Parfum Satori

最後の香り Heaven Note

20190813mugi.jpg

何かの折に、「枯れた草の混ざった芝生のような、青臭さとひなびた匂い」が一瞬よぎる。

まったく脈絡(みゃくらく)なく、それは小学5年生の、夏の臨海(りんかい)学校の一場面を思い起こさせた。



『枕をかかえて広い座敷の畳(たたみ)に寝転ぶと、ショートパンツから伸びたひざこぞうに、ざらざらと砂があたる。

午前と午後の水練の間に、昼寝の時間なんかあったのか。。。合宿所の幅いっぱいに開け放された濡れ縁からは、海と浜が見え、潮風が後ろの中庭に抜けていく。

裏の花壇には7月の暑い日差しに照らされたカンナが、激しい色をして咲いていた。』

110706カンナ.jpg


数十年の時を経た「夏の学校」の思い出は、私を瑞々しい、まだ若い芽のような心へと連れて行ってくれたのである。

たった一瞬の香り、それは本当に芳香物質が流れていたのか、それとも私の深い脳に刻まれた記憶が流れ星のようにこぼれて、錯覚を与えたのかわからない。




私は記憶の旅をする。

額の中央あたり、脳の奥では映画のスクリーンのように情景が広がっていく。
目を閉じて香りをかぐといつもそうだ。


20190813organ.jpg


私は夢想する。自分のプライベートなオルガン、それはなにかしら心を揺り動かす情景を切り取った「香りの瓶詰」が並んでいるはず。

ただし、それはまだ香水になるまえの、短い処方のベースだ。

ふたはそうっと開けて、少し嗅ぐ。そして閉じる。また嗅ぐ。また閉じる。三回の反芻(はんすう)により、香りが過去へいざなう。




どの瞬間が一番幸せだったのかはまだ決められない。

だから私は、香りを作るために幸せな情景をひとつずつ思い出し、そのたびに幸福がリフレインするわけだ。




これは、その記憶を持つ自分でしか作れない香りなのだ。


オルガンには幸福がひとつずつ並べられていき、いつか「その一本」を選びたい。
最後の時に、最高の「思い出の香り」を嗅いだなら、安らかな気持ちになれるような気がするから。

そのときは香りの演奏が見送ってくれる。



そんな気がする。お盆だから。





夏季休業のお知らせ

8月13日から15日までアトリエショップはお休みです。

お盆休み中も、オンラインの受注は致しております。どうぞよろしくお願いいたします。






パフューマー・大沢さとり

「パルファン サトリ」は、フランス調香師協会会員・SATORI(大沢さとり)の香水ブランドです。コレクションはすべてSATORI自身の処方により調合された特別感のある香り。初めて香水を試される方や、外国の強い香水に疲れた方にもお勧めです。日本の気候と情緒に合う、優しくおだやかな香りをお楽しみください。

SATORI'S ピックアップ

パルファンサトリのオススメ商品や関連ブログ記事などをご紹介いたします。

最新作☆新緑の風と芳醇な樽の香り <br/> Mizunara -ミズナラ‐

最新作☆新緑の風と芳醇な樽の香り 
 Mizunara -ミズナラ‐

ミズナラの「新緑の風」と「芳醇な樽(たる)」の香りが組み合わされた、男性におすすめのフレグランスです。

六本木アトリエ・ショップのご案内

六本木アトリエ・ショップのご案内

みなさまのご来店を心からお待ちしております☆

東京都港区六本木3-6-8-2F

Tel 03-5797-7241

オードパルファン<br />SATORI(さとり)

オードパルファン
SATORI(さとり)

同じ重さの黄金より価値のある、最高の沈香木・伽羅の香りを表現したパルファン サトリの代表作品です。

フレグランスデザイン講座 <br/>パルファンサトリ

フレグランスデザイン講座 
パルファンサトリ

調香を学び、オリジナルの香りを作る講座です

抹茶の香り<br/>織部(おりべ)

抹茶の香り
織部(おりべ)

ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりとした甘さが残ります。

>

カテゴリ

月別 アーカイブ