでなく、香りを作るときにも、色のイメージは重要だ。

白い花の香りを作るには、赤を連想させる香料は邪魔になるので処方には使いにくい。たくさんの色合いを混ぜすぎると、絵の具のように汚く濁ってしまう。

三原色を色相環にした図で言うと、緑から黄色、朱、赤、紫あたりまでは比較的作りやすい。しかし、青、とりわけ紺のような濃いブルーを作るのは難しい。漆黒も。

ブランドの香水で、ブルーやブラックの名前のついた香水は、パッケージのイメージで刷りこまれていることが多く、ブラインド(目隠し)で嗅いだらおそらく違う色が出てくると思う。

でも、白やピンクのイメージの香水は、比較的作りやすいのでずれが少ない。

 

矛盾するようだが、「この香りはこの色に感じなくてはならない」という決まりはなくて、自分が感じるように思ったらいい。それはいい悪いとかではなくて、感性だから。職業的に知らなければならないことと、ユーザーとして楽しむということは、全然べつのことだ。

 

色と香りに注目していろいろな香水を試してみるときっと面白いと思う。

 

簡単には語りつくせない。いずれまた色と香りについても書いてみたいと思う。




2017年1月スタート パルファンサトリフレグランススクールは12月16日締め切りです。

関連ブログ記事

http://parfum-satori.com/blog/cat235/

スクールトップ

http://parfum-satori.com/jp/school/

香水とオードトワレの違いは?① 賦香率(濃度)

100106賦香率質問.jpg

 ご質問  香水とオー・ド・トワレはどう違うのですか?

お答え  一言でいえば、含まれる香料の濃度が違うことです。

  • 調香のはじめ

    090316手元天秤.jpg

    さて、前回ご説明したように

    香水のできるまで(調香) さくらのアコード 

    090321アコード1.jpg

    香水を作るための調香、「アコード(accord)」についてお話します。


    「アコードをとる」とは、2つ以上の香料を組み合わせて、新しい調和のとれた香りを生み出すことです。

    つりあいのとれた美しい香りは、「アコードがとれている」と言います。これを数百回となく繰り返して、最後には50本、100本の単品香料をまとめあげ、一本の香水やフレグランスを作っていきます。


     

    まず、創りたい香水のイメージやタイトルを考えます。
    たとえば「さくら」の香水を調香するとします。

    さくらのイメージをいくつかのパート、キーワードに分けて、構成を考えます。
    たとえば、「花霞」、や「儚く淡いピンク」「うすい花びら」といったように。 

    桜はバラ科の植物なので、ローズの香料を組み合わせてもいいですね。 



    各パートにふさわしいと思われる単品香料を、数本選択します。(本数は決まっておらず、必要と思われるものを選びます)


    たとえば「花霞」に対して選んだ3本の香料を、異なる比率で何回もブレンドします。(3:1:3)とか、(3:5:10)など。

    最も美しい調和の取れる比率が見つかるまで試して探します。これを、「アコードをとる」といいます。



    ここで、選んだ香料がふさわしくなければ、また別の香料と替えて試す、を繰り返します。
    やっとひとつ、3種類の香料から成り立つ、「花霞」という1本の香りのベースができました。



    3種類の香料からできたベースと5種類からできたベース、など、香りベース同士を、また数本組み合わせ、さらにアコードを取ります。

    こうしてもう少し複雑なベース(途中の調合品)である、たくさんの香料で構成されたベースができていきます。



    3本が9本、9本が27本といったようにして、最終的に、50本、100本の単品香料を、気の遠くなるような試行錯誤を繰り返しながら一本の香水にまとめ上げていきます。この作業には、数ヶ月から数年を要します。

    作業の経過はフォーミュラ(処方箋)に記録されます。

    完成した香りは、瓶に充填され、2週間ほど熟成させます。たまに香料は劇的な変化をし、創ったときとイメージが変わってしまうこともあります。そんなときは、また初めから作り直すこともあるほど、デリケートで根気のいる作業です。

     

    ▶ 関連記事  2009/4/9 娘道成寺とさくら

     

    ▶ 関連商品  オードパルファン さくら

     

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    バラの骨格‐2 (調合香料)

    090313ローズ.jpg

    バラの香りを再現するために、単品香料を合せて再構成したものがバラの調合香料です。

    バラの骨格

    090312ブルガリアローズ.jpg

    バラの香りは、「バラ」という一つの香りでできているわけではありません。

     

    パフューマー・大沢さとり

    「パルファン サトリ」は、フランス調香師協会会員・SATORI(大沢さとり)の香水ブランドです。コレクションはすべてSATORI自身の処方により調合された特別感のある香り。初めて香水を試される方や、外国の強い香水に疲れた方にもお勧めです。日本の気候と情緒に合う、優しくおだやかな香りをお楽しみください。

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