Parfum Satori

和のもの-日本の伝統文化の最近のブログ記事

「織部」Oribe Fragrance story ② 織部の香りができるまで

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よく「名前と香りのどちらが先にできるのですか?」と聞かれるが、その時々で違う。

先にテーマが決まって、香りがその目標に向かっていくこともあるし、出来上がってからしっくりくる名前を付けるのに苦労することもある。このときの作成途中の仮称は「抹茶」で、正式なネーミングは後からついた。できあがったときに、「抹茶」では工夫がないと思い、あれこれ書いては消しているうちに、「織部(おりべ)」という名前が浮かび上がったのである。


「古田織部(ふるたおりべ/重燃)」は、千利休の高弟の一人で16世紀の茶人である。千利休の茶道を継承しつつ「人と違うことをせよ」という教えを忠実に実行したと評される。大胆で自由な気風で、美の新しい価値観を茶の世界に作り、作庭、建築、焼き物など「織部好み」という一大流行をもたらした。400年も前にデザインされた濃い緑と黒の焼き物は今なお新しい。


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私が初めて織部の名を知った時は定かではないが、母が使う茶器を見ながら覚えたものと思われる。
その後、12歳で正式に入門し茶道を習い始めた。師匠のもと、あるいは母のそばで茶に接しているうちに、折りに触れ少しずつ聞きおぼえた物語りが、いつか身の内に降り積もって、数十年後にこの香水の名として浮かび上がったものであろう。いわばこの名は、母の手柄である。


織部についてもっとよく知りたいと、改めて本などを読んだのは、香水に名を付けた後であった。司馬遼太郎は「おそらく世界の造形芸術史のなかで、こんにちでいう前衛精神をもった最初の人物」と評している。

なぜ香水名が「利休」でなく「織部」なのかと尋ねられたことがある。ひらめきは理屈ではないが、しいていえば利休はよく知られており、織部を知っている人は少なかったからではないか。「人と同じことはしたくない」と思う。

「さとり」という香りが沈香木の再現のみならず、「和室の清浄な空間、そこに入る人の佇まい」をも表現したかったのと同じように、「織部」の香りもただ爽やかなだけのグリーンティとは一味違う、日本の茶の香りと、「茶を点てて振る舞う心のありよう」まで捉えたかったのである。



「織部」はわずかに苦い。シス-ジャスモン(cis-Jasmon)が効いている。これはジャスミンノートに入る単品香料だが、渋み、苦みを感じさせる香料である。

そして「旨み」としてバイオレットリーフを少し入れている。バイオレットリーフの香調はキュウリっぽいといわれるが、私には乾物の、例えば昆布出汁の匂いを感じるから。 

すっきりとしたグリーンだけでは少し膨らみが足りないので、フローラルを合わせてボディ感を出した。

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「茶の木」も「さざんか」も「椿」も、同じツバキ科の植物である。サザンカは晩秋に咲き、椿は春にかけて咲く。そしてお茶の花が咲くのは12月。白い、小さなツバキのような可憐な花である。
香りも良い。サザンカの香りに近く、ヘディオン(Hedion)という香料の匂いがする。ヘディオンはジャスミンの要素でもある。それゆえ「ティーノート」と「ジャスミン」の香りは合いやすい。

そこでジャスミンabs.を足して、花のボリューム感を出した。 

また、お薄茶(うすちゃ)を点てた時の泡立ちとパウダリー感のために、イリスバターを入れ、他にも様々な天然香料が入り、単調になりやすいグリーンタイプに複雑さを与えた。 


私にとっての緑茶、ことに抹茶はさわやかさと苦味と旨味のバランスが良さであり、豊かさであると思っている。

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我が家では毎朝、抹茶を飲む習慣がある。振る舞うわけでなないが、自分のために準備を整えて飲んだ時にはすっきり目覚めて心も改まる。とはいえ「毎朝の一服」として、インスタグラムで写真をアップしているように、それは誰もが季節を楽しむのと同じような気楽なもの。

茶道では11月は「炉開き」の月。茶事に「織部」と名のつく焼物を使うきまりがあると言われているが、「織部」の香水は、日々、心が改まる時々で心地よく皆さまのまわりで香っていられたらと願っている。


 


「織部」Oribe Fragrance story ①世界のグリーンティノートの変遷

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ヴァン・ヴェール(ピエール・バルマン)が1946年に発売されて以来、グリーンタイプはグリーンを強調したり、フローラルやシトラスに振れたりしながら今日まで続いてきた。

その中で、緑茶ノートの香水は1990年頃から始まったとされている。1999年エリザベスアーデンの「Green Tea(グリーンティ)」は、緑茶の香りをテーマにした新しいグリーンとして注目された。

しかしその香りは「グリーンティ」というカタカナをあてるのがふさわしい。香調は爽やかで透明感がある。日本人の自分から見れば、むしろレモンティに近いと感じたものである。


その後も、緑茶を謳った香水のヒット作が続く。むろん、緑茶イコール日本茶とは限らない。
今から20年前のパリ。当時は海外にまだ「日本茶」はあまり知られていなかったと思う。

フランスの家庭で「グリーンティ」といって出されるお茶は中国緑茶に近く、日本人が馴染んだみずみずしい緑や香りとはほど遠いものだった。(中国には緑茶、白茶、黒茶、紅茶、青茶がある)

逆に、日本に来た外国の人に抹茶を出しても「苦すぎる」と当時は人気がなく、砂糖をくださいと言われたことがある。抹茶があまりにもきれいな緑色をしているので、「てっきり着色していると思った」とフランスの人が言うのを聞いてびっくりしたこともある。


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そもそも、パリに和食店は少なかった。しかし「和食文化」が次第に浸透し、寿司店(経営は日本人とは限らないが)が飛躍的に増え、やがてパリのお蕎麦屋さんで上手に箸を使う外国人も目にするようになった。

一方で、日本ではペットボトル入りの緑茶が1992年に売り出され、急須で入れるリーフティよりも簡便に飲めるということで2004年ころまでに急成長する。どちらかというと、飲みやすさ、まろやかさなどが強調されていたと思う。

その頃から、いつか日本のお茶にある渋み、苦味、うまみまで表現した香りを作ってみたい、という気持ちが芽生えた。特に、茶葉を引いて粉にした「抹茶」。お薄茶(うすちゃ)を点てた時の泡立ちまで表現したいと考えたのである。

「織部」は2008年、ブランドとして最初に発売した10本の香水のうちのひとつであるが、発売から数年間「織部」はさほど注目されていなかった。


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フレグランス界でも2000年以降、グルマンやフルーティ・タイプなど、甘く、より甘く、わかりやすい香りが流行。その中で繊細なグリーンティのタイプは埋没してしまったかのようだ。

そんな折、食の世界の抹茶ブーム。日本文化が海外にも広く知られるようになり、健康志向ともあいまって、セレブから中心に広まったようである。今では、抹茶ラテといった飲み物や、ケーキ、クッキーなどお菓子には当たり前の素材になっている。


こうして一度落ち着いたものの、世界中で食品としての抹茶フレーバーが盛んになったためか、あるいは日本の侘(わ)び、寂(さ)びなども海外で興(おも)しろく思われたものか、この数年は、再びグリーンティ、あるいは抹茶や茶道をテーマにした香水が海外ブランドにみられるようである。


それでも、ヨーロッパへ日本から持っていった新茶などおみやげに出せば、やはり彼らには強すぎるらしく、午後3時以降は飲めない(眠れなくなるから)と言う。確かに、日本茶はカフェインが強い。 

しかし「すし」もブームではなくきちんと定着しつつあってポピュラーになり、食材も海外でずいぶん手に入りやすくなった。少しずつ本当の日本の味が浸透していくのは嬉しい。

食と香りは、後になり先になり、共鳴しながら流行しているようだ。とはいえ茶道がそうであるように、流行の中にあっても芯のぶれないものというものがあり、「織部」もしかり、そういう流されないものをこれからも作って行きたいと思っている。

「織部」Oribe お客様のご感想




重陽(ちょうよう)の節句 9th September

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9月9日、今日は重陽(ちょうよう)の節句。菊の節句ともいわれる。菊は姿を愛でるだけでなく、日本では長寿や健康に良い「食」としても用いられてきた親しみのある植物である。

この日、「きせ綿」といって菊の花に前の晩に綿を被せておき、そのかぐわしい朝露を含んだ真綿で体をぬぐう儀式がある。七十二候では「草露白(くさつゆしろし)」、夏から秋への変わり目の期間にあたる。この時期は、草花の上に降りた朝露が白く涼しく見えるというから、頃(ころ)あいもよし。

また、菊の花をお酒に浮かべて飲んだり、お風呂に入れたりして風情を楽しむ。
病はすなわち邪。菊には魔を祓(はらう)力があると信じられてきたのだろう。



こうした日本にある季節の行事や歳時記は、リズムとなって私たちに四季の訪れを知らせてくれる。

「今日は何の日だったかな」と思うことや、それにちなんだ「食」や「しつらえ」などを工夫することで、一日、一日を大切にできると思う。

こんなに豊かな日本の文化があるって素晴らしいこと。ごく身近な日常に、ちょっと気が付くだけで毎日が特別になる。

忙しく、せわしなく暮らして、そういった昔からの風習をを見過ごしてしまうのは、とてももったいないことだと思う。




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花入れに籠(かご)を使うのはもう終わり。名残に藪蘭(ヤブラン)とツユクサを活けた。

高価なものでなくてもいい。道端に咲く花や気に入った食器などを組み合わせて、自分のためにその日を祝おうと思う。

今日の、この今を慶(よろこ)ぶ、ために。






パリ、カンヌ、アムステルダムで毎朝の一服 teaceremony

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『海外だからこそ、健康のためにも毎朝の一服は欠かせない』とはいえその仕込み、かなり大変であった。23日の渡航の中からダイジェスト版、パリから毎朝の一服。

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三日目の朝、今日はいったい何日なんだ?日本との時差の中のやりとりで、頭が混乱中のパリのホテルで毎朝の一服。

与一「しかし、ここまで来てさとりさまもよくやりますねえ...」 
さとり「この一服のためにかなり段取りが大変だったのう」
与一「硬水のせいでか、お茶が泡立ちやせんね」
さとり「緑の色も暗いのは仕方がないのじゃ...」

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初日の朝は抹茶茶碗に代わるものもなく、ホテルのコップで代用したが、パリ在住のマダムに茶碗を借りてようやく形がついた。ミネラルウォーターでも、何度も沸かしなおすと少し水が柔らかくなるみたい。

パリにて、今日は少しきれいに泡が立った。お菓子は風流堂の「抹茶深川めぐり」で毎朝の一服。

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パリのホテルは、お茶を点てるにも飲むにも窮屈だったが、カンヌに移動してのびのびと一服。お抹茶効果か、渡航中もいたって健康である。

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カンヌに移動して初めての毎朝の一服は、マカロン。南仏の空と海を正面にしたアパルトマン(フラット)にて。カンヌはお水がいいので水道水も飲めるものの、やはり泡立ちが悪い。でも何度もお湯を煮返すと合うようになるのでは...と検証中。

そしてなんと、移動中にさとりと与一の人力車故障! ただいま養生中。。。。



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人力車が壊れたとインスタにちょっと書いたら、心配してくださる方々からコメントを戴いて嬉しかった。仮止めして登場。


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カンヌでの毎朝の一服、今日は日本から持ってきた冷やししるこで。みなさまのご心配に、ちょっとだけ与一登場。ありがとうございます。 

さとり「ゴキっていうてな、与一が引く人力車の柄が折れたときは、あやうく転落するところじゃったわ。皆様にご心配をお詫びせねば」 
与一「10年引いてやすからね、そろそろ金属(じゃないけど)疲労でやしょうかねえ。皆様、応援ありがとうごぜえやす!」


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羊羹は日持ちがするので、こうした旅のお供には持ってこい。やっぱりこの甘さと抹茶はベストマッチ。ここではカフェオレボウルが活躍中!

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今日は日本から持ってきた両口屋是清 の「ささらがた」という羊羹で、カンヌの毎朝の一服、。

 さとり「与一も独り立ちかや」 
与一「車輪がないとひっくりけえっちまいやすがね。ま、なんとか首がつながってまさあ」



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今日は日本から持ってきた小布施 の落雁で、カンヌの毎朝の一服。さまざまなカフェオレボウルで楽しむ。今日はうまく点てられず、泡のきめが粗いのが気になる。


さとり「旅先で続けるのも、菓子の調達が苦しいのう」
 与一「落雁は携帯菓子として最適でやすね~」





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ときおりお菓子を現地調達しながら、そうそう今日はまだ、日本から持ってきた屋 の羊羹 (ようかん)「おもかげ 」があったっけ。


羊羹という保存食で、カンヌの毎朝の一服。こちらも水道水をよく煮立ててから使うと泡の肌理(きめ)が改善される。


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アムステルダムに移動して、フラットの窓から明るい中庭を見ながら毎朝の一服。



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豊島屋の小鳩豆楽 (落雁)で毎朝の一服。アムステルダムの気温は20度前後、南仏に比べて10度は低い。きらめく木漏れ日に気分もフレッシュ。地元の人に言わせると、アムステルダムの水道水は世界一だそう。何度も沸かしなおしたからか、泡の肌理(きめ)がやや細かいみたい。

さとり「朝は鳥のさえずりで目が覚めて、まるで極楽(ごくらく)にいるみたいじゃ」 

与一「いや、あっしは満身創痍なれど、まだまだ現役で頑張りたいと思ってやすよ!」



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アムステルダムではミネラルウォーターは必要ない。水道水はおいしいが、しかし変わった味がする。塩水から塩を抜いたような...。

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これは、アムステルダム在住の知人から頂いたお菓子。オーガニックでビオでグルテンフリーだそう。でこれを茶うけにしつつ、アムステルダムも毎朝の一服で始まる。

 与一「ちゃんと説明、聞いてたんすか?なんか、知識が半端っすね~」 
さとり「うーん、異国の菓子じゃが、味はのう、"五家宝(ごかぼう)"という、昔懐かしい黄な粉を固めたお菓子のようじゃぞ」




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さすがに疲れた長期出張。与一もついグチが出る。それにしても、本当に抹茶の力すごい!家でお米を炊いて食べたと言っても、3分の2は外食。食事の質が変わっても、体調が変わらなかったのは抹茶のビタミンや食物繊維による整腸作用かな?

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Holland最後の毎朝の一服は、虎屋 の夜の梅 。『やっぱり、羊羹とお抹茶は合うわあ』と再認識。アムステルダムも最後の日は毎朝の一服で始まる。

さとり「ようやく人力車も直してもらえるの」
与一「もうそろそろリタイアしたいっス」









抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。


茶筅(ちゃせん)the Whisk

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ちゃせん、茶筅(茶筌)に近づいてよく見ると、お花の蕊(しべ)を思わせる。中心のめしべと、外周に整然と並ぶおしべたち。

4月を機に、茶筅を新しくした。穂がきれいにそろっていて気持ちがよい。



茶筅は、茶道でお抹茶を点てるための道具である。

根元を紐で縛っているので、細い竹をたくさん束ねたと思う人もいるが、茶筌(ちゃせん)は、1本の竹を切り割って作ったものである。

ハチクの節の近くまで縦に刃を入れ、16、32、64と均等に割っていく。さらに1本ずつを内穂と外穂に開いていくのである。

穂の数は16本から120本程までいろいろで、お薄茶には80~100本くらいのものを使うことが多い。
数が多いほど制作に手間がかかるので、昔は80本以上は大名の使うもの、126は将軍用とされたという。

また、穂の数が多いほど泡が点ちやすいので、少ない穂を使うと腕自慢をしているように見えるとか、おのれを未熟に見せるために、あえて穂数の多いものを使って謙遜して見せることもあるというから、お茶の心得(こころえ)は深すぎる。


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岡倉天心は「The book of Tea」の中で述べている。

茶室は明るさを抑えて、全体にくすんだ色調。年を重ねた円熟さが感じられ、「茶筅と麻の茶巾だけが白く新しく」対照を見せている。

茶室が清潔で清浄な場であることを、この対比が鮮やかに説いていると思う。



茶筅は使っているうちに穂先が傷んできたり、つぼまってくるので、陶器でできたホルダーにさして形を整えて保管する。前述のように本来は1回使い切りの茶筌だが、一般人にはなかなかそのような贅沢もできず、長持ちするように大事に使う。


薄茶を点てるとき、茶碗の底に茶筌をゴリゴリと擦ってはすぐに傷んでしまう。はじめ底から混ぜ、徐々に浮かし、最後に表面をさらさらとなでるときめ細やかな泡になる。

しかし泡は多ければよいというものでもなく、茶筅は泡だて器ではない。
裏千家では泡を一面に浮かべるが、表千家では縁に三日月に残すほどである。


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抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。


毎朝の一服 ハチミツ honey

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喉が痛いのは花粉のせいなのかと思う。

休日の朝、のどが痛くて目が覚めた。微熱もありうとうととしているうちに一日が過ぎた。

3月8日は「みつばちの日 」。(83日ははちみつの日だそう。)ふと思い出してひとさじのハチミツをなめなめ、毎朝の一服。

 

ハチミツの香りは、少しメタリック(金物臭い)で、アニマリック。

でも花の香りによって異なる香りがするものだ。

なかでもこのハチミツは、濃厚でダークな香りで、アンバーっぽいボディ感があった。

裏のラベルを見ると、なんの花とまでは書いていないが、原産国はパキスタンと書いてある。

 

 

小さい頃は、特に産地などのこだわりもなく、蜂蜜の味や香りと言えばひとくくり。

それは給食のパンに時々ついてきた、小さなビニールパックの薄黄色のハチミツの印象かもしれない。

袋の端をちょっと切って、たらーり食パンにつけると、手がベタベタするので、しょっぱくて汚い指と一緒になめる。

あるいは袋からチュウチュウ吸った。そんなビニールの舌触りや味も印象の中に混在している。

 

子供のうちは、その刷り込み(思い込み)で食べていたので、それほどハチミツの味の違いに気がつかなかったけれども。思うとあれはレンゲ蜂蜜だったのでは...

 

やがて世の中が豊かになるにつれ、産地や花にこだわったりブランド化して、蜂蜜はずいぶんと高価な食材に格上げされたものだと思う。いや、もともとは貴重な甘み源だったのだろうが、もっと素朴なものだった。

 

何気なく食べてきたものも、じっくり味わってみると、細かな味わいや香りが感じられるものだ。

新しいものを探すセンサーも必要だが、今ある身近なものに対して感度をあげてみれば、もっともっと普段を楽しめるものだ、と思う。

 

 

さわらび 早蕨 Pteridium aquilinum

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石(いわ)ばしる、垂水(たるみ)の上の、さ蕨(わらび)の、萌え出づる春になりにけるかも
志貴皇子(しきのみこ)

春の喜びを詠う歌、蕨(わらび)の歌は万葉集からただ一首。


ちいさな拳骨(げんこつ)を握ったような形は赤ちゃんの手にも似て、なんだか夢をいっぱい握っているような気がする。


こういう小さな草を野に見つけて食べたり、器のモチーフにしたリ、詩に詠んだりするところに、冬を耐えて、春を楽しもうという気持ちが表れていると思う。



この日の毎朝の一服は、鶴屋吉信の「さわらび(早蕨)」と春草の茶碗にて。




「わらび」と「ゼンマイ」と「こごみ」はよく似ていて、一瞬混乱してしまう。
(わらびは、カタカナのワラビでは感じが出ないと思っている。こごみも、コゴミじゃない・・・)


春になって、スーパーに山菜が並ぶようになると、「あ、そうそうこれがゼンマイ」「これがわらびだっけ」とか思い出す。

わらびは茎の上の方に固まっていくつかの巻きがあり、成長すると茎が伸びて、その途中から羊歯状の葉が交互に開いていく。

一方、ゼンマイは根元から1本だけ立ち上がっている。成長した葉も、根元から開いていく。



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この写真は「ゼンマイ」。

こごみの写真は見つからないのだけど・・・時計の中のばね仕掛けを、こごみではなく「ゼンマイ」と呼んだのがなんとなくわかる(ような気がする。

ゼンマイは茶色や、濃い緑をしている。
グイグイと巻きが持ち上がって、こごみよりちょっと強そうだ。





「ぜんまいばね)」は15世紀のヨーロッパで作られ、16世紀になってフランシスコザビエルによって日本にもたらされた。

時計の中を開けて、渦を巻いた部品を見た日本人は、植物の「ゼンマイ」から名を付けた。


ぜんまいばねは英語で「Mainspring」だ。
ヨーロッパの人は「Osmunda(ゼンマイ)」とか、「Pteridophyte(シダ)」とかいう名前をどうして付けなかったのかな?って思ったりする。







毎朝の一服 雛の袖 morning matcha green tea

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2月23日は「富士山の日」。すみれの茶碗と、鶴屋吉信の「雛の袖(ひなのそで)」で毎朝の一服。

さとり「お山はまだ雪が被っておるが、里はもう春が待ち伏せているのじゃな」

与一「富士山の日から、強引に話題を持ってきやしたね!」



薄く重ねたお袖は淡い桜色と水色。もうすぐ雛祭りと心浮き立つ、でも寒い朝。




毎朝の一服 雨水 morning matcha green tea

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2月18日は二十四節気の「雨水」。うお座の始まりでもある。昨日は春一番も吹いて、春の茶碗とさくら餅のコラボにて毎朝の一服。

さとり「雪から雨にかわり、積もった雪が解け始める・・・。雨水とは、『陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり』というのじゃぞ」
与一「それよか、桜もちの楽しめる季節なのが嬉しいでやす( ´∀`)」 




大寒:水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし) 72 pentads

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1月25日は二十四節気「大寒」の七十二侯次侯「水沢腹く堅し(みずさわあつくかたし)」
一年で最も寒い時期だ。


なんかもう、氷の上を渡る風って強烈。
でも、北の国の人にしてみれば、東京なんかすごく暖かいらしいけれど。



寒いときは暖かい時に比べて、空気が透明で匂いが少ない。
香りのある花もあまり咲いていない時期であるし、土や水などから上がってくる香りもない。
芳香分子の活動も活発でないからだろう。

その代わり、少しの香りでもはっきりくっきり感じられる。


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蝋梅(ろうばい)の香りは離れたところでもよく香る。


ちょうど、雑音が多い時は肝心なことは聞こえず、シンと静まり返っているからこそ、小さな物音もよく響く、そんな感じである。





オランダ便り⑥は明日アップします!



毎朝の一服 2017 morning matcha green tea

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若い頃はきちんとお稽古をして、お茶のお手前をしたけれど、今はもうそのように改まったものでなくて、ただ日常のものとして、朝茶を点てて飲むだけである。

それでも、日々味が違うのが面白いなあと思う。

一口飲んだときに、「ああ、美味しい!」と心から満足するときは多くなく、ぬるかったリ薄かったリ、時にはすごく不味(まず)く感じることもある。

それは抹茶の量とお湯の量のバランスや、温度などによるのだけれど、さらに季節や、茶碗の形と厚さも重要なファクターになっている。



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柄杓(ひしゃく)を使えばお湯の量はきちんと測れるけれども、慌てて鉄瓶から注げば、熱すぎたり、茶碗の形によってお湯の量がわかりにくい。塩梅(あんばい)が変わってくる。

そんなことは当たり前のことで、この年でそんなこと言ってるのもちょっと恥ずかしいけれども、やっぱり自分で「しまった!」と思いつつ、感じることが大事だと思う。

大切なのは、心のかたちというか、バタバタ焦っているとやっぱり上手に点てられない。

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朝はなんといっても慌ただしい。

それに、雨が降れば思いついて茶碗を替えたり、歳時記に合わせてみたり、箱から出したり片付けたりなどしていると、あっという間に時間が無くなってしまう。

健康のためと、朝の一時を心静かに、とかなんとか思って始めたのに、歳時記と茶碗や菓子との取り合わせの工夫に始まり、写真を撮ることがだんだん主になってきて、かえって忙しくなってしまった。

お菓子を並べるタイミングが早すぎて、準備しているうちに乾いてきてしまったりとか。

本来は段取りこそがお茶の肝要なところなのであるし、お手前のひとつひとつにきちんとした意味があるのは重々承知。

それでも、やらないよりやったほうがいいと思って、毎朝の一服を喫している。



いずれ隠居(いんきょ)などしたら、母のようにきちんと毎朝お手前をしたいものである。
(無理無理)


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新年。穏やかな天気につき、お庭で「毎朝の一服」をしてみれば、ひよどりが来訪。思わず奥にピントを合わせてお道具はボケボケ。


与一「赤富士の茶碗に、なすびの棗(なつめ)。鷹(たか)の変わりにひよどりですかい」
さとり「鳥に貴賤のあるじゃなし。酉年じゃもの、そばに来るとは縁起がいいのう。」







獅子舞いが来た! Japanese Lion dance

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うわー、獅子舞(ししま)いなんか久しぶりに間近で見た。

元旦にランチを食べていたら、鉦(かね)や太鼓、ささらを鳴らしたお囃子(はやし)が入ってきた。
「あれ、これだけ?」と思ったていたら、しばらくしてから獅子舞いが登場!


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頭を大きく振ると思えば細かく震えさせ、足使いもメリハリがきいて、テンポよくキレのある踊りで客席を練り歩く。

子供の中にはびっくりして泣いてしまう子も。
私も小さい頃は家の玄関にお獅子が来て、本当に怖かったわ~。

テレビで見た「なまはげ」も、かなり恐ろしかったけど。
秋田に生まれなくてよかったと心底震え上がったもの。

最近では「子供が怯えるから」とソフト路線になっているそうだけど、世の中には理不尽に恐ろしいものがあるってこと、小さい頃に知っておくのもよかったんじゃないかな、と思ったりする。

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母は「ちょっと、ちょっと」とお獅子を手招きすると、おつむを指さし、噛んでもらってご機嫌。
お獅子が悪霊を食べてくれるので長生きするのだそうだ。

今90歳。

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ほかにも、「仁羽(おかめひょっとこ)」の踊りもついてきて、滑稽な仕種(しぐさ)で愛嬌を振りまく。

暮れもてんてこ舞いだったが、お正月は「天手古舞」を見る。
プリミティブな音と踊りに、久々血が騒ぐ感じ。

新年からありがたい気分である。




☆1月4日から営業いたします。

営業日 月曜―土曜(日、祭日は休業)
営業時間 11:00-18:30

毎朝の一服 小雪から大雪まで③ morning matcha green tea

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11月29日、もうおわかりであろう今日は「イイニク、いい肉」の日。でも、さすがにこれに関するお道具はないので、今日は久しぶりの母の志野茶碗とダッグワーズで毎朝の一服。

さとり「おお、また志野を使える時期になってきたぞよ。冬となればこのふっくらとした姿かたちと、縁の柔らかい口当たりが、抹茶の味を一層おいしくさせるのじゃ」
与一「ダッグワーズも、見た目が志野風でやすね!!」 





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12月2日は12月大歌舞伎の初日。隈取(くまど)りの茶碗と柚子饅頭で毎朝の一服。

与一「おお、お労(いたわ)しやさとりさま、そんなにお顔に剣(けん)がでなすって。ばっちりクマも出ていやす。」
さとり「どこを見ておるのじゃ与一!かような言葉には、鬼にも夜叉にもなろうぞよ!!」






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今日は12月4日。オペラ椿姫から「Libiamo, libiamo ne'lieti calici(酌み交わそう喜びの酒杯を)」「che la bellezza infiora.(美しい花と共に)」


 与一「今日は、酌み交わそう喜びの茶の杯を!美しい姫椿と共に、ってところでやすね~。」
さとり「茶はツバキ科の植物じゃし、冬枯れの時期にはありがたい花ぞ。11月の炉開(ろびら)きから炉塞(ろふさ)ぎまで使えるのじゃ。」




鶴屋吉信の姫椿。母好み。



毎朝の一服 小雪② morning matcha green tea


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11月22日からは24節気の小雪。
26日ころまでは、72侯の「虹蔵(にじかく)れて見えず」という。
小雪がちらつき、虹も見られなくなる頃という。

私たちはこの季節の巡りあいをどれほど愛してきたのかと、こういう言葉一つにしみじみと感じてしまう。


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11月23日は二の酉。

縁起熊手(えんぎくまで)の茶碗で毎朝の一服、蕨餅(わらびもち)と共に。


よいち「さあ、この熊手でごっそり福をかき集めやすよ~」
さとり「そしてぱあっと福を撒くのじゃな!」




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もし間に合えば、仕事の帰りに鶴屋吉信に寄って翌朝のための上生菓子を買う。
母はすあまや餅でくるんだものが好みのようだ。



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11月24日はオペラ記念日。



さとり「今日は思いっきり歌って、皆さんに美声をお届けしたいものじゃ」 

与一「・・・ジャイアンさとり」 


とは関係ないけど今日はお山は雪かしら。山の黒楽茶碗と紅葉の生菓子にて毎朝の一服。






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11月26日は「ペンの日」。「1126、いい風呂の日」でもある。

筆洗(ひっせん)の茶碗で毎朝の一服。&喜福堂のアンパン。

さとり「ペンは剣よりも強し!筆は刀にまさるのじゃ。この茶碗は筆洗の形なのじゃぞ、これ与一、聞いておるか?」
与一「あっしはてっきり風呂桶だと思いやしたよ~。」


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ふと不安になり母に聞いてみる。

「ねえ、これ本当は、本当の筆洗だったのを、むりやり茶碗にしたんじゃないよね?」
「・・・そんなことはない。最初から筆洗の茶碗よ。」



『返事まで・・・一拍あいたのは何故(。´・ω・)?』




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11月 28日、紅葉も最後に近づいていよいよ燃え上がる。「 千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは) からくれなゐに 水くくるとは」

与一「この歌は、竜田川という関取が、千早っていう遊女に振られったっていうあれでやすね?そんで神代っていう遊女にも振られ、がっかりして関取辞めて豆腐屋になり、やがて落剥(らくはく)した遊女が豆腐屋に偶然たどり着いて、おなかがすいたからおからくださいっつう...」


さとり「落語じゃあるまいし、たいがいにしておくれ。里も錦秋の彩り、一段と風情があるのう・・」 





毎朝の一服 立冬から小雪まで① morning matcha green tea

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「さとりちゃんのママって、たくさんお抹茶茶碗持っているのねえ」

たまたまインスタの「毎朝の一服」を目にした従妹がそう言っているという。



ほとんどはお稽古用だけど、確かに押し入れの中には、母の長い茶歴(ちゃれき)の中で、好きで集めた茶碗がある。

少なくとも50年間、季節ごとに年4個買ったとしても、玉石(ぎょくせき)混合で200個はあるに違いない。

最近では、二人して「今朝はどの茶碗を使うか」を相談するのが楽しい。
たいてい、別の茶碗を選ぶのであるが。。。



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11月13日は漆(うるし)の日。黒く艶のある漆のお皿に綾錦(あやにしき)が映える、毎朝の一服。

与一「新宿御苑のもみじも色づきはじめやしたね。」 


さとり「竜田姫(たつたひめ・秋の女神)が裳裾(もすそ)を野に山に広げたのじゃ」 



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今日11月14日はアンチエイジングの日。笑うことでNK細胞が活性化し、アンチエイジングにつながるそう。大きいメロンパンにて毎朝の一服。 


さとり「与一は笑わしてくれるから、少しはアンチエイジングの役に立っておるのかのう?」 

与一「目じりの小じわに貢献しているのは間違いないでやす!」 




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明日11月15日は七五三の日。母の焼いた茶碗には見込みに「七」、表に「五」、裏に「三」と入っている。毎朝の一服。


さとり「千歳飴(ちとせあめ)は歯にくっつくのじゃ」 

与一「歯に衣(きぬ)を着せぬさとりさまでもやっぱり!」




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再登場ではあるが。。。

11月17日は将棋の日。

なんでもあるので、もしやと思い

「ねえ、将棋の駒(こま)のお茶碗はないの?」と母に聞いたがさすがになかった。


代わりに馬上杯(馬の上で柄をもって飲む杯)の取り合わせにて毎朝の一服。

与一「このセレクト、桂馬(けいま)にもかけてでやしょ?」
さとり「ノンノン、角(かく)行が成って竜馬となるのじゃ。」 



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11月20日はピザの日。なぜなら、ピザマルゲリータの由来となった、イタリア王妃「マルゲリータ・マリーア・テレーザ・ジョヴァンナ・ディ・サヴォイア」=ジェノヴァの誕生日だからだそうだ。ちっちゃいピザで毎朝の一服 


与一「最近、趣旨がずれてきてやせんか??」
さとり「かなり苦しいのう。。」 


将棋の日 Shogi_Japanese chess

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11月17日は将棋の日。徳川家康が将棋好きで、旧暦のこの日に「御成将棋」が行われるようになったとか。

ここはJR千駄ヶ谷のホーム。
大きな駒が飾ってあるのは、千駄ヶ谷に将棋会館があるからだろう。


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今日は将棋の日➤将棋会館➤鳩森神社という連想から、アトリエのある千駄ヶ谷の氏神様、鳩森八幡神社へ詣でることにした。

ここは将棋堂(八角堂)があり、中には1メートル20センチの欅製(けやき)の大駒が鎮座している。
大山康晴永世名人が奉納したそうである。

千駄ヶ谷駅に飾ってあったのはレプリカであろう。
本物はふた回りは大きい。




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うららかな冬の初めの朝。
鳩森神社の中にはすがすがしい気が満ちて、元気をもらえる。


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ここの、鳩みくじは、結ぶと鳩の形になりとってもかわいい。

このデザイン、考えたひとすごい。

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鳩森八幡神社のすぐ裏には、将棋会館がある。
昔、30年ほど前に、ちびっこたちを連れて、この将棋道場によく来たものである。


当時、私も付き合いで指していて、
四間飛車(しけんびしゃ)と美濃囲い(みのがこい)の一つ覚えで、8級までなった。

昇段というのは、最初9級から始まって、1級まで登ったあと、初段、二段、、、と上がっていくので、下から2番目の8級では全然自慢にもならないが。。。


年齢関係なく、前に座った同じ技量の相手と対局し、勝てば点数がついて級があがっていく。
このくらいの級はほとんどが子供だったが、その子供相手にこてんぱんに負けた。

地元では将棋の横綱だった小学生の連れは、どんどん出世して初段まで行った。
ニ段の壁は厚かったようで、ついにその上には行けないまま、
別のスポーツに興味が移ってしまったようだ。


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11月17日の朝。
もしやと思い「ねえ、将棋の駒(こま)のお茶碗はないの?」と母に聞いたがさすがになかった。駒の代わりに馬上杯(馬の上で柄をもって飲む杯)の取り合わせにて毎朝の一服。

 与一「このセレクト、桂馬(けいま)にかけてでやしょ?」 
さとり「ノンノン、角(かく)行が成って竜馬となるのじゃ。」




毎朝の一服 ポッキーの日 morning matcha green tea

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最近の「毎朝の一服」からダイジェスト!


この日は読書の秋ということで、二宮尊徳(にのみやそんとく)の茶碗を出してみた、毎朝の一服。


さとり「いいか、与一。役に立つことばかり追いかけていては、薄っぺらい人間になってしまうものじゃ。一見、役に立たないようなことが、実は人間性の肥やしになっているもの。それが教養というものじゃ。」

与一「はあ、、、あっしはうまいもんのほうが肥やしになってやすがねえ・・・」




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11月12日は七十二侯の「地始めて凍る(ちはじめてこおる)」。

昨夜の雨で寒くなるかと思いきや、暖かい行楽日和(こうらくびより)の週末の毎朝の一服。


さとり「うぬ、昨日の11月11日はポッキーの日だったそうじゃ。ぬかったわ。」
与一「11月11日はきりたんぽの日でもあったようでやすよ」 




原宿ではポッキーを配るイベントがあったそう。


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11月8日にかけて、イイハからいい歯の日。

四谷アトレのラ・プレシューズのモンブランはその場で作ってくれる。

メレンゲの上にふわふわのクリームとマロンペーストの絶妙のバランス。

朝からボリューム満点。



いや、本当はとても軽くて、新鮮なお味。


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11月7日、今日は立冬。117にかけたイイナベから「鍋の日」でもあるそうだ。

色づいた柿の葉で包んだ練りきりと、茶碗「柿のへた」にて毎朝の一服。


さとり「寒くなるとあったかい鍋がたべたくなるのう・・・」
与一「白菜が高くていけやせんや。煮込んだらこれっぽっちになっちまうんで」 





鶴屋吉信のお菓子は、季節にちなんで毎月6種類くらいが順繰りに並ぶ。
練りきりの新しい意匠をみるのが楽しい。

鶴屋吉信の回しものじゃないけど、かなり頻繁に登場する。


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10月30日、明日はハロウィン。

月夜に魔女が箒(ほうき)に乗っているハロウィンの茶碗で毎朝の一服。

さとり「あー、空を飛んでみたいものよのう。。。与一、できぬか?」

与一「ふっ、あっしは箒(ほうき)じぁありませんぜ」





まったく、あきれるほど色々な茶碗を持っている母なのだが。
考えたら母は70年以上の茶歴があるのだから、毎年3~4個の茶碗を買ったとしても、かるく200個は行くはず。

ほとんどがお稽古用の気楽なものだから、決して贅沢な話ではない。

継続は力なり。


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10月24日は「文鳥の日」  


さとり「小さい頃、文鳥と十姉妹(じゅうしまつ)を飼っておったものよ。くちばしが紅色で羽が白いやつじゃ。」

与一「あっしは鳩サブレが懐かしいでやす~。」





「毎朝の一服」をインスタグラムにアップしたのが1月から。
季節の茶碗とお菓子を取り合わせ、1年は続けてみようと思った。

あと1か月頑張っていこう!



二十四節気の霜降 毎朝の一服 morning matcha green tea

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今日、10月23日は二十四節気の霜降(そうこう)。


露(つゆ)が冷気で凝って霜となる。

鶴屋吉信の「園の菊」にて毎朝の一服。

あんこを外郎(ういろう)で薄く包み、細かく砕いたかすてらがふってある。

さとり「まるで菊に降りた霜のようじゃのう。」

与一「そろそろ股引(ももひき)を用意しないといけやせん」 

はなひらく,Hana Hiraku ④香水のネーミング

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香りを作るときに、イメージが先ですか?名前?それとも香料から決めていくのですか?
そう聞かれることがよくある。


それはどれも正しくて、その時々によるし、両方が追いかけ追い越しながら香りができていくこともある。

「ハナヒラク」は、仮の名前があり、香りができ、後から正式な名前が付いた。
そして香りは大きく変更されたのである。



最初の名前は「エパヌイール(épanouir、咲かせる、輝かせる)。

この名前にもちょっとしたエピソードがあって、
数年前、フランスに滞在しているときに
「仕事をしていて何が一番楽しいのか?」
という話題になり、

「お客様と香りのお話ししているでしょう、ムエットについた私の香水をかいだ瞬間に、相手の顔がぱっと明るくなるの、その表情でいろんなことが報われるのよ」
と説明しながら、一言で何かぴったりの言葉がないかって頭の中で探していて、

「そう、エパヌイール!」
という言葉が私の口から出てきたときに、

その人が、
「エパヌイールか!いい言葉だ」
と、懐かしい名前を思い出したような表情をしたのを見て、
私にとっても特別なことばとなり記憶に残った。


そして、新しい作品のテーマは「木の花」。
春から夏にかけて、いろんな種類の木が次々と蕾を付け、白い花がどんどん開いていく。

香りを作りながら、顔が花のように輝く表情と「エパヌイール」という言葉が重なって思い浮かんだ。



香水の仮の名前は「エパヌイール」
でも、それはフランス語。
音はかわいいけど少し覚えにくく、意味が伝わりにくい。

やはり最後には日本語で名前を付けたくて、10も20も候補が挙がっては消えた。

しっくりくる言葉が浮かばないまま、エパヌイールの香りはできていく。
5月には発売する予定なのに。

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2月になった。
毎朝の一服、抹茶を点てようとしていると、母が自作の茶杓(ちゃしゃく)を奥から出してきた。
竹の茶杓入れには「花開」と書いてある。

「これ、何と読むの?」
「ハナヒラク」


はなひらく。。。
何回もつぶやいてみる。
音に希望があって、明るくていいなあ。
それに、エパヌイールとも通じるし。

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花咲く、花開く、どっちにしよう。
ハナサク、ハナヒラク、やっぱり、ハナヒラク。

凝り過ぎていなくて素直な感じ。

こうして、香りに名前がついた。
香水のラベルもできて、試作のボトルに貼ってみる。


名前がつくと、それまでなんかもやもやしたものが、しっかりとした形を持つ、人格を(香格?)を持つような感じがする。

正式名がついてみると、一度は完成したと思った香りなのに、、、これでは線が華奢(きゃしゃ)すぎる。
言霊(ことだま)というのかな。


どうしても、納得のいくものにしたくて、作り直すことにした。
なぜならばこれは私の香りだから。

春からもう一周、辛夷、ハクモクレン、朴の木など、白い肉厚の花が「ハナヒラク」のを観なければ。


そうしてハナヒラクは、予定から5か月遅れた10月15日に世に出ることとなった。






重陽(ちょうよう)の節句 Double Ninth Festival

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今日は重陽(ちょうよう)の節句。

3月3日が桃の節句なら、5月5日は菖蒲の節句、7月7日は笹の節句であり、
9月9日は菊の節句である。

1月7日は月日が重ならないが、七草の節句で、合わせて五節句となる。



今日は「菊尽くし」で、菊の物を重ねてもいいので、母の作の菊の茶碗と菊の皿と、菊の干菓子を誂えてみた。

与一の車輪も、菊のように見えるとのご指摘も。



さとり「菊の節句だから菊尽(きくづ)くしじゃな~」
与一「ちょうよ~(そうよ~)」 


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菊は日本的な花のようだが、平安の初期に中国から渡来したようである。
万葉集には一句もない。

鎌倉時代に後鳥羽上皇が菊の花の紋所を使ってから、皇室とのゆかりが始まり、やがて日本の象徴になったという。

この写真はオランダ菊。
日本から渡った菊が、ヨーロッパで人気が出て盛んに栽培された。

艶(あで)やかな色彩が、西洋から見たオリエンタルな感じだ。
19世紀末、西洋絵画の中の菊や工芸品などに見られるデザインがこんな風にこってりしている。

ひなびた野菊の風情とは異なるが、これはこれでまた美しいと思う。

重陽の節句を、英語でDouble Ninth Festival,というと、ずいぶん印象が違う。


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これは「菊尽くし」という日本舞踊の演目である。
5歳の舞台で、菊の笠を両手に踊っている私。

後ろに黒子役の先生がいて、小さい声で振付を教えてくれている模様。



3月3日の雛祭りに対して、9月9日は「後の雛」といって、虫干しを兼ねてもう一度お雛様を飾ったりもするらしい。

今日はまだ蒸し暑く湿気があるので、旧暦の重陽の節句(10月9日)には、お雛様を出してみようかな。


夏の毎朝の一服④ morning matcha green tea 

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涼しげなピンクの餡を葛で包んだ水ぼたん。鶴屋吉信。



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叶匠寿庵(かのうしょうじゅあん)の草庵蕨(そうあんわらび)。
蕨はシダの仲間だからといって、草庵蕨(そうあんわらび)をフジュールロワイヤルと詠んだらひねりすぎか。


与一「フゼア(Fougere)といえば、fern-like(シダ類)でやすしね」 

さとり「茶室こそ真の王宮じゃ」



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このスイカの茶碗、内側は赤と黄色の二つセットで、外は縞模様なのだ。

この日7月27日は「スイカの日」。

さとり「この茶碗は荒物だけど、母のお気に入りじゃ。」
与一「母君は数寄者(すきしゃ)ですからねー。値段より楽しさを愛でますからね。」


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8月13日は、立秋の次候「寒蜩鳴く(ひぐらしなく)」
青磁の夏茶碗と長命寺のサクラモチで頂く毎朝の一服


与一「夏過ぎて、その日暮しの哀しさカナカナ・・・」
さとり「暑くても斜めの日差しが秋の気配じゃのう」


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創業明治、村上開新堂(むらかみかいしんどう)のサマーケーキ。

冷蔵庫が普及する前は、夏になると生菓子の代わりに、この焼き菓子が作られたという、由緒ある日本の洋菓子。 


与一「杏とレーズンとパイナップルの入った、きめ細かいパウンド生地が、優しくて素朴なお味でやすねえ。」
「やんごとないお方は、このような真面目なお菓子を小さい頃から召し上がっておられるのであろう」





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秋の終わりまで、一周は続けたいインスタの「毎朝の一服」。

与一「あっしも出番ができて嬉しいでやす!」
さとり「どうぞよろしくお願い申し上げまする」



夏の毎朝の一服③ morning matcha green tea

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中華の桃まんじゅうを蒸籠(せいろ)でふかし、流水の茶碗で頂く毎朝の一服。

与一「どんぶらこっこ、すっこっこ。川上から流れてきたんですかい?ひとつ取りに山まで行ってみたいもんで」
さとり「桃李(とうり)もの言わざれと下おのずから蹊(こみち)を成す」 


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最近ではリビングでお茶の支度をしていると、雀たちがもう塀の上で並んで待っている。

パンくずを撒いてしばし、牽制しあっていた中から、

勇敢な一羽が飛び降りると、競って後からついてくる。



よいち「きやした、きやした♪」
さとり「よしよし、待っておったか。愛いやつらじゃ」


毎朝の一服。


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今日の毎朝の一服は、久しぶりに名古屋の「むらさきや」の水ようかん。

これは柔らかいので、ケースから出して慎重に切らないと...。 


与一「小豆の濃さ、甘さ、口溶けが最高でやす!」

さとり「シンプルなだけに、お味が違うもんだねえ。」


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今日も雷。風も強し。

風神の香合と雷神の茶碗で毎朝の一服。 


与一「あっしはさとりさまの雷が一番怖いんで。」
さとり「どこ吹く風のくせに。」





夏の毎朝の一服② morning matcha green tea

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さとり「ほろほろと やまぶき散るか 滝の音 芭蕉」

返して与一「さざれ蟹 足這ひのぼる清水哉 芭蕉」

中宮寺の落雁(らくがん)「山吹」にて毎朝の一服。




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小学生の頃、母がよく銀座松屋で買ってきたユーハイムのアイアークーヘンを久し振りに発見。

今では地味な菓子になってしまったのかもしれないが、

カステラの間に杏ジャムが挟んであり、洋酒のしみた、しっとりとした生地が、当時は洒落たお菓子だった。

さとり「でかしたぞ与一、これは母上のお好みじゃ。懐かしいのう」
与一「昭和四十年代でやしょ?」



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与一「うわっ!ひまわりの硝子鉢に向日葵の抹茶碗、花までヒマワリじゃ、くどすぎんじゃないスカ?」
さとり「今朝のような憂い日は、ひまわりに囲まれていたい気分なのじゃ...」 



山盛りのデコポンゼリーと毎朝の一服。ナタデココ入り。



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この日は祇園祭。祇園山鉾、長刀鉾を眺めつつ、

京都の天気はどうかしらなど思いながらの毎朝の一服。


さとり「あたし、あっちの車に乗りたい」
与一「う、うらぎりものっっっ!!」



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8月11日は山の日。

楽茶碗は冬っぽいけど、胴の景色を山に見たてて使ってみた。

加賀の「塩どら焼き」と頂く毎朝の一服。

与一「海の日があったと思ったら、いつの間に山の日ができたとは、知りやせんでした」
さとり「人生、山あり海あり。しょっぱいねえ。」






夏の毎朝の一服① morning matcha green tea 

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夏になると、のどごしのよい冷たいお菓子が欲しくなるもの。涼しげに泳ぐ金魚のゼリーで毎朝の一服。 


さとり「この近所には、昔は金魚売りが屋台を引いて来たものじゃ。」

よいち「風鈴なんかも、チリンチリンとたくさんつり下げてきたりしやしたねえ...。」


源 吉兆庵の金魚ゼリー。



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母が何十年も続けている、「続きお薄」の点前を見習って、私も始めた「毎朝の一服」。


冬からインスタグラムにアップをし始めて、春が過ぎ、夏も終わろうとしている。

今日から、7、8月の「毎朝の一服」を数回に分けてダイジェスト。


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高島屋で買った週替わりのみたらし団子。何処にもお店の名前がない。おじさん、商売っ気ないなあ。

さとり「おお、これは!朝から久しぶりの含水炭素(がんすいたんそ)!」
与一「それは今でいう炭水化物のことでやすね?大正時代に逆戻り。」



花火の茶碗で。

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与一「このあんこだまは、相撲を取ってるんでやすかい?」

さとり「はたき込みで勝負あったって感じだね」

可愛い菓子に、たわいのない会話が浮かぶ。永楽の夏茶碗で毎朝の一服。




石衣(いしごろも)



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この日、8月3日は七十二候「大雨時行(たいうときどきふる)」

昔の夕立と今のゲリラ豪雨では、激しさが違うけれども、今日は雷(かみなり)の茶碗で毎朝の一服。

さとり「昔は怖いものの代名詞として、地震、雷、火事、おやじといったもんじゃが...」

よいち「いまじゃあ、自信なくなり家事するおやじですかねぇ」 



ポウルのカヌレ




七夕の朝の一服 Tanabata'Star Festival'

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今朝、この茶碗を手に母がそばにやってきて言う。
「お茶を飲み干して、この茶碗の中をじっと見ていると、なんだか宇宙に吸い込まれていくような気がするんだよ」

この茶碗の銘は「天の川(あまのがわ)」。
その名のとおり、瑠璃(るり)色の夜空に、天の川が描かれている。

というのは茶碗の見込みに、刷毛(はけ)で二筋、金が刷いてあるのを銀河に見立てたものである。
よく見ると、天の川に沿っていくつかの星座も見つかった。

続けて母は言う。
「眺めていると、この大宇宙の中に自分が生かされているっていう感じがして、なんだかとっても嬉しくなるんだよ。若い頃はそういうことを本で読んでも、なかなか実感としてわからなかったけどねえ」


私は仕事に出る前で、ちょっと慌てていたので、母の話を半分に聞きながら、

「そうね、そうやって宇宙の力を自分の中に呼び込むんでしょ」
とか知ったように話を合わせたつもりが、

「そうじゃないんだよ、宇宙っていうのは、もうすでに自分の中にあるの。それに気が付くかどうかっていうことなんだよ」

と母に切り返され、『あ、おみそれしました...』

と、一本取られたのである。


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七夕には、笹の葉のお抹茶茶碗でいただく「毎朝の一服」


母の茶歴は女学校時代から数えると70年あまり。
「毎朝の二服」は40歳から、50年間続けている母に触発され、私も「毎朝の一服」をインスタグラムにアップし始めてまだ浅いけれど、やっぱり日課にするというのが大事なのだと思う。

母はきちんとお手前をするが、私は毎朝となると時間がないので、抹茶にお湯をさして点てだしで飲む、ただそれだけ。

たったそれだけでも、日々、味が違うことに気が付く。


気持ちの急(せ)いているときは泡が荒くなるし、お湯がぬるすぎても、カンカンに沸騰して熱すぎてもダメ。
抹茶の量が多すぎれば底に残り、少なければ泡が立ちにくい。

鉄瓶から注ぐのでは、茶碗の形や大きさによって、おもいのほかお湯の量が入りすぎたりする。
柄杓(ひしゃく)を使うというのは、大変合理的な作法である。

それにフランス、オランダで毎朝の一服を点てたときは、水の違い(軟水・硬水)でちっとも泡がたたなくて、往生(おうじょう)した。

簡単なことではあるけれど、段取りをきちんとしなければ、きちんとしたお茶は立てられない。

「茶の湯とは、ただ湯をわかし茶を点(た)てて、のむばかりなることと知るべし」

中学生の時、お茶の初めに習った利休百首のこの言葉は、日常のあるべき姿を詠んだものと思うけれども、簡単なことが一番難しい。

初心者だけでなく、生涯学ばなければならない修行の道である。


わかっているけど、「日々是好日」にはほど遠く「日々是荒日」、荒れた朝は慌ただしく過ぎていく。






「道(どう)」と香水③Japanese Art of Fragrance_'KODO'

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私の香りの特徴は、一言でいえば「乾いている」ということです。甘いグルマン系の香水ならば、米や小豆を原料とするあっさりとした和菓子。バターやクリームのようなコクとは異なります。

たとえオリエンタル・タイプであっても、乾いた木とスパイス、植物系のアニマルとでもいうのでしょうか。私の作る香りは、重厚で艶のあるアニマリックではありません。


お茶の香りの「織部」には、畳の上でゴロゴロした時に香る「イグサ」の香り、また「夜の梅」には水墨画の香りが隠されています。おそらく日本で育った人なら懐かしく、海外から来た人にはいっぷう変わった香りに感じられるでしょう。


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沈香の香りも同様です。今はOUD(ウード)が流行っていますが、香道で焚く沈香の香りとOUDの香料の香りは全く異なります。

OUDは重くアニマリックでレザリー。心を掻き立てるようなセクシーな香りです。

一方沈香の香りは甘く暖かく乾いたスパイシーなウッディノートで、心を鎮める清浄な香りだと私は捉えています。このお香を思わせる香りは、私のお気に入りのいくつかの香水の中に見られます。したがって、私の香りに大きな影響を与えているのはやはり沈香の香りです。


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香道では、火のついた小さな炭を香炉の灰に埋め、その上に雲母(MIKA)の板を置いて沈香の切片を乗せるので、燃えることはありません。香木は間接的に温められることで、香気成分がマイルドに空中に放たれ、香炉の周りをふわふわと動き回るのです。

これはお線香やコーンのように、火をつけて煙が立つときのいがらっぽさを含む匂いとは違います。また、エタノールの力で拡散する香水とも全く異なる香りの立ち方です。


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まるで障子ごしの柔らかい光のように、間接的ともいえる匂い立ちを香水に表現してみたいと私は思いました。それゆえ、私の香りには「乾いている」と同時に、「あからさまではない」という特徴があるように思います。



自分の個性や特徴は、意図して出来るものではなく、後ろを振り返ってみた時、その足跡に歩き方のクセが現れていた、と言うようなものかもしれません。

特徴を表面に出すというよりも、余白のある、つまり「香水をつける方の居場所にあう」ことが「さとりらしさ」であったらいいなと思っています。



(この記事は過去のプレス・インタビューから、回答を編集して掲載しました。)

「道」と香水②華道 FlowerArrangement kado

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私は幼い頃から植物が好きで、学校から家までの帰り道、ポケット植物図鑑を片手に道草をするような子供でした。母が自宅で華道教室をしていましたので、生徒さんに混ざって見よう見まねでお花を活け始め、庭には季節の草花が植えてありましたので園芸にも関心を持つようになりました。

このように植物に囲まれて育ったので、自分の中での花に対する志向は、他に対するものと比べて、とても強いと感じています。特にその香りには早い段階から興味がありました。

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見た目が美しい花でさえも、香りがないとまるで紙でできた作り物のように思えてしまうことさえあります。一方で、一見地味でさえない花の中に、驚くような魅惑的な香りを漂わせているものを見つけます。

私は特に花の中心の蕊(しべ)に惹かれます。近づいてじいっと見つめていると、甘い蜜を含んだ蕊には、花の思いや夢が詰まっていて、まだ聞いたことのない調べを奏でているように思えます。

たくさんの金色の雄蕊がかしずく真ん中にはお姫様がいて...まあそんなふうに、いつも詩と空想の世界に遊びました。


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茶道や華道を学ぶにつれ、花の美しさを真に活かすためには、もっと視点を引いて全体の中の調和を見ることが必要だということを知りました。

例えば床の間に活けられる花は、枝ぶりを考え、葉を添えて自然にあるような風情で活けられます。

母だけでなく、私の祖母もまた華道教授でした。庭からただ一枝を切って、無造作に活けただけのように見えるのに、それがいかにも部屋に釣り合って

「それは素晴らしかった」と母は言います。


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香りも同様に、花をメインテーマとしても、それを引き立てるトップノートや支えるラストノートたちが過不足なく組み合わされ、花と風景と情緒をそっくり表現します。


茶室の花のように、その場所に調和をもたらし、纏(まと)う人に溶け込み、人生の1シーンを彩るような香りであることが、重要だと私は考えています。


(この記事は過去のプレス・インタビューから、回答を編集して掲載しました。)

「道(どう)」と香水①Tao & my aesthetics of perfumery

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私は幼い頃から茶道、華道を学び、香道にも親しみました。また、日本の伝統文化にも触れて育ちました。

これらの経験が、私のクリエーションにどのように影響してきたか「道(どう)」についてちょっぴり考えてみました。教えられたことや、体験、今まで読んだ本の知識など、乏しいながらも思い出してみたいと思います。


日本は長い間、鎖国によって世界から孤立してきたことで、独特の精神文化を醸成することができました。そのことが茶道の発展にも寄与していると思います。

お茶はもともと貴重な薬として始まりましたが、やがて喉の渇きをいやす飲み物となりました。さらに精神修養を持ち込んだのが茶道で、それは人生の渇きを潤すものとしての精神的な意味を持つようになりました。

日本では、茶道、華道、香道、武道、書道、と多くの技芸に「道」がついています。「道」を短い文章で語る事はとても難しいのです。なぜならば「道」は実践することであって、言葉で知るものではないからです。

私が茶道を習ったときにも、特別に「道」について教えてもらったわけではありません。作法だけが重要なのではなく、師に手順を習い、その形を繰り返し努める中で、自然と心と技が整っていく、とでも言ったらいいのでしょうか。


しいていえば「道」というのは人との競争ではなく、過去の自分と比べた成長であり、そのために精進する生き方です。さらに言えば過去も未来もなく、今現在が大切で、しかしこれは「今さえよければいい」というような、刹那(せつな)主義とは違います。「結果が重要なのではなくその経過」に、「未完成であるがゆえの成長の可能性」とか、「完璧」にではなく、「完璧を追求する過程」に価値を見出すことが「道」ではないかと思います。


不完全、といえば、茶碗にとって最も必要なことは、装飾ではなく「空っぽである」ことです。茶を入れる空間がなくては役に立ちません。同様に、人が真にくつろげる場所を見つけられるのは余白です。

香りだけで完成するのではなく、そこにつける人の居場所がある。香りと人と場所と生き方と一体となって、完成を「目指す」というのが私の理想の香りです。


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千利休とその息子、少庵との有名な逸話があります。ある日、庭の掃除をしていた息子は利休になんどもやり直しを命じられます。息子がうんざりして「もう清めるところはない」と言ったところ、利休は「未熟者め!」と叱って木を揺さぶり、紅葉(こうよう)を景色に散らしてみせたといいます。


この話はお茶のお稽古の時か何かで聞いて、私の記憶に残っていたのでしょう。ある海外での展示会で、私は花を活けました。広い会場の一角には、日本の秋の雰囲気を出すために、もみじだけを大きな壺に飾り、床に赤や黄色の落ち葉を散らしました。

しかしほかの場所を活け終わって戻ってくると、ホテルマンが気を利かせて葉をきれいに掃き清めてしまっています。「ダメダメ!かたづけちゃ~!」と言いながら、再度落ち葉をまき散らしたのを思い出します。



香りを作ることは、自分の内面を掘り下げていく作業だと思うことはあります。したがって、これは外を意識して計画的に作られるというよりは、私自身がそのまま作品に投影されていくのではと考えます。

そのためにも自分自身を磨いていきたいし、その気持ちが、私の「道」なのではと思うこの頃です。

 

蛍(ほたる) 毎朝の一服 Lampyridae tea ceremony

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草の葉を落つるよりとぶ蛍かな 芭蕉


訓、は母の雅印。

若いころから道楽はしているというものの、陶芸にしても俳画にしても、
上手(じょうず)から見れば下手(へた)かもしれない。

本人は人に見せるつもりがないのを、ネットを見ないことを幸いに、私が勝手に発表しているのでご勘弁。


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「5月に入って晴天が続いた後、雨がたくさん降る。
翌日になってよく晴れると、清流では蛍がいっせいに孵(かえ)る。」
とは、母の談。

昨日はいっぱい雨が降ったから、今日あたり、蛍がたくさん飛ぶのではないだろうか。



昨年もこの時期、蛍籠(ほたるかご)の中次(なかつぎ・茶を入れる器)について書いたのだが、今年もまたそんな時期になってしまい、一年の過ぎる速さに唖然とする。

この茶碗は、見込みに蛍が飛んでいて、お茶を飲み干すと底にもひとつ、光っているのが描いてある。
風流なり。



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今日のお菓子は茂助団子の抹茶浮舟。
このところしばらくお菓子の掛りは私だったのを、外出(そとで)のついでに久しぶりに母が買ってきた。

自分で選ぶのではないせいか、見慣れていない分、「おおっ」と新鮮である。





☆ながらくお待たせいたしました。パルファンサトリの「苔清水」ようやく入荷しました。 http://parfum-satori.com/jp/collection/

蛇の目傘 Janome-Umbrella

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母の作、蛇の目傘のお皿。

本家があって、「伊万里染付傘形皿」を写したものだが、不揃いな形が愛らしく、縁のそり返しが母の工夫であるように思う。


昔、栗田美術館で見たあと、たまたま「目の眼(株式会社里文)」昭和56年(1981)8月号という美術雑誌の表紙を見て手本に焼いたらしい。
日本陶芸倶楽部に通っていたころである。


端っこに赤いラベルが貼ってあるのは、三越での展示会に出したまましまってあったから。

このところ、私も一緒に茶道具の整理を手伝っていて、母も出してみて思い出したようだ。
そのとき、このお皿を見せてもらってからすっかり気に入り、雨の日が来たら並べてみようと楽しみに思っていた。



雨の日が楽しみになるって、いいことだな。



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今日は思いのほかたっぷりと雨が降った。
きっと明日は、蛍がたくさん羽化するのではないかしら。

プルプルの蓬葛(よもぎくず)は、夏が終わり、夏の予感の涼しげなお菓子。
ああ、、でもその前に梅雨があったっけ。。。


ガラスの抹茶茶碗と一緒に楽しむ毎朝の一服。
口に入れると、笹の葉の新鮮な香りがほんのり広がる。

(蓬葛・叶匠寿庵)







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鵜飼(うかい) 毎朝の一服 tea ceremony

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昔懐かしい、鮎のお菓子が食べたくなった。

たぶん、このところ和菓子店でちらちらと目にしていたからだろう。
世の中に現れている季節感を、なんとなく感じているのかもしれない。


「そういえば、そろそろ鵜(う)飼いの季節・・・」

毎年この季節に、母が鵜飼いのテーマでお茶を点(た)てていたっけ。


そこで、母の茶道具の引き出しから、「鵜飼い船」の茶碗を引っ張り出し、
鮎の和菓子と取り合わせていただく朝の一服。

漆黒の夜を背に、金彩の鵜飼い船とかがり火が抹茶に浮かぶ。


今日はよく晴れてカラッと乾いているせいか、お薄の味がことのほかおいしく感じられる。



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「おもしろうてやがてかなしき鵜船哉 芭蕉」
鵜船は夏の季語であり、5月はもう夏のはじまり。


この年になってようやく気がつくのは、一番の先生は母親であるということだ。
長く一緒にいて、影響をおよぼし続ける存在であることに、おりおりと気が付く。

子供というものは言うことはきかないけれど、親のやることは真似をする。
教わると言うよりも、何を言って何をするか、その言動を見ているうちにしらず染みこんでいるのだと思う。

「習うより慣れろ」とはよく言ったものだし、

「教えたがる人の教えほど、人に沁(し)み込まないものだ」とは、実体験から感じるところである。


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母はいつも言う。
「私は頭が悪いからね、1回じゃなかなか覚えられないでしょう。だから、本も繰り返し読んでいれば少しは引っかかると思って、若い頃から毎日繰り返し茶道具の本を眺めていたものだよ」


そういう母の贓品(ぞうひん)は、普段使いのもの。
美術品というわけではないけれど、毎年繰り返される歳時記を楽しんで、日々お茶の道具を取り合わせ抹茶を立てている。

そこには、「知識」を楽しみに変えていく知恵が満載なのである。


この半年、私も毎朝、自分のためにお茶をたてはじめて、いつしかその工夫の面白さにはまり始めている。


お茶はただ喉の渇きを潤すだけのものではない。
人が人らしくあるための、優しい「くすり」なのだと思っている。







毎朝の一服  early_morning Tea

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茶碗の縁(ふち)の口当たりが、お茶の味を左右する。
よく言われる事だけれども、年を取ってようやく実感するところである。

季節にふさわしい茶碗なら格別の味わい。

例えば、
志野(しの)のふっくらとした口当たりでいただく冬の抹茶。

青磁(せいじ)の夏茶碗では、
張りつめた薄い縁でいただく、ややぬる目の抹茶が爽やか。








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この茶碗は、若い頃はあまり好きではなかったのだが、使っているうちに気に入ってきた。

薄い生地なのに少しつぼまった椀の形が、春から夏にふさわしい。

この深い青色と、白くぼんやりと光る内側の模様が蛍の様に浮き出る様子がステキな感じ。
じいっと眺めていると、お抹茶の海に引き込まれるような気がする。



茶碗:前田正博


抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

さらりと甘い☆
ワサンボンの香水

キラキラとした微細な輝きに覆われて、口にふくむと淡雪のようにふわりととろける...
そんな極上の砂糖菓子をイメージしました。





毎朝の一服 初夏のお茶 early_morning Tea

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大きくて丸い葛ざくら(クズザクラ)。
中身に対して、箱がちょっと大きいのでは?と感じたのは確かだ。

案の定、持って帰る途中で中で寄ってしまい、形がつぶれてしまった。
でもお味はそのまま。

上品な甘さでおいしい。

味を表現するのは五味だから、およそ甘さと言っていいのだが、さらに舌触りのトロンとプルンが一緒になって、味わいである。


プルプルしてるその上に、きな粉がうっすらとかかるさまは、
涼しげでもあるし、温かくもある。

いかにも初夏らしいお菓子。



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ちいさなみたらし団子の、
きつね色の餡がトロリとかかって、
朝から食欲をそそる朝食がわりの抹茶を一服。

たれの甘さ、醤油、焦げた香ばしさの苦みのバランスは、ある程度濃くなくては美味しくない。

白い柔らかい団子の、「無味に近い味」が濃いたれを和らげて、口の中で渾然一体となる。



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もうすぐ葵祭(あおいまつり)。
本日はお菓子なしにつき、目で緑を味わってみた。

さわやかな新緑に映える、葵(あおい)の抹茶茶碗。

遠くに点のように見えるのは
朝、撒いたパン屑に来訪したスズメ。


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啄(ついば)む、というのは、小鳥や小魚にふさわしい表現である、などと眺めながら一服。


もうちょっと近くに来ないかな、と、部屋のそばにもパン屑を撒くのだが、視線を感じると飛んで行ってしまい、私がいない時にいつの間にか無くなっている。





抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

さらりと甘い☆
ワサンボンの香水

キラキラとした微細な輝きに覆われて、口にふくむと淡雪のようにふわりととろける...
そんな極上の砂糖菓子をイメージしました。

➤Instagram インスタグラム parfum satori パルファンサトリ

 

毎朝の一服 いずれあやめかかきつばた early_morning Tea

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おきなあめはピンク。

柔らかいがねっちりと歯ごたえもある。

周りにうっすらと纏った粉がまず舌で溶けて、生地はほんのり甘い。


特筆すべき香気なく、この菓子の場合、それがまた煩わしくなくてよい。

味と食感と、色や形などの見た目、「おきなあめ」という名前の音感でおいしさの表現。


いずれアヤメかカキツバタ。

抹茶茶碗の見込みは、飲んだときに花が正面に見えるように逆さまに描いてあるのが工夫だわ。


抹茶を水面に見立てれば、これは、花菖蒲かな?



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これは、畑に咲くアヤメ。



アヤメとハナショウブは、同じ「菖蒲」という漢字をあてるが、

端午の節句にお風呂に入れるのはサトイモ科の「ショウブ(Acorus calamus)」で

アヤメ科のハナショウブやアヤメとはぜんぜん別の植物。


ニオイアヤメからイリスが、ショウブからはカラムスと言う香料が採られる。

カラムスは規制対象の香料で、今では使用できない。


アヤメ科植物

・アヤメ・・・乾いた畑(上の写真はあやめ)

・ハナショウブ・・中間

・カキツバタ・・・湿地


サトイモ科植物

・ショウブ

毎朝の一服 ひよこ early_morning Tea

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今日は雨で、お庭に雀が来ない。


代わりに懐かしい「名菓ひよこ」。

子供の頃、頭から食べるかおしりから囓るか悩んで、

舐めまわしたりした思い出の菓子で毎朝の一服。


この記事をインスタグラムにアップしたら、
「まずチューします」
「やはりお尻から」
というご意見をいただいた。

毎朝の一服 桜餅 道明寺 early_morning Tea

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お客様の差し入れのお菓子は、毎朝五時に起きて、手ずから作られるのですって。のんこう写しの黒楽といただく毎朝の一服。















毎朝の一服 葛饅頭 塩野 early_morning Tea

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雨に濡れた庭もよし、一服しながらそろそろ藤の花かと思いを寄せる。

赤阪塩野のくずまんじゅう 。


外はパフパフ、中は涼やか。

毎朝の一服 練り切り early_morning Tea

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天気も良くて、ようやく春の気分も上がる、赤坂塩野の練りきり。

やはりあか抜けているわあ。


と、思うまもなくお抹茶を流し込み、あわただしい一日の始まり。

毎朝の一服 ミニどらやき early_morning Tea

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ミニドラ。中に求肥が...。

なぜか小さいものが好きな日本人。
掛のどら焼きミニ。

毎朝の一服 カヌレ early_morning Tea

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本当はゆっくり味わいたい朝の一服。

でも多忙につき一口で食べてしまう「メゾン ランドゥメンヌ トーキョーのカヌレ」哀し。

毎朝の一服 つむぎうた early_morning Tea

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冬バテというのもあるそうだ。

珍しくお休みして、二日ぶりのお茶とお菓子が胃の腑にしみる。


繭(まゆ)の形の「紡ぎ詩」(鶴屋吉信)

毎朝の一服 柏餅 early_morning Tea ⑧

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節句のお菓子を前に、なんとなくウキウキ。

鈴掛のかしわもち。


みずみずしいカシワの葉にくるまれた、ぷりっとした白いお餅がうれしい。


さくらにちなんで 毎朝の一服⑦ early_morning Tea

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「お干菓子、サクラ。

今日は春の陽気で、桜の便りももうまもなくと期待する、毎朝の一服。」


毎朝起きて、お菓子とお抹茶を頂く日課。

思いついて、ついでに写真を撮り始めてから、もう3か月を超えた。


その後、出勤途中の地下鉄で、インスタグラムフェイスブックページにアップ。

ページには、100近くの画像とコメントが載っている。


今回は桜にフォーカスしたダイジェスト版。

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ハートの形の抹茶椀。安っぽいと思ったけど、淡いピンクに若草色のお茶が映えてきれい。

「安いものを買うのはもうヤメタと言っているのに、バレンタインデー用にとハートのお抹茶茶わんをつい買ってしまう母。「一年に一回しか使えないかしら?」と言ったら、「桜の時期にも使えますよ」とお店の人に勧められたらしい。明日はホワイトデーにつき、私もハートを使ってみる、毎朝の一服。」



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「春だというのに寒いなあ、でも、お抹茶のビタミンで風邪知らず。」


宋胡録(スンコロク)とは、タイの陶器全般をさすが、もともとはタイのスワンカロークで焼かれたものという。
学生の春休み、母とバンコクに旅行に行ったときに買ったもの。

このときは、台湾とシンガポール、クアラルンプールにも周っている。




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この時期は、よく桜餅が用意されているのだが、それぞれに味が違う。
もすけだんごのが好きだ。



「やはり、主菓子があると気分が上がるわあ。もすけだんごのサクラモチ。リビングに座って、庭を眺めながら頂く今日のお茶は、見込みに薄紅色の御本手(ごほんで)の浮く、外は春霞のような刷毛目のお茶碗。」




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桜の花の塩漬けが甘さを抑えてなかなかではあるが、薄皮が厚くてすこしもっさりしたお味。

この日、インスタのコメントでさくらもちに触れていないところを見ると、あまり気に入らなかったのかも。。


「昨日、口切りのお茶を飲んで、今朝はナツメに残ってた古い抹茶を飲んだら、香りが抜けてて味がない。お抹茶は香りが命。 


雨に濡れる庭を眺めて毎朝の一服。」


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「桜もち、春の朝にはみどりの一服」


野の草花の抹茶わんにて、一足早い春を楽しむ。

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「おお、長命寺の桜もち!塩漬けの桜の葉を、ぜいたくに3枚もむいていくと、中からさくらのお姫さまが登場。毎朝の一服。 クマリン。 」



最初はお干菓子をつまむ程度だったのが、最近ではしっかり主菓子をいただく毎朝のお茶。
抹茶の効用か、肌の調子もよい。

何より、テラスに向かって座ってお抹茶を飲んでいると、心が落ち着いてくる。
母のように、あともう30年続けたいものである。 


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最後に今日のインスタグラム

「夜桜は艶やかで、心が騒ぐ。娘の頃は、持っている振り袖の中でも、この柄が一番好きだったっけ。お菓子は清月堂の落とし文。中の黄身餡が好き。」


志野茶碗 Shino ware

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母は志野茶碗を三つもっているが、その中の一つ。


陶芸仲間だった出光昭介(いでみつしょうすけ/元・出光社長)の作品で、実業家らしい豪快な作風がとても魅力的だと思う。


ただ、私には少し大きくて重いし、手に余る感じがする。

母曰く

「志野は60歳を過ぎないと似合わない」

と言うから、私には早過ぎるのかも。



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私は子供のころから志野焼が好き。暖かくふっくらした感じがいいと思っている。

しかし、志野なら何でもいいというわけではないということが、最近ようやくわかってきた。



上は陶芸家としては有名な方の作品らしいが、私にはしっくりこない。


持った時の重さといい、姿といい、悪くないと思うのだが、どうも肌に透明感がなくもっさりしたのが気にいらなくて使う気になれない。


有名だから良いとは限らないのが、相性と言うものである。



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ひいき目ではあるが、やっぱり母の作った志野が一番、清潔感があって好きだ。
素直な感じで手のひらにすっぽりと馴染む。

毎朝の定番はこのお茶碗で、時々は替え茶碗で季節のものを楽しんでいる。






お彼岸 毎朝の一服⑦ Higan &vernal equinox

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「このお茶碗可愛い!ねえこれ、なんの柄?」


母に聞くと、いつもお彼岸の時に使うナラエだという。

「何で?」といわれを聞くと、

「そうねえ?」といいながら、奥から茶道大事典を出してきて調べ始めた。

その姿勢、勉強になるなあ。


これは奈良絵という柄で興福寺の絵仏師が始めたとか?

ホントのところ、何故お彼岸に使うかはよくわからないみたい。


そんなこと聞かれたってわかんないよ、昔っから、お彼岸にはこれを使うって決めてるから」

何かと質問するのがちょっとうるさいみたい。


お菓子は真っ黒い餡こ玉。

中身は緑のエンドウ豆の餡。甲州のお菓子だって。


毎朝の一服、久しぶりのダイジェスト版。


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3月春場所。お相撲の柄が面白い抹茶椀。
なんでも、お茶を買いに行くお店に、いつも季節のものがちょっと置いてあるので、つい買ってしまうとのこと。


「しかし、なんでもある我が家の茶道具、今週は春場所だからコレを使っているらしい。母の茶道。」


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青交趾のお皿に白い生落雁。



「生落雁(なまらくがん)というそうだ。しっとりと柔らかい落雁の間には、あんこが挟まっている。和菓子の世界も生ばやり?」





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「姫ゆずに見えるけど、コレはお饅頭。毎朝の一服は、赤坂塩野のゆずまんじゅうで。」


赤坂の塩野は、父が好きでよく買いに行った。
冬は柚子饅頭、夏ちかくになると、「青梅」というきれいな主菓子が楽しみな和菓子の名店。

日本って、いろいろはお菓子があるんだなあ・・・と3か月続けて実感!



➤インスタグラムに、「毎朝の一服」をアップしています。





母の茶道 ⑨金城次郎(きんじょうじろう)Kinjo jiro

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見込みの刷毛目も大胆な、これは金城次郎(きんじょうじろう)作の抹茶椀。

27年前、母が日本陶芸倶楽部の集まりで、沖縄の金城次郎氏の窯に行ったときに、購入したものだという。


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今朝は気分を変えて、お抹茶椀を変えてみた。


どちらかというと民芸派はあまり好みではなかったのだが、

母に「ひとつくらいは持っていても良いものよ」

と言われて貰った。


使っているうちにだんだん愛着がでてきた。

単純接触効果か?

いやいや、

母がわざわざ行ってきて買ったという、背景丸ごとが好きなのだと思う。

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眺めて楽しかったり、持って心地よかったり、飲んで口当たりが美味しかったり、

それがお茶碗の価値。

好き嫌いは自分が決めることで、
好みは変化し成長(時には後退)していくものだから、
選んだものには自分自身が投影されているものである。

「だからそれがどうした?」っていうほどのことだけど。




今週の「毎朝の一服」⑥  early morning Tea

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基本的には抹茶を飲む「毎朝の一服」が趣旨であって、おやつを食べるものではなかった。

しかし思い付きで、お菓子と一緒に写真をとって、インスタグラムにアップしているうちに、段々と面白くなってきた。

何も言わないのにも関わらず、その様子を見ていた母がまた、気を利かせてあれこれお菓子を買いに行くという・・・。

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今日のお茶菓子は今川焼き!

軽い干菓子から始まった毎朝の一服が、朝食並のカロリーに。

青交趾(あおこうち)の鮮やかな菓子皿で。 毎朝の一服  

2月3日


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チェ。今日の お菓子は豆まきの残りか。。。毎朝の一服  

2月4日


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お、朝イチゴ♪ 「小布施の栗落雁」と、毎朝の一服。 

2月5日





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ホテルオークラのレモンパイは好きだけど、朝 の抹茶のお供にしては豪華すぎ。
毎朝の一服 
 
2月6日


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「ノワ ド ブールのカヌレ」で頂く、毎朝の一服  
2月7日



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「甘い方を食べ、しょっぱい方を食べ、また甘い方を食べるといいんだよ」という母の勧めで、かわるがわる二本たべてしまった、毎朝の一服は「芋坂の羽二重団子」
2月8日

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柔らかい羽二重餅の中には、ゴボウと味噌餡の入った、花びら餅風の「今朝のおやつ」、、、じゃなくて「毎朝の一服」
2月9日


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今年の2月、初午(はつうま)は6日だったけれど、今日は遅れて馬上杯(#バジョウハイ)で「毎朝の一服」。
初午の日にはお狐様の先導で神様がやってくる。



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馬上杯(#バジョウハイ)で「毎朝の一服」。

絵柄は 火焔太鼓 。

馬上杯とは、馬上でもお酒を飲みやすいように、高台を高くして手でつかめるようにしてあるのを、お茶の席でも使うようになったもの。

2月10日 


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茶碗の絵柄がなんで伊勢神宮かというと、今日は建国記念日だから。
しかし色々持ってるなあ。母のお茶碗の種は尽きまじ。

羽根さぬき本舗のワサンボン。

2月11日

#‎毎朝ノ一服‬‬


#wa

毎朝の一服⑤ 節分 Setsubun 鬼は外、福は内

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節分は、各季のの始まる前の日のことだから、立夏、立秋、立冬の前の日も、節分なのだけれども、今では節分と言えば立春の前の日をさす。

新年は正月から始まるのが当たり前だが、お商売をしているお家の一年は節分を境にするという。



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節分の、今日の棗(なつめ)は「鬼は外」

升(ます)の中のお豆が怖い、鬼のパンツは虎の革。

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お抹茶茶わんの「内(うち)は福(ふく)」
升々(ますます)はいる、「福はうち」


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ぽっちゃり加減の香合(こうごう)の、ひたと見つめるお福さま。

春の節分が毎年2月3日なのは2025年まで。
Setsubun is the day before the beginning of spring in Japan.




毎朝の一服 ④ 抹茶 The Way of Tea  Early morning green tea

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朝の一服、抹茶。

泡はきめ細かいのが、ほどほどにあるのが好き。
でも、スフレじゃないんだから、あんまり点(た)てすぎても美味しくない。

赤坂の料亭で、食事が終わった最後に、電動泡だて器でホイップしたかと思うくらい、盛大に泡立てた抹茶が出てきたときは興ざめした。

「朝茶に別れるな」というのは、朝のお茶の習慣は続けなさいよ、というような意味である。
お茶が健康によいことは経験的に知られていて、朝茶は厄除けや開運と結びつけているそうだ。

また、「朝茶は三里行っても飲め」というように、朝茶も飲まずに急いで出掛けなければならない時でも、途中で必ず飲んだほうがいい。



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16歳の時、英国のサリーにあるセルスドンというホテルに滞在したことがある。
毎朝起きると、お部屋のドアの外に紅茶のセットが置いてあった。

朝食はその後に、1階のダイニングでまた食べて、そこでもお茶が出る。
午後4時くらいにも大広間でお茶が出て、こどもにはちょっと退屈な、なんだか一日中お茶の時間だったような記憶がある。

懐かしいこの写真は、大昔、少女雑誌のりぼんの時代のファッションをしている。

隣にいるのはキットカットの兵隊さんそのままで、話しかけても絶対に笑わなかった。
ここ、ウィンザー城だったかしら?



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朝茶の習慣は世界中にあって、地球は回っているので、私が三時のお茶をしているときにも、どこかで起き抜けのお茶を飲んでいる人たちがいるに違いない。

茶はすがすがしい香りが、花のようだと言われたりするけれど、花にもいろいろあって、むしろ茶の匂いに似ている花があるという方が正しいような気がする。


 Early morning green tea

初天神(はつてんじん) 毎朝の一服③ Tenjin (Shinto)

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初天神とは、正月25日の、その年初めての天満宮の縁日。
落語の演目にもなっている。

母の部屋には、いつもは掛け軸の前に香合があるのだが、今朝は可愛い人形が置いてある。


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母は月に2~3回、歳時記にちなんだ飾りつけを変えて楽しんでいる。

「1月25日は初天神だから」

菅原道真公の人形と思ったのは、土鈴(どれい)だった。
お胸に梅の紋が、そしてユーモラスなお顔がほのぼのとしている。

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みればお抹茶茶碗も天神さま。

天神さまのなにか有名な図柄を、本家を真似して書いたとのこと。
それでも筆の運びで、母なりの味わいが表情にある。

『では今日はこれを借りて、私の朝の一服としよう。』
というわけで最初の一枚目の写真である。

今日は休みなので、自分の席でのんびりと庭をながめつつ、お菓子を食べお茶をいただく。
先日のお菓子の「月世界」、私がとても気に入ってたので、また用意してあった。


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お抹茶を飲み切って中を清める。
茶碗の「みこみ(内側)」には大きく「天神」と書かれている。

御本手かしら、淡いピンクの斑(ふ)が浮いて梅の花のよう。

25日を過ぎたらこれらのお道具はかたずけて、また別のお抹茶茶わんや香合、掛物などが飾られる。

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こんな風に、歳時記ごとに自分で色紙をしたためて、1年を順繰りに飾り付けているので、母のお部屋をのぞくのが楽しみである。


人を招くためのものではないから見栄もなく、ただ、自分の楽しみのために飾る日常。


名物道具ではなく、自分にとって意味のあるものを愛用する。
それが数寄者(すきしゃ)じゃないかと思う。




毎朝の一服 ① 抹茶 The Way of Tea

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毎朝の抹茶。


朝起きると、(特にアルコール分の残る翌朝など)、のどが渇いていて、この苦くすがすがしい抹茶を飲みたくなる。

少し大服(おおふく)にたっぷり点(た)てて喫す。

初めのころは、お干菓子をつまむだけだったのに、母が何かと用意してくれていることが多くなり、練り切りなど、主菓子などを食べるようになってしまった。

上は、梅の花の練り切り、ちょっと大きいので半分だけ。

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これは新潟・柏崎の、「くろ羊かん」。
小豆と黒糖がねっちりと濃いのに、お味はあっさりした甘さでおいしい。

小さいころから羊羹はうすーく切って食べるのが好きなのだけれど、これは厚切りでもいただけちゃう。

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裏千家の引き出物で頂いた、慶菓。

猿年なので、申の印が押してある。
薄焼きのしっとりした生地に、味噌のお味の餡が挟んである。


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冬寒(ふゆざむ)の、今朝のお菓子は月世界。
淡雪を固めたように、さらっと口の中で溶ける。

愛用の、母の志野茶碗で飲む毎朝の一服。

最初はただ、喉の渇きをいやしたくて、自分で点(た)て始めた朝の抹茶だが、
だんだん儀式のようにエスカレートしていくのが怖い。。。






抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

さらりと甘い☆
ワサンボンの香水

キラキラとした微細な輝きに覆われて、口にふくむと淡雪のようにふわりととろける...
そんな極上の砂糖菓子をイメージしました。




裏千家初釜式 2016年 Hatsugama (the first tea ceremony of New Year)

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毎年1月16日は裏千家の「初釜式」
前のお席には安部総理がおいでになる。

今年も家元のお濃茶席で、大宗匠がご挨拶においでになり、90を超えて立ったり座ったりとおみ足もお丈夫。

みなにお元気に声をかけて下さるご様子に嬉しい気持ちがする。
アイドルなみに人気がおありでいらっしゃる。


大正会の話をすると、「ああ、(自分も)大正会の生き残りだね」
と懐かしそうにおっしゃった。


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御門とお庭の前で撮っていただくのも恒例になった。
日本家屋はエレガント、日本庭園とは、本当に贅沢なものである。



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半襟をつける neckpiece on a kimono 

20160115遠州流点初式.jpg

今日は、遠州流宗家の点初式。

着物は白に「やり梅」の刺繍に、金のつづれ帯を合わせてみた。
これは40年前の母の着物を、20年前に私のサイズに仕立て直した中でも特に気にいっている。

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近頃では着物を着る機会がめっきり減って、年のせいか、段取りを忘れてしまう。

なので、お着替えの準備は早くしておかなければならない。

ならないのだが、やはり日々忙しくて、先延ばしにしてしまうものである。
なにしろ、洋服と違って小物が多い。

なんといっても一番の苦手なのが、半襟を長じゅばんに縫いつけること。
毎日付け替えをやっていれば要領もよく、すぐできるのだろうが、たまのことだと億劫である。

慌てるほど、すっきりいかなかったり、縫う順番も間違えたりして、3度も縫い直したこともある。



半襟は長じゅばんの一部。
考えたこともなかったが、下着の一部をあえて見せる民族衣装というのは、世界でも珍しいそうだ。

襟がパリッとしているとカッコイイのは、カッターシャツと同じ。
上手につけるためには、やはりたくさん縫って慣れることだと反省。

着物を着るお茶席は好きだけれど、茶道を生業(なりわい)にしたことがないので、やっぱり甘さがでるなあ。


上にちょっと写っているのは、唐子のピンクッション。
これも昔から裁縫箱にはいっている。















母の茶道⑧志野 「卯花墻(うのはながき)」写し The Way of Tea

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国宝の志野(しの)茶碗「卯花墻(うのはながき)」の写し・・・のつもりだそうである。

「母の茶道⑦日本陶芸倶楽部」で、母の陶芸道楽について書いたが、これは母の焼いた志野茶碗。
下の赤い土がうっすらと透けて、灰色の模様もやわらかな味わいである。

サインは「くにこの九二」

手にすっぽり入るくらいの小ぶりの志野で、重さもちょうどよく、
今は、私が愛用している。

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このところ「母ネタ」が多いのだが、毎日その動向をウォッチしているとまったく飽きない。

くどいようだが、母は本当の趣味人であって、ただ自分が面白いと思うことだけをやっている。
だから見ていても面白いのだが。

人に見せるつもりはないので、プロからみたら稚戯(ちぎ)にも等しいものだろうから、
私がこうしてこっそり発表していることを知ったら、えらく気分を損ねるだろう。

しかし今年90歳の母は、インターネットをやらないのである。
しめしめ。。

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ある日の朝、いつでも私が自分で飲めるよう、ダイニングテーブルの上に茶碗と茶せんと棗(なつめ)など、お道具一式が用意してあった。
正式のお点前をするものではなくて、本当に抹茶を飲むためだけの道具。


というのも、母が毎朝「つづきお薄」のお点前をするのを、時々、横から私がさらっていたのだが、

「精神統一が乱れるから、もう自分で立てて」
と、いわれてしまったのである。

『人がいたら精神統一できないのは、修行が足りないのでは・・・?』
などとは口がさけても言えない。。。


四角い箱は、昔、母の実家で使っていた煙草盆(たばこぼん)である。

煙草盆と言っても、時代劇なんかでキセルをポンポンとやる、あれである。


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朝、起きて、私は食事はとらない。

その代わりに、薬缶(やかん)にお湯を沸かし、
小さな干菓子をひとつつまみ、
ひと椀の抹茶を自分で点(た)て出し(お点前なしでささっと立てること)して飲む。

さわやかな苦み。

寝ぼけた頭がすっきりするし、庭の雀を見るのもまた楽し。
しゃきしゃきと出勤するのであった。










母の茶道⑥織部  Oribe

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昨日の続きであるが、私が横入りして母のお手前のペースが狂ってしまったため、翌日は「続きお薄(うす)」とは別に、盆点(ぼんだ)てでお抹茶を点(た)ててくれた。

お茶の四方山話(よもやまばなし)は、その場面にならないと出てこないもので、本を読んだだけではわからないことがたくさんある、

この日も織部(おりべ)の話になり、
「11月には、茶碗だけでなく、香合でも、菓子器でも、何か織部のものを一ついれるといい」のだという。

お道具で重なるのは野暮だから、織部を複数使わないのは分かるけど、
「え、じゃあ、他の月は織部使わないの?」
と尋ねると、

「いやー、とにかく11月に使うといいということで、他の月に使ってはいけないかどうかはわからないし、今は年中、使うみたいだから。どうなんだろうねえ」
とはっきりしない。

はっきりしないが、どうも昔はそのように教わったらしい。
まさか私がここで発表するとは思っていないので、のびのびした発言である。



「11月は炉開き(ろびらき)があるけど、月の最初の亥(い)の日にするといいのよ、今はあんまりいわないけどね。猪は多産だから、縁起がよくて、それで、亥の子餅(いのこもち)を出すの」

亥の月(旧暦)の亥の日の亥の時間に、亥の子もちを食べる習慣は古く禁裏にもあって、源氏物語にも登場する。

今年も炉のお手前に変えたばかりのときも、半年振りになるので、「やっぱり手順を思いだすのに時間がかかったよ」とのこと。

というような話しを、断片的に聞くので、とにかく忘れないようにとここに書きとめておく。






母の茶道⑤ 朝茶を二服 Chanoyu

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茶道で「朝茶(あさちゃ)」、といえば朝のお茶事のこと。

また、「朝茶は二杯」というように、朝のお茶は1杯ではなく、2杯飲むものということわざがあるが、こちらは煎茶のことのようだ。


ここでは「朝に抹茶を飲む」という意味で、「朝茶」ということばを使ってみた。

 

以前にも書いたように、母が毎朝、自分のためにお茶をたて始めたのは40代のころで、もう続けて50年になる。

正の人なので、女学校の正課には茶道があったから、お茶を学んでからは70年以上だろう。 

  

母が朝の日課にしているのは、続きお薄(おうす)といって、濃茶(こいちゃ)の後に続けてお薄を点(た)てる手前なのだが、自分で二服(二杯)飲むので、少なめのお薄にして2回飲む。

 

私はこの日、いつもより少し遅く家を出たので、母の朝のお茶に居合わせることができ、一つ横から頂くことにした。

 

小さなお菓子をぱくっと食べて、お薄を頂く。

母のお薄は、濃茶用の抹茶を使っているので、味と香りに深みがあってすごく美味しい。

 

しかし、私が割り込んだために、話しかけられたり、普段とは道具の位置が変わってしまったので、途中で母の手が止まってしまった。

 

「あ、蓋置にコレを置くのを忘れていたから、ここがうまくいかなくなっちゃったんだわ。ひとつ手順を間違えると、先へ進まなくなってしまう。お茶のお手前(てまえ)とは、本当によく考えられている」

 

確かに、私もいつも思うのは、茶道とは、お道具の位置から手順から、究極の効率化が計られているので、お点前さえ体で覚えてしまえば、段取りのわずらわしさから解放され、心からお茶の滋味を楽しむことができる。

ただ、お道具の種類や、季節やさまざまな要因によって、覚えきれないくらいの決まり事やたくさんのお点前があるので、すべてを覚えこむのは難しいのだが・・・。

 

せめて母のように、基本のお点前がきれいにできて、お茶を頂く所作が美しくできるようにありたい、と願う。

 

もう握力が弱くなっているのか、茶せんを振るのがゆるいので、お抹茶の泡はあまり立たない。

母の年齢を感じて少し寂しい気がするが、本人はそういう感傷はみじんも感じさせず、溌剌(はつらつ)と一日を楽しもうとしているのが何より励まされる。


口で言われるより、日々の積み重ねを見ることが、心に深く沁みていくのだった。





 

カジノキ② 梶の葉のお手前 Broussonetia papyrifera

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木の名札を読んで「カジノキ」とあった時、ふとこの葉を使った手前(てまえ)を思いだした。

梶の木の葉は、切れこみが無く卵形のこともあるし、葉が裂けて3つになったり、かしわもちを包む葉の様に5つに分かれることもある。


このカジノキの大きな葉は、茶道の夏の薄茶席で、水指の蓋に使うことがある。

昔、娘時代に通っていた茶道の先生のお庭はちょっとした広さがあり、お茶で使う茶花などさまざまな植物が植えられていた。


七夕の時期、夏の暑い日に、「今日は葉蓋を使いましょう」といって、庭から切ったばかりの梶の葉を、お水屋の鉢の中に数葉つけてあって、涼しげだったのを覚えている。

水指の上に蓋の代わりに梶の葉を置いて、風炉のそばに運ぶ。

お手前の中で、葉蓋は開けたら折りたたんで建水に捨ててしまう。

葉蓋を右手で取り、縦二つに折り、茎が左に向くように横にむけて、三つか四つに小さく折りたたみ、折った葉にちょっと穴を開け茎の端を差しこんでとめ、建水の中に伏せて入れる。


この葉は、一回のお手前で一枚使ってしまうので、お稽古の人数分が必要である。


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これは5月の梶の花と葉。
切れこみが無く素直な葉の形だ。
先生のところで使った梶の葉も、切れこみが無かったように思う。



古来この梶の木の葉には、短冊の代わりにして和歌を書いていたそうである。
もともと、コウゾの仲間で紙の原料にもなるから不思議ではない(んじゃないかな)。

冷泉家では特に、七夕にこの葉を用いて歌を書く行事がある。


そんなことから葉蓋の手前をこの時期に行なうのかもしれない。

お茶の先生には、お手前のおりおり由来を聞いたはずなのだが、忘れてしまったことの方が多い。
シーンだけが切り取られて記憶の中に留まっているばかり。


オハギ,ボタモチ,OHAGI,Botamochi

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スタッフのH子嬢のお母さまが、手作りおはぎを持ってきてくださった。

黒い塗りの箱を開ける。
スタッフから、「わあーきれいー」と歓声があがる。

外がもち米で中が小豆のおはぎはたまに見るけれど、これはさらに、ピンクのお花を模したしゃれた作り。

お味もあっさりと甘く。ほんのりとした塩味が上品。
ランチの後の満腹でも、別バラとばかりにペロリ頂いてしまった。

春のお彼岸は牡丹の季節だから「ぼた餅」、秋は萩の季節だから「おはぎ」、というのが諸説の中で有力のようだ。

季節の中で出来た日本の習慣だから、「それがふさわしいし、そうであって欲しいな~」というのが私の気持ち。


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「では、せっかくのおいしいお菓子なので、今日は抹茶にしましょう」

食後にはお薄を点(た)てて順番にいただく。
水屋(キッチン)での立てだしではあるけれど、お濃茶用の抹茶なのでお味はいいはず。


昔、母が私にお茶をたてながら話してくれたように、お茶の濾し方、茶せんの扱い方など、みんなに説明しながら立てる。
やっぱり、見ると聞くでは大違いだと思うから。


「お薄をたてるときは、茶せんを椀の底にゴリゴリ擦ってはいけないのよ。茶せんがすぐにダメになってしまうでしょ」
「こうしてね、さっくりと泡立てたら、最後は上の方を軽く捌(さばく)くと細かな泡になるのよ。」

「のの字を書いてできあがり。私は裏千家だから全体に泡が覆うけど、表さんは三日月の様に端の方にすっと残す感じ」

「やたらとあわ立てるとかえっておいしくないのよ。スフレじゃないんだから」

きちんとしたお稽古では無くても、こんな風に日常に楽しめるのが気張らなくていいと思う。
一人でも楽しくて、大勢でもにぎやかな、お茶のひととき。





織部焼(おりべ)Oribe 香合/ incense case 母の茶道④

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これは、織部焼(おりべやき)の香合(こうごう)。
形はギボウシ(擬宝珠)、ニ代目池田瓢阿(いけだひょうあ)先生の作である。

二代池田先生は十年ほど前に亡くなられてしまったが、籠師(かごし)、竹芸家として作品を作られる傍ら、教室も開いておられていた。陶芸もお好きでよくなされたと聞く。

母は長い間、この池田先生に「お籠」の手ほどきを受けており、そのむかし新年会かなにかで、この香合を頂いたものである。


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先日、お茶を飲みながら織部の話をしていると、母は思いついたように、押入れから織部焼の沓茶碗(くつぢゃわん)とこのギボウシの形の香合(こうごう)を出してきた。

「そういえば昔、これ見たことあるかも。」


沓茶碗の方はあまり感心しなかったけど、この香合は小さくて、丸くて、味わいがあって好きだ
どことなく剽げたところが可愛い。


なんでも、11月のお茶事(ちゃじ)には、ひとつ織部焼のお道具を混ぜるとよいのだとか。

ただし、ギボウシの形のお道具は、お彼岸のときに使うべきものなのだそうである。
ギボウシとは、橋の欄干についている玉ねぎのような形をした飾りである。
(植物については、過去に「ギボウシュ(擬宝珠)HOSTA」で書いているのでそちらを読まれたし)

いろいろな決まりごとは、その場面になってみないと話題に登らない。
せっかく聞いても忘れてしまいそうなので、ここに書きとめておくことにした。





簡単!抹茶を濾す方法 tea ceremony 母の茶道③

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簡単レシピ!調のタイトルにしてみたが、いたってまじめである。

茶道で使うお茶は、普通の煎茶などの茶葉とは違い、碾(ひ)き臼で細かい粉に挽(ひ)いてある。

そのため湿気を吸いやすく、保管したままの状態でお茶をたてると、きれいに溶けないでダマができてしまう。

飲んだ後に舌につぶつぶと粉茶が残ったりすると美味しくないし、茶碗の底に残ったりするのも見苦しい。


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そこで、茶濾しとか茶ぶるいとか呼ばれる道具でお茶を濾してから使う。
今回のお抹茶は、一保堂の雲門の昔を使ってみた。

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濾すときは、網目の上の抹茶を刷毛などで掃(はら)うらしいのだが、うちでは昔からビー玉を使う。
本式なのかはしらないが、粉が飛び散らずにとてもいい。


母の家のは大きいサイズなのだが、アトリエでは邪魔にならない小さい缶を使っている。

2-3個のビー玉を抹茶と一緒に入れて缶の蓋をしめる。



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軽く振る。
中でビー玉が踊るのが手ごたえでわかる。


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ほんの十回ほど振った後、缶のふたをそっと開けると、すっかり抹茶の粉は下に落ちている。


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濾し器の部分を取り外し、底にたまった抹茶をへらですくい、なつめや中次などのお茶を入れる入れ物の中に移す。

残った分は翌日まで冷蔵庫に入れてしまっておくこともある。

これはもちろん、水屋(みずや・お茶室の横にある下ごしらえをする場所)でする、いってみれば楽屋裏の作業。

缶は錆びてしまうので洗ってはならない。
きれいな布などでぬぐうだけでよい。

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あとは、手前(てまえ)のとおりにお茶をたてれば、滑らかな味わいとなる。

家では昔から当たり前のように目にしていたので、気にも留めなかったのだが、調べてもこのことについてあまり書いていないので、はたして一般的なことなのかなあと疑問に思っている。

ひょっとしたら、「よそさまでそんな裏方の話をするもんじゃない」と母に叱られるかもしれない。












ほたるかご 蛍篭 HOTARU KAGO 母の茶道①

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蛍篭(ホタルカゴ)という意匠の中次(なかつぎ・薄茶器、抹茶の入れ物の一種)。

薄茶器全体が、蛍篭(ほたるかご)を表している。
夏草に止まる蛍が、黒い漆の上に描かれ、明滅している。

黒に黒なので、遠目には紅い点しか見えない。
よく見れば闇の中にも翅を広げた蛍がそこかしこ。

季節を表す、とても風流な絵柄である。

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しかしこれ、5月の末から6月2日までの、ほんの3日ほどしか使われない柄なのだそうだ。


母いわく、
「5月に入って晴天が続いた後、雨がたくさん降る。翌日になってよく晴れると、清流では蛍がいっせいに孵(かえ)るのよ。それで、蛍籠というのは、その時期にだけ使う、季節のお道具なの」

365日のうちに、たった3日しか使わない茶道具。

蛍籠の柄は夏の間は使えるものだと思っていたから、そんな話を聞いてびっくりした。
まったく、この年になっても知らないことはたくさんある。


蛍籠は中次だけでなく、なつめや炭斗(すみとり)にも意匠が使われている。


「このところずっと晴れていたから、水が減って蛍はどうなるかと心配してたけど、大雨が降ったでしょう、だからきっと今頃は、蛍がいっぱい飛んでるんじゃないかと、よかったなと思って。」

母の昔の住まいの傍に水辺はないはず。いったいどこで見たのかと問えば、
「そんなの、日本中どこだってそうよ。」
と軽く言われてしまった。


「でも、3日しか使えないなんて、いったいどうやって知ったの?お茶のお稽古で教えてもらったの?」
と聞くと、
「人に聞いたわけではなくて、いろんなお茶の本を読んでいるうちに知ったの。」
と言う。

来年は90歳だから。
ローマは一日にしてならず。
こんどその出典を発掘しなければ。

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いつか私がお茶の先生になったらと、母は私の若い頃から一通りのお稽古道具はそろえてくれていた。
しかし私にその気がないとわかってからは、場所ふさぎだからと、母は人にあげたりして処分してしまった。

確かに、お茶器だけでもこんな風に数日しか使わないものがある。
茶碗から水指から建水、炉や釜、台子など、季節ごとのお道具は置いておくだけでもきりがなく、都心にそんなスペースをいつまでもとっておけない。


その中でも私好みのものだけを頂戴し、少し手元に残している。

どれも、お稽古用のたいした物ではないけれど、こんな物語があるということがとても素敵なことだと思う。



母は常日頃お茶の四方山話をしていたのだが、右から左に聞き流していたものを、ようやく本気で覚えようと書きとめておくものである。




茶箱(ちゃばこ)tea chest

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新しい茶箱(ちゃばこ)が来た。

茶箱とは、お茶の葉を保管しておくための木箱で、中にブリキや亜鉛などの金属が貼りめぐらされている。

湿気を防ぎ、防虫、防臭効果もあると言うことで、昔は大切な着物、衣装やお道具類をこの茶箱にいれてしまっていたものだ。

プラスチックケースができてから、重いこの茶箱はあまり使われなくなってしまったようである。


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私のお誕生のときに買ったお雛さまは、この古い茶箱に入れられていた。

ということで、正確な年数はあいまいにしておくが、半世紀(以上)前のものである。


今年、久しぶりに飾ろうと思い押入れからこの茶箱を出したところ、あまりの古さ、汚さに、母が新しい物を用意してくれたのである。


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昔はたくさんのサイズ・バリエーションがあったようだが、今はこの一番小さいサイズと、倍以上ある大きいものの2種類しかない。

「新しい茶箱が来たら、もう古いのは捨てようか」と言っていた母であるが、結局惜しくなってしばらくとっておくことになった。

なかなか荷物を減らすことは難しい。


この茶箱、お茶屋さんで、お茶を輸送、保管する目的の物。
野点(のだて)などで使う茶道具一式を収める携帯式の箱も「茶箱」というが、それではない。


Kiyomasa no Ido at Meiji Jingu

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There is a well called Kiyomasa no Ido at Meiji JinguThe water is transparent and you can see round & smooth stones.

Looking into the well.. Seeing those stones, the reflection of green leaves & branches of the trees on the water, I start to wonder if I am standing on the water or in the sky. 


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Entering from the Kitasando near Yoyogi Station, tall trees on the street are blocking the sky. The scent of Hinoki and Cederwood is refreshing.

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There is a fishing spot near the lake. The view of wild wisterias from there is great.

A heroine and an egret are resting.

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Out of the woods, at the end of the road is where you find Kiyomasa no Ido. Quiet place. 


I will not expect a reward or benefits. I just wanted to express gratitude for my safety today. 

  

 MEIJI JINGU HP

 

お雛さま おかたづけ Hinamatsuri Imperial dolls

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にやり、右大臣くん。
これでゆっくり眠れるわい。


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角度によってなのかな・・。
なんかみんなほっとしているみたい。



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髪の毛にねぐせがつかないように、撫でつけてから、しまう。
また、来年までおやすみ。


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もう、3月4日にはかたづけなくてはならないのだが、(なぜならば嫁に行き遅れるかららしい)
小さい頃から、出すのは楽しいんだけど、しまうのは面倒くさい。



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って、今回はL子ちゃんに、出すところからかたづけるところまでやってもらった!

昔から、かたづけは苦手な私にて。

おひなまつり、お供の子たち③三人官女 three court ladies ,Hinamatsuri

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官女中「あーやれやれ、ずっと立ってるのって疲れちゃうわ。いいわね、あんたたちは座ってられて」
官女左「ナニ言ってんの、お姐(ねえ)さんだって、夜に皆が帰った後で、おちゃんしてたでしょ」

官女右「ネエ、おちゃんって何?おちゃんって」
官女左「いやーね、昭和生まれのくせに、おちゃんも知らないなんて。お座りすることよ。」

官女右「そんなん初めて聞いた、記念のキ」



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官女中「あ~もう、あんたたち、ピーチクパーチク姦(かしま)しいったらありゃしない」

官女右「そういえば、かしまし娘っていたなあ・・・。人気あったケド。」
官女左「フフ、誰が言ったか知らないが、女三人寄ったら、かしましいとは愉快だね♪」


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官女中「これでおしまい三人官女!」
官女全員「それではみなさま、ご~き~げ~ん~よう~♪」



節分(せつぶん) Setsubun

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2月3日は節分。

かなり昔になるが1月の終わり、あるところで食事をしながら「もうすぐ節分ですね」という話になった。

私はそのとき節分は年によって違うと思っていたので、
「今年は節分は何日でしたかしら?」
というと、冗談で言っていると思われて大いに受けた。

やがて私が大まじめに言っていると皆にわかり、
「ナニ言ってるんですか、節分は2月3日に決まってるでしょう」
とまた笑われた。

『あれ?2月4日のときもあったように思ったのだけど・・・』
恥ずかしさに照れ笑いなどしてその場を取り繕ったのである。


先日、教育テレビを斜めに見ていたら、今年の節分は2月3日というようなことを言っている。
「今年の節分は」??ということは、違う年もあるのか?と画面に注目。

よく聞いていると、天体の運行によって決まるので、日付が異なる(ずれる)というような説明だ。
1984年までは、うるう年の節分は2月4日であった!

ほーら、やっぱり。
子供の頃は節分が2月4日だったこともあるから、ぼんやりとそんな風に思っていたのだと思う。

最近では歳時記は流れていく一日になってしまったから、関心も薄れ自信が持てなかったのだけれど。



今では生活スタイルが変わり、忙しさにまぎれて行事もおざなりになりがちだ。


子供の頃は毎年ちゃんと豆まきをしたものである。

夕方、家の玄関から窓、勝手口まですべての出入り口に向かって順番に豆を撒く。
「出て行った鬼が入ってこないように、扉は少しだけ開けてすぐに閉めるのよ」
と母が言ったような記憶があるが、それが本当かどうかは知らない。

兄弟で競って撒くと、あとの片づけが大変だ。
そして、美味しくもないと思いながら、年の数だけ豆を食べた。

遠くガラガラと戸を開ける音で、お隣でも豆まきをしている気配がしたものである。


暦(こよみ)の中に記された「節分」の文字は、ただの知識では理解できない。
幼い頃の体験が、情緒を作り、気風を作り、文化を育んでいく。

大切な、ごく普通の日本のくらしの源がある、そう思う今日。




点初式 Hatsugama (the first tea ceremony of New Year)

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16日は遠州流御宗家の点初式(初釜)でした。
朝からの雨、しっとりと濡れたお庭がとてもきれいです。

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玄関脇には七草の飾りがさりげなくて素敵でした。
この日はグレーに白の綸子(りんず)を着ています。

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銀の桜のお香たてと香筒,携帯用 L'art "d'écouter l'encens

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携帯用の銀のお香立(こうたて)と香筒のセット。

1-2年前だったと思うが、某有名デパートの美術展を見た後、同じフロアに和小物を扱ったお店があり、立ち寄ったところ見つけた。

「おお、なんとシャレたものだろう」と早速購入。

それからずっとしまったままだったのだが、先日ふと思い出して写真をとってみた。


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小さな香立ては、可愛らしい桜の形。
銀製で、裏にちゃんと刻印もある。

しまっておいたので少し曇ってしまったが、ナニ、銀製なので磨けばきれいになる。


141126香たて.jpg

お香は長いので、香筒の長さにあうよう、短く折って入れる。
香筒は銅製に鍍銀(めっき)したもの。

こういう筒の物って、蓋とのあわせがとても大切。
きつすぎても緩すぎてもいけないし、すうっと入って、最後にほんの少しの抵抗があり、一押しするとカチっという音と共にぴったり止まるのが素晴らしい。

一見まっすぐななのにどういう仕組みになっているのか何度もはめたりはずしたりして確かめる。
肉眼では見えないが、写真を拡大すると、ぐるり細い突起が盛り上がりがっているみたい。
でも、抵抗はその手前2ミリ位のところで始まっているから、微妙に太くなっているのかな。

いくらだったかは忘れたが、「えっ?こんな手のこんだ工芸品が、こんな(お安い)値段で買えてしまうの?」というくらいお値打ちに感じた。

141126香たて3.jpg

そして、
「こんな雅(みやび)で奥ゆかしい物を持つなら、中に入れるお香も上等な物でなければ」
と思い、銀座の香十にて伽羅(きゃら)のお線香を購入したものである。

煙となって消えてしまうものだけに、贅沢なものを一期一会(いちごいちえ)の気持ちで使いたいものだ。

ちょっとリラックスしたいときにさっとバッグから出して香を焚く。
そんなことを思い浮かべたのだった。



さて、ここまで揃えたというのに、なぜ使わずにしまっていたかというと、いざ出先で使うシチュエーションを想像すると、そこに火がないことに気がついたのである。


昨今、世の中に禁煙が進んだために周りの人がライターを持っておらず、火を借りることができない。

うーむ。もちろんどなたかのお家なら火はあるだろうが、、、

百円ライターと言うのも無粋なもの、さりとてこのためだけにいつも重たいライターを持つか。
それともマッチを持つ?

やはり良い物は、使う時の始まりから終わりまでエレガントでないといけないような気がする。
アンティークな小ぶりのライターを探して、と。

これは宿題にしておこう。



京都清課堂さんの銀桜香立 と銀銅香筒





仏事の指輪 Ring

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先日の記事に載せた写真は、仏事用の母の指輪である。

仏事の装飾品には、通常パールやジェットなど光らないものをつけるが、これは木彫りのリング。
さして高価なものではないが、悼む気持ちにはふさわしいように思う。

まだ私が十代の頃は、母が弔事の席でつけているのを見て、あまり好きではなかったのだが、年とともに気持ちになじんでいくようだ。

カメオにしても、顔の彫刻は好き嫌いがあるものであるが、このお顔は眉宇(びう)から鼻にかけての線がすっきりとしていいと思う。


若い頃には、年かさの親戚以外あまり縁のなかったお葬式も、
だんだんと自分の知人、友人に亡くなる人が出る年頃になった。

こうして、母とは別に参列する機会が増えたところで、この指輪を思い出し借りてみたのである。

会場に向かう途中でバックから取り出し、薬指の途中まで入れたところ、あまりにぴったりなので、
「入るには入りそうだが、もしかしたら抜けなくなるかも・・・」

万が一抜けない時は切るしかないのだが、金属のリングと違って直すことはできない。
あきらめて、またバックの中に戻したのであった。

それでも、「持っている」と思うだけでも慰められるものだ。





▶ さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂に、その面影を追う・・・そうした日本の美意識をこの香りにこめました。 茶壷香水さとり

祖母の櫛 くし comb  

20140524かんざし.jpg

この櫛(くし)は祖母のもので、明治か大正のものらしい。
べっ甲に「貝合わせ」の柄の、金蒔絵がしてある小ぶりの櫛。

8.5センチの見た目は小さく、櫛だけで見ると地味なので、今まで使うことがなかったのだが、思いついて巻いた髪の根元に挿してみた。

髪に挿すと思いのほか大きく、派手に見える。
櫛の歯が細かいのが、かえって髪から抜けにくくおさまりが良い。


10140524くし.jpg

櫛や簪(かんざし)は、どことなく女性の念(ねん)がこもっているようで、誰のものかわからないアンティークはつける気にならないものである。

これは父方の祖母のものだから、母にとっては姑(しゅうとめ)のもの。
姑の形見として、母が引き出しにしまったままだったものを、父の死後、私がもらった。

私にとっては血の繋がった祖母だから良いだろう、そう母は思ったようである。


20140524貝合わせ.jpg

着物の柄も「貝合わせ」。
若い頃に作ったのでちょっと派手かも。


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お初釜 その2 New Year's Tea Celebration URASENKE 2014

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気がつけばもう1週間、 16日は裏千家の「初釜式」であった。
前のお席には安部総理もおいでになられた。

今年も大宗匠のお顔を拝見しご健勝のご様子に安堵する。

 

初けずりのお茶杓は毎年干支にちなんで銘をつけられる。

今年は午年(うまどし)。
うすれゆく記憶の中ではあるが、確か大宗匠は「白馬蘆花」という御銘の白竹のお茶杓。
当代お家元の御銘は「鉢盂裏走馬」(馬が先であったかもしれない)と思うが、煤竹(すすたけ)のお茶杓で、鹿毛の馬に黒い鬣(たてがみ)のように、茶杓の櫂先(かいさき)の方から節にかけて黒い一筋(すじ)がさしていたのが印象的であった。

また、今年のお勅題(ちょくだい)に合わせて「静」という御銘の伝来物も拝見させていただいた。

 

毎年お庭の前で撮っていただく。
常盤の松というが、いつまでも元気にいたいものである。

 

裏千家東京道場初釜式1.jpg

 

昨日の続きになるが、母はお茶を生業(なりわい)としたことがない。
もっぱらの道楽で、弟子は取らないが準教(茶名の上)である。

女学校から茶道を習っていたが、結婚し子供たちに手がかからなくなってからは自由になり、全国のお茶席をまわるようになった。また自室にてこの40年、毎朝一人で続きお薄をしている。


そっと覗くと、「お手前頂戴いたします」「お続けいかがですか」などと言いながら、自ら飲んでいるのが身内ながら偉いと思う。

お道具は高価なものではないが季節の取り合わせをして楽しんでいる。本当の数寄者(すきしゃ)というのはこういうのを言うのだろう。

 

 

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お初釜 その1 New Year's Tea Celebration

口取り.jpg

年が明けたと思ったらもうすぐ節分。日々の速さに驚いてしまう。15日は遠州流、16日は裏千家と、 先週はお家元の初釜が続き慌ただしく過ぎてしまった。

毎年、お祝い膳を頂いた後、干支の入った板と口取りの器を持ち帰る。
十二支も3順目、板も器も一つづつ増えていく。前の七宝紋を模した形から片口のシリーズになって、このたびは渋いお色である。

 

87になる母は足が辛いのでこの15年あまり遠慮しているが、若いころはかなりの茶道楽であった。各流派の初釜から始まって光琳茶会など大きな茶会に通年忙しく、そういったところでいただいた扇子やらが何十本も溜まったそうである。

初釜から私が戻ると母は、お家元はどうであったとか、お母様はご健勝かなど、ご家族のご様子を楽しげに聞くのが毎年の習いである。そして40年近く前になるのか、顕彰会、大徳寺の孤篷庵で若き日のお家元と一緒に喜左衛門井戸茶碗を拝見したくだりを、やはり毎年必ず拝聴するのである。

 

不傳庵での点初式は人数も少なくゆっくりとしたお席なので、いつも終わるころは日が暮れる。
薄茶がすんで障子をあけると、庭に明かりがひとつふたつと灯(とも)り格別の風情である。

 

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玄関前にて

月に雁の抹茶椀 Anser albifrons

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いつも1階のサロンで抹茶をいただいているので、たまには11階のアトリエでもお薄(うす)を立てましょうということになった。

 

「このたびは~ 私が点(た)てます~ 」
お茶を習っていたH子嬢が点(た)ててくれることになった。


家からおかあさまが造ったというお抹茶椀を持参したH子嬢。
おかあさまはなかなかの粋人である。

唐津っぽい内側の緑釉(りょくゆう)の一部がいい感じに弾いて、まるで雁(かり)が並んで飛んでいるように見える。

ちょっとへこんだ形も面白く、色も素敵なお茶碗である。

 

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まるで雲がおぼろにかかった月に雁が飛んでいるよう。

-雲居の雁もわがごとや(源氏物語「少女」)-

 

H子嬢の点(た)て出しでいただきながら、しげしげと茶碗を鑑賞。

「ねえねえ、雲居の雁(くもいのかり)なんて銘はどうかしら。お母さまに聞いてみて」と勝手に名づけてみた。

「え~ どうでしょう~ 」とさりげなくかわすH子嬢は、いつも猫のようにしずしずと歩く。

 

 

「雲がなければ嫌で候」(月には)くもがなければいやでそうろう、言ったのは茶人の村田珠光(むらたじゅこう)である。

何でも完璧では面白みがないものだ。

 

 

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四十七士 討ち入り 47RONIN

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今夜は四十七士討ち入りの12月14日。

今日、若い生徒さんに「赤穂浪士って知ってる?」

と聞いたら、『は、なんですかそれ』というような顔をしていたので

「今の人はしらないんだ!」とびっくりしたけど、30年前も私の母親世代が同じようなこと・・・「若い人は忠臣蔵なんて知らないんだねえ」と言っていたから、やっぱり仇討(あだうち)なんて、いつの時代にも若者には関心がないことなのかもしれない。

 

毎年、年末になると赤穂浪士の時代劇が放映されるのが恒例だから、年中行事のようなものだ。
これを見ないと年が明けない、というような気がする。

 

私は何といっても東映時代劇の「赤穂浪士」が決定版と思っている。
上映は1961年とかなり古いので、ロードショーではなく大きくなってからビデオを借りて見たのだけれど、擦り切れるほど見た。絢爛豪華で綺羅星のごとく大スターが揃ったこの映画は本当に素敵だった。チャンバラあり、花を持ったお嬢さんたちの群舞あり、これぞザ・時代劇である。

清潔感溢れる大川橋蔵が演じる、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)切腹のシーンは紅涙(こうるい)もので、吉良役の月形龍之介は憎々しく盛り上げるし、萬屋錦之助演じる脇坂淡路守(わきさかあわじのかみ)が、赤穂城受取のシーンで、刀の柄(ツカ)を扇子で叩き、大石内蔵助に「暗に仇討を促がす」シーンもぐぐっと来てしまう。。。と知らない人にはどうでもよい見解であるが、同世代の方は「あー、あの場面!」と共感してもらえることだろう。

 

キアヌリーブスが主演の47RONINという映画が上映されている。
キアヌはかっこいいし、CGなどエンタテイメント満載の映画だけど、私は昔ながらの時代劇のほうが見ていて安心できるなあ。

 

お年寄りに水戸黄門が人気があるように、歳を重ねるごとに大いなるマンネリがいいのである。
最近では重さのある役を演じられるスターがいないのが残念だが。

 

絵は母の手慰みで、ちょいちょいと書いて手文庫のそばに飾ってあったもの。
こんなところにアップしたと知ったら「ヤダー、こんなヘタな絵を載せるなんて!」とプンプン怒るだろう。

 

 

年末年始のお休みのお知らせ➤12/28~1/5まで、サロンをお休みさせていただきます。

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酉(とり)の市 三の酉 Tori_no_ichi

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11月の酉の日は全国の鷲(おおとり)神社で「酉の市」が行われる。27日は三の酉。

三の酉のある年は火事が多いと言い伝えられているが、三の酉は2年に一回あるそうだから、珍しいことではない。まあ、日本の冬は乾燥しているから、常に注意喚起というところだろう。

 

この俳画は母の手慰(てなぐさ)み。
真ん中のおかめの表情に愛嬌がある。
母は福を集めたような人だから、これを飾って開運を願うとするか。

 

 

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➤淡いピンク色の和の香り  オードパルファン「さくら」

隈取(くまどり)のぽち袋 歌舞伎 KUMADORI

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鳩居堂を見るのは楽しいので、銀座に行けば必ず寄って何かしら買って帰る。
この日も季節の便箋と封筒をたくさん買って、

「そういえば隈取(くまどり)のぽち袋があったはず・・・。」
探してみるとやはりあった。それも2種類も。

一つのたとう包みには、6枚の柄のポチ袋が入っている。
紙質もしっとりして、やっぱり日本のステーショナリー?はいいなあ。

 

10月頃、「隈取(くまどり)の絵柄の、気に入りの茶碗を割ってしまった」
と母ががっかりしていたので、知り合いに絵付けしてもらうことにした。

「どんな感じのがいいですか?」そう聞かれていたので、書店でも行って隈取の絵柄を探さなければと思いつつ、ふとお店に入って思い出したのがこのポチ袋。

そういえば以前、ここ(鳩居堂)で見たような・・・。

歌舞伎を見ているときには、この隈取の色と形で「あ、悪役だ」と「いい役だ」とか言っている程度だが、帰ってきてから、購入したポチ袋12枚を改めてテーブルに並べてみるとみな違う。
いろんな隈取があって面白い。

 

おおよそ役柄で種類が決まっているのだが、役者さんが自分の手で描くので、本当の隈取は少しずつ線が異なるそうだ。

適当に絵柄を選んで、母には内緒でプレゼントしようと思ったが、やっぱりひいきのあることだから本人に聞くことにした。

窯入れは年明けだそうだから・・・。私の方が楽しみにしている。


 

 

寒露(かんろ)二十四節気 Hanlu,Kanro

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二十四節気の第17、秋分から数えて15日。

「露(つゆ)が冷気となって凍りそうになるころ」という日なので本来は寒いはずなのだが、今日のこの暖かい陽気はどうしたものか。

 

 

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寒さが凝(こ)って赤く宿った去年のカラスウリ。

ことしはまだ、青い。

 

いずれゆく彼の岸にて待て君。

 

 

 

➤キンモクセイの香水 パルファンサトリのオードパルファン「SONNET(ソネット)」

トップはマンダリンのシトラスと、クラリセージのティーノートから爽やかに始まります。そして甘い桃のようなオスマンサス(キンモクセイ)の香りは、やわらかいフローラルの広がりに、やがて、木の暖かいラストノートへと移ろっていきます。 希少な金木犀の天然香料が香りに深みを与えています 

 

 

 

葛籠(つづら)TSUZURAーa wicker clothes box

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葛籠(つづら)。ずっとクローゼットの中にあったのでまだ新しくみえるが、私が20歳の時に作ってもらったものなのでもう結構古い。

 

「舌きり雀」の中で、雀のお宿からおじいさんとおばあさんがしょってくるのがこの葛籠。
この物語の時代の葛籠は葛籠藤(つづらふじ)を編んだ簡素なものだったであろうが、のちに幅の揃った竹で組まれ柿渋が塗られ、さらに漆が重ねられた。

内側には和紙が張ってあり、外は黒い漆、家紋が入っている。大きいがとても軽い。通気性がよく衣装を保管したり運ぶのに適している。 

 

引き出しのほうが便利なので、普通の着物は桐の箪笥にしまっているが、ここには普段あまり着ない正装を入れている。
20歳のころは大振袖だったが、今入っているのは留袖だ。

隔世の感あり。

 

☆イリスオム・ブラックラベル

☆satori オードパルファン・ ブラックラベル

 

 

母の華道② Ikebana international  昭和

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前回の「母の華道①」からずいぶん経ってしまった。


つづきであるが、母はこうしたわけでいろいろと社交に忙しく、私は家にとりのこされたこととも多い。

そっと出ていく母の背中を廊下で見つけ、追いかけ、玄関をはさんで親子で扉を押したり引いたり。

ついに根負けして手を離し、わーっと泣き出すと、サンダルを駆って走っていく母の足音が・・。
ようやく外に出てみると母の背中が遠ざかり小さくなっていく。サザエさんのシーンのようである。

泣いていると留守中は近所のおばさんが家に呼んで面倒を見てくれた。
子供一人を残して出かけられる、のどかな時代であった。

そんな母も、実家から父(私の祖父)が来たときに、私が一人で家にいるのを見つけられてあとで叱られたそうだ。

上は私が4歳くらいの時の写真。
母は30代後半で、今だったらまだ遊びたい盛りの歳だ。

母の華道① Ikebana international 昭和

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この古い写真は昭和36年ころだと思われる。
水盤には母の活けたアイリスの花。(ペコちゃんのような顔の私)

昔の女学校は、お茶お花、裁縫は授業の正科だったから、母はごく普通にいけばなはできたし、
嫁ぎ先の姑(しうとめ)が華道の先生がったから、さらにお花を習得するのはしごく当然のことであったろう。

祖母なきあと、自由になった母は相当な有閑マダムになっていくのである。
いろんな社交に精を出していたが、中でも熱心だったのがお花の会である。

華道伝授 誓いの証文  ikebana  1916年

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シリーズの続きであるが、私の父方の祖母は華道教授であった。

いまからおよそ100年前、その祖母が華道の免許を受ける際、師に差し出した証文である。


「相伝の秘術については親子兄弟であっても他言しない。

もし誓いを破ったら天罰も、流派の祖の罰も受けます」と誓っている。

証文が残っているということは、契約書のように2通作ったのであろう。 


たかが花を活けると言っても、日本の芸道の厳しさは江戸から続く武道と同じである。

そのように育ったゆえに祖母は強い性格だった。

 

明治、大正になり藩はなくなってもお家が大事。

代々、女系の生まれで、あととりができなければ婿(むこ)をとりかえて、ようやく待望の男子である父が末っ子に生まれた。何番目かの婿である祖父は、曽祖母、祖母の眼鏡にかなうこととなった。しかし父は、養子の祖父よりも大切にされたと言う。


さながら時代劇ドラマのようである。


祖母はお琴の先生でもあった。母は若い頃、父が弾くのも見たことがあるそうだ。

私が生まれる前に祖母は亡くなってしまったが、小さい頃、座敷に紅絹(もみ)に包まれた古い琴があったのを覚えている。

私が琴の包みを開けてみたくなかったはずはないのだが、触ろうとしたら母に叱られて、それきり話題にしてはならぬものとなった。


商家でのんびり育った母は嫁してのち、きつい姑(しゅうとめ)である祖母にずいぶん苦労したようだ。

しかし、姑(祖母)が亡くなってからの母はだんだん家での権力を増し、それまで乳母日傘(おんばひがさ)で育てられた父を圧倒するようになった。


90の母は長寿を得て、いまや大沢家に君臨する女帝である。(笑)

華道 秘伝書 明治三十二年 Ikebana 1899

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江戸、明治、大正と、つづいて書くと言いながら間があいてしまったが、そして引っ越しの際、茶箱(ちゃばこ)の中から古い風呂敷に包まれた書類一式が出て来たところへ戻る。

とりあえず華道関係の本だけを選んで時代別に並べてみたところ、前回の天保14年(1843年)の華道教本からはだいぶ時期があいているが、次の2冊にわたる古書が明治32年(1899年)のものである。


これは宗祖母(近藤松)が師から秘伝を許されたときに拝領したものらしい。
明治32年、一泉は、先生の一文字をとってつけられた華道の名前と思われる。

自分がどうして植物が好きなのか、そのルーツを見た思いである。

 

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正風遠州(?)流水揚傳書と読める。
茶道遠州流は有名であるが、華道にも遠州流があるそうなので、そうかもしれない。

花を長持ちさせるために水揚げを行うが、花ごとに手当が異なるため、この教本にはそれぞれに適した方法が書かれている。

「百合し事」「大手丸(おおてまり?)し事」など、お湯に入れてちょっと切り口をどうとか、これらひとつづつが秘伝だったのであろう。

今であれば、ネットで検索してすぐにノウハウがわかるところだが、この時代コピーもワープロもないわけだから、一冊づつ手で写していくのである。如何に情報に価値があったかである。

また、カルチャーで1時間いくらで支払うのとは違い、師について「道」を学ぶわけで、ますます「伝授」の重さが違うというものだ。

今はなんでも簡単に手に入るし、技術も道具も工夫なしで知ることができるので、便利と言えば便利だが、一方、上辺だけですべてわかったような気になるという弊害も多い。

 

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父の母方の実家は近藤家といった。


宗祖母は松前(今の小樽)の人である。御典医の家は数代にわたって女しか生まれず、松前藩の家中から婿(むこ)取りをして家を継いでいたそうである。

家を継ぐことができる嫡男(長男)以外の男子はスペアであるから、二男、三男は家長にはなれない。
居続けても「冷や飯食い」「居候(いそうろう)」と呼ばれる身分のまま一生を終える。

そのため次男以下は、家付き役付きの娘がいないかと、よい婿入り先を必死に探すのである。しかし婿入りしても男子を産ませられないと、婿は実家に帰されてしまう。

宗祖母の家もまた、婿を返しては別の婿をとったそうで、厳しいものであった。それは通常の嫁取りと同じく、人より家が大事にされた。家の重要性は今では考えられないほど封建的である。

恋愛、結婚、一生。今の世の中は自由で素晴らしい。

一方、初めから自由だから何が幸せなのかわかりにくい時代であるのかもしれない。

 

 

次回は大正時代の華道「お許し状」 の予定

 

 

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華道教本 天保十四年 Ikebana 1843

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昨日からの続き  そして引っ越しの際、茶箱の中から古い風呂敷に包まれた書類一式が出て来た。
代々女系(にょけい)の家にようやく生まれた男子である父であるから、大澤家、近藤家、末永家など祖先の書きつけが集まったものらしい。黒田家へ養子に行ったり来たり昔のこととて入り組んでいるようである。

古井風呂敷の中の文書は、汚くてとてもさわる気になれなかったのを手袋をはめて静かにはがしてみると、数冊の花の教本が出て来た。

活け方のデザイン画集のようなものもある。

母曰く、
「お義母さんは花の達人だった、庭からちょっと枝を切ってきて活けるとそれはそれは素晴らしい出来栄えだった」
というので、祖母の手によるものかと思ったが、一番最後のページに書いてある為書の年号をみると

「天保14蕟卯三月十四日」(1843年)となっているので、もっと古い人のもののようだ。

私の母が父や義母に昔聞いたことを、また私が聞いたことなので不明な点も多い。

逢へりし君に 恋ひにてし sakura

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去年の春 逢へりし君に 恋ひにてし 桜の花は 迎へけらしも

去年之春 相有之君尓 戀尓手師 櫻花者 迎来良之母

 若宮年魚麻呂(巻8・1430)


去年の春に会ったあなたを恋い慕って、桜の花は今年こうして迎えに来たにちがいないことよ。

 

万葉集は恋の歌が多い。

今年も早く逢いたい、桜の君。

 

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➤日本の花 オードパルファン「さくら」

▶パルファンサトリ  "Nuage Rose(ニュアージュローズ・ばら色の雲)"

南仏コートダジュールの夕暮れどき、空のキャンバスいっぱいにバラ色とスミレ色が交差し、やわらかな雲の波間から海へと光が差し込む...そんな美しい情景を香りに託しました。
目を閉じて香りをまとうと、心にやさしい色と輝きがひろがり、新しい旅へと誘われる...。
ニュアージュローズは人生の喜びや美しさを情緒豊かに感じる女性のための香りです。

春の日の長くなるこそうれしけれ  Empress Shōken

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「春の日の長くなるこそうれしけれ

書をみるにも花をみるにも」

              ‐昭憲皇太后 御歌‐

 

一服のお茶  Cha

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ほっと一服。

開けたての新しい抹茶で、L子ちゃんの立てた「お薄(うす)」はおいしい~。

 

鶏始乳 にわとり はじめて とやにつく

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七十二候  鶏始乳 「にわとり はじめて とやにつく」

鳥屋(とや)で鶏が卵をうみ始めること。

二十四節気の大寒もいよいよ末候。
次の節気「立春」を前に、春を予感させる言葉だ。

 

おおさむこさむ 大寒 水沢腹堅 Dahan (solar term)

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「おおさむこさむ、山から小僧が飛んできた」

小さい頃は教えられるままになんとなく丸覚えして、
この大寒(おおさむ)と、大寒(ダイカン)を結びつけて考えたことはなかった。

そういうことって多いんじゃないかな。

 

唱歌、こいのぼりの中に出てくる、「橘薫る~♪」というフレーズも、「タチバナカオル」という人物だと思っていた友達もいたし。

 

今は二十四節気の「大寒」真っ最中。
池には厚く氷が張りつめている。


七十二候では「款冬華(ふきのはなさく)、水沢腹堅(さわみずこおりつめる)、鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」と続く。

そして、それが終われば待ちに待った「立春」。
寒さが続いてても、日照時間は確実に長くなっている。

ああ、春よ来い!

 

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「香り」を言葉で表現し提案するのが香水ソムリエ®です。

香りはファッションに関わりが深く人々の関心が高いにもかかわらず、その選び方や取り入れ方を苦手にしている人は少なくありません。それは香りを言葉で説明することが難しいことによります。

街を歩いているとき、商品を手に取った時、「ふとこれは何の香りだろう?」と考えたことはありませんか。それを知りたいと思いませんか。ワインのソムリエのように、いろいろな香りを言葉豊かに表現できたらどうでしょう。

 

パルファンサトリの香水ソムリエ®講座は、香りを自身の生活に取り入れ、あるいは人に提案し、四季折々で香りのある豊かな生活を送ることを目指します)。

パルファン サトリ フレグランススクールの他の記事

 

 

お疲れ様っていい言葉♪ Otsukare-sama

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「お疲れさま~」「おつかれさま~」

帰るとき、声をかけ合う。
ありふれてるけど、こういう言葉って日本語独自のもの。

ねぎらう、というか、励ますというか。

初釜 裏千家 "the first tea ceremony of the New Year"

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16日は茶道裏千家の2013年の初釜式にお招きしていただいた。

 

点初め(たてぞめ) enshu-ryu 2013

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道には昨日の雪がまだ残っている。
ぞうりでは心もとないと思い、下駄をはいていくことにした。

家を出るとよく晴れて、思ったよりは暖かい。

先に見えるのは桜のようだ。冬に咲く、十月桜かと思う。

ふゆはつとめて 清少納言 Sei Shōnagon

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冬はつと(夙)めて、雪の降りたるは いふべきにもあらず 霜のいと白きも またさらでもいと寒きに 火など急ぎおこして 炭もてわたるも いとつきずきし 昼になりて ぬるく ゆるびもてゆけば 火桶の火も白き灰がにちに なりてわろし

 

芹乃栄(せりすなわちさかう)小寒 Xiaohan 七十二候

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今日、1月5日はは二十四節気「小寒」の七十二候「芹乃栄(せりすなわちさかう)である。

1月の後半に来る「大寒」は最も寒い頃であるが、その前の「小寒」になったばかりでも充分に寒い。
ううう、辛いよお。

なのに、また今朝も来てしまった新宿御苑。
今日はコースを替えて日本庭園の中を通っていくことにした。


 

金盞香(きんせんか さく) Narcissus

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金盞香(きんせんか さく) とは、水仙の花香る頃。
24節気72候、立冬の末候ともなれば木枯らしが吹き始め、本格的な寒さがやってくる。 

 

鳩居堂(きゅうきょどう) 銀杏の便箋 Kyukyodou

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ファックスが便利だと思っていたのも今は昔。
メールを使うようになってから、利用する機会がぐっと減ってしまった。


 

山茶始開(つばきはじめてひらく)立冬 11月7日

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山茶始開(つばきはじめてひらく)、立冬の初候11月7日。


今日は昼間は暖かかったけれど、夜になってぐっと冷え込んできた。
なんとなく、紅葉の時期は晩秋の範囲のような気がしていたが、
暦の上ではすでに冬の始まりである。

寒露 KANRO is the 17th solar term

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寒露は24節気の第17番目。


露が冷気によって凍りそうになるころ、冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、こおろぎなどが鳴きやむころ

植物界の契約/kingdom Plantae

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植物界には厳格な契約があり、そのたゆまぬ履行によって秩序が保たれている。

 

日本人が几帳面な国民性を持ってきたのは、この「植物契約の中で育ったから」という考え方はどうだろう。

新宿御苑に通い始めてつくづく実感することは、植物たちは本当に生真面目だということだ。

大坂城 Osaka Castle 

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夜、疲れて帰って来たホテルの窓から大坂城が見える。
ライトアップされ、白く光る壁がきれいだ。

カーテンを開けてしばらく眺めていた。

 

白露(はくろ) Solar term "Hakuro"

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白露(はくろ)は二十四節気の第15番目。
今朝は急に空気が変わって、陽の光が透明になったようである。

「大気が冷えて、露(つゆ」)ができるころ」という。

 

鳩居堂(きゅうきょどう) 立葵の便箋 Kyukyodo

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ステーショナリー好きとしては、銀座に行けば必ず立ち寄るお店、鳩居堂(きゅうきょどう)。

和の文具と香のお店である。

銀座四丁目の交差点近く、いつも品の良い年配のお客様でにぎわっている。
・・・かくいう私も、品がよいかは別として、年配の客にはいるであろうな。

 

8月15日 

七夕 天の川 星合いの日 「the Star Festival 」

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七夕はいつも雨のことが多い。
今年も二人は会えなかったのかなあ・・・。

金平糖 あじさい confetti

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寒色系の金平糖(こんぺいとう)をあじさいの葉に乗せてみた。

なんとなく気分がさっぱりしない雨の一日。
6月のお薄茶の干菓子としていかがかと。
実はこれは母のアイデアで、いつもちょっとした遊びを取り入れている。

いけばなの極意 Ikebana/ Japanese flower arangement

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 いけばなのプロは別として、こうして日常的に花を活けたりして楽しんでいるのに極意などなくて、ただもう、可愛いのきれいだの、そんな気持ちで活けているだけである。

菖蒲香、あやめ、紫、Iris

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「菖蒲香(あやめこう)」は、香道の夏の香組(お香の組み合わせ)である。

5種類の香木のうち、目的となる1つの香りを予め試し聞きしておき、次に出る5つのうちの何番目にこれが出てくるかを判ずる(当てる)。

 

「五月雨に池のまこもの水ましていつれあやめと引きそわつらふ」源頼政

お蚕(かいこ)さん③真綿(まわた)

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「真綿(まわた)にくるまれて育つ」
大事にされたおぼっちゃまなどを指してこう呼んだ。


この30センチ四方の小さい端切れのようなものが真綿である。
真綿(まわた)は植物性ではない。

綿花(めんか)からとれるワタではなく、繭(まゆ)から作られる。
なんだか、黄ばんであまりきれいじゃないと思うだろうが、絹(シルク)100%のワタである。

お蚕(かいこ)さん②飼育

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カイコの飼育実習。


小学校では理科の授業で、中学では生物の実習だった。
高校の時もやったような気がする。(※これは後日、同級生からやったことがないと言われたので記憶違いかもしれない。)


家に持ち帰ると嫌がられるからと、ロッカーで飼っていた子もいた。

 

お蚕(かいこ)さん①シルク

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アルバイトのT君はスポーツマンだがワイルドではない。

 

ある日、サロンに飾ってあるユリの蕊についた「やく」をピンセットでとってもらった。
蕊の先についている、茶色くてポワポワした部分だ。

 

日本の梅  梅の香り-1

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梅の花 香りをかぐはしみ遠けども 心もしのに君をしぞ思う  市原王(いちはらのおおきみ)

梅の歌は、万葉集に119首に及ぶほど、古くから貴人に愛でられた花だ。鶯や雪と共に詠まれている歌も多い。この歌は、市原王(8世紀の皇女)が梅の香りに寄せて、中臣清麻呂(公家・歌人)を敬い慕う気持ちを表したもの。
 
「かぐわしい梅の花の香りに、遠く離れていても心はいつもあなたのことを慕っています。」というような意味であろうか。「かぐわしみとおけども」とは畏敬のあまり近づけないという意味なので、恋い慕うというより少し遠慮があるようだ。


 
私の中では、白い梅は凛とした武家娘のイメージがある。ひっそりと咲き初めるころが特に趣(おもむき)があってよい。
 
まだ厳しさの残る早春に、ひとつふたつと花が開いていく頃が、最も心楽しい季節である。つかのま暖かい日があったと思うと、再び冬がやってきては、冷たい雪が長い蕊(しべ)に降りる。希望と失望を繰り返しながらも、少しづつ春に向かうことを知っているからこそ、私たちは今を待つことができる。
 
このような気持ちと言うものは、メリハリのある四季によって醸成された、日本独自の精神文化ではないかと、歳をとって思うものである。

 

➤英訳はこちら "UME NO HANA" Japanese Plum Blossom


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    パルファンサトリ花暦 2月の香り 夜の梅 

 

 

 

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坂東玉三郎初春特別公演「妹背山婦女庭訓」ル・テアトル銀座

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坂東玉三郎初春特別公演、ル・テアトル銀座。
ホテル西洋銀座と一緒の建物にある。

歌舞伎座は今建て替え中。この劇場で歌舞伎を見るのは初めてだが、やっぱり少し小さいし洋風な舞台だ。
それでも、赤い提灯をつるしたり、紅白の餅花を飾ってお正月らしさ、和の雰囲気を出している。

 

沈丁花(じんちょうげ)

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L子ちゃんにお花を買いにいってもらったら、お花屋さんがおまけに沈丁花の一枝をつけてくれた。

もう沈丁花・・・?
露地(外のこと)では3月の初めころに咲くのが普通なのに。

福は内、福ハ内

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これは鶴屋吉信製の和菓子、「福ハ内」

ふっくらとしたお多福豆の形をした桃山まんじゅうだ。
中は白あんで、外はすりすりしたくなるような柔らかな肌触り。

節分の豆まきの時にお豆を入れる、枡の形の容れ物も可愛い~。

 

裏千家 初釜式 2012年

 

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昨日は市谷加賀町の裏千家の初釜式。

裏千家お家元の初釜に母が伺いはじめてから40年あまり、京都も伺ったが東京はそのころは四谷麹町にあった。

石灯籠(いしどうろう)-2

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今日、数えただけでも新宿御苑には20個くらいの石灯籠がある。
まだ、探せばあるのかもしれない。

石灯篭(いしどうろう)-1

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普段あまり気にも留めていなかったが、新宿御苑にはたくさんの石灯籠がある。

昔住んでいた家の、庭奥にも背の高い石灯籠がひとつあったが、子供にはちっともおもしろいものではなかった。

忙中閑あり、二人静

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年末のこの時期、いそがしいそがしいそがし~とばかりに猛然と片づけをしているが、捨てても捨ててもまだ減らないこの書類の山、
およびいつか使おうと思ったりいつか役立つと思ったサンプルやら試作品やら、
よくこんなに要らないものをため込んだものだと思う。

 

お茶のプチお稽古③

いままではいつもコーヒーだったのだけど、
ときどきは、打ち合わせに見えたお客様にも抹茶をお出ししている。
皆様とってもおいしいとおっしゃる。

 

お茶のプチお稽古②

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このお茶碗は浅く口が広いので、本来は夏用の茶碗だ。
冬だと早く冷めてしまう。


 

お茶のプチお稽古①

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せっかくだから、L子ちゃんとお茶のプチお稽古?をしようということになった。

 

といっても何かかしこまったことではなくて、サロンの朝の始業のときに、お薄を「立て出し」で戴こうというだけのことだ。

 

 

和のお花、いけばな

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完全と不完全では、不完全がいいというわけではない。完全がよいに決まっている。

11月15日、七五三のお茶

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今朝は母のお手前をちょっとのぞいて、横からお薄を一服(杯)頂戴する。

朝の「続きお薄」は、いつもは母ひとりで二椀飲むので量は少なめ。

 

イケバナL子ちゃん

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アトリエの1階には、おおむね週一回、花を活ける。
小さな場所だが、全部で5か所の飾るところがある。

 

辰砂の茶碗

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辰砂(しんしゃ、cinnabar)とは本来、鉱物の硫化水銀(HgS)である。

赤い塊の結晶で、中国の辰州で産出されたことからこう呼ばれた。

焼き物の「辰砂(しんしゃ)」は、この鉱物を使うわけではないようだが、色合いからこのように呼ばれるらしい。

こんな場所でハート見つけた!

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こんな場所に、ハート♡

ハートって、日本の図柄ではないと思ったけど、意外なところで発見した。

 

十六夜の月(いざよいの月)

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昨日は十五夜だったから、今日は十六夜(じゅうろくや、いざよい)である。
ほぼ満月に近い。

 

中秋の名月 十五夜

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今まで漠然と、9月の中ごろの満月を「中秋の名月」と呼び、十五夜のお月見をする日だと思っていた。

お月見の日は、まん丸の月が出るのが当然だとも思っていたのである。

 

落水紙 らくすいし 

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落水紙という。
紙を漉くときに、水滴を落として作る。

 

「処暑」 おとめ座の始まり

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今日は二四節気のひとつ「処暑」で、おとめ座のはじまりなんだそうだ。

海外でいけばな②IKEBANA

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海外でいけばな。これはパリのお花屋さんに、前もって紅葉したもみじを用意してもらった。

外国で活け花

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外国、、海外で活け花をするときに困るのは、やはり花材と器がないこと。

明治神宮奉納盆栽展 BONSAI

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明治神宮内殿の回廊で、奉納盆栽展をやっていた。

ロハスデザインアワードにて ちぎり和紙

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今日もまた、9時の開園同時に新宿御苑に行ってみたら、ロハスデザインアワードというイベントをやっていた。


2011年5月20日~22日まで、新宿御苑 バラ園のそば

金工(きんこう) 象嵌(ぞうがん)

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金工(きんこう)

鍛金(たんきん)、彫金(ちょうきん)

Sword guards (KINKOU=Silversmith and Goldsmith)

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  Silversmith and Goldsmith KINKOU

可愛い桐の箱、何の箱?

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藤の花の絵柄の可愛い桐箱、何のための箱だ?

KODOUGU Tools of "Kodo", the Way of Incense

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Tools of "Kodo" ,the Way of Incense.

日本の飾り結び  組紐

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紐結びの技術は世界中にあり、それぞれに歴史をもっていますが、日本ではとくに装飾性を重視した飾り結びが非常に発達しました。

茶道裏千家 お家元 初釜2011

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そして昨日に続いて、今日16日は市谷加賀町の裏千家お家元の初釜に席入りさせていただいた。

遠州流ご宗家 初釜 2011

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今年も茶道遠州流ご宗家(お家元)の初釜に伺わせていただいた。

花を飾る、花を活ける

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花を飾る、花を活ける。

宮大工の知恵 松浦昭次

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「宮大工千年の知恵」(松浦昭次)が平成12年に、つづいて「宮大工千年の手と技」が翌年出版された。

 

香の記録紙 和歌と絵と香と

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昨日の野分香でも出てきた、香の記録紙。いつも素敵な和歌と絵が描かれている。
これは、つわぶき。

 

野分せし小野の草伏荒れ果てて-野分香(のわきこう)

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野分せし 小野の草伏 荒れ果てて(のわきせしをののくさぶしあれはてて)
深山にふかき さを鹿のこゑ(みやまにふかき さをじかのこえ) 

寂蓮法師

 

沈香木を包む 香包み 

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沈香木は小さく切られ、一片づつきれいな香包みに包まれる。

今日のお花 りんどうと菊、シルバーキャット

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今日のお花は白い竜胆(りんどう)、緑の菊、シルバーキャット。

沈香の味(六国五味)

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沈香木の味?それは、六国五味(りっこくごみ)。
香道では、前に説明した沈香木(じんこくぼく)を使い、香炉で温めて香りを聞く(嗅ぐ)。

香木(こうぼく)と練香(ねりこう)

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ひと口に「香」といっても、香道で使うのは沈香木(じんこうぼく)で、茶道で使うのは練香(ねりこう)と白檀(びゃくだん)である。源氏物語の薫物合わせ(たきものあわせ)で使われたのは練香のほうだ。

香道のお稽古始め

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何から書き始めようかと思ったが、今日は香道のお稽古を始めた頃の話をしてみたい

香道への招待

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「香道への招待」は本のタイトルであって、私がご招待などとはおこがましいことである。

今日のお花 菊と赤い実 Ikebana

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今日のお花は、菊が3種類と白いりんどう、赤い実のカンボク。

 

和紙の装飾加工  磨き出し 

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昨日からの続き→

そしてこの日、とっても珍しいものを見せてもらった。

金銀砂子(きんぎんすなご) 

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笹の葉さらさら のきば(軒端)に揺れて、
お星様きらきら きんぎんすなご(金銀砂子)

七夕のうたの、砂子。

桐箱の真田紐の掛け方

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真田紐は、お道具などの箱をしばるのに使われます。

藤娘(ふじむすめ) 日本舞踊③

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日本舞踊最後の演目は小学校6年生、「藤娘」だった。

羽根の禿(はねのかむろ)ー日本舞踊②

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「羽根の禿」という演目で、振り付けはすっぱりと忘れてしまった。

 

菊尽くし-日本舞踊①

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人間の記憶というものはあてにならないものだ。

舞扇 五條流

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ひどく懐かしいものが出てきた。
日舞のお稽古で使っていた扇子だ。

梅 光琳茶会  /Fleur de Prunier

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 梅と言えば尾形光琳、光琳と言えば紅白梅図。熱海のMOA美術館にある。

 

聞き香炉・阪井茂治氏作陶展

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陶芸家の阪井茂治さんに、鍋島焼の香炉をいただいた。

茶の世界史 中公新書

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「茶の世界史」は緑茶の文化と紅茶の社会というサブタイトルがついている。角山栄氏によって1980年に書かれた本である。

 

着物と香水 日本の伝統色

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これは私の、蒲葡(えびぞめ)という名の香水。市川団十郎夫人の着物展示会で出展されたもののひとつだ。

市川団十郎夫人デザイン 着物ごよみ

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市川団十郎さんの奥様で、海老蔵さんのお母様である堀越希実子さんは、着物のデザイナーをしていらっしゃる

匂い袋 初釜にて

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遠州さんに続いて昨日の裏千家御家元の初釜でいただいたおみやげも匂い袋だった。

 

裏千家御家元 初釜 2010

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昨日に引き続き今日も裏千家お家元の初釜に伺う。京都の裏千家は昨日で終わり、東京でのお初釜は今日から始まる。

遠州流御家元 初釜

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茶道、遠州流のご宗家(お家元)は、飯田橋からほど近くに居を構えられ、都会とは思えないような閑静なたたずまいだ。

 

菊尽くし 花と日本舞踊

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私の日本舞踊の初舞台は、3歳のときの「てるてるぼうず」で、

御本立鶴茶碗(ごほんたちづるちゃわん)

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8月というのに気分はもう、秋。こんな日はあたたかい土の手触りがほっとする。淡い紅色の班が浮いて、やさしげである。「御本立鶴茶碗」という。

銘 柿のへた 茶碗 抹茶

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ちょっと早いけれど、この茶碗の銘は「柿のへた」という。

懐中時計 と 櫛  アンティーク 2

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私が最初に持った懐中時計は祖父の形見である。小ぶりだがとてもきれいで、とくに鎖の桔梗の中心に小さなパールが入っていてかわいい。古い古いケースには、右から左へ、小樽の工藤時計店と書いてある。

 

花は語り合うようにー2

 

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花を活けることは難しく考えることはなくて、どんなふうにいれたらきれいかな?とおもいながら、ただ長さを切って向きを決めているだけ。

花は語り合うように-1

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週に一回、家にはお花の先生が来て、生徒さん(大人の人たち)が集まっていた。

生け花用の花を人数分そろえるのは母の役目であった。(お花屋さんに頼むだけ)。


小学生のころ、いつもお稽古をのぞいたりして、切り落とされた小さすぎる蕾や余分な葉や茎などの中から使えそうなものを拾って、まねごとのように飾ったりして遊んでいたのを覚えている。

切りくずは新聞紙の上に集められ、青い匂いをさせていた。

あるとき、大きな黄色いキク(仏壇に飾るような)を一本、新品のままくれるという。手にしたとき、たぶんすごくうれしかったのだと思う。母に、「本当にいいの?」を連発して数10回は聞いただろう。

あんまりしつこく何度も言うからだんだん母は怒りだして「あともう一回でも言ったらもうあげない」と言われたのに、やっぱり小さい声で「ホントニィィ?」と聞いてしまった。花は取り上げられてしまった。泣いた。


子供って、どうして怒られるってわかっているのに、怒られることをしてしまうのだろう?どこまでしたら怒られるのか試してみたいのだろうか?細かいディティールは結構覚えているのに、もう、子供の気持ちには戻れない。

高学年になるにつれ、お稽古を休んだ生徒さんがいるときはその分をもらって、勝手に活けるようになった。ちゃんと入門したのは、やはり中学の時だ。

もうとうに亡くなられた井出先生は勅使河原蒼風(てしがわらそうふう)先生の直弟子だった。くちぐせのように「花と花は語り合うように活けるのよ」と言っておられた。

花のキモチがわかるまでは、まだいかない。ただ、好きだから、そばに置きたい。。。





写真:鉄の花入れ。花材はくろゆりとマロニエ

御苑と藤娘(ふじむすめ)

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新宿御苑の藤はあまり目立たない。たぶん池のほとりに1か所くらいかと思う。花房も小さく、パラパラとしてやや控え目である。

娘道成寺と桜

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飾りものや着物の柄は、季節の先へと進む。
桜の盛りをこれから迎えようとする頃には、すでに桜の飾りは遅い。

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