Parfum Satori

香りの花図鑑の最近のブログ記事

秋明菊(シュウメイギク)Japanese anemone

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秋明菊(シュウメイギク)は白がよい。

キク科ではなくキンポウゲ科の植物で、その姿は同じキンポウゲ科のアネモネやニリンソウなどを思わせる。


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今日、10月8日の誕生花は「秋明菊」。シュウメイギクと口にすれば音も心地よい。

すっきりと伸びた細い首の上に開く花は、可憐というより艶(えん)なるかな。美人、麗人というたたずまいは、和風というよりもやや中国風のイメージ。と思ったら、やはり古く、中国から来た帰化植物だという。



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花屋で買った後、しばらくバケツに入れていたが、花首がうなだれてしまった。1本の秋明菊には3つの枝がつき、それぞれの枝はさらに3~4輪の花がつく。一つの茎に対して花が多すぎて、水揚げが足りなくなってしまったためである。

急いで枝の太いところで3本に切り分け、再び深い水差しの中に入れておくと、しっかりと花首をあげてくれた。
この固いつぼみまで全部開くといいのだけれど。



アトリエに花があると、手はかかるけれど心が和(なご)む。
水を替え、切り戻し、花の位置を変えて最後まできれいに活けられると、自分ながらよくやったと満足する。

切り花は手入れを怠るとすぐに枯れたり水が汚れたりする。そのためこまめに世話するが、鉢物だとつい油断して枯らしてしまうこともあるので、かえって難しいと感じている。


シキミ② 樒 Japanese star anise/Illicium anisatum

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春と秋の彼岸と、父の命日、お盆。年に4回は墓参にくる。そのお寺で二年前に発見したのが「シキミ(樒)」。春に行けば花が、秋に行けば実が見れる。この写真はまだ木についている、緑色のぷっくり丸い、シキミの実。

シキミの別名は「ジャパニーズ・スターアニス」。
しかしこのシキミの実は、中華料理でよく使う「スターアニス(八角)」とは似て非なるもの。毒性があり食用にならないと図鑑に書いてある。

実際に、誤って食べて中毒を起こし、死亡した例があるそうだ。



しかし、食品売り場でいつも目にする乾燥したスターアニスは、茶色くて星形に尖っているので、見た目を間違えようがない。「全然似ていないなー」と思っていた。


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ところが、今年もまた母の手を引いて足元を見ながら歩いていると、緑の実に混ざって、コロコロと茶色い実が落ちているのを発見。あれ?乾燥したシキミかな?


お寺の細い道は飛び石のようになっておりつまずきやすい。とりあえず舗装されたところまで一緒に行って母の手を放し、「ちょっと行ってくるね」と種子を拾いにお墓のそばに引き返した。


なるほどなるほど、乾燥するとこんな感じになるのね。確かに似てる。。。


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木へんに密と書いて「樒(シキミ)」。

「密」という字には、閉ざされて内部がわからない、人に知られない、ひそか。または、すきまがない。ぴったりとくっついているという意味がある。

それがこの「樒」に関係あるかどうかは知らない。

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乾燥になりかけ中。なんだか鬼がくしゃみしたみたい。


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こちらのシキミは、実の中から種子が爆(は)ぜそうな状態である。


実をいくつかアトリエに持って帰り、ショップの机で写真を撮った後、そのまま放置し他のことをしていると、「コン、コン、コ、コココ、、、、」と、ラボのほうで何かが落ちて弾(はず)む音がする。

「なんだろう?」とスタッフと顔を見合わせてラボに行ってみると。。。


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ラボの床の上に落ちていたのは、つやつやした丸いもの。

それは緑の実(さや?)から飛び出したシキミの種子だった。なんと、ショップから距離は5メートル以上は飛んだものとみえる。乾燥とともに外殻が縮み、内部と外部の圧力の差によって発射するのだろうか、などと推測してみた。自分の力でできるだけ種子を遠くへ飛ばし、子孫を増やしていく知恵なのかな。

ふっくらと丸っこかった緑の実は、中の種子が無くなったらしぼんで乾燥する。そして茶色く細くとがった星の形になるというわけだ。



乾燥した実には匂いがある。確かに、わずかに甘くアロマティークでアニス様であるが、八角に比べて香りは弱い。種類が違うせいなのか、乾燥が進むともっと匂いが強くなるのか、それはもう少し経時変化を見たいと思う。

ちなみに、黄色い「シキミの花」はジャスミンからアニマリックな部分を抜いて、クリーミー感をもっとさっぱりとさせたような、大変上品な香りである。




知っている人には、当たり前のことなのだろうけど、自分で疑問を持ち、それを見つけて体験したということがちょっと自慢である。




2016年9月のシキミの記事




イチョウ、銀杏(ギンナン)Ginkgo biloba

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ようやくギンナンの新物が出る季節になった。それは秋の始まり。

まだ青いギンナンの素揚げしたものを、熱いうちにパラリと塩を振ってひと粒つまむ。噛むとねっちりと歯ごたえがあり、塩味と油のコクでほろ苦さが引き立ってうまい。



子供のころは、茶碗蒸しなどに入っている黄色いギンナンは、ふにゃふにゃ、ぐにゃぐにゃして好きではなかった。蓋の上によけて残したものである。

しかし成人後、この翡翠(ひすい)色の新物を食べてからは好きになった。そもそも、ギンナンは大人の食べ物である。


おいしくていくつでも食べられそうだが、摂取しすぎると体に毒だというので、この程度の数がよいのだろう。



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イチョウの存在を意識するのは、春の芽吹き時と、黄金色の紅葉の時期。特に晩秋のあの果実の臭いは強烈で、蒸れたブーツの臭いに、発酵の進みすぎたウォッシュチーズを混ぜたような感じとでも言おうか。

銀杏材のまな板は高級だというが、家で使っている生徒さん曰く、ギンナンと共通の臭いがほのかにするそうである。香りの勉強をしていると敏感になるようだ。



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「これはもともと一枚の葉が
裂かれて二枚になったのでしょうか
それとも二枚の葉が相手を見つけて
一枚になったのでしょうか」

ーテ詩集(井上正蔵訳)より



ゲーテはイチョウの葉を題材に、ロマンティックに詠(うた)っている。詩人として知られたゲーテは、植物学にも造詣が深かったという。

食欲の秋から読書の秋へと、最後はちょっぴりセンチメンタルに終わってみた。










イランイラン,Ylang ylang, Cananga odorata

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家で香料植物を育てている生徒のMさんが、家からイランイランの花を持ってきてくれた。

前からイランイランの鉢があると聞いていたのだが、開花と教室に来るタイミングがあって、今回の対面となった。


Mさんのイランイランはまだ小さな鉢でたくさんは咲かないが、花によって匂いの個体差がとてもあるという。

「小さな緑色のイランイランの花はキュウリの匂いがしている。やがて、ゆっくりと花びらを伸ばし黄色くなっていく。しかし上手に花びらが伸びないものもある。よく育って熟れた花のなかには甘い香りになるものもある。一方で育ってもいつまでも青臭い匂いのままのものもある」そうだ。

写真のイランイランは大きくなった花を摘んできてくれたものだが、暑さのため、スクールに持ってくる間にかなりくったりとしてしまった。


この摘んだ花の香りは、少し甘いフローラル感があるが、むしろグリーンで、スパイシー、ユゲノール(Eugenol)とか、 もそっとしたグアイヤックウッド(Guaiac wood) のような、そしてかさかさした煮干のような匂いがする。

木が若いからかもしれない。


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イランイランの香料は、花を水蒸気蒸留して得られる。少ないが溶剤抽出もあり緑色。
非常に強いフローラルで残香もある。 

サンダルウッドやオポポナクスなどのウッディ、バルサム、レジンや、チュベローズ、ガーデニアベースなど、甘く重い香料とともにオリエンタル系によく使用される。

シャネルの5番はアルデヒドタイプだが、イランイランを効果的に使用したことで有名である。



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' ylang-ylang un parfum de subtil' (T.f.Aromatique et Arco- Charabot-大型写真本)


原産はフィリピン、マニラ、マダガスカル、ユニオン島、主産地は東南アジアである。

20メートルにもなる高い木には、黄色い花が房下がるように咲く。しかしプランテーションでは、花を摘みやすいように低く仕立てられる。イメージとしては、ワイナリーのブドウ畑のように整然と木が並ぶ。

2年ほどで初めての花が咲き、4-5年して採取できるようになる。180センチになったところで摘芯して、背が高くなり過ぎない様にする。病気や害虫被害もなく、長寿な木で樹齢70年のものもある。


イランイランの花びらははじめ小さく、緑色をしている。4から8センチ、成長が終わる頃には黄色くなり、強い香りを発する。早朝から午前9時まで、採り入れは大勢で、黄色くなった花だけを摘む。女性と子供の仕事である。

この古い写真集では、褐色の肌をした女性が、頭に大きな籠を載せ、収穫した花を工場に運んでいる。(このような頭に荷物を載せて運ぶ女性の姿は「大原女」や「大島のあんこ」の他、インドや東南アジアなど世界中でみられる。)
屋根だけの簡素な工場では窯が焚かれ、上半身裸の男性たちが、蒸し器の中にイランの花を投入している。

抽出は20時間前後かけて行い、最初の2時間で採れたのをイランイランエクストラ(Extra)と呼び、高級な香水などに用いられる。その後はFast(1時間)、Second(6時間)、Third(最後まで)とグレードは4つに分類される。



イランイランというのはマレー語の「花の中の花」という意味。ジャスミン調のフローラルから、「貧乏人のジャスミン」などという不名誉な名前が付けられたこともある。ジャスミンに比較すれば安価ではあるものの、天然香料全体から見ればけして安くはない。


学名 CANANNGA ODORATA  バンレイシ科カナンガ属



'L' ylang-ylang un parfum de subtil' (T.f.Aromatique et Arco- Charabot)-大型本より







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トップはマンダリンのシトラスと、クラリセージエッセンスのティーノートから爽やかに始まります。そして甘い桃のようなオスマンサス(キンモクセイ)の香りは、やわらかいフローラルの広がりに。金木犀の天然香料も深みを与えました。

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夜咲く花,夜香木(ヤコウボク),ナイトジャスミン,Cestrum nocturnum

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土曜日の夕方、スクール生のMさんが、家から夜香木(ヤコウボク)を切ってきてくれた。
家には白い花を中心にした庭があり、香料植物も多いとか。お母様の丹精だそうである。


この夜香木の株が大きくなり、かなり生い茂っていてるそうで、伸びた枝に次々と花が咲くという。まだまだ長い時期を楽しめるので、未開花の枝を2本、切ってくれたものである。生徒さんから教わる事も多い。



枝にはほっそりとしたつぼみがたくさんついて姿がよい。線香花火のようだ。




夜香木(ヤコウボク)は別名ナイトジャスミンとも呼ばれ、その名のとおり夜になると芳香の強い花を咲かせる。咲いた花は明け方には閉じて、夜になって再び開く。それを2~3回繰り返すともう開いたままになり、翌日には落ちてしまう。適温であれば通年開花するそうだが、日本ではやはり夏の花である。



私もうっかり間違えそうになったが、夜香木と夜来香(イェイライシャン)とは別の植物。2002年頃だったと思うが、フレグランススクールの遠足で「夢の島植物園」に行った時に夜来香の鉢を見た。昼間だったので、花はしぼんでしまっていたが、黄色っぽかった記憶がある。

また、イェイライシャンから、李 香蘭(り こうらん、山口淑子)が歌った流行歌を連想し、さらに「支那の夜」という映画を思い出したが、平成生まれのMさんにはこの話題、何のことやらわかろうはずがない。帰ったらお母様に伺ってみて、とお茶を濁すのであった。



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夜来香(イエイライシャン)の話しは置いといて、夜香木に戻る。

一度も咲いていないツボミは翡翠(ひすい)色で、まだ、固く青い。口がしっかりと閉まっている。Mさんの家では5時頃には咲きはじめたと思うということだったが、最初の日は始まりが遅いのかもしれない。



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咲くところを見るのは初めてなので、開花を心待ちにしていると、6時を回ったころだろうか。Mさんが「先生、このツボミの先がほんの少し開いてきたみたいです」という。

どれどれ?とよく見ると、ツボミの中央に縦十文字にスジが入っている。そうして枝の先々を観察して見ると、いくつかのツボミのスジの切れ込みが徐々に深くなり、やがてぽっかりと一輪の口が開いた。

近寄って匂いを嗅いで見ると、一瞬甘いジャスミン調の香りがしたような気がしたのだが、2度嗅ぐとその香りはすっかり消えてしまっていて、もしかして幻覚?とか思う。


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もっとたくさん咲かないと香りがわからないのだろうか?とか話しているうちに、咲きはじめた4~5輪が、数えられないくらい増えてくると、やがて確かにグリーンの・・・さしずめ未熟なバナナのような青い匂いがしてくる。

十文字の切れ込みと思ったが、咲いてみると花びらは4枚ではなく5枚であった。


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「おうちの花はもっと甘い感じがしましたが、この枝の花はまだ若いから、甘さが少ないのでしょうか?」とMさん。あるいは、ひとつの株から咲いた花でも、それぞれに香りが異なる事は他の植物でもある事なので、そのことについても話が盛り上がる。




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教室が終わった後も一人残って変化を見ていると、7時頃には半分ほどが満開を迎え、あたりはフェニルアセトアルデヒド(phenylacetaldehyde)のような強いグリーンの、ややねちっこいハニーの香りに包まれてきた。

花は小さく開花しても5ミリくらい。キンモクセイ程度の大きさ。中には6枚の花びらの個体も発見。



一応、満開までを見たのでアトリエに夜香木を残し、その日は帰宅する事にした。


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日曜日の朝、アトリエに来てみると花はすべて閉じているのに、部屋の中には昨日のグリーンハニーな香りが立ちこめている。濃密。


この日と、翌日も台風がくるというので2夜とも早く帰宅してしまい、開花を観察しそびれてしまった。しかし、徐々に開花時間は早まっているようではある。

この夜、Mさんから「家の夜香木の香りが少し違い、湿度が高いせいかバニラのような濃厚で甘い香りがする、今までにないくらい白い香りがします」とお知らせが来た。「ああ、もうちょっと待っていればよかったなあ。」と後悔する。



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火曜日、開花時間はだいぶ早くなって、5時には半分以上が開いている。開きっぱなしの花の匂いはほぼ失われてしまっており、やはりあの台風の夜に最も成熟した香りがしていたのだろう。花の色は白っぽくなっている。





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水曜日の朝、アトリエに来てみると、花は満開のまま。もう部屋に香りはあまり残っていない。そっと揺するとパラパラと花は落ちてしまった。


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昼でももう花はつぼまない。色も少し黄色くなってきたようだ。花も熟れるのだと改めて思う。



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落ちた花も拾い集めて見るときれいである。弱くなったといっても、これだけまとまるとやはり強いにおいがする。




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花は終わってしまったが、丈夫な植物なので挿し木も簡単だと聞いた。次は水の中で根っこが出てくるのを楽しみにしている。



➤夜香木(ヤコウボク)、ナイトジャスミン/学名:Cestrum nocturnum ナス科






夏の庭 ミソハギ 禊萩 Shinjuku Gyoen National Garden

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静かな、夏の新宿御苑。フランスから戻って1ヶ月あまり、久しぶりに訪れてみる。

代々木から六本木にアトリエを移してしまったために、ちょっと通勤の途中でより道をして新宿御苑を散歩する、というわけにはいかなくなった。

この日、わざわざといった体(てい)でやってきたが、やっぱりいいなあ。都内に新宿御苑ほど自然の豊かで植物の多い公園は知らない。


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池のほとり、ミソハギ(禊萩)の濃い桃色の花が、緑の中にひときわ鮮やかだ。ミソハギはお盆のころに咲き、仏花として用いられる。



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揺れる若いガマの穂も夏らしい。増水したために池の水が濁っている。


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まだ固いガマの穂。冬には真っ白い綿を吐き出すのだ。四季のめぐり合いを見ているからこそ、愛しさがつのる。



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前日の雨で、ずいぶん涼しく感じられる。とりわけ樹木を抜ける風はひんやりと爽やかだ。


新宿御苑の母と子の森は、夏休みの林間学校を思いおこさせる。懐かしい光景と、降るような蝉時雨(せみしぐれ)。蒸れた草の匂い。


ここには私の嫌いなもの以外、何もかもがある。





シャガ 射干 Iris japonica

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シャガ(射干)、胡蝶花ともいう。

小さなアヤメの仲間で、日陰でも、手入れしなくてもよく育ち増える。
種子はできず、地下茎で増殖するので、皆クローンのようなものである。


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群れて咲く様子は、まさに群舞する蝶のごとし。






木香薔薇モッコウバラ,Rosa banksiae

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モッコウバラは優しい花。やわらかい色合い、可愛い花、ふんわりした木の姿、そして棘(とげ)のないバラ。桜の興奮が終わって、さわやかな季節に移る頃に、目を楽しませる。

惜しむらくは芳香があまりないこと。白いモッコウバラの方が香りがある。でもそれを差し引いても、愛らしさでは一番の薔薇。




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「棘のないバラなんて、バラじゃない。」そう思いつつも、幼さ、あどけなさに思わず微笑みたくなる。

五月、素晴らしいバラの季節が駆け抜けていく。




五月の夢 YUME

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羽をもたぬ蝶、アヤメ


「かの歌女もし我心に協《かな》はば、我はこれを贄《にへ》にせんといふ。(アンデルセン_即興詩人/鴎外訳)」



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森は神域 木は神殿 鳥の声は神楽 

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梢に渡る風よ
さやけし音は祝詞(のりと) 

私は巫女

菜の花 ナタネ Turnip rape, Chinese colza

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「なのはな」はとても親しまれている春の花だ。

葉の若い頃はお浸しにして食べたり、花を鑑賞したり、種を搾ってナタネ油とする。
食用にする頃は「アオナ」といわれ、花が咲くころは「菜の花」と、そして種子ができれば「ナタネ」と名が変わる、まるで出世魚ならぬ出世植物のようである。


菜の花の広がる畑は、春の景色としても愛され、歌や詩に数多く詠まれている。

ああそれなのに!
私のアルバムに、まともな菜の花の写真がないなんて?あまりに身近すぎて軽んじていたのかな。


思いおこせば6つの年の学校へ通う道すがら。春ともなれば電車を待つ駅のホームも、風が和らぐのを感じたものである。そして線路沿いの日当たりのよい土手や空き地は、菜の花とムラサキハナナの2色のじゅうたんで染められる。

いつのまにか日差しがまばゆく思われ、しかしその春の光景は、何十年たった今でもあまり変わらないのが不思議な気持ちである。



菜の花は幼馴染のような花だ。寂しい時に会いたくなり、あえばそこにいて笑っている。
美しいとも、魅了されるとも違う。

ただ、いつもあたたかい。









抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

桜坂 スペイン坂  アークヒルズ

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今日はどこもかしこも桜が満開。
雨の後の、しっとりとしたぬるい空気に、はや花びらのちらほらと散る夜。

市兵衛町の方から六本木一丁目駅の横を通り、スペイン坂、桜坂へと、アークヒルズを囲むように続く桜並木をぶらぶらと歩く。

あんまりきれいすぎて哀しくなる。



スペイン大使館の裏手、桜並木の交差する場所は、どちらへ行くかの迷い道。
坂を下りるのか、前に進むのか?

迷ったところで私はいつも、ここにいる。どこに行っても、いるところが私。


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"日本人にとっての「さくら」を作りたい"という思いから誕生した、パルファンサトリのさくら-Sakura-。日本の美意識を香りに託し、丁寧に処方を組みました。明るくみずみずしい花の甘さが、うすべに色のふんわりパウダリーに変化する、匂い袋のような和の花の香りです。

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フェンネル fennel

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フェンネルはウイキョウ(茴香)、フヌイユ (fenouil)ともいう。1~2メートルほどになるセリ科の一年草。羽毛のように広がる細かい葉をもち、黄緑色の細かい花が咲いた後、種子をつける。

消化促進、消臭などに効果があり、香辛料・食用の他、薬用、化粧品用などにもよく使われるし、種子以外に、太く肥大した茎の根元近くを煮物やスープに使う。


この種子を水蒸気蒸留して香料を採る。香りはアニスと同じアネトール(anethol)が主成分で、嗅いだ感じはクローブとアニスの中間。セロリ的な苦さがあり、メンズ調のアロマティーク。


南仏MIPにて




爽やかなシトラスとハーブ、清潔感のある残り香




フリージアの香り freesia

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フリージア(freesia)は昔からある、お馴染みの春の花だ。

黄色いフリージアが居間に飾ってあると、「春が来たな~」と子供心に嬉しかった。
また香りがとてもいいのでとても印象深い花である。
最近では品種改良がすすんだのか、花色も増えたし大きくなった気がする。


花のつき方に特徴があるので、「フリージアってこんな姿形」とよく知っているつもりでいたが、最近じっくりと見たところ、一輪ずつの花はクロッカスにも似ている。


その蕊(しべ)の姿がまるで「フィラメント」を思い起こさせ、そういえばなんだかぷっくりと膨らんだ白い花はランタンのようである。

(ランタンだったらフィラメントではなく「マントル」になるのだろうけれど)



香気成分はリナロールやα-ターピネオールだが、香料でフリージアを作るならジメトールのほうが近い。

黄色が香りが強く、白、紫やピンクと続く。
原種に近い程本来の匂いがあるのだろうか。




花はいいなあ。
口きかなくていいもんな。


黙ってても、周囲を明るくを照らすような女性になりたいものである。

シダレザクラ咲き始めました 2017 Cerasus spachiana f. spachiana

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新宿御苑の大きなシダレザクラは、ソメイヨシノに先駆けて春の庭を飾る。

今日はまだ咲き始めたばかりなので、カメラを持った人たちもまばらである。

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春の嵐にはまだ早すぎるのに。

花は乱れ髪のように揺れ、根元に群れ咲く白い水仙も身を伏せている。

その向こう、池の水面にはさざ波が立ち、キラキラと光を反射する。
3月の陽はもうまばゆいけれど、まだ風は冷たい。







ヨモギ(蓬) Artemisia indica

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これは、1月20日のヨモギ(蓬)。
ちょうど、福寿草が咲き始めるころ、地面にぴったりと這うように生えていた。


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で、3月15日に同じ場所に成長度合いを見に行ったら、たいして大きくなっていない。
生えるたび採られて、草餅にでもされちゃったのかな?


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草餅を食べると、ほんのりミンティな味がする。




そういえば、ヨモギ(Artemisia indica)に近い香料で、アルモアズ(Artemisia herbaalba)があるが、これもビターなグリーンの中に、ミントでないミンティな香りがある。香水の処方中にしばしば使われる。


ワームウッド(ニガヨモギ、アブサン、Artemisia absinthium)の香料も同じ系統だが、アルモアズが女性的なら、こちらは男性的。より骨太でパワーがある。


高校生の時に読んでいた中に、「あぶさん」という野球漫画があった。プロ野球ファンではなかったので記憶があいまいではあるが、長いバットを持つ伝説的なバッターが飲んでいたのがこのニガヨモギを漬けた「アブサン酒」だったと思う。ニックネームだったのかも。アルコール度数が高く強い。



ヨモギ類は薬草として使用された。ヨモギ属についた学名の「アルテミシア」は、月の女神(ダイアナ、ディアーナともいう)を指す。
女性の月のものを司ったり、狩猟と潔癖の処女神とも、死をもたらすとも言われている。



最近ではヨモギの花粉症が問題になっているそうだが、昔から春のうちに草餅を食べたり、お浸しを食べていたのは、減感作療法の一種だったのでは?とか思う。(ただの推測)


菊の花のお浸しなども馴染みの料理だが、海外の人にとっては毒になると聞いた。日本人は小さい頃から少しづつ食べることで、耐性があるのかもしれない。






抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

さくら、待つ cherryblossom

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新宿御苑には桜の木が約65種1100本あるそうだ。
多いのはやっぱりソメイヨシノ。広い芝生の庭をソメイヨシノが取り囲んでいる。

春はむしろ曇りの日の方が暖かい。しっとりと水気を含んだ大気の向こうに、つい先ごろまで細い枝先を黒々と震わせていた桜の木が、なんだか白くもやっとして見える。

そうか、蕾がふくらんでいるのだ。

ひとつづつはちいさくても、たくさんの蕾で覆われて、樹は一回り膨張したようだ。


夜明け前、咲く直前、前夜祭。きっとそんなときが一番楽しい。ひとたび始まってしまえば、幸せを噛みしめる暇なんかないだろうから。








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➤さくら


明るくみずみずしい花の甘さが、うすべに色のふんわりパウダリーに変化します。やさしくもきりっと美しい日本の「さくら」。匂い袋のような和の花の香りです。

クロモジ(黒文字)の花 Lindera umbellata

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クロモジ、黒文字の花。
毎年この時期になると、散歩の途中には必ず見に行って、蕾が咲くのはいまかいまかと心待ちにしている。

直径1センチに満たない小さな花の集まりだけれども、白いうぶげの生えた葉の若い緑が映えて、遠目でもよく目立つ。
過去のブログを見ると、決まって3月の半ばくらいである。花は季節をたがわない。


蝋のように透けて愛らしい花よりも、その材に芳香がある。
お茶席では、このクロモジの小枝を切ったものが主菓子(おもがし)につけられる。4寸ほどの長さのよい香りのする楊枝(ようじ)である。古田織部が始まりとも聞いているが定かではない。

また、料亭などでも食後にクロモジの小さな楊枝を出される。人前ではできないが、化粧室にも備えてあったりして、噛むと口中がさっぱりとする。


こうして乾したたクロモジは、ちょっと山椒のようなスパイシー感があるシトラスの香り。

生の枝葉の香気成分は、リナロールやバラの成分ゲラニオール、森林調のシネオールなど。スパイシー感もやはりある。樹皮の部分の芳香が強いようだ。


庭からちょっと小枝を手折って、樹皮をナイフで斜めにそぎ、毎朝の一服に添えれば風流なものだと思う。


ハクモクレン撮りかねて、思わずたたむ赤い傘。

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今日は冷たい雨が降っている。
「三寒四温」の三寒の方、こんな日の新宿御苑は人がすくない。

池のほとりにはだれもおらず、次々とちいさな輪が広がっては消える様子を、ひとり飽かず眺めている。



「するべき」「せねばならない」「やめるべき」「してはならない」

自分の言葉が、忙しい心に落ちるのを、この波紋が身代わりになって消してくれる。いつまでもここから去り難いのに、やがて雨は小やみになる。


「人ひとりでできることなんか、たかがしれてる。」

そうひとりごちて、水辺を離れ歩き始める。また、細かい雨がしっとりと降ってくる。


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ハクモクレンは、祈りである。
白い小鳥が、枝に羽を休め、一斉に羽ばたくのである。


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大きな木を見上げてカメラを構えれば、肩に挟んだ傘の柄が邪魔になる。
ふと横をみれば、同じように傘を持て余してる人がいる。


「ハクモクレン仰いでみれば撮りかねて思わずたたむ赤い傘。」







青いアネモネ  Anemone coronaria

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高校生の頃からこの花が好き。毎年春になると、母は白と紺の染付の小ぶりな壺に、たくさんのアネモネを活けていた。

桃、さくら、たんぽぽ。どちらかといえば春はふんわりした黄色やピンクの花が多いようだが、そんな中でアネモネのはっきりとした色合いは新鮮だし、どことなくエキゾチックでもある。

「もう春なのだ!」
リビングにこの花を見つけると、その艶やかさに、心をぎゅっと掴まれるような気がしたものである。



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「和」と「オリエンタル」は違う。この花はオリエンタル。

黒目がちの瞳の少女が、漆黒の髪を後ろで束ね、鮮やかな赤や紫のプリントの木綿の、ひだをたっぷりとった衣装を着ているような、って、思う。




▶ 植物事典  アネモネ  キンポウゲ科 イチリンソウ属  学名:Anemone coronaria

  別名 ハナイチゲ ボタンイチゲ ベニバナオキナグサ






菜の花忌(なのはなき)伊藤静雄 春のいそぎ

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アスファルトの道路の脇にも、菜の花が咲いている。
もこもこと鮮やかな緑と黄色のコントラスト。


3月12日は、伊藤静雄の命日「菜の花忌」。

伊藤静雄は中原中也らとともに同人誌で活動した詩人で、三島由紀夫にも影響を与えたという。
正直この人の名はあまり知らなかったのだが、菜の花を調べているうちに行き当たった。


「春のいそぎ」という詩集のタイトルに惹かれて読んでみた。
春という明るい響きに反して、戦争という時代の哀しさ、憤りを抒情的に記している。


こうした、耽美的な詩なり文章を書く作家は、早世する人が多いような気がする。
世の中を渡っていくには、感情の襞(ひだ)が柔らかすぎるのだろうか。
はたまた、健康すぎるものには、詩情がわかないものなのか?


あるひ、伊藤静雄を年少の友人、それも剣道二段の、かつ詩人志望の受験生が訪ねて来る。
彼は勉強中に、裏山の蝉の声に耐えられなくなると語る。

静雄は言う。
「蝉の声がやかましいようでは日本の詩人にはなれないよ」

といいつつも、その心情を理解するのである。


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「なづな花さける道たどりつつ
家の戸の口にはられししるしを見れば
若者や勇ましくみ戦に出で立ちてここだくも命ちりける
手にふるるはな摘みゆきわがこころなほかり 」
伊藤静雄 春の急ぎ 「山村遊行」より一部抜粋






ハチジョウキブシ (木五倍子)Stachyurus praecox

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ハチジョウキブシ。

毎年この時期に新宿御苑に行くと、広がる芝生の向こうに、薄緑色の鎖のようなものがシャラシャラと揺れているのが、まだ花の少ない景色によく目立つ。

もう少しすると、樹の下はレンギョウの黄色と、雪柳の白で覆われ、この地味な花は目立たなくなってしまうだろう。


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香りをかぐと、思いもかけぬ上品な香り。柔らかくクリーミーなグリーンである。
リナロールの爽やかさ、ラクトニックな甘さ。

その香りは「ヒイラギナンテン」の香りを少し淡くしたような...と言っても、ヒイラギナンテンの香りを知っている人は少ないだろうから、あまりいい例えとは言えないかもしれない。


毎年嗅いでいるはずなのに、今年は特に濃く感じる。
もう春だけど、「もっと春よ」早く来い。






ミモザの日 FESTA DELLA DONNA(フェスタ・デラ・ドンナ)

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3月8日は、FESTA DELLA DONNA(フェスタ・デラ・ドンナ)ミモザの日だそう。

今日、新宿高島屋の前を通ったら、ミモザ(銀葉アカシア)が咲いていた。
ミモザと桜は一緒に咲くような気がしていて、いつも予想外の早さにびっくりする。

そういえば、いつも風が強く寒い日にミモザが咲いているのに気がついて、写真を撮るときに花が揺れて撮りにくいなあと思う、そんな記憶がある。

毎年同じ時期に咲くに違いないのに、刷り込みってなかなかぬぐえないものである。前のブログを読むと、なんと、ほぼ同じようなことを書いているのであった。

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とはいえ、これはミモザでも、「銀葉アカシア(Acacia baileyana)」。
ただ、ミモザの香料はこの「銀葉アカシア」からは採れない。

本当のミモザは、「オジギソウ」のことで、フランスでいうミモザの木は「合歓の木」を指す。

どれも、マメ科植物ではあるのだが、見た目が全然違う。

なんかとてもややこしいことになっているので、毎年自分の過去のブログを読んで記憶の整理をしているのだが。

➤ミモザとアカシアとネムの木と


➤ 黄色のミモザ アカシア 2012-3-26


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ミモザは黄色くてポワポワしていて春っぽい。
幸せの色、春の色。

オレンジジュースとシャンパンのカクテル、シャンパーニュ・ア・ロランジュ(Champagne à l'orange)も、「ミモザ」って名前で呼ぶと
「パアー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°」
っていう感じがする。


大寒桜(おおかんざくら)Prunus ×kanzakura 'Oh-kanzakura'

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大寒桜、オオカンザクラ。

3月半ばころに咲く、中型のさくら。
花びらの切れ込みが深く、フリフリしたところがロマンティック。




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毎年毎年、飽きもせず似たような写真...と思ったりするのだが、やっぱり花を見れば嬉しくて、嬉しければ写真を撮りたくなり、撮れば誰かに見てもらいたくなる。。。



花簪(はなかんざし)のような桜の枝。私がまだ乙女であったら、髪に挿して飾ってもらいたいものよ。


「おとめらのかざしのために、みやびをのかずらのためと、しきませる、くにのはたてにさきにける、さくらのはなの、にほひはもあなに」 万葉集

さわらび 早蕨 Pteridium aquilinum

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石(いわ)ばしる、垂水(たるみ)の上の、さ蕨(わらび)の、萌え出づる春になりにけるかも
志貴皇子(しきのみこ)

春の喜びを詠う歌、蕨(わらび)の歌は万葉集からただ一首。


ちいさな拳骨(げんこつ)を握ったような形は赤ちゃんの手にも似て、なんだか夢をいっぱい握っているような気がする。


こういう小さな草を野に見つけて食べたり、器のモチーフにしたリ、詩に詠んだりするところに、冬を耐えて、春を楽しもうという気持ちが表れていると思う。



この日の毎朝の一服は、鶴屋吉信の「さわらび(早蕨)」と春草の茶碗にて。




「わらび」と「ゼンマイ」と「こごみ」はよく似ていて、一瞬混乱してしまう。
(わらびは、カタカナのワラビでは感じが出ないと思っている。こごみも、コゴミじゃない・・・)


春になって、スーパーに山菜が並ぶようになると、「あ、そうそうこれがゼンマイ」「これがわらびだっけ」とか思い出す。

わらびは茎の上の方に固まっていくつかの巻きがあり、成長すると茎が伸びて、その途中から羊歯状の葉が交互に開いていく。

一方、ゼンマイは根元から1本だけ立ち上がっている。成長した葉も、根元から開いていく。



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この写真は「ゼンマイ」。

こごみの写真は見つからないのだけど・・・時計の中のばね仕掛けを、こごみではなく「ゼンマイ」と呼んだのがなんとなくわかる(ような気がする。

ゼンマイは茶色や、濃い緑をしている。
グイグイと巻きが持ち上がって、こごみよりちょっと強そうだ。





「ぜんまいばね)」は15世紀のヨーロッパで作られ、16世紀になってフランシスコザビエルによって日本にもたらされた。

時計の中を開けて、渦を巻いた部品を見た日本人は、植物の「ゼンマイ」から名を付けた。


ぜんまいばねは英語で「Mainspring」だ。
ヨーロッパの人は「Osmunda(ゼンマイ)」とか、「Pteridophyte(シダ)」とかいう名前をどうして付けなかったのかな?って思ったりする。







ふきのとう(蕗の薹)みつけた Petasites japonicus

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枯れ葉の中にある、緑のギザギザした丸い葉っぱは、ふき(蕗)の葉。さて、どこに「ふきのとう(蕗の薹)」があるのでしょう?





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ふきのとう(蕗の薹)の天ぷらは大好きなんだけど、地面から芽をだしてるのをみたのは初めて。

すでに大きく育って董(とう)のたった花はみたことがあるのだけど・・・。気がついたときは、いつもフキノトウにはちょっと遅い。


ふきのとうは、落ち葉にくるまれて暖かな陽だまりの下にひっそりと生えていた。葉をそっとのけてあげると、淡いみどりのやわらかそうなふきのとうの芽が。

春がもう近いな~って、思わずひとりでに笑みがこぼれる、三寒四温の今日この頃。









洋と和の水仙考,スイセン,Narcissus

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スイセンの学名、ナルシス。

自己愛の強い人をナルシストと言い、その言葉のもとが、ギリシャ神話のナルシスとエコーの物語から来ているということは、よく知られた話である。

ほら、自分の姿に見惚れて動けなくなる美少年である。


子供の頃に読んだギリシャ神話の挿絵では、ナルシス美少年はたいてい半裸で、その舞台は寒いというシチュエーションではない。
ミニの袖なし衣装はキトンとかキトニスコスと呼ぶらしく、白い布を被って紐でくくっただけ。。

緩(ゆる)い。
この花でこの気候でこの物語。
厳しさを感じさせる要素が少ないのも確か。

ラッパスイセンは、真ん中の副花冠と呼ばれる部分が大きく華やかであるし、咲く時期も暖かい春になってから。
フワフワした気分が楽しい、好きな花ではある。



そしてスイセンはもともと、地中海沿岸が原産地の植物である。

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日本に渡来したのはさほど古くないらしい。

桃山時代からとか、それよりも古い平安末期にもその花の絵がある、という説もあるようだけれども、少なくとも万葉集にはこの花を詠んだものがない。


江戸末期に書かれた「古今要覧稿(事典のようなもの)」によれば、
水仙は「厳寒に花を開き、香りも梅にをとらず...」
と始まり、愛(め)でるべきなのに古歌に詠まれていないのを惜しむと書いてある。

別名を「雪中花」という。
寒風に耐え、あるいは雪の中に凛として咲く姿は健気そのもの。

侘(わ)び、寂(さ)びに適(かな)い、茶室にも活けられ、
清廉(せいれん)という言葉にもそぐう、いかにも日本人が好みそうな風情の花である。


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ヨーロッパからはるばる大陸を横断してくる間に、だんだんと慎ましく姿を変えて、寒さにも適応するようになったのだろうか。

球根がどのようにして海を渡ったのかは知らないが、塩水にも強く、海岸に多く群生するというので、最後はぷかぷかと漂着したのかもしれない。(想像)




花の香りは種類によっても違うけれども、少し甘いフルーティに強いハニーグリーンとインドールのアニマル。

1輪2輪ならしらず、たくさんの水仙と一緒にいるのは、冷たい乾いた戸外でなければ辛いかもしれない。


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「ナルコシス(narcosis)」、麻痺というのはナルシスと語源を一つにするという。
漢字も成り立ちを探ると面白いが、英語もまた由来が繋がって「へえ」と思う。

全草に毒(アルカロイド)を含む。





カワセミと梅の花 翡翠 Alcedo atthis

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カワセミ(翡翠)を初撮影!

先週、アトリエまでの通勤を、新宿御苑を通るコースを選んでみた。
寒いせいか、ほとんど人に会わない。

「今日は日本庭園を通って、母と子の森を抜け、もし時間があったら温室もまわってみようかな...。」


そう思って日本庭園の池のほとりを歩いていると、対岸の木の間に、キラキラっと青いものが光って通り過ぎた。

数年前にも一瞬、池のそばを通る青いものを見たことがある。
冬だったので、アオスジタテハのはずもなく、そのときは、「幻かも?」と目をゴシゴシこすった(あくまで比ゆ的表現で)のである。

その話を知人にすると、新宿御苑にもカワセミがいるらしいということを教えられた。
それっきり目撃することはなかったので、忘れていたのだが。。。



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そしてこの日、早朝の新宿御苑で久しぶりに目撃したのである。

もしやと思い、橋の上でしばらく立ち止まって待っていると、しばらくして左から右へ、やはりカワセミらしきものが飛んでいく。
羽が朝日にきらめいて、碧にも青にも見える。


「間違いない!」

残念ながら望遠レンズは持ってきていなかったので、めいっぱいズームにして
「これはとにかく撮るだけ撮ってあとで拡大してみよう」

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撮りながら、松葉の透けているところへ移動して、かつ、ちょっとづつ近づいていくと、気配を感じたのか今度は右から左へ飛び立った。

こういうときはたいてい、慌てて撮りそびれてしまうものだけど、
飛んでいるあたりをやたらと撮ってみたら、なんとか1枚だけまともに写ってて嬉しい!

くちばしが黒いので、これは雄じゃないかしら。
お腹がオレンジで、とってもキレイ。

酉(とり)年のお正月に、とっても縁起がいい感じである。








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まだ1月4日だというのに、紅梅が1輪、2輪ほころんでいる。
正月は思いのほか暖かかったから、早く咲いたのだろう。

これもまた、さい先のいいことである。

甘酸っぱい香りを胸いっぱいに吸うと、心がきれいになるような気分。



River Kingfisher





体験講座 「香水ソムリエ®」のためのコラージュ講座 1月14日(土)

まだ若干名お席があります。

コサギ Little Egret

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冬の朝に新宿御苑を歩いていると、寒さに自然と足早になる。
それでも視界の隅に、ちらと異な物を感じることがある。

雑木林で立ち止まって見つけたもの。


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池の対岸の木の上に、小さなサギ、コサギが蹲(うずくま)っていた。
コサギといってもそれなりに大きい。

都心ではなかなか大きな鳥を見ることは稀なので、今日は特別ついているような気がして、「おお!と」心が弾む。



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池の端を巡ってみる。

コサギは長くじっとしていたのだが、私が場所を移動しながら写真を撮っていると、視線を感じたのか枝を歩き始めた。



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「飛ぶ!」
と思って、動画モードにしようと思った時はもう飛んでいた。

相変わらず自分のトロイことよ。




パルファン サトリ フレグランス スクール
パンフレット・資料をお送りいたします。ご希望の方はお
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紅葉(もみじ)の庭 garden of Colored

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こんなに綺麗な紅葉を見ていると、着物の柄にしたいと言う気持ちがよくわかる。

凍える季節を前にして、一瞬燃え上がる樹木たち。


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大正から平成にかけて活躍した作家の宇野千代さんは、着物のデザイナーでもあった。

生涯に11件の家を建てる。
ある庭には紅葉(もみじ)だけを一面に植えたという。

春はいっせいに芽吹き、夏は涼やかな緑の木陰、秋には赤ひといろに染まり、冬は葉を落とした裸の林に雪が降る。

とてもドラマチックな景色が思い浮かぶ。

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毛羽立ったカシミアのコートに、優しくブラシをかけるような、草木の癒し。

毎日、ストレスの中にいて、体が帯電する気分。

森の中に入ると、頭のてっぺんから穏やかに放電していくみたい。


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アメジストセージ Salvia leucantha

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アメジストセージ、メキシカンブッシュセージとも言う。
紫のガクはビロードのような和毛(にこげ)で覆われて暖かそう。

この間のビワの花といい、秋冬もののセーターを着ているようである。

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この姿を見るといつもなんとなく、
紫のセーターを着たイモ虫を思い出してしまう。
私は芋虫は嫌いではないから、これは否定的な意見ではない。

一方にだけ出ている花穂が足のように見えるんだよね。

でも紫だし、せめて蝦蛄(しゃこ)に似ていると言った方が一般的にはよかっただろうか。


シソ科。


皇帝ダリア Dahlia imperialis

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皇帝ダリア。背がとっても高い。

いつもこの花を目にするのは、よく晴れた風の冷たい朝なので、晩秋というよりも冬の初めの花のイメージがある。
堂々とした姿のわりに、花は可愛らしいピンク色。



「ダリア」といえば、小学校の実習だ。
理科室の裏の畑にイモ(球根?)を植えて育てたのを覚えている。
芽の出る方のイモの端を上に浅く植えないとよく育たない。

その頃の印象で、ダリアは赤い一重の大雑把な花、と思っていた。


しかし最近では華やかな形や珍しい色など、オリエンタルムードのある品種も出てきて心惹かれる。



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初めてみたのは2011年12月。
上下の写真はそのときの皇帝ダリア。


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5年前も大きくてびっくりしたものだけど、、、、
今と比べるとずっと華奢な感じ。

ダリアというものは、冬は枯れてしまうのでイモを掘りあげるものと思っていたのだが、ここ新宿御苑ではずっと地植えのまま大きく育ったみたい。

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こっちは今年の皇帝ダリア。
5年の間にずいぶん立派に育ったと思う。
右下の赤い服の人を見たらその大きさがわかる。

これが草花とは思えず、見た目はちょっとした樹木だ。


ダリアは短日植物で、つまり菊と同じ日照時間が短くなってから花の準備をする。
必要な暗い時間の長さは、品種ごとに違い、それにより咲く時期が異なるらしい。
たぶん。


子供の頃のダリアは夏から秋に咲いたが、皇帝ダリアは遅く、秋から冬の花なのである。




もみじ 紅葉 autumn color

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紅葉するためには、冷たさに触れなければならない。

葉の生命の終わりは、試練によって彩られる。



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水に映る影の方がより鮮やかで、
真実は光の中で色褪せる。


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赤と緑、補色がさえざえと見えるのは、芯となる黒い幹があるから。



色に匂いがあるのだろうか?
紅い香りは熱く、
碧の香りは冷たい。

黒い香りは、重いのだ。


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心は冷えて澄み渡り、目に映るものは彩度を増す。

寒さを増すほどに静になる。
分子は止まる。

冷たい香りは固い香り。


枇杷の花,ビワ Eriobotrya japonica

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新宿御苑の温室近く、芝生の中に一本のビワの木がある。
きまぐれに道を外れて歩きながら、そのビワの木に向かっていくと、ふんわりと甘い香りが漂ってくる。

そうか、もう花が咲いているのだな。


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ビワの花は毛布にくるまれて、寒気の中そっと顔をだす。
こんな寒さに向かって咲くっていうのはどういう理由なのだろう。

他の花が咲き終わって、競争相手が少なくなったから?
遅咲き、という本来の語源とは違うけれども、遅く咲くというメリットもあるに違いない。



香りはバニラに例えた方がわかりやすいかもしれないが、
ふんわりと粉っぽく、しかし鼻の奥が収斂(しゅうれん)するような香りは、ヘリオトロピン(heliotropine)とかアニシルアセテート(anisyl acetate)とか思い起こさせる。

というか、ヘリオトロピンやアニシルアセテートをかぐとビワの花も思い出す、という構図かな。


毎年、ビワの花の甘い香りをかぐのはなぜかよく晴れた日。
暖かそうな蕾の塊りの印象と相まって、「小春日和(こはるびより)」という言葉が合う花である。




2014年のビワの記事


2011年のビワの記事


シークワーサー ヒラミレモン Citrus depressa

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帰り道の改札を出たホールで、期間限定の有機野菜の出店があった。

横目で通り過ぎようとして、小さなカボスのようなものが山積みになっており、シークワーサーという名札が目に入った。

3週間ほど前、同じ場所で青い有機レモンと水晶文旦を買ったのだが、同じところからまた出ているようだ。


沖縄特産として、シークワーサーはジュースなどでよく見かける名前であるが、本体を見るのは初めて。
小さな3センチほどの柑橘で、見た目はスダチによく似ている。
調べて見ると、柑橘の分類では、やはりカボス、スダチの仲間であると書いてある。


どうやって食するのかを尋ねたところ、二つに切って炭酸に入れて飲んだりするというので、5つばかり買い求めてみる。

家に帰り、切ってみると香りは青いみかんのようである。
種子が多い。

シークワーサーは酸っぱいという先入観があったが、食べてみるとさほど酸味も強くないのは完熟しているからなのだろうか?

冷たい炭酸にぎゅっと絞って飲むと爽やかなお味。
沖縄では泡盛に入れたりするようで、ガン抑制物質が抱負に含まれると言う。


日本は本当にたくさんの柑橘がある。
それだけ、日本に住む人は柑橘類の香りのコンシャス(感度)も高い。
いろいろな柑橘の香りをかぎわけることができ、使い分ける事もできる。


香水も、シトラス系のバリエーションに人気があるのもうなずける話しである。








ハナヒラク、Hana Hiraku ,朴(ほお)の木の葉③Magnolia obovata

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朴(ほお)の木の学名はMagnolia obovata、(マグノリアオボヴァタ)

オボヴァタというのは、ラテン語の「倒卵形」という意味である。

卵を逆さにしたようなこの大きな葉の形から学名は由来している。


この楕円の葉は30~40センチあり、比較すればこの木の雄大さがわかるだろう。
花も葉も、日本最大級の「日本特産種」である。

まだ春の葉は柔らかく、すべすべとシルクの手触りがする。

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ここの朴の木はかなりの老木である。
幹は満身創痍だ。

それでも、いっぱいに広げた枝先には、毎年5月、雄大な花を怒涛(どとう)の如く咲かせる。

ひとつずつの花の命はそれほど長くない。
しかし次々と咲き続け、100か200か、、、もっとかもしれないが、3週間ほどは花に会いに行ける。




そして咲き初めの花のフルーティな香り、咲き終わりのラクトニックな香りが混ざり合って、樹を中心とした香りのドームが出来上がる。

時折、初夏の風がひと群れの香りをさらって、遠くの人々へ運ぶのだ。


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花が終わった梅雨の時期は人がいない。
雨の中、傘をさしてこの樹の下で立ちつくしたこともある。

大人が泣ける場所って、そうそう見つからないものだから。




私はこの樹がとても好き。
花の時期はもちろん、夏の日差しを遮る大きな木陰や、グレイに乾いた巨大な葉が落葉し、地面を覆いつくすころも。

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ほらね、桜の落ち葉に比べて、朴の木の葉はこんなに大きい。

これが全部木の下に落ちて、多くはここで朽ちて土になり、
あるものは風で運ばれてほかの木の栄養になっていく。


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100年、200年、1000年を経た巨樹は、私たちの人生よりずっと長い。



そして毎年、芽吹き、咲いて、咲かせて、散って、、、そして循環の中で土になる。

生まれ、育ち、死んでいく、いわば1年という短いサイクルで、生涯を繰り返すのだ。



春夏秋冬、植物の輪廻(りんね)には、いつも生き方の中心軸がある。



四季のある朴の木を見ていると、

そう、そう思うのである。









ハナヒラク、Hana Hiraku ,朴(ほお)の木の花②

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初夏に咲く朴(ほお)の木の花。

子供の頭くらいはあるこの巨大な花は、
崇高(すうこう)と言ってもいい。

遠くに木の姿が見えるころから、香りはすでに届いている。
あたり一帯に拡散しているのだ。

しかし私は近づき、(触らずに)カップを抱えるようにして、中心部に顔をうずめる。



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咲き初めと、花の終わりの香りは違っている。

始めはメロンや熟れたベリーのにおいがする。
そして少しサリチル酸のようなクールな匂い、
そしてハーバルで力強い辛い香りもある。

やがてたっぷりとしたクリーミーな花の香り。


古い花はアニマリックな重さも出てくる。


草花の可憐な、触れなば落ちんという風情と対極に、
木に咲く花は他をよせつけない、気品がある。


私は、たやすくは手折れない、木の花になりたい。




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この花のどこに香りがあるのだろう。
蕊かしら、花びらかしら。


落ちてきたばかりの大きな花びらを食べてみる。
きゅうりのようなグリーンの味と、ラクトニックなゴムの味。


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朴の木の花の蕊(しべ)は野性味がある。
大きな蕊は、二段ロケットのように、雄蕊、めしべと時間差で開いてくる。

自家受粉を避けるために、時期をずらしてが成長するという。

そのあたりにも、花のにおい立ちの変化の理由があるのかもしれない。

続く


金木犀 銀木犀 キンギンモクセイ osmanthus sonnet

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キン・ギンモクセイ、一緒に見れるなんておめでたいね。

「暦の上では秋」と言われても、暑い毎日が続いていると、秋がいつ来たのか忘れているもの。

毎年この時期になると、通学、通勤途中にかすかに匂ってくる金木犀の香りに、はっとして木を探すと、視界のどこかにオレンジの花をつけたこの樹が見つかるものだ。


そうしてようやく、本格的な秋が来たのだと思う。

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少し前から日が短くなったのは感じていたけれど、金木犀の咲くころから、一気に日暮れが早くなる。

徐々に淡く暮れていくような夏の夕方とは違い、あっという間に暗くなるのはまさに「秋の日はつるべ落とし」

アトリエの窓から外を覗いて、思わず『早く家に帰りたいなあ・・・』と里心がつくのも、秋の興(おもしろ)みである。

上の2枚は銀木犀の写真。
ごく淡い黄色で、香りはややさっぱりとしている。

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金木犀(キンモクセイ)は、銀木犀(ギンモクセイ)よりやや遅れて咲く。
銀木犀より、フルーティ感が強く、重く感じる。


家の近くの金木犀が咲いていたので、新宿御苑に行ってみたのは数日前の朝。

御苑では、銀木犀が満開、そして金木犀が咲き始めたところだったので、もう今日あたりは地面に花がたくさん落ちているだろう。



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季節が巡り、花に会うたびに、一年がたったことを思う。

学んでいる。
私は一年でたくさんを学んだ。

去年、一昨年の私が知らなかったことを、今は知っている。

きっと冬に水仙に会えば、その前の冬のことを、
春に朴(ほお)の花の香りに浸れば、その時期の過去の私を、

思い出して、一年に数ミリでも成長していることを知る。


毎年毎年、花は裏切らずに咲いている。

同じ木、同じ場所でなくても、その時期にはきっとどこかで花が開いている。



それが植物の素敵さだと思う。





シキミ 樒 Japanese star anise

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お彼岸でお墓参りに行った。
母の手を引いて歩くと、足元にコロコロと、ぷっくり膨らんだ変わった形の木の実が落ちている。

あ、シキミかな?
と思って上を見上げると、樹にたくさんなってる。
わりに大きな実で、2.5センチはあろうか。

今回シキミと気が付いたのは、冬に同じ場所に花が落ちているのを見つけていたからである。

2月の父の命日、春のお彼岸、お盆と、秋の彼岸。
年に4回は墓参にくるのだが、たまたまちょうど実の時期があったものだろう。


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このお寺にはいたるところにシキミの木がある。
常緑樹にありがちな、地味で目立たない木だ。

おおむね神社では榊(さかき)が供えられるが、仏事では樒(シキミ)を用いるそうだから、お寺にはよく植えられるに違いない。


シキミの別名はジャパニーズ・スターアニス。
しかしこのシキミの実は、中華でみられるスターアニス(八角)に似ているが、毒性があり食用にならない。


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2月の終わりには花が咲く。
3センチくらいである。

2月、父の命日で墓参に来たおり、やはり足元を見ながら歩いているときに、ポツポツと淡黄色の花が落ちているのを見つけた。

花弁がちょっとよじれて咲く形が、なんとなく仏手柑(ぶっしゅかん)を思い起こさせる。

いつも来ているのに気が付かなかった、初めて見る花だった。
拾い上げるといい香りがする。

鼻に近づけて香気を吸う。
甘い、クリーミーなジャスミンのようである。

例えば柊ナンテンとか、モッコクとか、地味ーな花が意外なほど濃厚な香りを持っていることに驚かされる。

花は見た目じゃないのだ、香りが大事。




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このシキミの実は、8本の角(つの)のうち、2本がうまく出てこなかったようだ。
ふふ、なんだか鬼の子がくしゃみしたみたい。





➤キンモクセイの香水 オードパルファン「SONNET(ソネット)」


トップはマンダリンのシトラスと、クラリセージエッセンスのティーノートから爽やかに始まります。そして甘い桃のようなオスマンサス(キンモクセイ)の香りは、やわらかいフローラルの広がりに。金木犀の天然香料も深みを与えました。




ツルボ,蔓穂,Barnardia japonica

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ツルボ(蔓穂)が咲くのを待っていた。
夏は暑いうえに花が少ない時期で、新宿御苑から自然と足が遠のいてしまう。

夏休みの終わり、ようやく秋の気配が訪れたころ、その花が咲き始める。

妖精に会いにいく。


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細い茎の上に花穂が立って、つぼみの頃はつくしのような、ラベンダーのような形。

それが下の方から、順に開いてくると、
なんかこう、赤ちゃんが手を広げたような、パチパチっとした小さな花が、ひと房にたくさんついて、それが可愛い。


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ツルボは、花の咲き始めはヒヤシンスのような青臭いグリーンハニーの香りだけど、
日がたつと粉っぽい香りになる。

香水にトップミドルラストで「におい立ち」の変化があるように?
花の香りが咲き始めから散りぎわまで一様だなんてのは、思い込みなだけ。



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人でも花でもその一面を、大きなキャラクターだけ切り取ったところで、その人のすべてを表すわけじゃない。

1回かぎり、見知っただけではただのゆきずり。
馴染みになるってことが、知るためには大切なことなんだけど。



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ツルボの群生地の、周りの芝生は今ちょうど刈り終わったばかり。
ヒザをついて、青々とした草の香りの中で、小さな花の写真を撮る。

充分撮ったところで満足して立ち上がると、刈った草の液で白いパンツのひざから下が緑に染まっている。


久しぶりの御苑散歩、お転婆(てんば)をしたような、ものすごく愉快な気分。
心の中で、ひとりクスクス笑っている。




センニンソウ、仙人草、Clematis terniflora

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センニンソウ。
クレマチスの仲間で、つるでどんどん伸びていく。

センニンソウは、花びらは細いものの、クレマチス・モンタナスノーフレークにもちょっと似ている。
私の好きな花。


これを夏の花に入れるか、秋の花に入れるかいつもちょっと迷う。
8月というのに、今年は早くも秋の気配であるし、暦の上でも秋だから、やっぱり秋の花かな。



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4年前にもセンニンソウの記事を書いていて、そのときはパウダリースイートだと思っていたのだが、
今日はサリシレート(サリチル酸)のような、グリーン・メディカルな香りを感じた。

咲き始めと時間がたってからでは香りが変わってくるということはある。
また南仏の山で見たセンニンソウと思われる花は、匂いが感じられなかった。



同じ植物に見えても、フランスの花は匂いがないと感じることがしばしばある。

フランスから来た知人を新宿御苑に案内した時も、
「日本はフランスに比べて香りのある花がとても多い」
と言ったので意外に思ったこともある。

もちろん、フランスには日本にはない香料植物がいろいろあるのも確か。


花の香りがなかったり、異なったりするのは、たまたまの個体差なのか、花の成長段階によるのか、私の体調のせいなのか、あるいは気候や湿度のせいで、花の香りも揮発が早いのだろうか?

と、あれこれ考えてみたりするが、本当のところは知らない。



野の花は人のために咲いているわけじゃないから。








ガラスの薔薇 blossoming rose swarovski

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造花は、生きている花に似せるほどに、本質からむしろ遠ざかっていく。

似たものは、偽物だ。


その花を象徴にして、
別のものとしてあらわした方が想像力をかき立てられる。
実在しないガラスのバラ。


透明な、冷たいバラは「ベリンモン」のように歌うのだろうか?






花とにおい 朝顔 ヒマワリ チューリップ Ipomoea nil

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すっきりとして飾りがなく、冴えた藍色が大変美しい朝顔の花。


夏休みの宿題といえば「朝顔の栽培記録」、というほど小さいころからなじんだ花だ。

アサガオにしても、ひまわりにしろチューリップにしろ、シンプルな形と特徴が子供でも絵に書きやすい。

そのため、なんだか幼すぎる気がして、いっときは魅力を感じなくなった時もあったが、今ではそのわかりやすさが、明るさをもって胸に響いてくる。

朝顔には匂いがない。
匂いがない花は多い。

しかし、それは人間にとって感じないということで、植物が交配のために出す香りは、ターゲットとする昆虫や他の生き物には感じられるというらしい。

本来、花が咲いていることも、花の香りも、人の為にあるわけではない。


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このひまわりは、茎のみずみずしさが滴(したた)るようなグリーンの、菊に似た匂いがする。
ヒマワリはキク科なので当たり前か。。。
菊は昔から祭壇に飾られ、お浸しにして食べたりもしていたので、日本人にはなじみのある匂いではないかと思う。



植物の容姿を様々に変える工夫はあれど、香りを良くするための交配というのは、それに比べてあまり盛んではない。

多くの人は目に見えるものへの評価は熱心であるが、風韻というものを理解する人が少ないように、香りにはあまり注意を払わなかったのだろう。





チューリップもないと思っていたが、ごくわずかではあるが、最近では香りに注目した品種もあるという。
バラ園に行った時も、名札の下に「芳香性」と但し書きが書き加えられたりしているのを見た。
ようやく花も香りで評価される時代になったのだろうか。

香りの文化も、このように身近なところから充実していくのがいいと思う。



ガガブタ Nymphoides indica

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ガガブタという。

音だけ聞くと、身も蓋もない呼び方。

しかしその漢名はというと「鏡蓋」で、葉が鏡(かがみ)の蓋に形が似ているからだともいう。

ほんの小さな目立たない花なのだが、よくみると花びらの周辺が細かく裂けており、まるで木綿の布地のヘリをボソボソとほぐしたようである。



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英名の方がよい。
Water Snowflake。
雪の結晶模様である。

スイレンに似た葉をもっているが、ミツガシワ科で

水辺なのでよくかげなかったが、特筆すべきにおいは感じられなかった。






☆アシスタント募集☆
語学のできる方で、週に2~3日、アトリエのお手伝いのできる方を募集しています。香りの経験がなくても、香りがお好きな方でしたら大歓迎です。ご興味のある方はお問い合わせメールからご連絡ください。
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ホシオモト(星万年青)、ユーコミス、パイナップルリリー Eucomis 

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ホシオモト(星万年青)、ユーコミス、パイナップルリリーという。

確かに、星のようなつやっとした花。
オモト(万年青)のように、しっかりした葉が根元から伸びている。

淡い黄緑の中央にピンクがちょっぴりさして、おしべが冠のよう。


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パイナップルリリーという名前は、花が開く前、まだ固いツボミがぎっしりついているそのてっぺんに、
パイナップルのような冠芽(葉)が出ている様子からついたのだと思う。

私はホールのパイナップルをみると、いつもオバQを思いだす。

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新宿御苑の大温室の入口には、たくさんこの花の鉢植えが並んでいて、
甘いラクトン調のクリーミーな香りが漂っていた。





オニユリとクロアゲハ Lilium lancifolium

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クロアゲハは前翅の褄(つま)から大きく羽ばたいて、後翅はその動きに従っている。
アオスジタテハに比べてゆったりとした動きである。

蝶は気まぐれに飛んでいるようだけれども、蝶の道は決まっている。
それゆえ花は待っている。


オニユリは下垂した花を反らせて、「さあ」とばかりに蕊を剥く。
アゲハは知らず、その長い後翅に花粉をつけて花を巡る。


時間は止まっているのか、さかのぼっていくのか。
汗が胸を伝い、影は少しずつ短くなり、やがてユリに飲み込まれて消える。


太陽はてっぺんにいる。


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そうだこんなふうに、ひと気のない野原で、夏の蝶に出会うときはいつも、人の一生について考える。


アゲハは、自分がさなぎなのか蝶なのかは知らない。
朝が来て夜が来て、また朝が来る。
さなぎの死は蝶の誕生で、蝶の生はどこまでが夢なのか。

忙しければ、時間が心を責め立てて、
羽がなければ、蜜をくちにすることは叶わない。

感動がなければ、心は、死にかける。


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照りつける夏の野原から林へいけば、そこはひんやりとした湿原。
巨樹もまた、地上へと足を伸ばして息をする。




Seringat スランガ バイカウツギ Philadelphus

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MOUAN SARTOUXの植物園「Les Jardins du MIP」でこの花を見たときに、とても知っている気がしたのだけど、あんまりにも強い匂いだったので、なんだか思いつかなかった。

フランス語の名はSeringat(スランガ)。

花の蕊はちょっと見るとバラ科のようにも見えるが、花びらが4枚なので違う。
とげもないし、灌木のようすや、葉のつき方も違う。


なんだっけ?
帰って調べてみたら、バイカウツギだとわかった。



あの、私の大好きな小説、デュ・モーリア「レベッカ」の中で、デ・ウィンター卿が故郷の庭を話すときに
「バイカウツギは好きかね?」と聞く印象的なシーンがあって、あ、この花か、と腑に落ちたのである。


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日本にあるウツギと呼ばれるのはいくつかあって、匂いのあるものも、無いものもある。

紅白の源平ウツギはスイカズラ科で、ハニーグリーンの香りがする。
はじめ白い花が、咲くにつれ徐々に赤く変わっていき、開花の時間差で紅白の花が咲くように見える。

スイカズラ科にはほかに、ハナゾノツクバネウツギや、シトラスっぽい香りのタニウツギなんかもある。
どれも、いい匂いがする。

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上の写真、白いウツギは、アジサイ科で、匂いがない印象だ。
「夏は来ぬ」の歌では「卯(う)の花」と詠まれる


一枚目の写真、フランスで見たスランガ(和名バイカウツギ)は、
卯の花と同じアジサイ科(ユキノシタ科という分類もある)とあるので仲間なのだろう。


「卯の花のにおう垣根に、ホトトギス早も来(き) 啼(な)きて」

『何度嗅いでも、卯の花には匂いがないから、これは匂うほどに美しいということを詠んだのだろう』
と信じていたが、

「もしかしたらやっぱり卯の花って匂うのかな?」
私の知っている卯の花と、歌に読まれた卯の花はおなじものだろうか?
と再び疑問に思えてきた。


若いうちは、いろんな発見を手柄のように思っていたものだけど、わかったつもりで知らないことってたくさんある。
知らないことがあるって知るのも、年を取っていく妙味だわ。。。



ともかく、漢字では空木(ウツギ)とも書き、海外では注射器の木とも呼ばれるらしい。

アジサイは枝の中の、キビがらのようなところを掘ると中空になっているから、このウツギの木もきっと切り口はそんなふうなんだろうと想像する。




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ウツギのイメージは匂いがないという刷り込みがあったのと、日本の花の印象があって、
「まさかカンヌでお目にかかるとは!」という意外性でめくらましにあった~。

ごく身近にあるようで、気が付いてみればいろいろなところで見かけたのを、
初夏の派手な花に幻惑されて、清楚なこの花にはさして注目もしなかったものだ。


「近所でよく見かけた、さっちゃんが(みーちゃんでも、よっちゃんでもいいが)、遠い異国の光の中で見違えるようにきれいになっていて、見分けがつかなかった。」

というように、女性も花も、どんな場所に咲くかって重要なことよね。



花を撮るときはいつもたいてい名札も一緒に撮っておく。
あとで調べるのにとても役に立つから。

➤Seringat(スランガ) 和名 バイカウツギ 学名:Philadelphus satsumi アジサイ科バイカウツギ属





南仏の花 ラベンダーフレンチ Lavender

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フレンチラベンダー


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咲いたばかりのハイビスカス、
花弁が厚く艶があり、まるでビニールでできているみたい。

夜につぼんで、朝開く、を繰り返している。


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ランタナ?


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アガパンサスのつぼみ。

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なんだろう。マメ科の花であることは間違いない。





➤ニュアージュローズ
目を閉じて香りをまとうと、心にやさしい色と輝きがひろがり、新しい旅へと誘われる...。
ニュアージュローズは人生の喜びや美しさを情緒豊かに感じる女性のための香りです。

チュベローズ Polianthes tuberosa


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植物名      チュベローズ

学 名       polianthes tuberosa L.



和 名      月下香(ゲッカコウ)


分 類      リュウゼツラン科 チューベローズ属


説 明      物物学的には全くローズとは無関係で、リュウゼツラン亜科の球根草花である。



香りについて 甘く濃厚な、肉厚の白い花の香り。ミルク・ラクトニックでややゴムっぽい。コンソメのようなハムのようなにおいもする。


中央アメリカが原産の花だが、イランイランのような熱帯の花の香りがする。


撮影場所   グラース 香料植物園




このデータは、「パファンサトリ フレグランススクール」の生徒専用SNSコミュニティサイト内「香りの花の図鑑」から転載しています。

ほかにも、たくさんの香調表現や、ブランド香水ライブラリーなどがご覧になれます。

テントウムシとスズラン lady beetle & Muguet

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テントウムシは特徴的な柄で、愛嬌(あいきょう)がある。
小学生の頃のクラスメイトは、シールや、文房具のモチーフとしてひとつやふたつは持っていたような気がする。

テントウムシのサンバが流行ったのは中学生くらい?

「赤、青、黄色の衣装を着けた、テントウムシが踊り出す」と、つい口ずさんでしまう昭和世代。

チェリッシュ、懐かしい。。。


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スズランは背が低い故、香りをかぐのは一苦労だし、人には何をしているのか?と奇異にみられるので、写真を撮るふりをして膝まづいてみる。

涼やかなグリーンノートは程よい柔らかさ加減だ。


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4月から5月はとりわけ忙しい時期の上、花が一気に咲きそろう時期であるから、うかうかしているとあっという間に花の時期を過ごしてしまう。

心して余暇をとりたいものである。





►2014年スズランの記事 ミュゲ、スズラン、Convallaria majalis


►2013年スズランの記事 Fete du Muguet スズラン祭り メイ・デー


朴(ホオ)の木の花 Magnolia obovata thunb

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大きな朴の木(ホオノキ)の花。
花の王様である。

毎年ゴールデンウィークあたりに決まって満開になる。


1~2輪咲いているだけで、甘くフルーティな香りが漂ってくる。
満開の時期には、20センチもある巨大な花が、一つの樹に100輪は咲くのではないか。
圧倒的なボリュームのある花と香り。


キンモクセイやジンチョウゲの香りに比べて「ホオノキ」の花の香りが知られていないのは、やはり植栽数が少ないのだろうと思う。

なんといっても樹高が大きくなる。
10メートル以上...3階建ての家の屋根くらい?にはなるんじゃないかな。


一般家庭の庭に植えるのは難しい。
木陰が家を覆ってしまうし、その巨大な落ち葉の掃除も大変だ。

だから、公園とか学校の校庭くらいでしか見れない。



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私にとって、どの花もみんな蕊(しべ)が美しく、魅惑されてしまうのであるが、

とりわけ、朴の木の花の蕊は、それ自体が何かの意思を持っているように感じられる。
じいっと見つめていると、神秘の渦に巻き込まれていくような、心の昂(たか)ぶりがある。



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朴の木の葉も素晴らしく大きくて、これは30センチはあるだろう。

まだやわらかな葉はシルクの手触りがする。

昔から、味噌を包んで焼いたり、皿として使ったりする。


ブルーベル スパニッシュ Hyacinthoides hispanica

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ブルーベル、これはイングリッシュ種ではなくスパニッシュ種だと思う。
イングリッシュブルーベルは、強いハニーグリーンノートだが、スパニッシュの方が弱い。

ブルーベルはヒヤシンスやツルボの仲間だから、同じような青臭いハニーグリーンなのは理解できる。


図鑑などを見ると、ブルーベルの香りについてはひとこと「いい香りがする」としか書いてないけど、フローラルな良い匂いとは言いがたい。

ブルーベルが群生しているイギリスの森の中はくらくらするような香りだろうと思う。
あの、デュ・モーリアの「レベッカ」の中で、広大な地所を持つ主人公マキシム・デ・ウィンターが、ブルーベルの群れ咲く森を表現する。

まるで刺激性の野生の活液が茎の中をたっぷりと流れてでもいるような、いささかくせのある苦味のきいた匂いがたちこめている。」


たった一株のヒヤシンスが庭にあるだけでもかなり青臭い。
「良いにおい」と言えないけど、好きな匂いだ。
それは、「レベッカ」という小説のこのシーンが好きだったからかもしれない。


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ここ新宿御苑で毎年ブルーベルを見ると、その姿から、神楽鈴を思い出す。
巫女さんがシャランシャランと鳴らす、あの鈴である。

もともとブルーベルという名も、風に揺れて香りが漂うさまから、ベルが鳴って軽やかな音をたてるのを連想するからだろう。

言葉や文化が違っても、連想の骨格部分は似ていたりすることがある。

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奥はブルーベルのピンク。
ピンクなのにブルーベルっておかしい。

白もある。

白やピンクは香りが弱いか、ほとんどない感じ。








カラスノエンドウ ヤハズエンドウ Vicia sativa subsp. nigra

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小さいのに思いのほか目を引くかわいいピンクの花。
よく見ればスイトピーに似て。

形は、紫の藤(ふじ)にも、ピンクの萩(はぎ)にも、黄色のエニシダにも似ている。
なんとなればみんな豆科(まめか)の植物だから。



「悲しいかな!翼があると唯一知られている花は蝶であり、ほかの花々はすべて、破壊者の前になすすべもなく立ちつくしているのです。(引用:現代語で読む茶の本:岡倉天心 黛敏郎訳)」



とすれば、飛べるようにという想いが、蝶の形に結んだのが豆の花かもしれない。








ホシノヒトミ オオイヌノフグリ Veronica persica

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この花の名前が「オオイヌノフグリ」というのは、結実した種子の形が犬のふぐりに似ているからだという。
しかし、その実を見たことがないのは不思議だ。

春になり、凍えた地面がやがて柔らかい緑でおおわれるころ、青い可憐な花がぱっちりと咲く。
花はごく小さいのに思いのほか目立ち、春のウキウキ感と重なって印象深い花だ。


子供のころは、学校帰りの道草の途中で、まだ舗装されていない道の、しかし人が踏みしめることのない両脇に点々と咲いているのを、しゃがんでつくづくと眺めたのを覚えている。

「オオイヌノフグリ」という名前も知っていたが、ふぐりが陰嚢のことだと知ったのはもう少し大きくなってからだ。

いかにもひどい命名だとは思ったが、本当に種子がそのような形なのかは、今になっても確かめたことがない。


愛らしい花に比べて、実はとても目立たないのか。

もしくは種子ができる頃はきっと、もっと背の高い草に追い越され、初夏の訪れにいつしか存在を忘れてしまうからかもしれない。



先駆けというものは、人の心に喜びをもたらすものではあるが、そのようなものである。


☆オランダ アムステルダムの香水セレクトショップ「パフュームラウンジ」でパルファンサトリの香水が販売が開始されました。➤パルファンサトリ最新情報

☆香水専門ウェブサイト「FRAGRANTICA(フレグランチカ)」にパルファンサトリの「さくら」がフォーカスされました。

さくら 駿河台匂い SAKURA Prunus lannesiana 'Surugadai- odora

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新宿御苑には、いい香りの桜が何本かある。


スルガダイニオイ(駿河台匂い)はその中の一つ。

清楚な白の一重で、ハニーグリーンノート。



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もともと終わりかけの桜だったから、昨日の嵐で散ってしまっただろう。
春が駆け足で去っていく。




βフェニルエチルアルコール,Prunus lannesiana 'Surugadai- odora

ムラサキケマン紫華鬘 Corydalis incisa Spring ephemeral

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この時期、森に可憐な花を咲かせる、ムラサキケマン(紫華鬘)は春の妖精、スプリングエフェメラル。


ここは新宿御苑、落羽松(らくうしょう)の森。
落葉樹林の下草(したくさ)として、スプリングエフェメラルは背の低い、しかし比較的華やかな花を咲かせる。

背が小さいのは、まだ樹に葉が伸びる前の、地面に陽が差す時期、
急いで花を咲かせなければならないからだという。

そして、春が終わる頃すっかり姿を消してしまう、妖精のような花。

もう少しするとここは、ムラサキケマンに続いて、真っ白いオオアマナの花で覆いつくされる。
このアマナもスプリングエフェメラル、Spring ephemeralである。

忙しくて、なかなか妖精たちに会えないのが寂しい、この頃である。




さくら、cherryblossom

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ソメイヨシノを中心に、大島桜や山桜、駿河台においなど、たくさんの桜がつぎつぎと咲く。


人も集まる。

を見ているのか花を見ているのか、わからないくらいだけど、みんなの顔もほっこりほころんでいる。


私は山桜系が好き、

白い花に添えられた緑の葉が清楚で、香りもいい、

新宿御苑のどの桜の木がよい香りか、はいくつかチェックしていて、その中でもどの花がいい匂かも、またあって、それをかぐのが楽しみである。


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雪のように満開で、しかももう、散りはじめている。


風に散る様はきまぐれで。

天上からひらひらと落ちてくる複雑な動きを、エイッとばかりにつかんでみる。


「やった!」

童心に帰るなあ。。。


そっと手を開くと、花弁はまた飛んで行ってしまう、

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花びらがほしいわけではなく、動きを捕まえてみると云ううことが面白いのであって、つかんだものは、また手離してやる。

でなければ次の花びらを捕まえることはできない。






匂へどもしる人もなき桜花 Cherry Blossoms

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匂へどもしる人もなき桜花 ただひとり見て哀れとぞ思ふ


慶政上人 風雅和歌集

 

Cherry Blossoms


Beautifully in full bloom

Without being seen by anyone but me

What a magnificent view

 

 

It is expressing feelings of excitement and loneliness when enjoying the beauty of cherry blossoms alone.  Isolated beauty.

 

 

匂うように美しく咲き誇っているのに、それを知る人もいない桜花

たった一人、素晴らしい風情だと思いながら見る


ヒヨドリと桜 cherryblossom_&_Hypsipetes

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修善寺寒桜(しゅぜんじかんざくら)は、ソメイヨシノよりもかなり早く咲く。
2週間ほど前のことだから、もう満開を過ぎ葉桜になりかけているだろう。



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満開の修善寺寒桜には、たくさんのヒヨドリが忙しく飛び回っている。
ヒヨドリがいるときは、メジロはやってこない。

代わりに?
大勢のギャラリーがヒヨドリと桜を見に集まっている。


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桜を散らして花の蜜を食べている。

ヒヨドリは可愛いけれど、作物を荒したりすることもあって、害鳥とされることもあるらしい。


ソメイヨシノの開花宣言も出たことだし、一気に春がやってくる。
追いかけているうちに、追い越されていきそうである。






ヒヨドリ,鵯、Hypsipetes amaurotis

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我が家のヒヨドリちゃん
朝、私が一番にカーテンを開けると、ちゃんとベランダの手すりにつかまって待っている。

朝茶の支度をして、部屋の中をうろうろすると、彼(彼女?)も、手すりの上を行ったり来たり。


林檎の切ったのを投げてやると、すぐには食べない。

右を見て

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左上も見て

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おもむろに

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食べる!
ぱっくり。




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ふふ、まだこんなにあるぜ。。。
どいつから喰ってやるかな。


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そんで、ぱっくり。


ヒヨドリは、冬に食料がないときに、赤い実などを食べている姿の印象があるので、冬の渡り鳥かと思ったが、日本には一年中いるらしい。

馴染になると情が移るというもの。


はじめは箱の中の古くなった林檎をあげていた母なのが、
このつぶらな黒い瞳に期待されて、新しく林檎を買ってきたりして!














白いヒヤシンス hyacinth

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うわー、白いヒヤシンスいっぱいの、花束をいただいた!

花束が届いて白い包みをほどくと、なかにはヒヤシンスのつぼみがぎっしり。



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なんて素敵なのでしょう!

私は白い花が大好き。
そして、ヒヤシンスもとても好きな花。


こんなに贅沢な花束ってあるかしら?



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お部屋が暖かいので、みるみる蕾が開いていく。


清冽な緑から、白へ。
凛とした香りは春の息吹。



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ちょうど大きな染付の入れ物があったので、たっぷりという感じで活けてみた。

これ、全部咲いたら、花びんからこぼれそう・・・♡



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そして二日後には、ほら、こんなにあふれんばかりの花が咲いて、
私のオルガン台を飾っている。

開花に伴い、香りはボリュームのある焦げてビターなグリーン・ロージィノートへ。


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お花は実用品ではないけれど、、、。
実用ではないからこそ愛されて、そして心を慰めてくれる。

おしゃれが気持ちを浮き立たせるように、香りが私を美しくしてくれるように、
人が、ひとらしくいられるのは、無用の用を愛するから。


ヒヤシンス、風を信じる子と書いて、風信子ともいう。
春はそこまで来ていると告げてくれる、希望の花。





金柑(きんかん)Fortunella Kumquat

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まるまると太って、立派な金柑(キンカン)。

昔から、庭木としてよく見ることはあった。
それに、もいで皮ごと(または皮のみ)食べられることも知っていた。
知っていたが、なんとなく敬遠して、今まで生で食べたことがなかったのだが。

小さいころから生のキンカンを食べていた人によると、
「金柑の皮の香りは、他の柑橘とは違う」
と聞いたので、調べたところ特徴的な香りはゲラニルアセテートと書かれている。

たまたま年末に近くのデパ地下で、とても大きな金柑を見つけたので買って食べてみた。

皮は柔らかくて食べやすく、とても甘い。
マーマレードから苦(にが)みを無くした味、というのだろうか。

香りはレモンのようなフレッシュな酸味はなく、むしろ柔らかく、みかんに近いが、もう少し繊細な感じ。

想像していたよりもずっと食べやすい。

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昨年の「パルファンサトリ フレグランスデザインコンテスト」のお題は「柑橘(かんきつ)」。

おりしもクリスマスにグランプリの発表をしたところだったので、
居合わせた生徒やスタッフのみんなにも、
「キンカンを食べて、他の柑橘(かんきつ)と、どこがどう違うか比べてみてね」
と勧めてみた。


昔から好きで食べている、という人によれば、
「庭のキンカンはもっとすっぱくて、これはとっても甘い。立派すぎて、ちがう~。」

ということなので、果物屋さんに並べられるよう、手をかけて美味しく育てたのだろう。
九州鹿児島の完熟金柑、入来(いりき)のものと書いてある。


柑橘王国日本の、和柑橘。
多品種の柑橘類を味わえるのは楽しい。

(もとは)中国の原産ではあるけれど、最初の学名は、Citrus japonicaと言われたものだもの。



次はどこかで、庭のすっぱい金柑も食べてみたい。









もみじ山 Momiji-yama

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12月も後半に入って、1ヶ月ぶりの新宿御苑。

もみじ山は最後の紅葉(こうよう)が青空にひときわ映えている。

今年は暖かかったから、色づかないうちに葉が落ちてしまうのではと思ったけれど、この強い冷え込みで鮮やかな紅色に。


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こちらは、黄金色。
なにもかもが、キラキラと光っている朝。

何かが生まれてきで、もやもやと形になりそうなのに

それは、一ふきの風で霧散して、あとかたもなくなくなってしまうもの。



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これから木枯らしが葉を奪いさり、雪の日には裸になった梢(こずえ)が凍る。


それでも、根がある限り、いのちは続く。

厚い樹皮の下では、新しい息吹が春を待ちかねているのだ。








☆年末年始のお休みについて
12月26日(土)から1月5日(火)まで、休業とさせて頂きます。

スカビオサ(西洋松虫草)Scabiosa japonica  

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青い青い海の底に、潮流が襞(ひだ)となって、たゆとう中心に沈んだ古い神殿の、丸い翡翠色(ひすいいろ)のドームがいくつも固まり、その周りにはカリアティード(女像柱)が並んで天を支えている、頭上にピンクの飾り支柱が伸びをして。



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スカビオサ、セイヨウマツムシソウ。

お祝いに頂いた花束、色がとてもきれい。


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淡い色のヒヤシンス、同系色のラナンキュラス、マットな質感のフランネルフラワー、大人っぽい臙脂色のカラー。
私のイメージで組んでくださった。

ヒヤシンスのハニーっぽい青い香りが、春を待ち遠しく思わせてくれる。




仏手柑 ブッシュカン Citrus medica var. sarcodactylus

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これは、仏手柑(ブッシュカン、ブシュカン)という。蜜柑の仲間。

実の先が分かれ、細長い指のようだ。
仏さまが手を合わせたような形から名前がついたとされる。

実の食用になる部分はほとんどないので、果皮を利用して砂糖漬けのお菓子にしたり、観賞用としても活けたりする。


九州や四国の一部で栽培されている珍しい柑橘。
実物をみたことが無かったので思いついて取り寄せてみた。
先が少し傷みはじめている。
今年は暖かかったりして、どうしてもカビが生え易いのだそうだ。
育てるのにデリケートな柑橘。

柑橘特有の香りが強く、レモンよりレモンらしい香りで、グリーン感があり、しかしレモングラスのような土臭さが無く、より透明である。












インドボダイジュ 印度菩提樹 Ficus religiosa

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これが本当のボダイジュ(菩提樹)。
お釈迦さまが悟りを得たのは、仏教三大聖樹のひとつ、このインドボダイジュの樹の下である。


葉の先端が細く伸びている。
クワ科、イチジク属で、無花果(いちじく)のように花が外に咲かずに、果実の内側で咲いて実がなる。

「菩提」というのは、サンスクリット語で「目覚め」という意味があるので、やはり菩提樹はこれが本当といえる。


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インドボダイジュを本当の、といったのは、日本ではリンデンバウムのこともボダイジュと呼ぶことがあるからだ。


有名な歌曲、シューベルトの「冬の旅」で、

「泉に沿いて 繁る菩提樹」

という一節に出てくるのは、セイヨウシナノキ、リンデンバウムのことである。

こちらはクリーム色の小さな花がたくさん咲き、甘い薫りが強く漂う。

ドイツベルリンのウンター・デン・リンデンの並木は有名だが、5月のパリも、テュルリー公園をはじめ街中が香りで満たされる。





ゆる散歩 菊と秋バラを見に行く会 Shinjuku-Gyoen

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新宿御苑の菊の展示が始まりました。

今まで年に2回ほど、数人で新宿御苑に季節の花を見に行く「ゆる散歩」をしてきましたが、この秋も11月7日に「菊花展」と「バラ園」を見に行く会を行ないました。

スクールの公式イベントではありませんが、この日来れる生徒さんが集まって、中をウロウロ一緒に歩くというようなゆる~い感じです。

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特にコースを決めているわけではなく、いつものように、私がその日の気分で行くお散歩コースを歩きました。

この日は母と子の森から始まり、落羽松(らくうしょう)の気根(きこん)を見て、さざんかの香りを鑑賞しながら日本庭園へ。


日本庭園の中には、散策路にそって点々と、テーマごとの菊の展示がされています。


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銀河の様な渦巻きが、ほぐれていく「江戸菊」。


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300輪にもおよぶ大作り花壇。
圧倒されますね。


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この、たった一本の細い茎から分枝させて、まあるく大きくドーム上に仕立てています。
一度に咲かせなくてはならないでしょう、すごいワザです。



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大菊。
子供の頭ほどあります。


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上家(うわや)には紫の幕と朱の房が、高貴さを増していますし、ヨシズや、丹念にならされた盛土も素晴らしい。
順々に植えては土を均し、と整えていくのでしょうか。

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毎年見に来ても、新しい発見があります。
細かく砕いた苔を散らした地面。

花をより引き立たせる額縁のような役目ともいえますね。


10月に準備しているところを、何度か通りかかったのですが、土つくりのところまでは見ませんでした。

来年はぜひ拝見したいです。

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この糸のような細い花びらをもつ菊は、ゆっくりと咲かせ(開かせ)ないとここまで伸びないようです。
花火のようでキレイ。

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しおれているのではなくて、こういう菊のようです。
ガチャピンとムックを思い出しますね~。


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そして、菊花壇から中央の芝生をずーっと横切ってバラ園へ。
盛りは過ぎていたけれど、まだまだ咲き残っています。
淡雪のような清純なバラ。


花壇は生垣で囲ってあるのですが、すぐ近くに咲いている花は、みんなでかわるがわる香りを嗅いでみました。


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そして、ランチタイム。
ビニールシートを敷いて、ピクニック気分で、
みんなそれぞれお弁当を持ってきて食べました。

暑くも寒くもなく、うっすら曇りでしたので気持ちよく、おしゃべりも楽しく過ごしました。

帰りは温室をひとめぐり。
外には巨大なレモンの木があります。

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香料用ジャスミンや、これから咲く白い水仙などを眺めながら、新宿門に向かいました。
1時半に解散です。


次は春、また香りの花が咲く頃にお誘いしてゆるゆる散歩したいと思います。


「ゆるさんぽ」という割には、アップダウンあり、新宿御苑の端から端まで一気に歩く「ガチさんぽ」とも言えそうですが・・。




Record of floral fragrance  花の香りの記録について

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Every flower has a charm, I believe.  Common flowers could possess wonderful scents. However, there are only few books on these kinds of flowers.

 

I suppose that people didn't bother to smell non-fragrant flowers or even to make a record of them.

Those who are interested in plants seem to be busy categorizing them but not to pay much attention to fragrances that flowers possess.

Probably they didn't know how to express their feelings towards good scents.


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In Japan you could rarely see someone smelling flowers in the street.

Probably they feel embarrassed because that would make them look too romantic.

 

Tall flowering trees and small flowers on the ground. They are hard to sniff.

If you find someone standing on tiptoe or crawling on hands and knees to smell flowers in Shinjuku Gyoen- it must be me.

どんぐりの背くらべ drab competition

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ある朝、開園と同時に新宿御苑に行ったら、柵(さく)の上にどんぐりが並んでいた。
誰が並べたのだろう?

たぶん、この道は私が朝いちばんに通ったのだと思うから、前の日からあったに違いない。


風に吹かれて、一晩中、立ち続けることなんかできるのだろうか?
それとも夜の間に、やまねが運んできたのかな?


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ふとっちょも、やせっぽちも、みんなそっくり返って背比べ。





➤バラとスミレとアヤメとミモザの香水 ニュアージュローズ(バラ色の雲)

目を閉じて香りをまとうと、心にやさしい色と輝きがひろがり、新しい旅へと誘われる...。ニュアージュローズは人生の喜びや美しさを情緒豊かに感じる女性のための香りです。





ホリホック?アブチロン?Malvaceae?

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槿(ムクゲ)のことを書いていて、アオイ科の植物をいろいろと載せてみようかな。

そういえば・・・、昔グラースで撮った写真の中にもあったなあ。


たくさんの写真の中から見つけてみると、紫のこれである。
ウスベニアオイかゼニアオイか何かの変種かな、と思っていたのだが、どうも花びらの筋が違う。


ほら、下の写真のウスベニアオイはまっすぐに筋がはいっているでしょう?

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一枚目の青い花、網目状の柄は、アブチロンにも似ているが、アブチロンの色は白、黄色、赤。
通常、青系の花はない。

それともホリホック・・・?
どうしてもこの網目が気になって気になって。



ネットで検索3時間、ついに見つからなかった。
「アオイ科じゃあないのかな?」
「別の科で検索して見ようかしら」

もう一度花をじっくり観察する。
せめて葉っぱが写っていれば・・・。

よーくみると、一輪だけ、赤い花が咲いている。
やっぱり、これ、アブチロンなのかなあ。


赤と青が一緒に咲くって、色変わり変種なのかなあ・・・。

と、ふと思いついた。
ウスベニアオイを干したハーブティー。
お湯で煎じたとき、はじめブルーをしているのが、レモンをいれるとピンク色に変わる。


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もしや?
南仏の土はアルカリで、ペーハーのせいで、本来赤いはずのアブチロンが青く変色したとか?


いまだに解決しないけど、知りたいなって思う。



ヤツデ、八つ手、Fatsia japonica

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ヤツデって、あの、葉っぱが、天狗のもっているようなやつ。
これ、ツボミなのだけど、まるでシャクヤク(芍薬)のツボミのようだ。


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しかし、これが見事な変貌を遂げる。
いや、シャクヤクの様に派手な花にはならないので、みごとと言えるのかどうか分からないが・・・。

この段階だと、シャクナゲのツボミのよう。



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このあたりになると、花のつぼみというよりなんだか野菜っぽくなってきた。



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ようやく、ヤツデの花らしい姿に!
さらにちいさな花が集まって、この、ピンポン玉のような鞠になっているのだ。

なんとなく、家の裏庭に植えてあるような印象で、地味な陰樹だけれど、花も咲けば実もなるのだなあ・・・。

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ひとつづつが咲くと、こんなにかわいらしい!
あの、最初のツボミからは想像もできない変化というか、成長ぶりだ。


八つの手、ヤツデというが、葉は必ず7枚か9枚で奇数に割れている。


冬には花が少ないから、暖かい日には蜂も盛んに飛んでくる。
キレイな花がたくさん咲く春に目立つってことは、競争率が高くて難しいけどね!


地味な花でいいから、年老いても咲いていたいものである。





ムクゲ,槿花 Hibiscus syriacus

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ハイビスカスの仲間というと、身も蓋もない気がする。
「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」というように、儚(はかなさ)が身上だもの。


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「粋(いき)」とは、上品と下品の境界に淡く存在する。
その境界は、人の心と時代によって動き、狭まり、また広がる。


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夏のタチオアイ、ホリホック。

槿(ムクゲ)と同じアオイ科の植物は、たくさんある。
芙蓉(フヨウ)、ハイビスカス、タチアオイ、トロロアオイ、モミジアオイなど。

香料のアンブレットシードを採る植物も、アオイ科だ。





▶ さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂に、その面影を追う・・・そうした日本の美意識をこの香りにこめました。
 

巨大アスパラガス? ユッカ Yucca gloriosa

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うわっ!超巨大アスパラガス!


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どのくらい大きいかというと、2メートルくらい?


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でもこれは、アスパラガスではなくて、ユッカという植物。
アメリカ南部の乾燥地が原産らしい。

しょっちゅう咲いているような記憶があると思ったが、やはりバラと一緒に春と秋の2回咲く。


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秋に咲く白い花。
あのアスパラガスみたいな状態からは想像できない!


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花はつぼんだ状態で鈴なりになる。

和名は、アツバキミガヨラン

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サルオガセモドキ Tillandsia usneoides

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これをサルオガセモドキという。

と言っても、初めて見つけた時は、香料を採るサルオガセ(猿麻薯)かと思って喜んだのだが。

これは、サルオガセに見た目は似ているが別種の植物で、だからモドキという。
なんとパイナップルの仲間だそうだ。


温室には名札がみつから無かったので、アトリエに帰ってから、新宿御苑の植物一覧でをネットで確認したところ、やはりサルオガセはなくて、サルオガセモドキと掲載されていた。

本当のサルオガセ(サルオガセ科のエヴェルニア属)、あるいはツノマタゴケと呼ばれる植物からとれる香料は、広く「オークモス」と呼ばれシプレやフゼアタイプの骨格となる重要な素材であった。


オークモスなので「樫の木につく苔」と訳されるが、これには誤解があって、実際には「楢の木につく地衣類」である。

図鑑ではモスグリーン(まさにモス)をしている。


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このサルオガセモドキはサンタクロースの白い髭のようだ。

朝の明るい陽が窓からやわらかく射してゆらゆらふわふわしている。




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温室では、やや涼しくて湿度のあるコーナーにあった。
乾燥した場所では育ちにくいようだ。


もう一度おさらい。
サルオガセは地衣植物。
サルオガセモドキは被子植物なので花も咲くらしい。




カラスウリ,烏瓜,Trichosanthes cucumeroides

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カラスウリの赤い実が冴えてくると、もう冬が近いのだと感じる。
この色を見つけると、ときめいて近寄ってみるものの、一瞬後には哀愁を帯びて見える。

玉章(たまずさ)という別名がいい。

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気がつけば陽はすっかり柔らかくなり、夜が早くやってきた。
窓の外がひっそりと闇に包まれると、本を読むのが楽しみになる。

こうした景色の移り変わりを見ることで、体も冬の仕度をするように反応するのではないかと思う。


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これは、7月のカラスウリの花。


花びらが細い糸状に分かれ、レースのフリンジのようだ。

カラスウリの雌花は夏の夜に咲き、ひと夜でしぼむ。
雄花は数日のあいだ開花する。



闇夜では、赤や黄色より、白い花のほうがはっきり浮かび上がる。
スズメガを受粉に呼ぶために、夜に目立つ容姿になったのだという。


では、秋の赤い実は誰を呼ぶ?


ホトトギスとスズメガ  Macroglossum stellatarum

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ホトトギスという花と、スズメガという虫。

どちらも鳥ではないけど、鳥の名前のついた植物と昆虫のとりあわせ。

虫が苦手のひとにはダメかもしれないけど、
よくみれば目が愛くるしくて可愛いし、働き者ぽい忙しさは、私としては好感度は大。

この蛾は、飛んでいると本当にスズメみたいに見える。

激しく羽ばたいてホバリングし、蜜を集めているところはハチドリにも似てるなあ。

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これはホシホウジャクという種類らしい。

同じ仲間で、翅が透明で、もっと胴体がカラフルなオオスカシバというのもよくみる。
エビでも蜂でもないけれど、子供の頃はエビバチと呼んでいた。

彼らは羽化したばかりは翅に燐粉がついているが、次第に落ちて透明になるとも本に書いてあるので、このホウジャクもいずれ透明になるのかも・・・?


本当のところ、とまっているときと、飛んでいるときの印象がとても違うので、
ここで解説した種類が正確なのかどうかはわからないのでゴメンナサイ。






ターメリック,ウコン,鬱金,Curcuma longa,turmeric

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サロンでは時々、クルクマというピンクの花を活けることがある。
インド原産の花のせいか、夏の暑い時期に切花で長く持つ。

それを巨大にしたような感じのターメリックの花。

迫力がある。


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 包み布に使われる、ウコン(ターメリック)には、古来、防虫、防腐効果が確認されている。
染料としては平安時代から使われ、インドの僧侶が着用する袈裟もウコンによって染色されている。

材料である木綿は、デリケートな漆や焼き物などの表面を傷つけることなく磨くことができ、大切な美術品などを保管するときも、この布で包んで桐の箱に収めるのが慣わしとなっている。


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ターメリックというと、カレーの色や、お酒の飲みすぎに効く漢方とか、ウコン染めの黄色い染料の植物とか、ひとくくりに思っていたけれど、ウコンにも種類があるらしい。
Curcuma longaというのは、秋ウコンのようである。


春ウコン、秋ウコン、白ウコン、赤ウコン、紫ウコンなど、漢方での分類も日本と中国ではま逆だそうで、正直、どれとどれが同じなのかでわからなくなってしまうほど複雑。

秋のアオスジアゲハ Graphium sarpedon

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私の覚えでは「アオスジタテハ」なのだけれど、「アオスジアゲハ」というのが正しい名前らしい。
幼虫はクスノキの葉を食べるとか、この蝶はよく森の中で見る。

夏の間、敏捷に飛び回っていたアオスジアゲハ。
嵐の去った秋のある日、散歩をしていると、目の前をゆっくりと横切った。

「今日はずいぶんふわふわと飛んでいるなあ」
まるで、クロアゲハのようにゆるやかに、こずえと地面を行ったり来たり。

「いったい、どこに止まるのかな」

と気になって、つい追いかけはじめる。
しばらく飛んでいたと思ったら、舗装された道路の上にゆらりと着地した。

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そんなところには、花もなければ水気も無い。

そっとそっと、写真を撮りながら近くへ行く。
ほんのすぐそばまで来たのに、逃げようとしない。

時々翅を広げたり閉じたりして、そしてじっとして、やがて翅が倒れ、動かなくなった。

よく見れば、青は色褪せて、翅はボロボロに傷んでいる。

ずいぶん苦労したんだね。
もう、死んじゃうのかな。

みんな、いつかさよならするの。


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道路にいては踏まれてしまうし
そして、知らずに踏んだ人も悲しいでしょう?

せめて生まれた場所を思わせる木の上に、しがみついていた落ち葉と一緒に置いてみる。


哀れなの?淋しいの?

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でも私は覚えている。

夏の茂った薄暗い森の中で、ヤブカラシの橙色の小さな花から花へと忙しく渡る姿を。

たった一日しか咲かない、カラスウリの白い花を背にして、サファイヤブルーの翅は、木漏れ日を通るたびキラキラと輝いていたでしょう。


もしやあれこそが天国だったのかしら?

芳香バラ ローズ Rosaceae

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今日はバラの咲き具合を確認しようと思って、バラ園に行った。

先日の嵐でツボミの時に傷ついてしまったのか、花びらの傷んだものが多い。

そこで特に、香りのあるバラを中心に嗅いでみようと思い立った。
これは、シャリファ アズマという。
淡いピンクが中心から輝くようにふんわりと開いて、お姫様ローズ。



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去年は無かったと思うのだけど・・・。
最近はバラの名札にちゃんと「香りのバラ」と表示されている。

花の色や形だけが注目されがちだったバラ園でも、香りへの関心が高まってきたのだろうか。

こんなところにも、世の中に香りが身近になってきたことが感じ取れる。

残念ながら生け垣に阻(はば)まれて香りを見ることができないバラが多い。

せっかく「香りのバラ」と書いてあるのだから、できれば香りの鑑賞できる場所にもあるといいなあ。

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モリニュー。ロゼット咲きの可愛いバラ。

今日は花が遠くて香りがかげなかったのだけれど、2012年の記録によると、

「リンゴのような香りがするし、香料のロザルバ(Rosalba、9デセノール)という、脂っぽい匂いも感じられる」
と書いてある。



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日本のバラ。芳純(ほうじゅん)。
鮮やかなピンク。

柔らかく甘い、花びらをちぎったときの匂い。
ローズP。

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パットオースチン。
これも芳香バラ。

このバラは首が細く、うつむき加減の上、いつも背中をむけていて、なかなか顔を見せてくれない。
手を伸ばし、カメラで覗きこむようにして撮る。

丸い花びらが、これもプリンセスなバラ。

秋のバラは、どれも少し小さめ。


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黄色いたっぷりとしたフリージアという名前のバラ。

フリージアという花は、リナロールとかジメトールの匂いだから、このバラとは違う香りだけど、きっと色が黄色だし、香りがいいからそんな風に名づけたのだと思う。


花びらのようなローズPの匂いと、すっきりとした少しシトロネロールの匂い


►2012年6月6日 匂いのあるバラ③

昔のバラの記録を読んでみたら、同じことが書いてあった。


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これは、芳香バラで花けれど、プレイガールというばら。
濃いピンクの花びらがゆるく、一重なのがたくさん開いていると、ふしだらな感じが魅力。


「プレイガール」とか、「ふしだら」という言葉は、なんだか昭和の匂いがする。




アカトンボ Sympetrum

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アカトンボがたくさん飛んでいる。
これは、枇杷(びわ)の木にとまって日向ぼっこをしているトンボ。


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水辺にはやはりたくさんのトンボが飛んでいる。
ロープの上で並んで休憩。
これじゃ、前のトンボのお尻しかみえないでしょう。

夏の終りには青い、シオカラトンボをよく見たものだが、今はアカトンボがワンサカ。


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落ち着いてとまってくれるまで、じーっと待っていて、
ちょっとづつにじり寄って近くで撮りながら、「何やってんのかな~」とか自分でも思うのだけど、
足腰の鍛錬にはなっているようだ。


トンボの羽の美しい造作を撮りたくて。
顔のアップは怖いから載せない。




シリブカガシ、尻深樫、Lithocarpus glaber

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シリブカガシなんて、名前がヘン!
ドングリのへたの中がへこんでいるから、尻が深いんだって。

暖かいところが好きなので、京都が北限と言われているけど、新宿御苑にはあった。
ここ、日あたりがいいし。

となりにあるのはシリブカガシの花。
一年かけてドングリになる。
だから、花と実が一緒に見られる。

えぐみがなく、食用になるそうだ。



►パルファンサトリコレクションを少しずつお試しいただけます。

森 FOREST

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静かな夜の間にはった大きな蜘蛛の巣。

藪(やぶ)をかきわけて入れば、葉の裏に休んでいた小さな羽虫がいっせいに舞う。
蜘蛛の巣が捕まえる。

朝の均衡を破った、私の足音。


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この木は、私が生まれる前からここにあり、死んだ後もここに残る。

私たちが彼らを所有しているのではなく 、私たちが傅(かしず)いているのだ。

 

森は静かではない。
たくさんの生き物がいて、音に満ちている。


街は人で満ちている。なのに寂しいところ。

ニオイサンタンカ(匂山丹花)Ixora odorata

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キンモクセイも終わってしまったし、何となく寂しい気分であったが、気持ちいい風の吹くなか、ぐるっと新宿御苑をまわってから温室へ行って見た。

温室には夏の間はあまり行くことがなかったので、久しぶりに少し変わったものがみれるだろうか。
そんな風に思っていってみると、黄色い花火のような花がこんもりと咲いている。


これはニオイサンタンカというんだって。
初めてみるけど、いかにも南国の花のようだ。

「ニオイ」という名がついているから、いい香りだろうと思って顔を近づけると、甘くクリーミーで濃厚な中に少しグリーン感のあるホワイトフローラル調の香り。

プルメリアとかシャンパカとか、熱帯の花に共通のコクがある。
マダガスカルが原産で、日本では沖縄や石垣島でみれるそうだ。

サンタンカの花びらは4枚だけど、プロペラのようにねじれた開き方が、五弁のコーヒーの木の花に似ている。

サンタンカもコーヒーノキも、どちらもアカネ科の植物。



夏に咲くテイカカズラの花も、ねじれたはなびらで、ジャスミン調のホワイトフローラルな香りだから、ちょっと連想する。
こちらはキョウチクトウ科だから植物としては遠いけれども。

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「温室は冬に行くもの」なんて思っていたけれど、よく考えたら、夏は外より温室の方が涼しいかもしれないな。

来年の夏は温室に行ってみよう。

エフェメラルについて autumn ephemeral

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春の妖精に対して秋の妖精、オータムエフェメラル(autumn ephemeral)。
そんな言葉があるのかしら?

春夏秋冬、現れては消えていく花の妖精たち。


妖精を捕まえることはできない。

ただできるだけ長くそばにいてもらいたいと願うだけ。


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美しい四季の移り変わりを見ていると、私たちは何ひとつ所有することはできないんじゃないかなと思う。


たとえ、一輪の花をテーブルにおいて、あるいは庭に花を植えて愛でたとしても、永遠にとどめることはできず、その移ろいを記憶に残すのみ。

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ただ繰り返す季節のために、彼女たちに再び会えるよう、邪魔しないという形で、ほんの少し自然に関与できるかもしれない。


感謝と謙虚さをもって。


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秋晴れの、こんな素晴らしい日に、ひとりで広い公園でぼんやり風の音を聞いていると、いろんな音が聞こえてくるし、音(おと)は、たくさんあるけれど、聞こうとしなければ聞こえないものだって、あらためて思う。








カジノキ② 梶の葉のお手前 Broussonetia papyrifera

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木の名札を読んで「カジノキ」とあった時、ふとこの葉を使った手前(てまえ)を思いだした。

梶の木の葉は、切れこみが無く卵形のこともあるし、葉が裂けて3つになったり、かしわもちを包む葉の様に5つに分かれることもある。


このカジノキの大きな葉は、茶道の夏の薄茶席で、水指の蓋に使うことがある。

昔、娘時代に通っていた茶道の先生のお庭はちょっとした広さがあり、お茶で使う茶花などさまざまな植物が植えられていた。


七夕の時期、夏の暑い日に、「今日は葉蓋を使いましょう」といって、庭から切ったばかりの梶の葉を、お水屋の鉢の中に数葉つけてあって、涼しげだったのを覚えている。

水指の上に蓋の代わりに梶の葉を置いて、風炉のそばに運ぶ。

お手前の中で、葉蓋は開けたら折りたたんで建水に捨ててしまう。

葉蓋を右手で取り、縦二つに折り、茎が左に向くように横にむけて、三つか四つに小さく折りたたみ、折った葉にちょっと穴を開け茎の端を差しこんでとめ、建水の中に伏せて入れる。


この葉は、一回のお手前で一枚使ってしまうので、お稽古の人数分が必要である。


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これは5月の梶の花と葉。
切れこみが無く素直な葉の形だ。
先生のところで使った梶の葉も、切れこみが無かったように思う。



古来この梶の木の葉には、短冊の代わりにして和歌を書いていたそうである。
もともと、コウゾの仲間で紙の原料にもなるから不思議ではない(んじゃないかな)。

冷泉家では特に、七夕にこの葉を用いて歌を書く行事がある。


そんなことから葉蓋の手前をこの時期に行なうのかもしれない。

お茶の先生には、お手前のおりおり由来を聞いたはずなのだが、忘れてしまったことの方が多い。
シーンだけが切り取られて記憶の中に留まっているばかり。


カジノキ 梶の木① Broussonetia papyrifera

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カジノキ(梶の木)のオレンジ色の実がなっている。

はじめは花に見えたのだけれど、春先にもこの木には花が咲いていたはずなので、形の異なる花がまた咲くとは不思議なことだと思った。

調べて見るとこれは花ではなく果実で、このオレンジのつき出た柔らかい部分の中に種子が入っているそうだ。


実は今朝、新宿御苑に行ったところ、連休の代りで休園日となっていた。がっかり。

そこで、今月はじめに行った時のことを書くことにした。


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地面や、橋の上にたくさん落ちている。

雨の後なので、べっちょりとしてちょっと触る気になれなかったのだけれど、落ちたばかりの比較的きれいめのものをつまんでにおいを嗅いで見る。

ビターチョコレートの匂いがする。

意外な匂いにびっくりだが、2度拾って嗅ぎ直す気になれず、充分に確認できなかった。
また機会があったらにおってみたいものである。

110505かじのき2.jpg


こちらは5月のカジノキの花。

でもどっちかといえば、オレンジの実の方が花らしく見える。


みつまた、コウゾ、などと、紙の原料になる。

papyrifera、という学名も、紙を意味するのだと思う。






今咲くキンモクセイ,金木犀Osmanthus fragrans var. aurantiacus

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新宿御苑の新宿門を入ったあたりからすでにキンモクセイの匂いが漂ってくる。

新宿御苑にはキンモクセイのある場所はいくつかあるが、これはきっと、母と子の森にいく途中にある大きな木に違いない。

そう思って、広場を横切る道を森へと向かった。行ってみると

「なんだ、充実しきった開花直前だけどまだツボミ。」

でも・・・、このくらいたくさんあると、ツボミでもあたり一帯にもう香りが満ちているという按配(あんばい)だ。




20150923キンモクセイ2.jpg

大きな大きなキンモクセイの木。

どのくらいたくさんかというと、このくらいいっぱいついている。
右上のすみの方までツボミが鈴なりについているのが見えるでしょう?



20150923キンモクセイ3.jpg


ギンモクセイ(銀木犀)が2週間前に咲き始めてから、次はキンモクセイ(金木犀)と心待ちにしていたのだが、ようやく咲いてくれるようだ。

もう一カ所目指したのは、中央あたりの三角花壇。
ここは金、銀木犀の林。

そこもぎっしりのツボミの中に、ぽっちり咲き始めている。


銀は最初に咲き始めたとなりの木が、今満開になっている。
割りに花時が長いなあ。



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この金銀木犀の林には、たくさんのマテバシイもはえている。


ドングリがうるさいほど落ちてくる。
パラパラと、だれかが石を投げているのかと思った。

写真は、小石じゃなくてみんなドングリ!
「雨あられ」というが、本当にあられのようだ。




姿より先に香りが届く、キンモクセイの妖精さんに癒され中。

連休の朝は新宿御苑で療養し、午後の仕事に励んでいる。





キンモクセイの香り☆オードパルファン「SONNET(ソネット)」

トップはマンダリンのシトラスと、クラリセージのティーノートから爽やかに始まります。そして甘い桃のようなオスマンサス(キンモクセイ)の香りは、やわらかいフローラルの広がりに、やがて、木の暖かいラストノートへと移ろっていきます。



どんぐり マテバシイ Lithocarpus edulis

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晴れた秋の朝、ツクツクと遠く近く、蝉が鳴く。

耳をすませば、秋虫の音に重なって、たくさんのドングリが、コツンコツンとひっきりなしに落ちてくる。


人が人を取り戻す。


箱の中では、私は生きていない。
息をして動いていても、それは生きているのとは違う。

一人でいたら寂しくなるし、一人になれなければ息苦しい。
そんなわがままな自分を、静かな公園のベンチで、みつめている。



マテバシイ馬刀葉椎・全手葉椎

ヒバンバナ,曼珠沙華,Lycoris radiata,

20150922ヒガンバナ.jpg

「ヒガンバナ(彼岸花)を庭に植えるものではない、あれはお墓の花だから。」


そういわれても、気にせずに庭に植えたことがある。
若い頃は、ときに自分の中の「善」に不満を持つ。
または挑戦的な気持ちがあって?
ただ綺麗だったからかもしれない。

ヒガンバナは、夏草がまだ残る林の木陰にひっそりと茎を長く伸ばし、ある日突然その姿を表す。
毒々しいほどに赤く、悪女風だ。

20150922ヒガンバナ白.jpg


植物にとって花びらは飾りで、蘂(しべ)こそが重要な存在なのだ。
生殖が生き物の役割だから。


20150922ヒガンバナ白2.jpg


白いヒガンバナもある。
ヒガンバナに花の香りはない。

蘂(しべ)が生殖のために存在するならば、球根で増えるのはどういうことなのであろう?
ヒガンバナは3倍体であるため結実しないといわれるが、わずかにはできるそうである。


ヒガンバナによく似た形の、ダイヤモンドリリー(ネリネ)と呼ばれるピンクの花があるが、ドラマティックさでは及ばない。


萩 Bush clover

20150918萩.jpg

ハギは、秋草だけれども、花の形をよく見ると、藤やエニシダ、ムレスズメなどによく似ている。
豆科特有の形だ。

萩の木は細い枝が地面からブッシュのように伸び、分枝した先に花が咲いている。

花に会う日がいつも風のある日なのか、枝がしなり易いせいなのか、シャッターを切るときにはいつも揺れていて撮りづらい、と思うのが毎年のことである。

20150918萩3.jpg


秋の始まりはセンチメンタル。


愛の分岐点は、それが死んだら悲しいか、どうか。



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外国の豊満な女性にふさわしい香水を日本女性がつけると、もともと我々が持っている清楚(せいそ)な美しさが、逆に貧相に感じられてしまうように思う。


萩を見ると、そんな気がする。


ギンナン落ち始めました。銀杏,イチョウ,Ginkgo biloba

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臭うな~と思ったら、9月だというのに、もうギンナンが落ちている。
それも、りっぱな大きさ。


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結構、たくさん落ちているな~。
踏んだら靴の底が臭くなるので気をつけて歩く。


でもギンナンの落ちてくるのって、11月とかじゃなかったかな?
最近では植物の暦もなんだか変わってきているみたい。

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小さい頃はふにゃっとした黄色いギンナンは嫌いで、茶碗蒸しに入っていても、よけて食べたりした。

今は大好き。
翡翠(ひすい)色の青いギンナンを3つ4つばかり串にさして素揚げにし、パラリと塩をふったものなんか、こたえられない。


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新宿御苑は大きなイチョウの木がたくさんある。
葉は青々としているが、葉が黄色くなる前にギンナンができるのだったかしら?

なんだか、知っていると思っていたことが、ちっともあてにならないと思うこの頃。


ツルボ,Barnardia japonica

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ツルボに会いたい。


朝のうちにひと仕事を終えて、イソイソとアトリエを出る。
新宿御苑の九時の開苑時間にちょうどついた。

もう、ここは自分の庭のごとく熟知しているつもりだが、「どういうルートで行こうかな?」と考えながら案内板を見る。

ツルボは一番奥の、プラタナス並木の下に咲くのでちょっと遠い。

短い時間で中央あたりのキンモクセイ、はじっこのツルボと見て、折り返し最後に日本庭園のヒガンバナを見るルートをとることにする。


ほぼ、縦断する感じだ。

フランス式庭園のプラタナス並木。

ツルボは少しまばらな感じで生えている。
色がうすく、少し元気が無いようだ。


小さな花びらをひろげ、いっぱいに伸ばした蘂(しべ)が、赤ちゃんの手のようでいじらしい感じが好き。

並木を一往復しながら足元のツルボを見て、次はヒガンバナを見るためにすぐにそこを離れる。


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あらやだ、通りかかった「中央休憩所」の前に群生している。
ここはキンモクセイからほど近く。

あんな遠くまで行かなくてもよかったのに・・・。

でも、ここのツルボはピンクが濃い。
日当たりがよいせいかしら。


20150916ツルボ.jpg

時々においをかぐ。写真を撮る。

ズーム、ピント、開放値、よくわからないなりに、可愛いと思って撮ると、可愛くとれるんじゃないかなと思う。

そんな考えは論理的じゃないけど、そもそも、愛って論理的じゃないでしょ?


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ヒヤシンスのような、ハニーグリーンの香り。

後で調べたら、ツルボはユリ科のシラーの仲間だと思っていたら、キジカクシ科だと書いてあるものもある。


キジカクシ科なんてなじみの無い科だけれど、アスパラガスに近いようだ。
名も違うし、どっちが正しいのかな・・・?



今満開、ギンモクセイ 銀木犀 Osmanthus fragrans

20150915ギンモクセイ2.jpg

ギンモクセイの花が満開。
はじめに数輪が咲いているのを発見したのが9月3日だから、もう10日以上。
満開までいがいに長くかかったのは、お天気が悪かったからだろうか。

20150915ギンモクセイ4.jpg

うっすらとしたクリーム色の花が、朝の日差しに爽やかに見える。
花に近づき過ぎると、かえってにおいは薄く、少し離れると芳香に包まれる感じ。

きっと、1輪の力だけでなく、全体のハーモニー。
独唱(ソロ)ではなくて、合唱なんだね。


20150915ギンモクセイ3.jpg

中央にちいさな蘂が2本、アンテナのように生えていて、つるりと肉厚の4枚の花びらが本当に愛らしくて、じいっと見てしまう。

同じような写真だけれども、どの顔もみんな可愛い。
だから、この一枚を選ぶことができなかった。

写真を撮ったり、香りを見たり、すぐそばのベンチに座って眺めたり。
ギンモクセイの木の周りを、いつまでもぐるぐると回っていた、今朝の新宿御苑。


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ギンケイ、銀桂とも言う。


楽しいな。


ギンモクセイ 銀木犀 Osmanthus fragrans. var. fragrans

20150910ギンモクセイ.jpg

今年のギンモクセイ、銀木犀がもう咲いている。

この写真は9月3日のもの。
ここ、新宿御苑にはキンモクセイ(金木犀)とギンモクセイの群生している場所がある。

「まだ早すぎるなあ」と思ったが、一応そばを通ってみると、なにやらいい匂いがする。
あれ?と、よくよく探してみると、1本だけ、ギンモクセイ(銀木犀)が咲き始めている。

キンモクセイの咲く時期は、9月の終りから10月と思っていたし、たいてい、ギンモクセイの方が少し早く咲き始めるのだけど、それにしてもちょっと早い。

今年の夏はものすごく暑くて、急に雨で涼しくなったからだろうか?

ギン(銀木犀)は、キン(金木犀)より少し香りが薄いように思っていたけれど、あたりに香りの花がないせいか、よく匂い立っていた。



あれから、1週間。
雨が降ったりでずっと散歩にいけないけれど、もっと咲いているのかな。


秋がずんずんやってくる。



秋の赤い実 オオツリバナ Euonymusplanipes Koelhne

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秋の赤い実、オオツリバナ。
多少暑くても、緑の中に赤い実が見つけられるようになると、もう秋が来たと思う。

遠目にはマユミかな?と思ったけれども、近づくと実が5つに裂けているし(マユミは4つ)、実のつき方も殻の外側にぶら下がっている様子が、マユミとは違う。


そこで戻ってから調べて見ると、オオツリバナという植物だとわかった。

わかったからどうということもない、とも言えるのだが、やっぱり名前を知ると「行きずり」ではなく、より「馴染み」になった感じがするし、特別なものになる。

だから、名前って大事だな。


この1ヶ月、御苑に散歩に行く暇がなかった。

学校の夏休みは終わったと言うのに、こちらはまだ次から次へと課題が出されて宿題の山がへらないようである。
びっしりと仕事が詰まると、息も詰まってしまう。

本当は、歩いたりしている方が考える力が湧くというものなのだが。


潜水して、時々水の上で息を吸って、また深く潜るみたいな日々。

秋の一日、赤い実を見てもの思う。。





センニンソウ 仙人草 Clematis terniflora

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これはどうみてもセンニンソウ,仙人草。
白い小さなクレマチスだが、日本のものだと思っていた。

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南仏の山で見るとは思わなかった。
白い、雪のようなブッシュ。

蘂が特別長い。


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これは、新宿御苑のセンニンソウ。
ちょっと趣が違うかな。



うれしいとき。ジャスミン,jasmine

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うれしいとき。

わたしのこころのなかの
白い小魚がピチピチと跳ねる。

だからくすぐったくて。


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そうなの。くちびるがピヨピヨって、
囀りはじめることもあるよね。

だって嬉しいのに、照れくさいときは、ささやかによろこぶよりほかないもの。



ナンバンギセル 南蛮煙管 Aeginetia indica L

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ナンバンギセル。
ススキの根に寄生して生えてくる小さな植物。

昨年は時期が外れたのか見ることができなかった。
やや萎(しな)びて見えるのは、今年は暑かったせいだろうか、それとも時期が遅かったせいか。



20150820ナンバンギセル.jpg

思いのほかわさわさと生えている。
そして、3年前は一箇所だけだったのに、今年は別のススキの株の根元にも少し出ていた。

少しずつ勢力を伸ばしているのかな?

別名を「思い草」と言う。
うつむき加減にもの思う風情にて、「あなたが頼り」とばかりに寄生する植物。

時に大繁殖して、寄生主を枯らしてしまうこともあるそうだ。
したたかな草ではある。

101104すすき.jpg


野辺みれば 尾花がもとの思ひ草 枯れゆく冬に なりぞしにける  新古今和歌集
道の辺の 尾花が下(した)の思い草 いまさらさらに 何をか思はむ 万葉集


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ガーデニア,クチナシ,Gardenia jasminoides,

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クチナシについては、今まで花から香りから、何度も書いているので目新しいことも無いのだが、
やっぱりキレイだなと思うと写真を撮ってしまうし、撮ったら載せたくなってしまう。

これは八重のくちなし、白い肉厚のいい香りのする花。

中心の花びらの重なりがクリーミーで、らせんが広がる様に開いていく。


20150628ガーデニア.jpg

白い横顔も品があって美しい。
濃い緑の葉が、つやつやとしていっそう高貴な様子である。

茎が固く細いので水揚げが難しく、すぐにくったりとなりがちだ。
昔から首の細いのは美人の条件と言われているけれども。

すぐに褐色に黄ばんでしまうのは、マグノリアやジャスミンなど、ホワイトフローラルの宿命なのだろうか?


夏の夜のにおいは、甘く濃厚で官能的。





ギボウシ,白い花 plantain lily

201506025ギボウシ.jpg

ギボウシの白い花。
見た目は百合のようだが、花のつき方と葉が違う。

葉の緑がすずやかな、夏の花。
春には、「うるい」という山菜として葉を食する。
ちょっとぬるぬるする。


日陰に咲く地味な印象の花だと思っていた。
ヨーロッパへシーボルトが持ち帰って以来、園芸品種も多くうみだされ、ガーデニングの下草としてよく使われるそうだ。





水生植物,アサザ,浅沙,Nymphoides peltata

201506027アサザ2.jpg

アサザ、浅沙という。

いつものように、朝の新宿御苑の母と子の森に行って、水辺を歩いていた。


橋の上に立っていた男性がしげしげと、水の中の黄色い花を眺めている。

遠目には、私は「コウホネかな~」とか思っていたのだが、近づいて見ると
「これはアサザと言うんだ、こんな風にキレイに開くのは珍しいよ」

と教えてくださった。


学名にNymphとあるし、どうみてもスイレンの葉。

でも、あとで調べて見ると全然違う科だ。

201506027アサザ.jpg

よく見ると、花びらの縁に細かい切れこみが入り、花の雰囲気はかぼちゃとかキュウリに似ている。
これはナス目で、ヒルガオなんかの方が近そうだ。


アサザは準絶滅危惧種らしい。
先日の柿蘭(かきらん)しかり、絶滅が危惧されている多くの植物が、ここではのんびりと咲いている。

動物園が動物の箱舟なら、植物園は植物の箱舟。




アフリカハマユウ,インドハマユウ,Crinum bulbispermum

20150626アフリカハマユウ.jpg

遠めには、葉の形と花のつき方がハマユウ(浜木綿)に似ていると思ったが、そばに寄ると、白い花はユリに似ている。

いくつかの大輪の花が一緒に、背の高い太い茎にまとまっている。
ただし、若干しどけない感じで、ユリっぽくない。

きりっとエレガントな、「歩く姿はユリの花」とはいかなくて残念だ。

俗称はインドハマユウ、本当にはアフリカハマユウと言うそうだ。


ユリの匂いもしないし、タイワンハマオモトのようなクリーミーな匂いも無い。

どちらかというと、すごく薄めたブルーチーズのような、食品ぽい、グリーンソルティーな淡いかおりである。




モジズリ,ネジバナ,Spiranthes sinensis

201506026モジズリ ネジバナ.jpg

蘭科の植物は、世界で15000種類もあるらしい。
蘭(らん)の仲間は多いと聞くけれど、こんなちびっこい花まで蘭(らん)だなんて!

ネジバナ、とかモジズリ、と言う雑草。

子供のころは、どこでも見られたありふれた花だけれど、最近ではちょっと見かけないな。


201506026モジズリ.jpg

ネジバナは陽あたりの良い湿った土が好き。
これは、池のほとりの、南向きのへりに咲いていた。

舗装された道路のすみっこで見かけるよりも、すくすくと育って色も鮮やか。


ちなみに、この螺旋(らせん)は、右回りと左回りがあるんだそうだ。
意識して見たことが無かったけれど、これはどっち回りというのかな?

上から下りてくれば時計回り、下から登れば反時計回り。


ふと思い出して、昔の記事を開いて見た。

うちのベランダのプランターにひょっこり生えてきたネジバナは、
な、なんと、逆回りのネジバナだった。


090708もじずり.jpg

忘れてたわ~!



サルビア,Salvia splendens

201506024サルビア.jpg

ずっと離れた遠くから、真っ赤な塊が見える。
今は花が少ない時期だから、なんだろう?

そう思って近づいて見た。

円形花壇をぐるり取り巻いたサルビアの赤い花。
本当は、あまりサルビアって好きではなかったのだが。


なぜかと言うと、ちょっと昭和っぽい花だから。

おしゃれなカフェじゃなくて、昔の喫茶店の前に植わっていたりとか。



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でも、こんな風に近くでじっとみていると、なかなかいいもんだなあ。
目が痛くなりそうなくらい、鮮やかでキレイ。




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真っ赤の外輪には、補色の紫のブルーサルビアが、これもまたぐるりと取り巻いている。
とても、和風な彩りだと思うけれど。

201506024サルビア3.jpg


歌舞伎とか、和服の色合わせのよう。



柿蘭,カキラン,茶花,Epipactis thunbergii

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いつもお願いする近くのお花屋さんで、おまけにもらった柿蘭(かきらん)という夏の茶花。

サロンの中が暗いので、あまりよく撮れなかったけど。


ほんの5mmほどの柿色の花を釣鐘状に咲かせる。
よく見ないと気がつかないほどだけど、侘びた風情がとてもステキ。

こんなに小さいのに、咲けばちゃんと蘭の形をしているのが自然界の妙というものだろう。



地域によって絶滅、絶滅危惧種、準絶滅危惧種となっている。


柳とういろう,ヤナギ,Willow

20150620ヤナギ.jpg

水辺の柳はとてもいいもんだ。

一昨日もビヨウヤナギのことを書いていて、柳つながりのテーマである。

柳を見るたびに思い出すお菓子がある。

子供の頃、和菓子メーカーの青柳外郎(ういろう)という名古屋のお菓子がとても好きで、よくお土産に買ってきてもらった。
白、黒、抹茶、あずき、コーヒー、ゆず、さくら、という歌が今でも頭に残っているが、
そのころの私は特に「さくら」というピンクが一番だった。


プルプルしていて頼りなく、もちもち、特徴的な味はなく、触感と甘さがよかったのだろう。


青柳ういろう、そして、柳をWillow(ウィロウ)と言うし、どことなくくにゃくにゃしているところからついた名前かと思えば、偶然のごろあわせらしい。


最近はとんと食べていないが、懐かしいものである。





キンシバイとも、ビヨウヤナギとも。Hypericum monogynum

20150620ビオウヤナギ.jpg

「柳眉(りゅうび)」とか、「柳眉ををさかだてる(眉を吊り上げる意味)」とか、いう言葉がある。
美人の眉の柔らかなカーブを、柳の葉の形にたとえたものだ。

梅雨の薄暗い空の下、鮮やかな黄色が目をひくし、長い蘂がなんとも美人である。
においがないのが残念だ。

美しい花と、柳のような葉を持つこの植物、
ビジョヤナギ、とか、キンシバイという異名を持つ。

しかし名前とは違い、柳の仲間でも、梅の仲間でもない。


この、ビヨウヤナギの語源は、中国の玄宗皇帝(げんそうこうてい)と楊貴妃(ようきひ)の故事による白居易の歌の一説から来ているという。


花のあとには臙脂(えんじ)色の尖った実がたくさんできて、生け花の材料でよくつかう。
実を使うときは学名でもあるヒペリウムと呼ばれる。

ハンゲショウ,Saururus chinensis,

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まだ、一枚だけ白くなっているハンゲショウ。

半夏生は、夏至の頃に、半分だけ色の白くなった葉を開く。

まるでお化粧をしたようだ。
そこで、半分+化粧のハンゲショウ。

やがて白い葉がどんどん増えて、水辺が白く染まると、どこからか黄色い蝶がひらひらと飛んで来て

暑い日差しの照り返しが、意識をぼうっとさせる。
白日夢の中にいるような、梅雨の中休み。


暦の上では、夏至より11日後の(おおむね)7月2日を「半夏生」と読ぶ。
九つある雑節のひとつであり、七十二候のうちのひとつでもある。


►2011/7/2 ハンゲショウ

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あじさいの。 Hydrangea

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あるいても、あるいても、つづく紫陽花のやま




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海と空の境目はどこ?
地球は宇宙に浮いているのだから。



巨大アジサイ、紫陽花 Hydrangea macrophylla

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再び、アジサイ(紫陽花)である。

巨大、といっても全体が巨大なのではない。
新宿御苑のアジサイの並木に、とても大きな花が一輪だけで咲いているのを見つけた。

変異なのかな?
複数の花の栄養が、この一輪に凝縮したとか。

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同じ木の鞠(まり)咲きのアジサイと比べると、花の大きさは3~4倍はあるのでは?


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それにしてもキレイなブルー。
季節が進むごとに、色味が深まるような気がする。


アジサイの花の色が青から紫、ピンクに変化するのはは、土のペーハー、酸とアルカリによるものだと思っていた。
しかし、最近知ったのだが、酸によって溶け出したアルミニウムが関係しているそうだ。

すなわち酸性の土でも、アルミニウムを含まない土では、色が変化しないということのようである。


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ガクアジサイは、大小の花のコントラストがよいし、花数が少ないところがあっさりして、日本の情緒にふさわしいような気がする。

アジサイは雨にしっとりと濡れた風情が身上であると思うので、ひなびた土の花器や、籠に1輪ほど活けたりして楽しみたい。

八重咲きやフリル咲きなど、外国で品種改良された華やかなアジサイもあるが、それは紫陽花の本来のよさを損なっていると思う。

わがままな見解である。


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これは、ついこの前までは淡いピンクだったのに。

3枚の花びらが珍しい紅いアジサイ。
ヤマアジサイ(ガクアジサイ)の紅風車(ベニフウシャ)というそうだ。




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紅白が一緒になった紅風車の株。





青梅,アオウメ,Japanese plum

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梅の実が大きく膨らんでくると、梅雨の季節だと感じる。


梅雨の漢字の由来は色々あるようだが、「梅の実が熟す頃だから」と言う理由は、季節感がありきれいだから、そう思いたい。


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小さい頃、家の庭に大きな梅の木があって、よく実がなった。
母は棒で梅の実を落とし、焼酎につけて梅酒をつくったり、氷砂糖と酒石酸で梅ジュースをつくったりしていた。

たぶん、夏休みに飲んだのはその前の年に漬けた物なのではないかと思う。
氷をいれた冷たい梅ジュースを飲むと、汗がすっと引いたのが、おいしい思い出である。




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リンデンブロッサム 西洋シナノキ Tilia × europaea

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リンデンバウムの花。
新宿御苑の新宿門の外に、数本のリンデンの樹がある。
この樹に気がついたのはまだ昨年のことだ。

ドイツのベルリンにはウンター・デン・リンデンという有名な大通りがあるし、パリのテュルリー公園の並木もよく知られている。

街中のリンデンが一斉に咲くと、甘くややしつこいハニー調の香りがどこを歩いていてもまとわりつく。
パリの乾いた空気では、それが嫌味にならないから不思議だ。

そんなわけで、ヨーロッパではよく見られる樹木。


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ここのリンデンは、ほんのり香りが薄い。
日本の気候では、あまり強くにおわないのかもしれないし、樹の個体差かもしれない。

本数が少ないからなのかな?

20150603リンデンブロッサム3.jpg

薄クリーム色の小さな花がぶら下がるように咲くのは可愛いし、
ハート型の葉と、花の根元に開く、細長いやや明るい緑の葉のコントラストも面白い。


リンデンの葉を乾燥させたハーブティーも、ヨーロッパではポピュラーだ。
リンデンとカモミールをブレンドしたドライハーブティーは安眠効果があり、合わせた方が単品よりずっと飲みやすい。





昼顔、ヒルガオ、Calystegia japonica

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「ヒルガオ」とカタカナで書くと、なぜか外来の種のイメージがする。

ヒルガオは日本始め世界中に分布しており、特にそういうわけではないが、高麗とか、百済とか渡来したような雰囲気の字面(じづら)。

ヒルガオを横からみると、凛とした漏斗(ろうと)型をしており、なかなか気品がある。


150530ヒルガオ.jpg

「ひるがお」とひらがなで書けば、どことなくのどかで鄙(ひな)びた風情が感じられる。
なんだか寝ぼけた感じもする。

丈夫な雑草として扱われ、朝顔(アサガオ)のようにわざわざ鑑賞されることはない。

朝顔が朝にしぼむのに対して、昼顔はずっと咲いているせいで潔くないと思われるのだろうか。


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「昼顔」と漢字で書いてみる。

冬になれば枯れてしまうが、根が残り毎年また咲かせてくれる。
地中で根が絡んでいるので、花言葉は「絆(きずな)」というそうである。

漢字で書くと、その花言葉がふさわしいような気がする。


そんなわけで、文字には、発音だけでなく視覚的な効果があると思う。







ヒメジョン?ハルジョオン?Erigeron annuus

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ヒメジョオンかしら?(姫女菀)ハルジョオンかしら?


あじさい、紫陽花、Hydrangea macrophylla

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今年もまたアジサイの季節がやってきた。
もうすぐ、梅雨。

学名のハイドランジア、というのは「水の容器」と言う意味なのだそうだ。


通常、花が開いていく過程では、たくさんの水を必要とする。
茎の太さに対して、花の数が多いと水が足りなくなる。
花びらのすみずみまで水分が行き渡らないと、充分に開くことができない。


たっぷりの雨が地面を潤す、6月。
「アジサイが梅雨時に咲くのは、そういうことなのかなあ・・・。」
と思いながら眺めている。



アジサイは切花にすると見栄えがするが、水揚げが難しい。

固い茎を花バサミで切ると、その中心に発泡スチロールにも似た、白いキビガラ状のものがつまっている。
これを少し取り除いてから水切りすると、うまく水を吸い上げる。



花がすっかり開いてしまえば、こんどは簡単にドライフラワーになる。
朽ちていくファジーな青色は、とてもきれいだと思う。

夏の間は生花を涼やかに楽しんで、ドライフラワーにした花を秋から冬に飾ると、暖かみがあっていい。


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上の写真はお花屋さんでも見かける、緑色の小さなアジサイ。

これは、これから花がおおきくなっていくにつれ、青くなるのだろうか?
それとも、こういう品種で小さいままなのかな?

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アジサイの花びらは、花ではなく「」なのだという。
ガクアジサイを見ると、中央の部分に小さい花が集まっている。
ガクが変化して、中心まですっかり花びらの様になったのが、まり咲きのアジサイ。




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3枚の花びらが珍しいガクアジサイ。

あとでわかったのだが、これはヤマアジサイの紅風車と言うらしい。




夏の白い花,ハマユウ,Crinum asiaticum,

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夏の夜の香りは、からだにまとわりつきながら重く沈んでいく

白くぬるいいくつもの手が伸びてくる
闇の眠りに惹きこまれる
その手前で引き返す

濡れたビロードの
苦しげな吐息


いっそ淵に飛び込めば

月光にきらめく翔を持つ
蜻蛉(かげろう)の翳






►タイワンハマオモト/Crinum asiaticum,

タイサンボク 泰山木 Magnolia grandiflora L.2015

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夏の白い大きな花、タイサンボク,泰山木。
毎年会うたびに想う、この自然界の造形の妙(みょう)。


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そろそろ、タイサンボクの咲く頃と思って新宿御苑を歩いてみた。
知っている限り、タイサンボクの花を嗅げる場所は3箇所ある。

タイサンボクは10メートルを越す巨木で、花は高いところに咲く。
そのため下の方まで枝が下りている樹でないと、香りを見ることが難しい。

少し前に咲いた朴(ほお)の木の花によく似ているが、それよりもやや小ぶりで蘂が白く、すっきりと気品がある。

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咲いているのはまだ上の方が中心で、低いところのツボミが開くのはもう1週間ほど待たなければならない。

それでも、木の下に立てば、匂いが降り注いでくる。
爽やかなシトラス・グリーンで、ローズの中のシトロネロールやフェノキサノールを思わせる匂いもある。




隠れ家 hermitage

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隠れ家。隠れたがっているようで、みつけてもらいたがり。

人が通らない森の中に好奇心があったり、そんなところでめぐりあう秘密めいたきれいなもの。

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ぽっかりと光がさした陽だまりに群れ咲く、小さな白い花。

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散った花が地面に積もって、雨上がりの青葉と蒸れた蜜の、濃厚な夏の匂い。




 ►夏のフレグランス鑑賞会

日時:5月31日(日)13:30~

☆鑑賞香水

Jicky / Guerlain 1889 (Aromatic) アンティーク
Vent Vert / Pierre Balmain 1947 (Floral Green)
No1 / Laura Ashley 1981 (Green Floral)
Oribe / Parfum Satori 2006 (Green Citrus)
L'ile Au The (リルオテ)/ Annick Goutal 2015

Tea Escape (ティーエスケープ)/ Maison Martin Mangiela 2014 


シャガ 著莪、射干、胡蝶花 Iris japonica

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シャガ,射干はアヤメによく似た小さい花で、丈夫だしよく増える。
昔すんでいた家の、あまり陽のささない裏庭にも、群れてよく咲いていた。


ひとつの茎にいくつも花をつける。
暗めの場所だから、白い花がよく目立つ。

可憐な姿なのに、残念ながら花には匂いがないか、ないに等しい。

香りがないとなると、なんとなく造花めいた気がして、興が冷める。
ただ美人なだけでなく、惹きつける見えない魅力。
それが香りなのだろう。



とはいえ、匂いがないと思いこんでいた花が、ある日きまぐれに嗅いで見ると、
思いのほか香っていたりするから油断できない。


それにどの花も、人にわからなくても「昆虫にはわかるくらいには匂いがあるのだ」と言う人も居たが、それが本当かどうかは知らない。




○アシスタント募集

週に1~3日程度、アトリエのお手伝いのできる方を募集しています。

ご興味のある方はお問い合わせメールからご連絡ください。

お問い合わせメール


ハコネウツギ、ゲンペイウツギ、タニウツギ Weigela coraeensis

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ハコネウツギ(箱根空木)は、開いたばかりは白、次第に花は紅くなっていくので、一枝に紅白の花が咲いている様に見える。


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大きく張り出したハコネウツギの枝が、雨の後で濁った池に映る。
夏の到来を思わせる景色。

昨年はハニーグリーンでスイカズラのような香りだと思ったのだけれど、今年はあまり匂わない。
雨の後だからむんと匂う、という花もあれば、雨のせいで匂いが薄くなるものもあるようだ。




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白いウツギに比べ、花は大きく派手である。
ハコネウツギはベニウツギ、タニウツギと言う。

源氏と平家の合戦に由来して、この紅白の花をゲンペイウツギとも呼んだ。


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植物的には白いウツギは別の種類。
アジサイの仲間で匂いがほとんど感じられない。

アジサイ科ウツギ属、Deutzia crenata。
卯の花と呼ばれる。







シャクヤク,ピオニー,Peony,

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シャクヤクはいいにおい。
爽やかなグリーン・ローズ系の香り。

白から濃いピンク、ボルドーなど豊富な色合いだ。


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一重とか八重とか、中に細かく切れ込みのあるカーネーションのようなものまで。
この、中央の蘂が(何世代にも渡って)花びらに変化し、八重咲きになるのは、サクラやバラなども同じ。



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この時期、アトリエにもしばしば飾られる。

外に咲いているよりも、部屋の中にいるととてもステキだ。

洋のシャクヤクは花束で大きな花瓶に投げ入れ、和のシャクヤクは一輪を夏の枝ものと合わせ、かごや桶に挿す。





ツタスミレ,パンダスミレ,Viola hederacea

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ツタスミレ、パンダスミレ(Viola hederacea)とも言う。
スミレの中でも、葉が丸く、花は上下がややつぶれたような形。
その名のとおり確かに、左の花はパンダっぽい。

 
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夏の直射日光は苦手だけれども、温度が適当なら年中咲き続けるようだ。

温室の中にグランドカバー的に使われていた。
冬の寒さより、暑さに弱いからこそ、温室で管理されているのかも。

たんぽぽの種 タンポポ 蒲公英 dandelion

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繊細なガラス細工のようなタンポポのたね。



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手荒く摘んで走ろうものなら、風にもみくちゃにされて、すぐに丸坊主になってしまう。

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花が咲くころは、お日様をいっぱいに浴びれるよう、葉を地面近くに広げる。
そして種ができるころ、風によくのって遠くまで飛ぶように、茎をすくすくと伸ばす。

風に吹かれてふわりふわり。

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今日の台風では全部無くなってしまうかしら?

でも吹き荒れる強い風が、もしかしたら海の向こうまで運んでくれるかもしれない。
ちっぽけな、種が、よその国でも花開くかも。



シャクナゲ,石楠花,Rhododendron

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石楠花(シャクナゲ)、躑躅(ツツジ)、皐月(サツキ)。
これらの花は色が鮮やか。

シャクナゲの花はたっぷりと大きい。
でも、これらの花は繊細さがないので、私個人としてはあまり好きではない。

ホオノキやタイサンボクだって巨大だし、繊細ではないのに、ホオノキもタイサンボクも好き。

どのへんがOKで、何がダメなのかよくわからない。
白い花が好きなのかな~。
あと匂いがあるかどうかとか?


たぶん、これが趣味というものなのだろう。




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シャクナゲはいくつもの花が集まって、ひとつの巨大なボールのような花。
つぼみは折紙でつくったみたい。






ノイバラ,野ばら,Rosa multiflora,

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ノイバラ,野ばら。
清純で素朴な姿は、田舎娘のようだ。
モサモサ。


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さながら、野生の乙女、ミーガン(林檎の樹・ゴールズワージー)か。
でも、ミーガンは林檎の樹の花の下で愛を誓ったのだっけ。


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とげが多く、繁殖力が強い。
だから、ただのかよわい乙女とは違うな。

なんというか、このタフさ、したたかさが結構気に入っている。


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►2012年6月 ノイバラ、野ばらより

野ばらの詩には、ウェルナーとシューベルトの2つの曲があり、訳詩も二つあるようだ。もとの原文はゲーテの詩の「HEIDENRÖSLEIN」で、日本語訳は意味が少し変えられている。・・・

キリストが冠にしたのは、この野茨(ノイバラ、ノバラ)ではなく、トゲワレモコウという草のようだ。棘の多い草を総称してイバラと呼び、「いばらの道」というのはこうした棘のある植物の上を歩くかのようなつらく困難な道という意味であろう。





クマバチとオドリコソウ,踊り子草,Lamium album

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オドリコソウ(踊り子草)でせっせと蜜を集めるクマバチ。
クマバチはその姿と羽音で怖がられているけれど、とっても温和な蜂だ。

雄にいたっては針を持っていないし。

もう花が散ってしまったが、藤の花にもたくさんのクマバチが寄っていた。
藤の花は中心の重ねが固く、クマバチのあごの力でこじ開けなければ、蜜を吸うのが難しいという。

クマバチをパートナーと決め、固くガードしているかのようだ。

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それなのに、藤の花が終われば次の花へと移っていく、クマバチは浮気もの?

いえいえ、藤はもう受粉を終えて、役目を終わればハチには用なし。
でもハチは、生きて、食べて行かなければならない。



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踊り子草はシソ科の植物。
大きいけど、形はいかにも、シソの花。

近づいて花の香りを嗅ごうとすれば、その前に葉が擦れて、青じそのような、ペリラの匂いが強くただよう。

花の香りも青臭い。


►2014年4月の記事 オドリコソウ 踊り子草 伊豆の踊り子によせて





ハクウンボクとエゴノキ Styrax obassia&Styrax japonica

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ハクウンボクはエゴノキに似ている。
たいがい5月になると、どっちだったっけ?って迷うので、過去の自分のブログを読んで確認したりする。
これは、ハクウンボク。

ハクウンボクは葉の形が丸い。
そして、花が連なって咲く。
だから、白い雲の木で、ハクウンボク。


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香りはパラクレゾール。
防虫剤的なというとロマンがないけれど、多くの白い花にはこの要素がある。

甘い香りの下に隠れていたりすることもある。

開花したばかりと散る前では香りがゆらぐ。



ハクウンボク、初夏の雑木林の中に、涼やかなたたずまい。





スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)春の妖精

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スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)、すなわち春の妖精である。


落葉樹林の冬、大きな木の葉はすっかり落ちて、日差しを遮るものがない地面は暖かい。
まだ他の植物が眠りから覚める前に、スプリング・エフェメラルは葉を伸ばし始め、早春に花を咲かせる。

花のあとは、翌年まで養分を貯蔵するために、しばらくは葉が残って光合成を行なう。


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背の高い草が生い茂る、夏頃には消えてしまうこれらの植物は「春の妖精」、スプリング・エフェメラルと呼ばれる。


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スプリングエフェメラルと呼ばれるのは、ムラサキケマン、イチリンソウ、ニリンソウ、バイモなど。
わずか2ヶ月ほどしか姿を地上に表さない。

先日載せたアマモもその仲間だ。



この時期は一気に花が咲き、次々と終わってしまうので香りを追いかけるのに忙しい。
昨年のブログや記録を見て、毎年香りをチェックし記憶を更新しようとするのだけれどタイミングを逃してしまったものもある。

香りは無いと思っていた花が匂ったり、強いと思っていたのがそうでもなかったり・・・。
嗅ぐたびにぶれながら記憶を修正して、標準をとるみたいな作業だ。


この連休はずっと仕事はしていたけれども、合間には新宿御苑にもたっぷり行けたので少しはリラックスできたような気がする。


一年中、お花の香り三昧(ざんまい)、してみたい。







桐の花,princess tree, Paulownia tomentosa,

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桐の花は、藤の終わりと重なる時期に咲く。
桐の花は高いところに咲くし、地味な色合いなので、あまり注目されない花ではないだろうか?
下を向いて歩いていると、落ちた花をみつけて、ようやく咲いているのに気がつく。


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桐は高貴な花で、五三の桐や五七の桐など、古くから有力者の家紋にもなっている。
日本政府の紋でもあり、パスポートの中にもある。

古来中国では、鳳凰(ほうおう)は桐の木にとまるとされたそうである。

そういえば?花札の20点札は鳳凰と桐の花の絵柄。
ただし、アオギリとこの白桐は別属であるので、どこかで取り違えられたものかもしれない。




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これらの絵は図案化しているので、本当の花の姿と結びつきにくいのだが、
このくらい近づいて花の姿を見ると、図案化されたものが連想できる。

上の写真はフランスの桐、ポローニャ。紫が濃い。
今はフランスの公園にも桐の木はたくさんあるけれど、もともとは中国から日本へ来た樹木で、かのシーボルトがヨーロッパに紹介したのだそうだ。



学名のPaulowniaは、ロシア皇女で後のオランダ王妃アンナ・ポローニャ(Anna Paulownia・パヴロニア )に献名したことからだという。

日本における桐の材木としての歴史は2000年もある。
桐が箱やタンスや琴になったりするとは、フランス人も知らなかった。
公園にはよく整枝された並木もあり、もっぱら鑑賞用のようである。


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花の匂いを知ったのは、大人になってからだ。
毎年、記憶を新しくしたいのだが花の時期が短く、うっかりしていると嗅ぎそびれてしまう。

このたびは落ちたばかりの花をいくつも拾ってきて、アトリエでゆっくりかいでみた。
ビニールの中に花を入れて、袋の口をすぼめ、香気を嗅いでみる。

もっそりとした甘さのあるウッディ・・・グアイアック・ウッドのような。

その中にスパイシー感もある。
それは、スチラクスやシナモンとホースラディッシュを混ぜたような辛さ。





►フランスの桐の記事  桐の花 ポローニャ

►フランスの桐の記事2 桐の花 ポローニャ②

カナメモチ Photinia glabra 五月の白い花

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カナメモチだって!
うわー、雪が降ったみたい。
5メートルはある大木全体が真っ白に覆われて。

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それが、5ミリくらいの小さい小さい花が、集まってできているなんて!
何万輪も、いっぱい、いっぱい。

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なんだっけ?ニワトコ?ゴマギ?ナナカマド?サンザシ?

アトリエに戻って調べてみたら、「カナメモチ」だって。
そういえば、この木はどっちかといえば春先に出る、紅い葉が印象に残っている。

もうちょっとカワイイ名前だったらいいのにな。
ニワトコとか、サンザシって名前、かわいいじゃない?

花にとってはどうでもいいことだろうけれども。


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ちょっと離れたら、こんな感じ。
枝の先に、いくつもの分枝、そして傘の様に広がって花をつける。

花嫁のベールみたい!こんな、レィシーな花が咲くなんて。
米粒くらいなのに、ちゃんとはなびらも蘂も伸びているよ。


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カワイイからもう一枚似たような写真載せちゃおう。

匂いもする。
ちょっとしつこいようなハニー。

今日はこの花の姿に圧倒されちゃって、香りをメモしなかったので、もう一回ちゃんと嗅ぎ直したい。


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新宿御苑の大木戸門から入って、玉藻池の近く。



バラ科 カナメモチ属 Photinia glabra


モッコウバラ、木香薔薇(Rosa banksiae)

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新宿駅から新宿御苑に行く道の脇に、今年もモッコウバラが咲いている。
ここは高校の柵にそった植え込み。

外のバラも充分にきれいだが、中庭には手入れの行き届いた素晴らしいバラ園があると聞く。


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いつも季節の花が何かしら咲いている。
春ならラベンダーやバラ、秋なら小菊など。


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モッコウバラを見るたびに「何か楽しい、なぜか嬉しい・・・」そう感じる。
黄色いから?小さいから?棘がなくてあどけないから?

それはもちろんそうなのだけど「他のバラとは違う、心弾む感じがあるなあ」と、
いつも不思議に思っていた。

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そして今年やっとわかったのだけれど、それは、「リズムがあるから」。

ひと房、そしてひとかたまり。
長く伸びた枝先に咲く、花の並びがまるで、楽譜に書かれた音符のようなのだ。

リズミカルな景色を描いている。

毎年のなじみのつもりだったのに、初めて気がつく花の個性。


鈴蘭(スズラン)Muguet ミュゲ メイ・デー

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いろいろなところでスズランが咲いているのに気がつく。
かわいいなあ。
うつむき加減で、清楚で、いい香りがして。

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でも、おとなしそうなくせに案外繁殖力が強く、一度庭に植えると我がもの顔で広がっていく、厚かましさも持っている。

毒があるので放牧している家畜は食べない、よってますます増えていく。

なかなか、したたかな草ではある。


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晴れた日に白い花を撮るのは難しい。



►2014年スズランの記事 ミュゲ、スズラン、Convallaria majalis


►2013年スズランの記事 Fete du Muguet スズラン祭り メイ・デー



香りの花 ホオノキ(朴ノ木)magnolia obovata

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朴(ホオ)ノ木の花、まさにこれぞ「肉厚の白い花」強香のホワイトフローラル。

花弁はわずかにアイボリーのかかった白で、花びらはぽってりと厚く、マットな表面にもかかわらず、内側から光り輝くようだ。


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遠くに見える巨木の上に白い花が点々と。
あれ?もう朴ノ木が咲いてる?まさか?

近寄るにつれて、甘い熟れたイチゴやメロンのようなフルーティー・ノートが漂ってくる。
非常に強い香り。

初夏の訪れの早さにびっくりする。
過去の朴ノ木の記事をみたら、やはり毎年5月の初め頃に書いている。


6月の雨の日に、誰もいないこの木の下で、坂村真民さんの「念ずれば花開く(めぐりあいのふしぎ)」を読みながら泣いていたこともある。2011年震災の年のことだ。

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本当に立派な大きな花。
完全に開花すると、直径は20センチくらいあると思う。
威風堂々(いふうどうどう)、花の中の王様と言った風情だ。


繊細(せんさい)さとはかけはなれているので、「好きではない」と言うひともいるが、好き嫌いとは別の次元で、これはこれで何か尊敬に値すると思う。


がっしりとした巨木の前に、思わずひれ伏したくなる・・自然界の奇跡を感じてしまうのだ。

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遠くまで匂ってくる香りはそんなわけでフルーティーな甘さ。
5年前にこの花をみたときは、パンピーオレンジ(昔、牛乳屋さんが配達してくれた)ような香り、と思ったものである。

マグノリア類の特徴的な、ミルクゴム調の香りは、フルーティに隠れている。

しかし、咲きかけのつぼみの花芯に近づいて嗅ぐと、メチルサリシレート(サリチル酸メチル)のような、湿布薬のような匂いもする。



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モクレン科 モクレン属 学名:Magnolia obovata thunb

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過去こんなに書いている。毎年同じようなことを書いているけど。。。

►2014年4月30日 の記事 ホオノキ(朴ノ木)の花 magnolia obovata

►2012年5月8日 の記事 朴ノ木(ホオノキ)の一年

►2012年5月5日 の記事 マグノリア magnolia香料

►2012年5月4日 の記事 ホオノキ(朴の木) マグノリア属



►2011年5月4日 の記事 今、咲いていますホオノキの花

漂ってくる甘いフルーティーな匂い、なんだっけ・・・?そうそう、小さい頃飲んだ、「パンピーオレンジ」のにおいみたいだ。こんな大きい木でも、低い所に枝が降りて来ていて、いくつかの花を近くで嗅ぐことができる。蕾は、ゴムっぽいラクトニックな匂い。完全に咲くと、イチゴとチュベローズのカクテルのようにフレーバー的な甘さがある。みんな、寄ってきてニコニコしながら香りを吸っている。よく観察すると、ホオノキの下や、桜の木の下には、下草が生えていない。
セイタカアワダチソウもそうだが、朴の木も、根から発芽抑制物質を出し、他の植物が生えないようにする。見えない地下では、植物の覇権争いが行われているのだった。

アヤメ,イリス,Iris

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アヤメが咲いている。
アヤメは、乾いた地面に咲く。
背があまり高くない。
花は小ぶり。

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2010年5月10日 カラムスの記事より


いずれ菖蒲(アナメ)か杜若 (カキツバタ)というが、そのことわざ通り、どれがどれなのか判然としない。いつも、調べてその時は納得するのだがまたすぐ混乱してきてしまう。

ざっくりとは、アヤメは乾いたところに育ち、カキツバタは水の中に育つ。いろいろな色があるのはハナショウブ。畑にも水の中にも育つ。花びらの網目模様も判断の材料になる。カキツバタは網目がない。

 

アヤメとショウブは同じ「菖蒲」という漢字をあてるが、本当のショウブとは違う。ハナショウブも、上で書いたとおりまた別のものだからややこしい。

端午の節句にお風呂に入れるのはこのショウブ(Acorus calamus)。

サトイモ科で、ハナショウブやアヤメとはぜんぜん別の植物。


ショウブからは香料も採られる。

ニオイアヤメからイリスが、ショウブからはカラムスと言う香料が採られる。
カラムスは規制対象の香料で、今では使用できない。


まとめ。

アヤメ科植物
・アヤメ・・・乾いた畑
・ハナショウブ・・中間
・カキツバタ・・・湿地

サトイモ科植物
・ショウブ

ホソバオオアマナ Ornithogalum orthophyllum

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ホソバオオアマナ(細葉大甘菜)は、春先に咲く白い清純な花。
茎の途中から分枝して、いくつも花をつける。

もとはヨーロッパのものが観賞用に輸入されたものが、丈夫な性質のため徐々に里山に広がって行ったのだという。

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落羽松(ラクウショウ)の林床いちめんにさくホソバオオアマナ。

ユリ科オオアマナ属のホソバオオアマナ(Ornithogalum orthophyllum)、とユリ科のアマナ(Amana edulis)とは、名前は似てても、別種の植物。


夏から秋に咲き始めるタマスダレという花もよく似ている。
しかし、タマスダレは1本の茎に一輪しか咲かない。
花の時期は9月である。

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上はホソバオオアマナの花。下はタマスダレの花。


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アカンサス,Acanthus,

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これは、南仏の鷲巣村、グルドンでのアカンサス(アカンツス)。
とげのある葉を持つ、シソ科の下位にある葉アザミの仲間。

花は巨大だけれども、どことなくシソの花の形に似ている。

でも、普通のアザミやアーティチョークはキク科だから、名前が似ていても違うファミリー。


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こちらは日本の温室で。
花はより立派できれいだけど、色が淡い。
確か、アカンツス・モンタヌスというみたい。
葉のとげがすごく鋭い。

世界史でもアカンサスといえばコリント様式の柱の装飾としてならったのを思いだす。

ダイナミックな花と葉の形だから、デザインに使いたくなる気持ち、分かるような気がする。

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本当に巨大な花。


シデコブシ,Magnolia stellata,マグノリア,四手拳、

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ちょうど、白蓮と同じ頃に咲くシデコブシ。
こちらの方が少し早く咲き始め、やや長持ちするようだ。

ピンクの花は開くにつれて白くなっていく。


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同じマグノリアの仲間、白蓮に比べてシデコブシは細い花びら。
香りは甘く爽やかで、少しジリっとしたジメトールとか、それより少し甘いリナロールのような匂いだ。

白い肉厚の夏の花、ホワイトフローラルタイプはとても流行っており、マグノリアをテーマにした香水も多い。

ただ、一口でマグノリアと言っても、マグノリア類は種類がいろいろあり、少しづつ違う香りである。


マグノリアの天然香料は銀厚朴(ギンコウボク)から採られたもので、とてもフルーティ・ハーバルな香りだ。




コブシ,マグノリア属,Kobushi magnolia

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辛夷(コブシ)は、よく似た白蓮(ハクレン)より早く咲き、桜が咲き始める頃には終わる、そんな順番だろうか。

これは3月下旬の写真だから、ほんの半月ほど前のこと。

その桜も、ソメイヨシノの次の八重桜(ヤエザクラ)の時期に移っていて、本当に春は毎日が早い。

この辛夷の木は円錐形をしていてとてもきれいなのだが、そばに近づくことができない。



辛夷(コブシ)も、木蓮(モクレン)も、白蓮(ハクレン)も、泰山木(タイサンボク)も、朴の木(ホオノキ)も、唐種招霊(カラタネオガダマ)も、シャンパカも、みんなマグノリア属で、どれもいい匂いがする。

しかしそれぞれの花の香りには、共通の部分と異なる部分があって、それが特徴となっている。


例えば、同じシトラス(柑橘)の香りでも、レモンとオレンジとライムは、共通の爽やかな瑞々しさを持つ一方、レモンはグリーン感があり、オレンジは甘く、ライムは炭酸のような発泡感あるというような固有のキャラクターがある。


先日書いたように、白蓮の咲き始めはシトラス感とヘディオンのようなグリーン、それは泰山木(タイサンボク)に似ている。そして次第にミルクラクトン、ゴム調の甘いボリュームのある香りに変わっていく。

唐種招霊(カラタネオガダマ)はバナナのような匂いで、メロンやベリーの熟した朴の木の花の匂いに近い。

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こちらのコブシは倒れかけた枝にパラパラとしか咲かないのだが、
低いので近くによって香りをみることができる。

コブシの咲き始めはシャープで、まるでスースーするシップ薬のような、メチルサリシレート(サリチル酸メチル)の匂いがする。
大山蓮華(オオヤマレンゲ)もそのような匂いがする。

かと思えば、終わりかけの別のコブシの木を嗅いでみれば尖ったところが少なくなって、甘ずっぱい匂いに変わっていた。



毎年毎年、繰り返し花の香りを匂ってみれば、思い違いに気がついたり新しい発見がある。
印象はときにぶれるのだが、最終的には統合されて、その花の持つ本質的な部分に近づいていくのだと思う。








白妙(しろたえ)という名の桜 Cerasus serrulata 'Sirotae'

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白妙(しろたえ)は、八重のさくら。
やさしくて夢見るような花。

花の重さに耐えかねて、うつむく姿が可憐である。

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大きなサクラというよりも、まるで小輪バラのように見えるけれども、悲しいことに棘(とげ)がない。

こんなに従順では「世の荒波に蹂躪(じゅうりん)されてしまうよ」と心配になる。



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オオシマザクラ系のサトザクラ。
はじめは薄紅がさしているが、開くにつれて真っ白になる。




タイハクというサクラ,太白,cherryblossom

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その名の通り、大きくて白い、太白(タイハク)という名のサクラ。
ほんわりとした香りがする。


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花柄の長さに対して花びらが大きいので、他のサクラより密度が高くみっしりと咲く。
ポンポン手毬のよう。

花びらが散るときは、ゆったりと、大きな曲線を描いてく。


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ほんのりピンクが純白に咲く、太白は乙女なサクラ。



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Premium Collection さくら「SAKURA」  オードパルファン 50ml ¥16,000(税別)

2015年3月5日、プレミアムコレクションとしてリニューアル。

香調

明るくみずみずしい花の甘さが、うすべに色のふんわりパウダリーに変化します。やさしくもきりっと美しい日本の「さくら」。匂い袋のような和の花の香りです。

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万葉の時代から、日本のアートの中に描かれ続けてきたさくら。

雅やかに春を告げ、散りぎわも美しいこの花を、私たちはこよなく愛してきました。

花びらが風に舞うごとく、より軽やかに匂い立つように、日本特有の美意識を香りに託し、丁寧に処方を組みました。


詳しい説明はこちら→オードパルファン さくら

お買い物ページはこちら→オードパルファン さくら

桜の園,新宿御苑,散り際 cherryblossom

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桜の園の、ピンクのドームのベンチの下でぼんやりと過ごす。
包まれ感いっぱい♡

風がやさしく枝を揺らし、はなびらとお日様がもつれ合って流れるとき、時は止まってしまう。


でも、あっという間に時間は経って、もうアトリエに帰らなくちゃ。


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振り返れば、もう散ってるよ~。
吹雪いている、桜の園。

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普段は雑木林と言った風情の桜の林。
白やピンク、濃い紅色、そして花びらのじゅうたん。


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一日ごとに季節が進んで、あの八重紅枝垂(やえべにしだれ)の回りも、今を盛りと咲き乱れている。
今を盛りと。



ソメイヨシノ、オオシマザクラ、ベニシダレ cherry blossom 2015

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はじめの1輪を発見してから、わずかな間にすっかり開花したソメイヨシノ。
白い花が重なって、うすべに色になる。

ソメイヨシノはフェイントピンク。



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オオシマザクラは匂いがある。
白い花びらが少し大きくて、明るい葉の緑が花をいっそう清純に見せている。

個体差というか、同じオオシマザクラでも木によって匂いの強さは違う。
このオオシマザクラはハニーグリーン(ローズPとフェニルアセトアルデヒドのような)な匂いがする。


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最初のシダレザクラがほぼ終わりに近づき、今はベニシダレが咲き始めている。

シダレはこんな風に乱れた感じがいっそうあでやかだ。



ハクモクレン 白木蓮② Magnolia denudata 2015

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このハクモクレンの樹がいかに大きいかは、右下の人物の大きさを見ればわかる。
都内随一の大木といわれ、立て看板には樹高約14メートル、幹周約2メートルと書いてある。

昨日の、20メートルはありそう、というのはちょっと大げさだったかも。


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すみれについて、
「小さな花の香りをかぐ為には、跪(ひざまず)かなければならないので、花の王様である」
とつい最近書いたばかりだが、

大木の花は高く、香りをかぐことが難しい。
だから、
「背の高い樹の花は、手の届かない星である」

せめて落ちてきた一片を、急いで口もとにあてて香りを吸う。


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花びらとガクは同じ白なので、どこからが花なのかよくわからない。
外側3枚がガクだったと思う。

純白の肉厚の花は、咲き始めはタイサンボクにも似た爽やかなシトラスの香りと、ヘディオンのようなグリーンだが、次第に甘くボリュームのあるクリーミー感が強くなってくる。

特に、やや茶色味を帯びた花の末期にその下を通れば、香りは深くゴムのようである。

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昔に読んだのでちょっとあいまいな記憶だが、
「蒼穹の昴(浅田次郎)」という小説のなかで、この花の印象的なシーンがあった。
英国に留学経験もある、清国第11代光緒帝のいとこ戴沢(ツァイゾォ)は、自邸の広い庭の中央に立つハクモクレン(コブシだったかも)を前に紅茶を飲んでいる。
樹を眺めながらその花の崇高な美しさをたたえた直後、「花の終わりが茶色く汚くなってしまうのを見たくない」と言って旅立ってしまう。
清朝の最後と重なるその行く末を、育ちのよさゆえ正視することができないのだろうか。


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地中深く根を張って、取り込んだ栄養。
そこから血管のように分岐した枝の先に花をつける。
一年の養分を、香りと共に一気に放出する。

花の純粋さと対照的な、幹の節くれだった老練な様子が美しさを引き立たせている。

あっというまに満開になるさまはすばらしく気高いのに、花のいのちは短い。
わずか3日後、気がつけば花は褐色になりその花びらを地面に散らす。

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累々(るいるい)たる屍骸からも立ち上るアニマリックな臭い。
でも、それは地に還り再び蘇(よみがえ)るための礎(いしづえ)。




ハクモクレン 白木蓮① Magnolia denudata 2015

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この暖かさで、新宿御苑のハクモクレンの花が一気に満開になった。
ほんの2~3日前のことである。

今の時期は花が次々と咲き、2日も出かけなければ、苑の様子はすっかり変わってしまう。

とても見事なハクモクレン。
ここ新宿御苑には、大きなハクモクレンの木が何本もある。
新宿口ゲートのあたりと、日本庭園の木はとても見事。

この木は樹齢130年、高さも14メートルとあるが、表示の古さから推測するとそれから何年も経っているだろうから、20メートルはあるのではなかろうか。

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あたりに漂う香りが強い。

ハクモクレン、コブシ、シデコブシと、同じ種類のマグノリアだけれども、香りはずいぶん違う。
このことについては、ページを改めて比較して書いてみたいと思っている。

ハクモクレンのこんな大きな木を仰いでいると、花は崇高な使命を持っているように思えるし、そうではなくて、存在自体が崇高なだけのようでもある。

まるで、白い鳥が羽を休めていて、風が吹くと一気に飛んでいってしまいそうだ。



スミレ,菫,Viola mandshurica

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スミレ。やわらかくふくらんだ野の道を歩いていて、足元にふと気がつくと、もう紫の小さな花があちらこちらにぽっちりと咲いている。

あでやかな桜だけではなく、こんなささやかなところにも、春の喜びが溢れている。


スミレの学名、Viola mandshuricaマンジュリカというのは満州の、という意味からきているそうだ。
口に出すととてもかわいくて、スミレの姿にぴったりなように思える。

スミレの香りは甘く粉っぽい、しゅっと収斂するような香りだ。
ただし香りをかぐためには、跪(ひざま)づいて顔を近づけなくてはならない。

だから、香りのある小さな花は「王様」なのである。




桜 ソメイヨシノ 開花 yedoensis 'Somei-yoshino'

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桜の開花宣言が出された昨日今日、
ここのソメイヨシノもずいぶんほころんできた。

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この桜の最初の一輪は18日だったのだが、ぱらぱらと開いている。

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それにしても、つぼみがぎっしり。
もう、咲く気満々のソメイヨシノ。





シダレザクラ,新宿御苑,2015年3月22日,Cerasus spachiana

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日曜日、とても暖かかったので新宿御苑にシダレザクラを見に行った。
3月18日にはほんの数輪だったのに、ほんの1週間立たずしてこんなに咲いている。

ざっと、3分咲きだろうか。


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毎年繰り返される行事のようなものだけれど、サクラの開花は胸踊るものである。


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もう少し開花が進むと、メジロがたくさんやってくるだろう。

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日曜日ということもあって、今日はたくさんの人出。
枝垂れ桜はどこから見ても妖艶である。





アセビ馬酔木 ピンク Pieris japonica subsp

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アセビは、ピンクの風鈴のような花なの。
普通のアセビ(アシビ・馬酔木)は白いけれども。

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ドウダンツツジのピンク、サラサドウダンと間違えそうになっちゃうけどね。

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馬がこの葉を食べると酔っ払った様にふらふらするから、馬酔木っていうんだって。
こんなにかわいい花なのに、葉には毒がある。



御苑のタヌキ(Raccoon dog)

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タ、タヌキ!
びっくり、新宿御苑にタヌキ(狸)がいるなんて?

雑木林の中の道を、写真をとりながら歩いていると、後ろの方に気配を感じ、振り返るとそこには小動物が。

『大きい猫かな?』

と思った一瞬の後に見えた顔が尖っていて、目のあたりを中心に黒い。
全体に毛が長く、尻尾がふさふさと。

「これって狸?」

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急いで写真を撮ろうとしたが、そのときはクロモジの花を撮るために接写モードになっていて、モードを変えているうちに小川の横の繁みに入ってしまった。

あわてていたので、もたもたしてしまう。


しばらく隠れていたので、そろそろと近づこうとしたところ、
あっというまにせせらぎを渡って対岸の土手を登り、築山(つきやま)の向こうへ駆けていくまではすごく早かった。

いったい、新宿御苑のどこの穴から出てきたんだろう?
それに、ある程度の数がいなかったら繁殖できないはずだから、もっとどこかに潜んでいるのだろうか?

大都会の真ん中に住むタヌキ。

新宿御苑では、鼈(すっぽん)もしばしば見かけるけど、本当に珍しい生き物に出会える。

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歴代中国王朝数え歌、というのを中学日本史の授業で覚えさせられた。

それは猩々寺(ショウジョウジ)のタヌキ囃子の節回しにあわせて、

「夏、夏、夏・殷・周・秦・漢・魏・晋・南北朝・隋・唐・宋・元・明・清、清、清(か、か、かいんしゅう、しんかんぎしんなんぼくちょう、ず-い-、と-うそ-う、げ-んみ-んしんしんしん)♪」

と歌う。

授業の最初に3人ほどが当てられて、黒板の前に立って唄わなければならない。

常に恥ずかしい思い出だったので、もしかすると、忘れ物をすると歌うのだったのかも?

今はコレ、体罰になるのかなあ?


しかし、大人になり中国の歴史小説を読んでいて、この歌がとても役に立っている。



 


キブシ(木五倍子)Stachyurus praecox

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ハチジョウキブシ、ひとつひとつはとても地味な花なのだけれど、房状になってたくさんぶら下がっているとまるで鎖のようで目を引く。

玄人受けする渋い、藤のような。

と思ったら、別名をキフジとも言うらしい。なるほど。


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淡い黄緑のチェーンが幾房も。
まわりに花がないせいか、一段明るい色調が浮き上がって見える。


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ほんのり淡い匂いがする。

ハチジョウキブシ キブシ科 キブシ属  Stachyurus praecox

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Premium Collection さくら「SAKURA」  オードパルファン 50ml ¥16,000(税別)

2015年3月5日、プレミアムコレクションとしてリニューアル。

香調

明るくみずみずしい花の甘さが、うすべに色のふんわりパウダリーに変化します。やさしくもきりっと美しい日本の「さくら」。匂い袋のような和の花の香りです。

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万葉の時代から、日本のアートの中に描かれ続けてきたさくら。

雅やかに春を告げ、散りぎわも美しいこの花を、私たちはこよなく愛してきました。

花びらが風に舞うごとく、より軽やかに匂い立つように、日本特有の美意識を香りに託し、丁寧に処方を組みました。


詳しい説明はこちら→オードパルファン さくら

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☆3月、さくらのサンプルをお送りさせて戴きます。
ご希望のお客様は、サンプル送付のお申込みページから→ こちら。 
※予定数なくなり次第終了させていただきます。

ソメイヨシノ咲きました!2015年3月18日Cerasus × yedoensis

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新宿御苑のソメイヨソノ、開花。
2015年3月18日、ことし初めての一輪だ。

霧の晴れた暖かい春の午前。

Cerasus × yedoensis


シダレザクラ、咲いています!2015Cerasus spachiana

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シダレザクラ(枝垂桜)が少し咲きはじめている!

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ほんの一週間前は固いつぼみで、遠目には冬枯れのもの寂しい風景だったのに!

つぼみがふっくらと色づいている。
あともうほんの少しの太陽があれば、サクラはすっかり心を許して、小さく畳まれた花びらを伸ばすだろう。

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新宿御苑の池のほとり、見事なシダレザクラの一角には、毎年たくさんの人が訪れる。

御苑の開園9時に合わせて、門から全速力で場所とりに走るカメラをもった人たちも、今はまだいない。

祭りの前の、一瞬の静寂。


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3月11日、鎮魂の中にいたシダレザクラ。




クロモジ,黒文字,リナロール,Lindera umbellata

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まだ浅い春に、こんな風に明るい朝の日差しを浴びて、うっすらとうぶげが光るような、みずみずしい、みどりの小さい芽吹きが好きだ。


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➤クロモジについての詳しい記事 2014/3/18 今咲いていますクロモジの花

➤自分で読み返しても面白かった。

春の黄色い花 サンシュユ、山茱萸、Cornus officinalis


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遠くから、黄色がふんわりかすむ樹が見える。
サンシュユ、もう咲いている!

春は黄色い花が多いような気がする。
でも、ピンクの花も、白い花も多いよ。

だから、いっぱいいっぱい咲いているってことかな。

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サンシュユは、細かい地味な花がたくさん固まってついている。
香りは本当に淡く、ほのかに粉っぽい。

花がまだ少ない早春じゃなかったらあまり目をひかなかったかも。

先がけって、得だなあ。。



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ずっと辛い冬だと思っていたのに、なにもかもがいっぺんに花開きはじめる3月の嬉しさ!


枝垂れ梅(しだれうめ)

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枝垂れ梅(シダレウメ)は、普通の梅より一拍遅れて咲く。
ピンクの枝垂れ梅。

枝垂れ桜(シダレザクラ)の時期のように、春爛漫とまでは行かないけれど、枝垂れ梅の咲くここは、満開の白梅と河津桜(カワヅザクラ)と水仙に囲まれた夢の国。


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まだ寒い時期に咲く梅の枝垂れはオリエンタル。
19世紀末にヨーロッパで流行したジャポニズムを感じさせる。

この枝垂れ梅が咲くたびに、思いだすのは古いデコのポスター。

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これはフランスの古書店で見つけた、大きなアンティーク本の中の1ページ。
古い香水ブランドGIROTのものである。

花は、ごつごつした樹の姿から、枝垂れ桜ではなく、枝垂れ梅だろう。
浮世絵を思わせる色と線、デコ調のロマンチックなポスターは私のお気に入り。

100年経っても、とってもモダンだ。



花から花へ flit from flower to flower

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こんなにゆっくり梅の花が楽しめるなんて。
最初の一輪から今日まで1ヶ月以上、今まさに、満開の梅林。

梅と桜の違いは、その樹の枝ぶりと花つきですぐそれとわかる。
折れ曲がりながら上に伸びる新しい若い枝に、梅の花は一輪ずつ、花柄がない花をつける。


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ここの園には、最も大きな日本庭園や小さな庭園の梅林、薄暗い雑木林中から開けた広場のすみにまで、いたるところに梅の樹が有る。

順々に開花し、その姿かたちと香りを堪能することができた。

近づくにつれ、雨上がりのしっとりした空気の中に爽やかなグリーンの香りがたちこめる。
そして顔を近づければ、ひとつづつの花は濃く甘いスパイシーな匂い。


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白い梅、淡い桃色の梅、きりっとした濃い紅色。
同じ白でも、今日の梅は甘くスパイシーなクローブ(ユゲノール)が香る。

別の場所の、2月に咲き始めの梅はシンナミックだったのに。


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この淡いピンクの八重は匂いが薄い。
江戸街娘のよう。


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鼻の上に花粉をつけて、花から花へと香りを吸いながら歩き回ると、自分がハチドリになった気分になる。



そして林のなだらかな小道を登りながら、紅白の細かい花びらが地面に散っているのに気がつく。
高い木々の日陰ではあるが、数本の梅が立ち、花はもう終わりを告げている。
桜ほどの派手さはないが、梅の散り際も風情のあるものだ。

その横では辛夷(こぶし)の固いつぼみが、少しずつ膨らんでいる。
季節が進んでいく。




白花沈丁花の匂い しろばなじんちょうげ Daphne

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朝10時頃、明治通りを足早に歩いていると、突然フックのある香りに遭遇。
「んー、何の香りだっけ?」

『そういえば、確かこのあたりに白いジンチョウゲがあったはず』と思い出して、来た道を2~3m引き返す。

「フックがある」というのは鼻に引っかかるというか、特徴のあるというような意味によく使うが、この時はむしろ沈丁花らしくない香りだったので、「あれっ?」と違和感を感じたのである。



毎年その春一番のジンチョウゲは、夜暗い道を歩いていると気がつくものだ。
その闇の中のジンチョウゲは、爽やかなグリーンフローラルで、シトラスっぽいローズ系メタリックの香りがする。

それが今朝のジンチョウゲは、ジャスミンやチュベローズに通じる、やや重いラクトン様の匂いがした。

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近寄って香りを吸う。
花の中心からは、確かにあの紅花種のジンチョウゲと同じ、爽やかなグリーンフローラルがキンと匂い立つ。
ローズのシトロネロールや、オキサイド系のキラキラした匂いだ。


普通なら軽い香りが遠くまで届きそうなものだが・・・。
それなのに離れた場所で感じたのは、ボディ感のあるホワイトフローラル。

きっと、軽い香りは空中に揮散して消えてしまい、重い香りだけが風に乗ってやってきたのだろう。
それとも日中の紫外線で、軽い芳香分子は壊れてしまったのかも。


そういえば、花の中で一番遠くまで香りが届くというキンモクセイも、主な芳香性分は、γーデカラクトンやβーヨノンという、決して軽い香りではないから。
そういうこともあるのかもと改めて実感したのであった。

花の香りの不思議。





梅 Japanese apricot

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暖かいかと思うとすぐまた寒くなり、桜と思えばまた梅の花。

今年は咲き始めが遅かったためか、まだ梅も見ごろが続いている。

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似たような写真ではあるけれど、どの梅も表情が愛らしい。


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この三枚の写真の梅はガクの部分が赤い。
寒さに耐えて凛と咲く。


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でもこの梅は遠めに見ると緑の梅に見える。
近寄ってみると、伸びた枝先がグリーンで、ガクも緑なのでそう見えるのだろう。

近寄れば、やはりはなびらは白い梅。



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紅梅、八重。
可愛くはあるのだけど。
幼い。




さくら咲く Cherryblossom,Cerasus lannesiana Carrière,

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河津桜、カワヅザクラ Cerasus lannesiana

寒緋桜(カンヒザクラ)と大島桜(オオシマザクラ)の自然交配種だという。
緋桜よりは淡いけれどもしっかりとピンク色。

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一足早く桜の便り。


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同じカワズザクラだけど、異なる樹の、異なる色合い。少し濃い目。


サクラサク、ウメ咲く。SAKURA

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サクラサク、ドコモ。
寒桜

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ウメサク、ドコモ。
白梅。

同じ日の、新宿御苑。


白梅 Ume

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今年の梅はかなり遅く、ようやく満開を迎えるところ。
白い梅は、上品ないい香り。

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▶ 梅の香りの香水。パルファンサトリ「夜の梅」
オードパルファン  Yoru no Ume  50ml 12000円(税抜)

始まりはせつない甘さが妖艶にも香りますが、天然ローズを中心としたフローラルから、徐々に石鹸のような清潔な香りになっていきます。女性の2面性を持つミステリアスな香り。


堆肥 Compost 

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堆肥、その生きている土。

呼吸する土。

冷たい朝に、もくもくと湯気を立てて、ふかふかの土がやってくる。
トラックで運ばれて、小さな山がいくつもできている。

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荷台から降ろしたての土は、中に含まれる水蒸気が湯気となって上がっている。
少し落ち着いた土の山も、スコップで猫車に積み替えるたび、再び吐く息が白い。

この時期の新宿御苑では、こうしたすばらしい堆肥の山を見ることができる。

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こうして猫車に積まれた堆肥は、林の中、樹の根元などにおろされ、
スコップで平らにならされて広く敷き詰められていく。

職員の方が大勢で一生懸命作業している姿をみていると、なんだか春が待ち遠しくてわくわくしてくる。




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一握りの堆肥の中には、ものすごい数の微生物がいるそうだ。
これが植物残渣を食べたり、微生物どうしが食べられたりしながら、分解するときに熱を出す。
60度位まで上がり下がりの温度変化の中で、様々な菌相ができ異なる成分が分解されていく。

近づいても嫌な臭いではない。
少し焦げたような、樹皮のような、乾いた、スモーキーアーシーなにおい。
たぶん、においは堆肥の素材によっても異なるのだろう。



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堆肥と腐葉土、私にはいまひとつその区別がはっきりしないのだけれど。

腐葉土は、その名の通り原料が落ち葉をつかったもの。
私も昔、庭の落ち葉でつくったことがあるが、なかなかうまく腐食してくれなかった。
ただほっておけばいいというものではなく手がかかる。

堆肥はもっと素材がいろいろで、落ち葉の他、木や枝、樹皮などをカットしたものや、牛糞や鶏糞などの動物由来の素材を使ったものもある。

自然に任せるのではなく、人の手によって醗酵を促進させる。


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ここでは一年を通じて、多くの樹木を伐採したり剪定している。
これはみたところ、原料は、そうした剪定した木や小枝などをチップ化したもののようだから、やっぱり腐葉土ではなく堆肥なのかな。

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さあまた、トラックが出かけていく。
ご馳走をとりに。



春の花スイトピー Sweet pea

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今年もまた、箱いっぱいのスイートピーを頂いた。

白、薄いピンク、ショッキングピンク、ブルー、絞り、オレンジ、黄色。。。
全色そろって華やか♡

アトリエに、一足先に春がやってきた。



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このくらいのボリュームになると、香りもかなり強く感じる。

さわやかなリナロール、
ヒヤシンスのようなハニーグリーンノート、
透明感のあるローズのようなフローラルノート、
ちょっと大人っぽいオレンジフラワー調の香りが少し、
ホワイトフローラルのキーノート、インドールちょっぴり。

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明るいイエローからオレンジ。
フリフリ感がたまらなく可愛い。

スイートなピー。
同じ豆の花である「藤(ふじ)の花」もいい匂いだ。

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白、ピンク、ブルー。
一番寒いこの季節には、このロマンチック感が心を浮き立たせる!


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サロンにも飾ってみました。
スイートピーに埋もれるオルガン。

お花大好き!!





雪うるい ギボシ Hosta montana

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少し前から気になっていた野菜、雪うるい。
みずみずしい茎とやわらかそうな葉がとても美味しそうだ。

「どうやって食べるのかな?」なんて思いながら、デパ地下の野菜売り場でしばらく眺めていたが・・・買った。

あけてみて、葉の形にどうも記憶がある。
「そういえば、、、うるい・・・?」
あれ、ウルイと言えばギボシのことじゃない?

調べてみるとやはりギボシの若い葉で、それを光を遮断して白くやわらかく育てたのがこの「雪うるい」だそうだ。

以前お料理屋さんで出てきたウルイのお浸しはもっと緑色でぬめりもあったが、これは癖がなくサラダでも食べられるというので、ナマで食べてみた。

シャキシャキと歯ざわりがよいが、やはり食べているとヌルっとする。
若干の辛味も感じるが、香りは特に癖が無い。

オクラでも、山芋でもヌルヌルに有効成分が多いのだが、このぬめりの苦手な人はちょっと無理かもしれない。



ざく切りでは食べにくかったので、少し細かく刻んで酢味噌で合えたり、さっとゆがいてお浸しにするのもいいかなと思う。



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初夏にはこんなきれいな花を咲かせる。
もとは山菜だったが、今は華やかな園芸種もいろいろできて、ガーデニングでも人気があるようだ。




つぐみと梅 Turdus eunomus

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梅林に訪れているのはツグミ。
冬に渡ってくる小さな鳥だ。

初めて名前を知ったのは中学生の頃読んだ小説、アガサクリスティーの「24羽の黒ツグミ」。
「クリスマスプディングの冒険」という短編集の中に入っている。

「昔はツグミを捕って食べた」というような話もどこかで聞いたこともあるし、名前をなんとなくは知っていたのだが、あらためてこの鳥をツグミと認識して調べた。

少し大きいスズメのようにも見える。


寒い土地から暖かい土地へ、あるいは暑いは場所から涼しいところを求めて、渡り鳥は長い距離を旅する。

近所で、エサをついばんで一生を終える鳥もいるのに、
あえて厳しい旅に向かわせるものは何なのだろう。

命じられたわけでもないだろうに、
「なぜ渡りをするのか、しなければならないのか?」
ツグミの体は知っている。


この梅林のつぼみはまだ固い。


つぐみ 鶫 学名 Turdus eunomus



▶ 梅の香りの香水。パルファンサトリ「夜の梅」
オードパルファン  Yoru no Ume  50ml 12000円(税抜)

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内藤とうがらし Naito-chile pepper

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これはただのトウガラシではない、内藤唐辛子というのだそうだ。
つやっとしてとてもきれい。

新宿御苑には、当時からある玉藻池(たまもいけ)という日本庭園など見所があるが、まさか唐辛子にまで内藤家の名前がついているとは思わなかった。

この一帯と新宿御苑は、江戸時代には遠藩主・内藤家の下屋敷(しもやしき)だったところ。

甲州街道沿いのこのあたりの地名は、いまでこそ新宿1丁目とかになっているが、以前は内藤新宿と呼ばれていた。


トウガラシは16世紀にポルトガルから渡来してから、ここ内藤家の敷地でも盛んに栽培され、全国に広まったそうである。

一度は内藤唐辛子という品種は途絶えたのだが、復活のため研究栽培が試みられているようだ。


下は1月末、ひと月がたち、すっかり干からびてしまったトウガラシ。

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私はトウガラシ全般を「鷹の爪(たかのつめ)」と言うのだと思っていたが、これは品種の名前らしい。

昔はホカロンなどなかったので、冬は乾燥した鷹の爪(トウガラシ)を真綿(まわた)に巻いて、腰に入れてもらったりした。
学校に行くとき、つま先が冷たくなるので、靴に入れたこともある。

今は何事も便利になったものである。




ウメ,紅梅,Plum Blossom

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もう、次々と梅がほころび始めた。
今日はピンクと白が数本咲いている。

150129梅.jpg

白は遠くて。






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寒桜(カンザクラ)咲いています Prunus × kanzakura

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カンザクラ(寒い桜)が咲いた。

温かい日和に誘われて新宿御苑を散歩していると、満開の蝋梅(ろうばい)の横にある、寒桜のつぼみがだいぶ大きくなっている。

もうすぐ咲きそう。
このつぼみなんか大きいなあ・・・。

そう思って、さらに(こずえ)をみてみれば、ぽちっと一輪が咲いている。



150125寒桜2.jpg

いかにもまだ咲いたばかりという風情である。

まだ1月なのに、いくら寒桜とはいえ早いのでは?
これから寒い日もあろうというのに。

気が早い子はどの植物にもいるものだ。

春の、準備。



►バラ科 サクラ属  寒桜(カンザクラ) 学名 Prunus × kanzakura




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一番の紅梅 Plum Blossom

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雨上がりの暖かい朝、新宿御苑に梅の様子を見に行った。
毎年、この時期はつぼみのふくらみ具合をいつもチェックするのが習慣になっている。


日本庭園の梅林はまだ固いつぼみ。
そこで、玉藻池の小さな梅林へ足を運ぶ。

ここでも、ほとんどの梅の木がまだ開く気配もないのに、その中の一本だけが数輪を咲かせている。

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一本の梅の木の、さらに一枝のつぼみだけがふっくらと。

まんべんなく咲くのではなく、最初の一輪に木のエネルギーを注ぐのだろうか?


かわいい、濃いピンクの梅の花。

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古木の枝ぶり、緑青(ろくしょう)の様にふいた苔のみどり。
梅の美しさは、花だけではない。

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そして、香りは甘くやさしい。

蝋梅(ろうばい)は、そのフルーティな甘酸っぱさが遠くまで届くほど強いが、梅はもう少しやわらかく、クローブのようなウッディ・スパイシーな甘さがある。

そして、紅い梅にはシナモンのようなピリッとした甘さもある。

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いつだって、梅の花は高貴な花だ。









150205 夜の梅.jpgのサムネール画像

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福寿草 ふくじゅそう Fukuju sou/ adonis ramosa


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福寿草が咲いている。

冬の陽だまりを集めてそこに灯(とも)ったような、暖かい光の花。

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こぼれ松葉の掛け布団の中からつぼみがほら、あっちにも、こっちにも。


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気がつけば水仙(ペーパーホワイト)の間に、群れ咲いているよ。
ここは、小さな春。


►植物事典 学名:adonis ramosa,植物,草花,フクジュソウ,福寿草,


蝋梅(ろうばい)Chimonanthus praecox

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梅の香りよりももっと甘い、ロウバイ(蝋梅)の花の香り。
真冬の寒いさなかにも、しっかりと花を咲かせている。

花が一重で中心が赤い、これはロウバイ。
蠟のようにつやのある半透明の花びらは、乾燥した冬の北風に負けない。


梅はバラ科で、蝋梅はロウバイ科。名前に梅とついているけれども、植物学的には梅の仲間ではない。

香りも姿も、ロウバイのほうが庶民的だと思うが、この一番寒い時期に、戸外で強く匂ってくると励まされる。

匂いは重めのフルーティ・フローラル。
パイナップルの中心の、蜜の部分を煮詰めたような甘ずっぱい香りというか。
ベンジルアセテート、というと風情がないけれども・・・。


下は八重のソシンロウバイ(素心蝋梅)、中国から渡来のもの。
年頭にふさわしい、素心(そしん)に眺める花。

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毎年毎年、繰り返しやってくる厳しい冬。
でもそれは春の準備期間。

花も繰り返し咲いている、それは季節の巡り合い。

去年とは違う私が出逢う、今年の蝋梅の花。


サルノコシカケ Polypore

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サルノコシカケらしい。

らしい、というのは、サルノコシカケという種類のキノコはないらしく、とりあえずこの名前の科でくくっている、ということのようだ。

20センチくらいはありそうな大きなキノコ。
ポクっとした木質な感じで、まさに腰掛けられそうだ。

サルノコシカケは、普通のキノコの様に、一晩で消えてしまったりせず、ずっとがんばり続け、寄生主である木を朽ちさせ、どんどん侵していくそうだ。

森の奥では胞子による戦いが、ひっそりと行われているのだろう。




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朝、最高級のコットンシャツに袖を通す。清々しい高揚感をまとい、呼吸を整えるひととき。

夜、バスタイムのあとに、さっぱりとした気分で清潔なリネンに包まれて眠るやすらぎ。

シンプルで上質な日本の暮らしになじんできた色の組み合わせ、「紺と白」をイメージモチーフとしました。フルーティとアルデハイドの意外な組み合わせが、これまでにない斬新な印象を残します。

光をふくんだリネンのように柔らかく癒されるこの香りは、男女を問わず、お着け頂けます。

 

パルファンサトリでは、コン シロ(Kon shiro)」の0.5mlサンプルをお送りさせて戴いております。ご希望のお客様は、「コンシロ(Kon shiro)」サンプル送付のお申込みページから→ こちら 

正しく配送するためにお電話番号の記入もよろしくお願いします。 

► 紺白-Kon Shiro-の香調などの詳しい説明は→こちら

パルファンサトリの英語フランス語ホームページが新しくなりました!

ヒヨドリ,Hypsipetes amaurotis,鵯,

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ヒーヨ、ヒーヨと鳴く鳥、ヒヨドリ。

冬になると鳥の姿に関心が行くのは、花が少なくなり、木も葉を落とすため見つけやすいのかと思う。

ヒヨドリは秋深くなると、北から南へ、山から里へやってくると云うが、渡りをしないでそのまま居続けるものも多いらしい。

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夏は虫も食べるが、冬に果実をよく食べる。
サザンカの蜜を吸ったりするそうだ。

しかし同じ名前を持つ植物、「ヒヨドリジョウゴ」の赤い実は不味いのか食べない。

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ヒヨドリの巣は木の上に作られるのだと思っていたけれど。
ほらの中を覗いている。

デートのお誘いだったりして♡

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いつの間にか2羽になっているけれど、仲がよさそうにも見えず。
そっぽを向いたまま。

さしずめ、「ちぇ、むくれやがって、返事もしない。。。」とでも思っているのだろうか。








巨大レモン Citrus Limon Burm.f.Ponderosa

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巨大レモンといっても、比較するものがなければわかりにくいけれども。
なんたって、15センチはあると思う。

グレープフルーツみたい。


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Citrus Limon Burm.f.cv.Ponderosa
栽培品種だそうだ。

カタカナの「レモン」ではなく、「檸檬」のある庭に憧れている。



'Mignon'Johann Wolfgang von Goethe

君知るや南の国
レモンの木は花咲き くらき林の中に
こがね色したる柑子は枝もたわわに実り
青き晴れたる空より しづやかに風吹き
ミルテの木はしづかに ラウレルの木は高く
雲にそびえて立てる国や 彼方へ
君とともに ゆかまし

(森鴎外 )


クチナシの黄色い実 ガーデニア Gardenia jasminoides Ellis

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これはまた立派なクチナシの実、オレンジ色。

クチナシの実からは染料がとれる。
繊維を染めるだけでなく、食品にも使う天然の着色料。

昔々、お正月のきんとんを黄色に染めるのに母が使っていたのをあいまいに記憶している。
私はやったことはないけれども。。。

子供の頃は、食と季節感や歳時記を、キッチン(昔は台所と言ったものだ)で自然と学んだものである。
世の中の「おかあさん」が普通にやってきた教育ってたいしたものだと思う。

日本の心を育んだのは、「おかあさん」でしょう。


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漢方にも使う。日本薬局方にも収録されている生薬である。


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6月に咲く、白い一重のクチナシ(梔子)の花。
小ぶりで清楚だが、立派な実をつける。

花の中心にぐったりと横たわる六本の線は、役目を終えた雄しべ。




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八重は華やかでゆったりと美しい。
ガーデニアと呼んだほうが似合う、洋風な花のイメージだ。

けれど、雄しべは花びらに変化してしまったのだろうか、はたまた園芸品種の故(ゆえ)なのか、結実はしない。


香りを学び初めた頃は、ガーデニアの匂いって、ジャスミンにオブラートの匂いを混ぜたような香りだと覚えた。

いまどきオブラートの匂いなんてわかるかなあ。

グロッパ,くるくるらせん,Dancing Ladies Ginger

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グロッパ、ショウガの仲間の花。
くるくるらせん。

遠くから見た時の葉の形がショウガっぽいと思って、名札をみたら「グロッパ」ショウガ科だって。

熱帯の植物だから、たぶん、温室で育てたのを外に出してあったのだろう。

ダンシングレディスジンジャーとも呼ばれるらしい。

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►グロッパ ウィニティ Globba Winitti


冬の赤い実、ヒヨドリジョウゴ,鵯上戸,Solanum lyratum

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ヒヨドリジョウゴ、ナス科のつる性植物。

こんな風に冬枯れの木立を歩いていて、思いがけずかわいい果実を見つけるとうれしくなる。

ぱっと目を引くため、赤い実は冬に多いのかな?と思ってしまう。
でもよく考えるとイチゴやさくらんぼ、トマトなど、赤い実は一年を通じてなっているものだ。

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夏の終わりには、緑の葉陰にうつむいた白い花が咲く。

やっぱり、他に目を引く花などが少ないからだろう。
花の少ない時期であれば、地味な植物にも注目が集まると言うものか。


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赤く熟れた果実はいかにも美味しそうなのに、ジャガイモの芽のソラニンと同じ有害成分があり食用にならない。

鳥も食べない毒の実は、葉も枯れた冬の間ずっと残っている。
では何のために?ヒヨドリジョウゴは何のために赤いのだろう?


有毒植物の例に漏れず、適切に用いると薬にもなるようだ。
中国の古書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」や日本の古書「本草和名(ほんぞうわみょうに紹介されている。





熱帯スイレン,睡蓮,Nymphaea

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スイレンは夏の花のイメージだが、温室では長く見ることができる。
熱帯性のスイレンは、なんだか作り物めいている。


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ハスとスイレンの違いは、

ハスは花が水面より高く上がって咲き、散った後「ハチス」とも呼ばれる、種の入った果托(カタク)ができる。葉も水から立ち上がる。葉が撥水性があり、水をかけるとコロコロと玉のようになる。葉は切れ込みがない。


スイレンはヒツジグサともいう。午後、ひつじの刻(午後2時)に花を咲かせるといういわれからついた名前。水の上に浮かぶように花が咲く。花は毎日、時間を遅くにずらして開く。また閉じる。数日繰り返しながら、最後は閉じなくなりそのまま散る。花が散ると、水に沈むので、ハチスはできない。

葉も浮いたような状態。葉に切れ込みがあるのが多い。

日本産のヒツジグサの他に、温帯や熱帯を原産とするスイレンもある。

季節はずれのレンギョウとユキヤナギ

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もうすっかり景色は冬枯れの寂しい色。

レンギョウも枯葉の茶色と細い枝ばかり・・・。
しかし、遠目にみてどうも黄色いものがパラパラとついている。

こんな時期に・・・まさか?


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近寄ってみると、あらやっぱりレンギョウ(連翹)の花。
本当ならば、3月に春を呼ぶ花なのに。

寒さのせいか、春のレンギョウよりもずっと小ぶりだ。

なんか間違えちゃったのかな?




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レンギョウのブッシュと並んで、ユキヤナギもこんもりと茂っているこの場所。
よくみると、ここにも白い花がほんの数輪。

せっかく咲いても、冷たい冬の風が吹きつけては辛かろう。

世の中というものは、人より一歩早いだけでも受け入れられないと言うのに、こんなに早くては。



モミジ,紅葉,MOMIJI

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今日は雨でいけなかったけど、今週の紅葉(もみじ)、新宿御苑。

縮んで黒くなった葉が多くなり、もう紅葉(こうよう)の見納めか。



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カエデだけでなく、サクラも、イチョウも、華麗に装ったと思えばさっぱりと脱ぎ捨てる。



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上はキレイに色づいたハナノキ。(ハナカエデ・Acer pycnanthum)
見上げるほどたっぷりとした大きさがとてもいい。

一日の終わり、日没前の一瞬は世界が赤く輝く時間。
晩秋もまた、一年が暮れていく、美しい閃光の季節だ。

惜しい。惜しむ。

残心(ざんしん)こそ、日本の情緒。



エリカ、ヒース、Erica canaliculata,

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エリカ、名前もかわいいツツジの仲間の花木。

これは、中央の蕊の濃い色が、ジャノメのように見えるからジャノメエリカという。


エリカは4月の花だと思っていたが、ここのエリカは晩秋から春先まで咲く。

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ヤツデ,八つ手,Fatsia japonica,

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ヤツデは大きな葉をもち、普段はあまり目立たない陰樹であるが、冬になると鞠(まり)のような花をつける。

つぼみの時は「キレイな花」というよりは、野菜のようなイメージで、私としてはカリフラワーを連想させる。

次第に咲いてくると、花びらよりも蕊(しべ)が伸びてきて、マリのような花だ。
近くで見ると案外かわいくもあるが、やっぱり地味である。


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冬は花が少ないせいか、蜜を求める昆虫が来たりしている。

匂いはない、とずっと思っていたし、実際あまりないと思うのであるが、よーくよーくかいで見ると、ほんのり粉のような匂いがする。

人が感じない程度でも、「どんな花も匂いがあって、昆虫はそれをちゃんとわかるのだ」と子供の頃に聞いたことがある。
科学的根拠があるかどうかは知らない。






スイセン 水仙 Narcisse, Narcissus

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ペーパーホワイト。もうスイセンの咲く時期なんだもんなあ。
一年が早い。

花の姿を眺めると、つくづくと、この形の不思議にうたれる。
スイセンには、きれいに並んだ6枚の花びらの中央にリップがある。
これが、黄色かったり赤い縁取りが合ったり、小さかったり大きかったりすると、また雰囲気が違うというもの。



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スイセンは水のほとりがよく似合う。


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ギリシャ神話から「ナルシスト」の語源にもなった自己愛の花。
「エコー」は美しいナルシスに恋をしたが、ナルシスは自分に夢中。話しかけることはできず、思いを告げられない。とうとう声だけになり、相手の言葉を繰り返すしかできない木霊(こだま)の精になってしまった。
ナルシスの傲慢に怒った復讐の女神ネメシスは、彼を、水面に映った自分の姿に恋い焦がれるようにしむけ、一歩も動けなくしてしまう。ついに息絶えたその身は、水鏡を覗きこむ水仙の姿になった。

びわの花(しべ) Eriobotrya japonica

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なんでもかんでも、こんな風に寄ってみたら、花はみんな同じになってしまいそうだが。
蘂(しべ)が好き。

ひみつっぽくて。

そうとも限らないのだけれど、匂いは蕊にあるかのように想う。

だからつい、きれいな人のくちびるに惹かれるように顔を近づけてしまう。

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がくの中からつぼみがふくらみ、花びらが開き、蕊(しべ)がほぐれて、蕊の先の葯(やく)が割れる。


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びわの花はけむくじゃら。
冬の寒さから花を守るコートだ。

花びらにまでうぶげが生えて、中まで暖かそう。

風のない日、満開の枇杷の木のそばは甘いバニラ様の香りでいっぱい。
パウダリー、スイート、ヘリオトロピン。


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大きくなった枇杷の実の、おへそにその毛の名残がある。


チャの花と蕊(しべ) Camellia sinensis

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白い蠟のような花びらに守られ、たくさんの蕊(しべ)が傅(かしず)く真ん中には、いつもお姫様がいる。

ヘディオンのような透明なグリーン。
さわやかな甘いリナロール。
新茶のみずみずしい香り。
シスージャスモンの苦味のあるグリーン。

花は君臨せず、ひそやかにうつむいて咲く、冬に。

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茶の道。

岡倉天心は「茶の本」の中でチャノキを「カメリアの女帝」と呼び茶道を語る。

「カメリアの女帝にぬかづき、その祭壇から流れ出る暖かい思いやりを、心行くまで楽しんでもいいのではありませんか?」(現代語で読む茶の本/翻訳:黛敏郎)

なんと美しい響きだろう!


茶の木はツバキ属、学名はカメリア。


ボケ 木瓜 Chaenomeles speciosa

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木瓜(ボケ)はきれいな花だし、丈夫で長く咲く。
生け花の花材としても重宝なこの植物、ボケという音が悪いなあと思っていた。

もとは、木の瓜と書いてモケからなまってボケになったそうだ。
その漢名にはあまり注意を払っていなかったのだが、冬の日、ひときわ赤いその花に誘われて近づいてみると大きな実がついている。

なるほど、確かに瓜のようだ。

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匂いが全然ないのは残念だが、とにかく切花にしてもよく持つ。
ここのボケは秋から春までずっと咲き続ける。

あまり希少性がないと、平凡に見えるのが残念な限り。
勝手な言い草ではあるが。。。



ムラサキシキブ 紫式部 Callicarpa japonica

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紫式部という植物は、花よりも実の方がよく目立つ。
冬に近づいて、花の少ない時期だから余計なのだろう。




日本の代表的な古典文学である源氏物語のヒロイン「紫の上」をイメージしました。美しさと才能にあふれていながら、奥ゆかしく優しい日本女性にふさわしい香り。
オードパルファン紫の上

新宿御苑菊花壇展 Shinjukugyoen

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これは大菊花壇。子供の頭ほどもある立派な菊は、一本の苗の頂点の一輪を大きく育てる。


新宿御苑の菊壇展、歴史のあるこの展示会は、日本庭園の各所に趣の異なる菊を配置し、散策しながら楽しめるようになっている。


きれいに並べられ、囲ってあるので近くで香りをかぐことはできないが、そばを通るとさわやかな菊の葉の香りが漂ってくるようである。


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まるで、美術館のプロムナードを歩きながら次の絵をみるように、庭園を移動する。


自然のまま、野に群れ咲く菊も風情がありよいものだが、こちらの菊は大きさといい、めずらしさといい、技(わざ)の極地として圧倒される。

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これは江戸菊。ややねじれた花びらの形が面白い。


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肥後菊だったかしら。

それぞれの菊の歴史、由来は立看板に詳しくかかれている。




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嵯峨菊は、すらっと伸びた花びらがおいでおいでをしているよう。

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特に白の嵯峨菊はエレガントでとてもいいと思う。

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丁子菊。変わった形。
毎年、ほぼ同じ場所に同じ種類の菊があり、だんだんと名前も覚えてきた。


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大作り花壇は、たった一つの苗から、300あまりの花に分岐させる。
この形を、刈り込むのではなく育てながら枝を伸ばしながら整えると言うのは驚き。
それに、咲く時期も一度にするというのがまたすごいと思うのだけれども。

また、幕、房かざり、竹で組まれた上屋は、毎年この時期だけに建てるもので、その造りに歴史を感じさせる。

菊と一緒に鑑賞するとさらに引き立ってすばらしいと思う。


11月1日から15日まで



月曜日もあいていました!11月10日新宿御苑 Shinjuku_ gyoen

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11月、菊の花壇展の時期は新宿御苑は無休なので、今日は月曜日だけれども朝一番で行ってみた。

通常は月曜定休なので、すいているのではないかと思ったら、案の定あまり人がいない。
特に、落羽松(らくうしょう)から母子森のあたりは無人。
散歩道を独り占め状態である。

ラクウショウの羽のような葉の緑が、淡い黄色、そして明るい茶色へとグラデーションに変化して、朝の大気に輝いている。

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夏の間、咲いていた花たちも実をつけて、地味だけれども季節の移り変わりを感じさせる景色が、気持ちを安心させてくれる。

また、四季を通じて訪れるからこそ、芽吹き、つぼみをつけ花開き、やがて枯れるその植物の一生を知ることができる。

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別に意図して撮ったわけではないのだけれど、たまたまファインダーをのぞいてみたら光の線が見える。
カメラから目を離して、肉眼で見るとこんな風には見えないのに。。。
何度も覗いたり離したりして、撮ってみたらそのまま写っている。

写真の専門家なら、カメラとかレンズとか、理屈で説明できる現象なのだろうけど、今朝はなにかにつけ意味づけたい気分。
やっぱり朝の不思議としておこう。

それに、絵で書くときに光を線で表現するって、あながち間違いじゃないんだなと納得。


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もみじが一房だけ色づいている。
山の方はもう紅葉が見ごろなのだろうが、里でははじまったばかり。
どうしてこんな風にポツンと赤くなるのか、本当に不思議だ。

冬は、まだらにやってくる。


新宿御苑【特別開園期間(期間中無休)】 3月25日~4月24日、11月1日~15日

フユザクラ Cerasus ×parvifolia 'Fuyu-zakura'

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フユザクラ(冬桜)は一重の中輪の花である。

秋から冬にかけて咲く桜はいくつかあり、コブクサクラ(子福桜)、ジュウガツザクラ(十月桜)は八重で、花びらに切れ込みがある可愛らしい花だが、フユザクラはすっきりとした趣。


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秋に咲く桜はどれも匂いがないようだ。
中心が濃いピンク。

サザンカ camellia sasanqua

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花の中で美しいのは実は蕊(しべ)だったりする。

そもそも、花びらも蕊の変化したものだったりするし。



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すべての花ではないが、この蕊のあたりから芳香がする。
蕊の匂いをかぐのは、秘密めいた気持ちがする。


同じカメリア属の、茶(チャ)の花はシス-ジャスモン(cis -jasmon)やヘディオン(Hedion)のさわやかなグリーンフローラルだが、このサザンカはもう少しハニー感があって、オレンジフラワー調でもある。

大きくはサザンカの香りに違いないのだけれども、別の場所、違う時間帯、開きぐあいなど、花の香りは少しずつ異なり、それが新鮮でもあり、そこに幻惑もされる。


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どちらかと言うと、サザンカやツバキは陰樹である。
暗く、もっさりとした印象。

そのせいか、山にあるよりも水辺にあった方が、下からの反射光によって明るく快活な表情に思える。



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ピンクもかわいいが、白の方が清楚な感じで好きだ。








つわぶき、石蕗、艶蕗,Farfugium japonicum

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ツワブキもこんなふうにアップで撮ると、黄色いマーガレットみたい。
かわいい花。

今、満開。


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ホワイトフローラル系のクリーミーな甘い香りなのに、重すぎずくどくない。
ハニーグリーンのさわやかさと、バニラのパウダリー感があって、見た目よりずっと上品な香り。

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その香りはミツバチの方がよく知っている。
花の少ない時期の蜜源。





今咲いています!コブクザクラ Prunus Kobuku-zakura

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秋に咲く桜の種類はいくつかあるが、このコブクザクラも10月~11月にかけて咲く。
小ぶりで愛らしい八重の桜。


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桜の原産地であるネパールではもともと秋に咲いていた。
それが長い年月をかけてネパールから中国へ、そして日本へ渡る間に、春咲くようになっていったという。

一年中温かいネパールの南部と違って、日本は厳しい四季の変化がある。
北上するにつれ、桜は寒い冬を乗り切るために葉を落として休眠する必要があったと考えられている。

花を咲かせる時期を春にずらし、環境に適応していったのだ。



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秋に咲く桜は、春にも二度目の花を咲かせる。
でも、春はソメイヨシノや大きな八重桜が華やかに咲くので、この小さな桜の存在は目立たない。

ジュウガツザクラ、フユザクラ、コブクザクラは、ほかにあまり花がない秋に咲くからこそ、珍しいと注目を浴びる。



「野も山もみな一面に黄色なら、阿呆になって白を買うべし」

伝説の相場師、是川銀蔵(これかわぎんぞう)の有名な言葉である、・・・がちょっと雅味が違うか。


ジャスミンサンバック 茉莉花 Jasminum sambac

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サンバックジャスミンと言えば、6歳のときの初めてのハワイ旅行。
一般人の外国旅行が許可された年である。

飛行場でタラップを降りると、髪の長いお姉さんが、香りのする白い花のネックレスをかけてくれた。
3日たっても強く香る、その首飾りは「レイ」というのだと教えられた。

バンコクでもレイをもらった。
最近では南国に行ってももらったことがないが、廃れてしまった習慣なのだろうか?


このレイなどに使われるのが、サンバックジャスミン。

ピカケとも、サンパギータとも呼ばれる。

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サンバック・ジャスミンは漢名を茉莉花(マツリカ)という。

アラビアジャスミンとも呼ばれ、ジャスミンティー(茉莉花茶)に使われる。
花びらの数が多いし、葉もつややかで厚く丈夫そうだ。

オオバナソケイ(普通のジャスミン)の香料が、下の方にずっしりとした甘さと重さがあるのにくらべ、サンバックジャスミンはインドールが強く、トップにメタリックなグリーンがアップしてくる。

昔の香水は複雑な香調なので、ミドルからラストにかけてオオバナソケイの重厚な甘さが合うと思う。
一方、最近の透明感のある香りには、このグリーンアニマルなサンバックジャスミンの方が合うようだ。
チンベロールなどの固いアンバーと共振する。


あくまで趣味の問題だが、私はオオバナソケイの方がどっしりしていて好き。
サンバックはやや野卑な感じがする。



写真は、6月の暑い日盛りのなか、フランスの香料植物園で。



ジャスミン 素馨 オオバナソケイ Jasminum grandiflorum

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これは、香料を取るジャスミン。オオバナソケイ、Jasminum grandiflorumである。

つぼみは赤く、ほっそりとしていて線香花火の先を思い起こさせる。
開くと白くやや旋廻した花びらの縁(ふち)に、ところどころ淡い桃色の覆輪がでていかにも愛らしい。風にゆれるさまは、儚げでありながらそのステム(茎)は強くしなやか。


近寄って、すうっと香りを吸う。

甘酸っぱいようなフルーティグリーンの後から、ややアニマリックなクリーミー感のあるコクがぐんと伸びやかに香ってくる。
香料になったジャスミンAbs.よりも、生の花はすっきりとした香り。


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花の後姿と云うのは無防備で、そんな角度からも絵になる花は本当に美しいと思う。


ジャスミンの漢名である素馨(そけい)というのは、中国の傾国の美女の名前から由来する。

目を伏せたうつむき加減のうなじから匂うがごとき、その美しい人を想う。



日本の夏は暑すぎるのだろうか、このオオバナソケイは新宿御苑では秋のほうがたくさん咲いている。

日本で5月から6月ごろ、よく見かけるのはハゴロモジャスミンが多い。
こちらは小ぶりで花の数も多い。
丈夫でよく咲き、半ば野生化したような株を道端で見かけることもある。


また、最近の香料素材でよく見られるサンバック・ジャスミンは茉莉花(マツリカ)という、ジャスミンティーに使われる花。
インドールが強く、グリーンアニマルである。



杜鵑草 ホトトギス Tricyrtis hirta

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鳥のホトトギスは不如帰と書き、植物のほととぎすは杜鵑草と書く。
花にある斑点模様が鳥のホトトギスの胸にある模様と似ているのがこの名の由来である。

侘びた、味わいのある10月の茶花。


夏の終わりから咲き始めてはいるが、秋のさびしい景色の中にこそ存在感を増すようである。

毎年同じように思う、屈託をかかえた秋草の風情。



➤植物事典 ホトトギス・杜鵑草 ユリ科 ホトトギス属 学名:Tricyrtis hirta


 

十月桜 新宿御苑 SAKURA

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このところすっかりブログをアップするのが間遠になってしまったのは、忙しさに加え、新宿御苑がお休みだったこともあるかもしれない。といいわけしてみる。


デング熱の拡散防止のために長く閉苑していた新宿御苑が、先週くらいからようやくオープンになった。

加えて、新作のリリースも終わったところで久しぶりに新宿御苑に行くことができた。
平日のことで、あまり混んではいないし、去年と同じ景色が広がっているのが安心で心地よい。
休みだったことなんか忘れてしまいそうなくらい、日常がある。

フンフンと鼻歌も出そうなもの。


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秋のことだから花も多くないが、
ジュウガツザクラが1本だけぽつんと立っている。
遠くから見ると、葉のない枝に白い丸い花がまばらについて正月の餅花のようである。

近くによって、その小ぶりの、愛らしい半八重の花を心ゆくまで眺める。
秋の日が透明だから、よりいっそう花びらが淡くやさしい。


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これから冬になろうというのに、枯葉の間から、シュンシュンと若い水仙(スイセン)の葉が伸びてきている。

一番寒い12月から1月に、ここは一面真っ白のスイセン畑が広がって、強い甘い匂いを漂わせるのだ。

匂いをかぐと、そのときの映像や感覚がよみがえると言うが、その時のことを想像すると、逆に今、匂ってなくても、匂いが思い出されるのが不思議である。




きんもくせい ソネット Sonnet Osmanthus

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今年もまた、金木犀(きんもくせい)の季節がやってきた。


きんもくせいの香りは、幼い頃の記憶に繋がっている。


秋の透明な空気の中、甘いこの香りが漂うと、ランドセルを背負って走った通学路を思い出すって書くのは毎年のこと。

こんな風に香りに昔を懐かしむのは私だけではないだろう。

多くの人が思い出を共有できるのは、金木犀ならでは。


この花が終わると、秋はぐっと深まり、冬へと向って行く。
まるで、陽が沈む一瞬に空が赤く輝くように、この香りは秋の空を染める。



☆キンモクセイの香水 ソネット ☆

年に十日しか会えないキンモクセイの香りを、いつも身につけていたい・・・。パルファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。

ルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「ソネット」です。ジューシーなネクタリンピーチとオスマンサスの組み合わせで、幸せな気分に。






ハナゾノツクバネウツギ  Abelia×grandiflora

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ハナゾノツクバネウツギ、アベリアの仲間。
ベル状の白い花をたくさんつける。
7月末に撮影。

名前の由来は花の落ちたガクの部分が「ツクバネ」という植物の種子と葉の形に似ており、花はウツギに似ているからだそうだ。
その「ツクバネ」というのは、羽根突きで使う羽根のこともさす。
植物と遊戯の道具、どちらが名前の始まりなのかはよくわからない。

スイカズラ科。ハニーグリーンノート。



フランスから帰ってきた後、8月はあまりの暑さにとても散歩に行く気がせず、かと思えば雨だったり、また仕事が忙しく、新宿御苑にはほとんど行くことができないまま夏が過ぎてしまった。

ようやく秋の気配と思ったら、今週から休園でがっかりだ。


今は蚊の捕獲調査中とのことだけれども、感染した蚊がいないを願っている。

新宿御苑は生き物の暮らしのサンクチュアリ。
いることが判明したら、薬剤を散布することになるのではなかろうか。

蚊を退治するために薬をまいたら、蜘蛛(くも)やトンボのような蚊にとっての天敵や、ぼうふらを食べてくれる池の中の生き物まで死んでしまうのではないかと、蚊に刺されるよりもそちらのほうが心配である。

なんだったら、寒くなって蚊がいなくなる冬まで休苑してもいいから、薬を使わないですめばその方がいいと思うけれども・・・。




☆キンモクセイの香水 一足先に☆

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ヤブミョウガの青い果実 Pollia japonica

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この時期はほとんど見るべき花がなくて、汗を流しながら園内を朦朧と歩いていると、鬱蒼とした木の下に白い花が咲いている。

毎年、この時期になるとヤブミョウガの群生に気がつく。
花が咲かなければただの濃い緑の下草でまったく気にもとめない草なのであるが。


花も小さく地味は地味なのだが、よく見れば一人前にしべもあって可愛げがある。
雄花と両性花があるそうだが、中心に雌しべらしきものがあるので、両性花だろうか。


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淡い翡翠(ヒスイ)のような未熟な実と一緒に、涼しげなラピスラズリ、瑠璃色の玉がならぶ。

ブルーベリーのような色だけれど、食用にならなくて残念。



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藪(ヤブ)、というのは木や草が茂っている様子だが、その名のイメージはあまりよくない。「藪蚊(ヤブカ)とか、藪の中、とか、藪をつついて蛇を出す、とか。

そういえば小学校の同級生で、藪さんと言うお医者さんの子がいたっけ。。。

「ヤブミョウガ」の中に「みょうが」、と名が入っているが、薬味に使う茗荷(ミョウガ)はショウガ科の別の植物。葉の形がミョウガににているだけで、花の形はまったく違う。

春の若い芽をおひたしにすることもあるそうだ。

ツユクサ科


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もうすぐ処暑(しょしょ)Solar term

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立秋を経て暦の上ではもう秋、そして今週末の8月23日は24節気の処暑(しょしょ)である。
これを過ぎれば暑さも一段落という。

今日は猛暑も最高潮というか、本当につらい一日だった・・。


それでも1週間前の蝉時雨(せみしぐれ)はミンミンゼミが優勢だったのが、つくつくぼうしの声が混じり、日増しにその割合が多くなってきたような気がする。


心なしか光の射し加減にも秋の角度が感じられる。

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夜になれば秋の虫、カネタタキのチッチッという声。
この名前、鉦叩(かねたたき)って秀逸だと思う。

いつも暗がりの中にいて姿を見たことがないけれど、声を聞くたびに、ひっそりと草陰で鉦をたたいている小さな虫の姿を想像してしまう。



冬は寒い寒いと言い、夏は暑い暑いと言う。気がつけば一年も3分の2を過ぎようとしている。
つらいときは果てしなく続くような気もするが、過ぎてしまえばあっという間のことである。


来週になれば、水辺はもっと過ごしやすくなるだろう。




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ギボウシ(擬宝珠)Hosta

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ギボウシ(擬宝珠)という名前の由来は、つぼみが橋の欄干についている擬宝珠(ギボウシュ)に似ているからだという。
その擬宝珠というものはたぶん誰でも目にしたことがあると思う。頭の先がとがった玉ねぎのような、栗のような、アラビア風寺院の屋根のようなアレである。

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まだ、展開する前のつぼみは、このように苞に包まれている。
確かに、これはちょと擬宝珠(ギボウシュ)に似ている。


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8月も盛りになると、茎はすっかりと伸び、横向きに花が並んで咲く。
夏に咲くラショウモンカズラにも似た雰囲気だが、あれはシソ科植物で、こちらはクサスギカズラ科。

両者は葉の形がぜんぜん違う。

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幅広で地面に低く広がる大きな葉は、夏らしい涼やかさを持っている。
日陰に咲く下草。



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ウルイのお浸しでよく知られる山野草でもある。



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庭と植物 le JARDIN

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なぜ私は植物が好きなのだろう?


庭を作るのは時間がかかるものだ。
それは作り手にとって手間がかかるという意味ではなく、庭自体が成長する時間が必要ということで、それは植物が育つとか、馴染むとか、植物同士が折り合いをつけていくという意味が含まれる。

山も、森も。


一つの作品ができていくプロセスも、プロジェクトが実るのも、会社が成長していくのも、すべて庭を作るのと同じ。

時が必要だ。
少なくとも私はそう考える。

それだけ待てるかどうか、それは作り手の選ぶことだけれども。


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植物の博愛主義的なところは、少しくらい食べられたっていい、というところだ。
葉の一枚や二枚、齧られたところでどうということはない。
種子を拡散するためには、むしろ魅力的な果実を提供し、積極的に食べさせることもある。

腕の端っこをかじられても平気という動物がいるだろうか?



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「悲しいかな、翼があると唯一知られている花は蝶であり、ほかの花々はすべて破壊者の前になすすべもなく立ちつくしているのです」(現代語で読む茶の本 岡倉天心著/黛敏郎訳 三笠書房)



鳥も動物も、簒奪者(さんだつしゃ)から逃げることができる、でも花は手折られるまま抗うすべを知らない。
だからといって蹂躙(じゅうりん)されてもいいの?


いいえ今日明日、得をすれば良いというあさましい考えではなく、長い植物時間によって、彼らはちゃんと理非と利害を測っているのだ。

それに、不当に食べ過ぎる輩(やから)に対しては、体に苦い物質を作り出し、遠くへ追いやることもできるし?


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植物は何も言わない。

だから何も知らない、と思うのは間違いである。
あるひ繁みの陰でひそやかに語られた不実は、さやさやという風に乗って、いつしか周辺に知られているものなのだ。

それゆえ植物と共に生きるなら、できるだけフェアでなければ。


それが、長くいのちをつなぐ植物の知恵と理念。





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ショウガの花 Ginger_Gingermbre

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すきっとしてドライ、クールでホットなショウガ。
夏の暑気払いにもいいし、冬の寒い時期にも体を温める。

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ホワイトジンジャーの花は観賞用としてもとてもきれい。
それにいい匂いがする。
ホワイトフローラルをフレッシュグリーンでシャープにした感じ。




☆お盆休みのお知らせ  8/14~8/17まで、サロンをお休みさせていただきます。 
オンラインの受注は受け付けております。発送は18日から順次させていただきます。


☆マザーロード66のお品切れについて

いつもマザーロードをご愛用いただきましてありがとうございます。ご注文を多数いただきまして、ただいまマザーロード66はお品切れとなっております。次回の入荷は9月予定です。申し訳ございませんが、しばらくお待ちいただきますよう、どうぞよろしくお願い致します。

 


パル ファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。7月パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「ソネット」です。ジューシーなネクタリンピーチとオスマンサスの組み合わせで、幸せな気分に。


ヘリオトロープ(Heliotrope) heliotropium peruvianumL

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小さな、ビロードのような五弁の花。

 

紫色、または小豆色の小さな花が密集して咲き、香りがよいので香水草とも呼ばれている。

 

夏目漱石の小説「三四郎」のなかで、美禰子が白いハンカチにつけていた香水の名がヘリオトロープ。日本に輸入された初期の香水のひとつと言われている。

 

ある日町でばったり出逢った美禰子は、店で三四郎にこの香水「ヘリオトロープ」を選んでもらう。

香水のエピソードは、恋愛がはじまる淡い予感。

 

しかしその後、ゆっくりとした展開の中で、人と人の縁のつながりや、三四郎と美禰子のお互いの気持ちにすれ違いがあり、実らぬ恋となってしまう。

 

物語の最後、三四郎との別れをほのめかせるシーンで、この香りが再び効果的に使われている。

 

「手帛(ハンケチ)が三四郎の顔の前にきた。鋭い香がぷんとする。『ヘリオトロープ』と女が静かに云った。三四郎は思わず顔を後へ引いた。ヘリオトロープの壜。四丁目の夕暮。迷羊(ストレイシープ)迷羊(ストレイシープ)。空には高い日が明かに懸る。」ー三四郎から

 

 

パルファンサトリ アンティーク香水コレクション

Heliotrope 1892/1924年 ロジェガレ ヘリオトロープ

 

 

お盆休みのお知らせ  8/14~8/17まで、サロンをお休みさせていただきます。
オンラインの受注は受け付けております。発送は18日から順次させていただきます。

 

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黒い花 黒法師 Aeonium

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歩いていてはっとする。何の花?造花?
多肉植物のAeonium、クロボウシというそうだ。

黒い花も少ないから目立つなあ。
ああそうか、白い小砂利を敷いているからはっきりしているんだ。


黒が黒であるためには、白が必要だということだ。






今月のパルファンサトリのサンプルプレゼントは終了しました。たくさんのお申込みありがとうございました。また次をお待ちください。


◇フレグランスデザイン講座 体験教室

調香体験教室 バラの香り  

日時:7月27日(日)13:00~14:30  

場所:パルファンサトリ 11F アトリエ

費用:10000円(税別)/10800円(税込)

※キャンセルのためあと1名様の席がございます。ご希望の方は前もってお電話またはメールでお知らせください。(26日土曜5時まで)

青い花③Cannes ジャカランダ Jacaranda_mimosifolia

青いジャカランダの花2.jpg

カンヌ市役所の前に、鮮やかな青い花の、大きな木がある。
葉はふさふさとしたミモザのようだから、豆科の植物かな?
でも花は小ぶりの桐の花のようだし、、、なんだろう。


そう思って調べたら、ノウゼンカズラ科のジャガランタ(Jacaranda mimosifolia)という。
ブルー・ジャガランタともいうらしい。
木の背が高く、咲いているものを近くで嗅ぐことはできないけれど、落ちた花からは少しウッディでハニーの甘い香りがした。

青いジャカランダの花3.jpg


桐(キリ)はノウゼンカズラ科(ゴマノハグサ科にも分類される)のキリ属。
こちらのジャガランタは、同じくノウゼンカズラ科のキリモドキ(桐擬き)属だから、やはり桐とは親戚にあたると思われる。
(葉の形はだいぶ違うけれども)


ジャガランタと言えば、紫檀(したん)と呼ばれる、家具やギターなどの材に使うものと思っていた。
でもこれは、マメ科のローズウッド(Delbergia sissoo)で、この青い花の木とは別種の植物である。
ギター奏者に言わせると、熱演すると楽器からバラの香りがしてくるのだそうだ。(私は楽器を熱演したことがないから体験はないが)

しかも、香料を採るローズウッドは、クスノキ科のまた別種の植物なので、なんだかややこしい話だ。

どちらもバラ科のバラとは関係がない。



青いジャカランダの花4.jpg

カンヌの市役所前に咲くジャガランタ。
青が蛍光性を帯びて見える。

もともとアルゼンチンなど南米原産の花だから、
この南仏の強い日差しの中で、発色がよくなるのだろう。






7月、パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは予定数を終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。次回までしばらくお待ちください。

青い花②Shinjuku_gyoen_national_garden

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ルピナス
豆の花 ノボリフジ

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ヤグルマギク
コーンフラワー

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ヤグルマギク

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セイヨウツユクサ
小さい頃、ツユクサを水の中で絞って色水を作ったけど、それはもっと地味なツユクサだったと思う。


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カンパニュラ・アルペンブルー

昨日のカンパニュラは袋状で釣鐘のような形で、このカンパニュラはキキョウのような、ブルーベルのようなすっきりとした花の形。




7月、パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「オリベ」です。パル ファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。もうあと少しで終了です。


青い花Paris① ニゲラ、霧の中の恋 Palais des Tuileries 

20140721ニゲラオリエンタリス.jpg

ニゲラ。この名前も好きだけど、英名のラブ・インナ・ミスト(love in a mist)はなかなか良い。
ふさふさとした羽毛状の葉が青い花を包んで、まさに「霧の中の恋」。

クロタネ草ともいう。別名のDevil-in-a-bush はちょっと酷いと思う。
花が散った後には、風船のように膨らんだ実がなって、これも花材としてなかなか面白い。


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これはカンパニュラ、ホタルブクロの仲間。ピンクはよくあるけど、こんなきれいな青は珍しい。

白や黄色い花に比べて、青い花は種類が少ないように思うけれども、遠目に見て派手なのは青い花。
少ないから目立つのかな?

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ここはパリ、テュイルリー公園の青い花壇。
ニゲラ、カンパニュラなど涼しげな花が植栽されている。





7月、パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「オリベ」です。パル ファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。もうあと少しで終了です。



◇フレグランスデザイン講座 体験教室

調香体験教室 バラの香り  

日時:7月27日(日)13:00~14:30  

場所:パルファンサトリ 11F アトリエ

費用:10000円(税別)/10800円(税込)

締切:7月25日(金)午後1時まで


10月開講のフレグランスデザイン講座(9月15日募集締切)をご検討の方は、まずは見学または体験受講をお勧めしております。この講座は、バラの香りを作る調香体験講座です。

マキアオンライン ダイアナさんのお部屋にパルファンサトリの体験講座が紹介されました。

http://hpplus.jp/maquia/clip/1898897/ ダイアナエクストラバガンザさんがバラの体験講座を受講。その様子がレポートされています。

 

☆どちらも要予約  お問い合わせメールまたは電話で。メールでのお申し込みにはお名前、ご住所、お電話番号、をご記入ください。こちらからの返信メールにて正式な受講受付となります。

☆定員になり次第締め切らせていただきます。(あと1名様)

☆女性のみの講座です。

お申込み、お問い合わせメール https://parfum-satori.com/jp/contact/

パルファンサトリ 03-5787-7207

リンデンバウム,セイヨウシナノキ,Tilia ×europaea

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「菩提樹」と言えば、お釈迦さまがさとりを開いたということで有名だが、それはインド菩提樹でこの花とは別物。

これは、シューベルトが作曲した「冬の旅」の中に歌われる「菩提樹」/Der Lindenbaum、この木である。


若者のせつない思い出と、ざわめく胸の内が語られている。

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新宿御苑の入り口付近を歩いていた、まだ春浅く、若葉が開く頃。
芽吹き始めた並木のらかな緑がとても美しく、見たことあるようだけど何の木だろうと思って眺めていた。


そして5月の終わりから白い花が少しづつ咲き始めた。

木の名札にはセイヨウシナノキと書いてある。

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2009年にパリのリンデンについて書いている。

パリには街中にたくさんのリンデンが植えられていて、ティリアの由来でもある「テュルリー公園」はこのリンデンがずうっと並木道になっている。

パリではカフェにいても、歩いていても、とにかく甘い匂いでくらくらする。それがまた、乾いた初夏の空気には心地よいのだ。

今年もまたこのリンデンの季節にパリに行くので鑑賞して来たいと思う。


ここのセイヨウシナノキは、パリのものとは葉の象が違い、花の香りもやや薄いようだ。

植える場所によって違ってくるのかもしれない。

ざくざく小判 コバンソウ② Briza maxima L.

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5月8日から約一カ月たって、あの緑色だったコバンソウがすっかり色づいた。
というか、ドライフラワーのようになっている。

小判のようでもあるし、モナカのようでもある。
ワラジのようにも見えてきた。


初夏の輝かしい季節は終わり、梅雨の走りへと移ろう。



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➤パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「ニュアージュローズ」です。

ル ファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。南仏コートダジュールの夕暮れどき、空のキャンバスいっぱいにバラ色とスミレ色 が交差し、やわらかな雲の波間から海へと光が差し込む...そんな美しい情景を香りに託しました。この機会にぜひサンプルでお試しください。

ニュアージュローズ Nuage Rose

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ジュード・ジ・オブスキュア Jude the Obscure

夢見るバラ。
フルーティなとてもいい香り。

トマスハーディの同名の小説、「日蔭者のジェード」なんて名前は可哀そうだけれど、なぜそんな名前にしたのか、いきさつを知りたいものである。