
プライベートなお酒の勉強会で、六本木にあるオーセンティックなバー「CASK strength 」に集ったある休日。

パル ファンサトリの香りをお試しになりたい方に、サンプルをお送りしています。
7月、パルファンサトリの毎月のサンプルプレゼントは「ソネット」です。ジューシーなネクタリンピーチとオスマンサスの組み合わせで、幸せな気分に。
お盆休みのお知らせ 8/14~8/17まで、サロンをお休みさせていただきます。
オンラインの受注は受け付けております。発送は18日から順次させていただきます。
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塗りのお盆に並んだ5つのお椀に、精進料理が盛られている。
今日の献立は、豆のおばん(ご飯)、わかめとよもぎ麩のお汁、白和え、せりと切干大根の胡麻和え、春菊の海苔巻きの五品。
この器は持鉢(じはつ)といい、漆のお椀が5枚、入れ子になっている。
「持鉢」は、臨済宗での呼び名であるが、禅宗では「応量器」といい、いずれも僧侶が食事の時に使う。
本来は鉄製や土製のものだが、漆塗りも鉄と同等とみなされる。
そのほうが軽く扱いやすそうだ。
簡素な暮らしにふさわしい食器。
先生も人生の最後はこれだけで暮らすのが理想という。
それは草庵の思想にも似て。
掌に裏に返してひとつづつ椀をお盆において、
大きなお椀から順にご飯、吸い物、副菜3品を装(よそ)う。
食事の後はくるりと洗って、また大きなお椀の中にすべてしまわれる。
非常に合理的である。
この日、麹町のM先生に精進料理を教えていただいた。
皇居の見えるご自宅で開く、生徒4人の落ち着いたクラス。
決まってはいないが、ときどきイレギュラーで声をかけていただくのである。
広いキッチンに立って、みなそれぞれ切ったり混ぜたりを少しづつする。
精進料理と言ってもM先生のは難しくない。
きちんと、しかも手早く作られたおばんざい。
それは本当は先生が下ごしらえをしてくれているからなのだが・・・。
上はせりと切り干し大根の胡麻和え。
切り干し大根は火を通さないで水で戻したままで使う。
胡麻は皮があるので、そのままではせっかくの栄養素が吸収されない。
なのでねっとりとビロードのようになるまで黒ゴマをすり鉢で摺りに擦る。
どの味付けも僅かな醤油や出汁だけで、あとは素材の甘さで滋味あふれるお味。
お食後はかわいい和菓子とお番茶を頂きながら先生のお話を伺う。
この右の干菓子は辻占(つじうら)という。
フォーチュンクッキーの原点で、これを見たアメリカ人が帰国して始めたのだという。
私は中国のものだと思っていたが、もとは金沢のお菓子だそうだ。
中に小さな紙が入っていて、それがストレートな内容ではないのが面白い。
私の引いた占いは「いさぎよき」。武士の絵がかいてある。
うーん。謎めいた言葉である。
自分なりの解釈をして、みな納得するのだろう。
ひとつひとつのお料理はごく普通のものだが、
何気ない中にいろいろと知恵や工夫があって、そのお話を伺うのがとても新鮮だ。
お料理だけでなく、お道具一つとっても、
長い歴史のふるいにかけられたものというのは優れたものである。
日本の素晴らしさを再認識する勉強。
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➤バラの体験講座 最新情報 http://parfum-satori.com/jp/topics/2014/02/281300rose.html
パルファン サトリ フレグランス スクール
パンフレット・資料をお送りいたします。ご希望の方はお問い合わせページよりお申し込みください。
よくあるご質問 http://parfum-satori.com/res/images/school/pdf/qa.pdf
スクール関連ブログ記事や、スクールページも合わせてご覧ください。
ブログ記事 http://parfum-satori.com/blog/cat235/
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ニュージーランドのマヌカハニー、秋の終わりに瓶詰と小分けパックのセットを頂いた。
初めてひとさじ食べたときは、とても癖の強いハチミツだと感じた。
アニマリックでウッディな香りのする濃いはちみつ。
フトモモ科のギョリュウバイから蜂が集めたこのハニー、健康維持にもいいという説明書が入っている。
ふだん風邪もひかない私なので、これはブルーチーズにかけたり、パンにつけたり、もっぱら味と香りを楽しみながらひと瓶を食べてしまい、小分けは冷蔵庫のドアのほうに差しておいたまま。
なんとなく小分けっていつか使おうと思ってとっておくうちに忘れちゃったりする。
さて、その日は朝から人と会って話すことが多かったうえ、夕方から取材があって2時間しゃべり通し。
加湿器が空になっていたのに気が付かず、のどがガサガサになってしまった。
当日はたいしたことがなかったが、翌日は声が出なくなるほど痛くなってしまった。
咳も出るし、飲み込むのがつらい。
ふとこのマヌカハニーの小分けパックが冷蔵庫に残っていたのを思い出し、早速なめてみた。
パックを真ん中から二つに折り、出てくる蜜を吸う。
甘い濃い味がじんわり口に広がって、のどの奥に流れていくと、イライラとしたいがらっぽさがおさまっていく。
なんだか痛みも和らいだみたい。
食欲もないので、このハチミツをちびちびとなめたり、お茶でうがいをしたりを繰り返していたら2日目にはぐっと楽になっていた。
ギョリュウバイはニュージーランド・オーストラリア南東部原産の植物。
漢字では御柳梅と書き、花屋さんでも見かけることがあるが、梅とも柳とも違う。
花は五弁で小さく可愛らしいが、短い濃い緑の葉が密につき、全体にがっちりした印象の枝である。
全体に同じフトモモ科のティーツリーと混同されないためニュージランドティーツリーと呼ぶそうである。 (New Zealand tea tree)
学名はLeptospermum scoparium
昨日からの続きである。
カンヌの小さくて種が入ったままのオリーブはすごく味が濃い。
味が濃いのにしょっぱくはない。
若いころはオリーブは嫌いで、ピザに乗っていたらひとつづつつまんでよけたりしていた。
なぜならば丸くて穴があいて黒いから。なんとなく食べず嫌い。
なのに今ではすっかり好きになってしまった。
流れる汗がどんどん乾いていくような、ドライで暑い南仏の夏。
ほどよく塩気の効いたオリーブは引き締まった味で、香りもいい。
オリーブ専門店もあるし、市場ではたくさんの種類が売っている。
ペーストになったのも。
パリに滞在後カンヌに行くか、カンヌの帰りにパリに寄るかその年によって違う。
パリでもオリーブが出てくれば食べる。
しかし、先に南仏のオリーブを食べてからだと、気の抜けたような味でがっかりする。
それも大粒で見た目立派なのに、種が入っていなくてふやけたお味。
お行儀が悪いけど、種をプッと出すからおいしいのに。
パリのカフェでビールを飲みながらそういうと、同席したパリ在住のS女史は
「なんでカンヌから買ってこなかったの~最高のお土産なのに」と言う。
日本からは海苔や緑茶を持って行っていたのだが、次からはカンヌ調達のオリーブの方がいいかも。
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これは生のオリーブ、小豆島に行ったM子さんにもらった。
可愛い。
でもこのままでは渋くて食べられないそうだ。
あく抜きをするのは時間と手間がかかり、家庭では難しいらしい。
見ていたらオリーブがむしょうに食べたくなってしまった。
オリーブ大好き。
そしてこれは日本のデパ地下で買った大粒のオリーブ。
一応イタリアやスペインからの輸入品らしい。
期待はしていなかったけど、まずくはない。
まずくはないけどおいしくもない。
気が抜けてるのにしょっぱい。
お店の人はこのまま食べられると言ってたけど、塩抜きすればよかったかな。
そう思いながらも、チーズ、ワイン、オリーブのトライアングルで食べ続けていたら、
だんだんそのふやけた味に慣れて、あの引き締まった南仏のオリーブの味が遠ざかっていく。
東京にいれば大概のものは食べられるし、本当においしいものもいくらでもあるけど、やっぱりその土地に行かないと味わえないものもあるなあ。気候のせいがあるのかもしれない。
楊枝でつまみながら、ふと
『オリーブって、油脂をとるからピクルスにしたものもカロリーが多いのかな?』と不安になる。
調べたところ、50個ほどでご飯一膳分だった。ああよかった。
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➤パルファンサトリの春の香りを一足早くお送りします。 →今月のサンプル「さくら」
➤「香り」を創るのはフレグランスデザイン講座、「香り」を言葉で表現し提案するのが香水ソムリエ®講座です。 ☆4月生募集開始☆
野菜売り場を歩いていて、ふと目に留まった「ちいたけ」なるキノコ。
なんか名前が可愛くて、くすっとなるような感じ。
これはシイタケの子供ではなくて、ちゃんとした大人なのだそうだ。
ちいたけだけでは大きさがわからないので、普通のシイタケと並べて撮ってみた。
生の状態ではあまり匂いがないが、、、
石づきも一緒に、早速鍋に入れて食べてみた。
一口で食べやすく、歯ごたえがある。
濃縮された味で、「干しシイタケの直前」のような旨みがある。
トリュフもマツタケもマイタケも、食用も名も知らないものも、みんな個性ある。
キノコって本当に面白い。
お月さんのように大きなクリの入った栗ごはん、これは新宿高島屋の「心亭」のおにぎり。
そういえば今日は中秋の名月だったっけ。
お月見には栗がつきものだ。
昔、母が炊いてくれた季節季節の混ぜご飯。
たけのこごはん、豆ごはん、松茸ごはん、栗ごはん。
ご飯に混ざった食材の、それぞれの香りとちょっと香ばしいお醤油の匂い。
栗ごはんは年に一回くらいだったから、私の中では一番希少性があった。
今思うと、皮をむくのが大変だったからに違いない。
自分ではやらない。
大粒のゆでた栗を包丁で二つに割って、さじですくって食べたりするほうが簡単だ。
ゆで栗の匂いにはデンプン質のぽくぽくと粉っぽくキラッとしたところがあって、渋皮のちょっと青臭いアニマルウッディ感もあると思う。
栗に含まれるメチオナールという香り成分は、醤油(を薄めた)様ともイモ様(よう)の匂いともいわれている。
同じ成分が麹(こうじ)やサツマイモにもあるようだ。
焼き芋屋さんの引く屋台に、「くり(九里)より(四里)うまい十三里」と書いてあったのを覚えている。
甘さではサツマイモに負けるが、栗は微妙に甘いところがいい。
➤オードパルファン ワサンボン☆
キラキラとした微細な輝きに覆われて、口にふくむと淡雪のようにふわりととろける...
そんな極上の砂糖菓子をイメージしました。
この季節になると恋しくなって、ランチにデパ地下でタケノコご飯を購入。
「儀式」ってこんな味かも・・・。出来合いの筍ごはんはアクもなければ香りもない。
思い出すのは子供の時分。
春になるとどこからかタケノコが届いて、母がご飯に炊いてくれた。
大きな鍋に水をはり糠(ぬか)をたっぷりと入れて、太い筍をぐらぐらとゆでる。
朝からの雨が急に雪に変わって、曇りガラスの向こうの、雪の影が大きくなって横切っていくのが見える。
窓を開ければ、みるみる外がまっ白になっていく。
ベランダも屋根も、道も。
こんな日はなんだか眠くて仕方がない。
あったかい部屋の中で、今日はおこもり。です。
りっぱな洋梨やザクロ、くりなどが盛られたフルーツバスケットの横には、布に包まれたチーズが。
これはなんとなくうまそうな気配が漂う・・・。
真ん中の棒といい、ドームがかぶさっていて変わってる。
なぜこの棒が立っているかの意味は、その後すぐわかるのであった。
イベントタイトルは「東日本大震災復興支援、TOKYO TASTE 2012」という。
アトリエの隣に服部栄養専門学校がある。
その服部先生が中心に、活動を続けている「G9・世界の料理のサミット」が9月22日から始まっている。ご近所のよしみでチケットをいただいた。
9月24日は東日本大震災復興のために、いろいろな食の安全性、風評被害などの回復を目指してのイベントが行われた。
タバスコは赤いもの、そう思っていたら、ウチのM子さんが
「さとりさん、こんなものがあるんですよ~」
とスパイシー醤油、タバスコソイソースなるものを持ってきてくれた。
今日は、朝一で新宿御苑のチャノキを撮りに行った。
ついでに、のどが渇いたので御苑内の楽羽亭という茶室でお薄茶をいただいてみた。
八十八夜を過ぎると、新茶の時期になる。
毎年この新茶を送って下さる方がいて、「ああ、もう夏が近づいているんだなあ」と感じる。
ジメチルスルフィド(ジメチルサルファイド、Dimethylsulfide)という香料は、海苔の佃煮のにおいがする。
さとり「わあー、タラの芽とふきのとう!春の山菜がもう天ぷらでいただけるなんて♪」
よいち「さとりさまは、ついこないだ、『忍耐強く我慢をして、来るべきその日を待つのが日本人だ』って偉そうなこと言ってましたよね~」
最近とんと見かけなくなった黄身がふたごの卵(たまご)。
お菓子や料理にも使うし、薬用にもなり、もちろん香料でも重要な素材。
正確には、シナモンバーク、シナモンの樹皮を丸めて乾燥させたものである。
シナモンの味で一番小さい頃の思い出は、浅田飴のニッキ味だ。
いやいや違う、それは栄太郎の飴だったかも。黒くて、粉がふいていて、三角。缶に入っていた。でも、梅干し飴の方が好きだったけど。
少しして、喫茶店でシナモン・トーストといって、生クリームとシナモンパウダー、はちみつのかかった厚切りのトーストが流行った。高校?の帰りに寄ってよく食べた。
ハイカラな(古いな~)食べ物だったと思う。
あのころは喫茶店というものがたくさんあった。パスタといえば、スパゲッティ・ナポリタンくらいしかなくて。今はあまり喫茶店にいかないけど、いまでも出されているんだろうか?
六本木の竜土町に確かアメリカ軍基地があって、その横にパスタ専門店ができて、初めてスパゲティバジリコを食べた時、スパゲティはイタリアではメインの前に食べるなんて話を聞いて、びっくりしたこともあった。
話がそれたが、また少し後だっただろうか・・。クリームの乗ったコーヒーの横にそのままシナモンの棒がついてきて、それでかき混ぜるというのがなんか新しかった。
昔の記憶は前後して、ちょっと混ざってしまっているが。
漢方でもつかわれるように、桂皮は体を温め、おなかの調子を整える。女性にはローズやウスベニアオイとブレンドして飲むとよい。
シナモン・バークの香りはスパイシーノートのカテゴリに入る。香水の中に、少し入れると甘さが、たくさん入れると辛さがでる。
聖書の処方にも載っている古い素材だが、今でも使い方で新しい。
▶ 植物事典 クスノキ科 ニッケイ属 学名:Cinnamomum zeylanicum
ホテルニューオータニのサンローゼ、1階の角に、すてきな紅茶のお店ができていた。
いつも、正面玄関から車に乗ってしまうので気がつかなかったのだが、
4月にオープンしたようだ。
ヨーロッパ調の家具でまとめられた店内の、
カウンターでティスティングができる。
インドのブランドのようだ。
変わったティーバッグだったので、つい買ってしまった。
このアルミバッグのまま、カップに入れる。
お味はすっきりとして雑味がなくおいしい。
スタイリッシュなオフィスの午後のお茶に、いいかも。
緑茶の香りは、すっきりとしたグリーンと苦味が特徴だ。
これまで、グリーンティーのキーワードが何年も前から流行して、ブランドの香水のイメージにも盛り込まれてきたが、日本人からみて、それらはむしろシトラスに近い。
10年以上前、日本に来た外国の人に本当の緑茶や抹茶を出しても、苦すぎて人気がなく、砂糖を所望されたりしたものだ。(まあ、日本でも紅茶に砂糖を入れるし、好みの問題かもしれない)
また、海外で出される緑茶も、日本の緑茶ではなく中国緑茶の様で、日本茶のみずみずしい緑や香りとはほど遠いものだった。(中国には緑茶、白茶、黒茶、紅茶、青茶がある)
いまでは、少なくとも私が行ったフランスの家では、緑茶と言えばちゃんとした日本茶が出てくるようになった。ティーバックだけど。
それでも、日本から持っていった新茶などおみやげに出せば、やはり強すぎるらしく、午後3時以降は飲めない(眠れなくなるから)と言う。確かに、日本茶はカフェインが強い。
しかし、すしブームも定着しつつあってポピュラーになり、食材も海外でずいぶん手に入りやすくなった。少しづつ本当の日本の味が浸透していくのは嬉しい。(でもマグロはあまり食べないで欲しい)
▶ 関連ブログ 茶の世界史
▶ パルファンサトリコレクション 織部
「茶の世界史」は緑茶の文化と紅茶の社会というサブタイトルがついている。角山栄氏によって1980年に書かれた本である。
昔、デパートの帰りに母はよく天津甘栗(てんしんあまぐり)を買ってきてくれた。
キノコに代表される菌類の、少し乾いて湿った不思議な匂いは私の好きな香りだ。マシュルームノートという。懐かしさと温かさがある。香水の隠し味にもよく使う。