Parfum Satori

2018年7月アーカイブ

土用 ウナギひつまぶし Unagi Hitsumabushi

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麻布十番「はなぶさ」のウナギは蒸しておらず、関西風に一気に焼き上げるのだとか。そのため、身がしっかりしているので、うな重よりも「ひつまぶし」のほうが食べやすいとお店の方にお勧めされた。

これは連れの若い衆がたのんだひつまぶしの大盛。すごい迫力である。

食欲をそそる香りが漂ってきて、思わずお腹がぐうとなるのである。

生のうなぎには蒲焼のにおいがないのだけれど、身を焼いて醤油だれが焦げることで、あの香ばしい鰻独特の匂いになる。

人類が火を使うことで得た恩恵は、社会的文化的進化と脳の発達と蒲焼きのかおり、とかなんとか、おいしいものを前にはしゃいでしまう。



熱を加えることで香りが生まれるのは、フレーバー・プリカーサー(前駆体)という物質がある食品で、コーヒーのローストされたにおいや焼き肉などにある。




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まづは鰻の骨をカラッと揚げて味をつけた突き出しを肴に、ちょっと冷酒を頂く。夏の楽しみである。

ドーム型の窓の外には麻布十番の街が眺められ、昔、このあたりでよく遊んだことを思い出した。




そして私はおもむろに小さめのひつまぶしに箸をつける。蒸さずに焼いたウナギに刻みを入れてご飯の上にのせてある。

関東風の蒸してから焼く方法は、身がやわらかく食べやすいが、時にたれが甘すぎてくどく感じることもある。

このひつまぶしは、しっかりとした身が濃い目の味を受け止めて、鰻の旨みが引き立つようである。薬味(やくみ)をかけたり、出汁(だし)で湯漬けにして食べてもよい。


ザ、ウナギを食べたという満足感を得た。


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ここはビルのインターホンを鳴らして入った5階にある。その上には螺旋(らせん)階段で上がるカフェメシ風のロフトがあり、インテリアはモダンでお洒落だが鰻の味は正統派で、期待を裏切らないと思う。







空蟬(うつせみ) ecdysis of a cicada

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7月上旬、通勤途中の道路に脱皮したばかりの蝉(セミ)を発見する。
歩道と車道を隔てるように並んだ、コンクリートの円柱の途中にしがみついていた。

まだ羽の脈が淡い緑色をしていて、ゆうべ生まれたばかりのようだ。目が黒々としてあどけなく見えるのは、からだの色がまだ薄いからだろう。

セミの抜け殻だけなら見た事があるけれど、殻から出てきたばかりの本体と並んで見るのは初めて。油蝉(アブラゼミ)かな?

周りを見渡すと、地面はブロックとアスファルトで一面に固められているのに、いったいどこから這い出てきたのだろう?

謎である。

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歩道をはさんで車道の反対側は、新しいビルを建てるための大規模工事中。地面を掘削したことで、あわてて出てきたのだろうか?それにしても工事現場は高い塀で囲われている。


それとも、その先に雑木林があるので、そこからやってきたのかも。
前の日は風が強かったので、枝から飛ばされてきたのかな?
羽が曲がっているけれど、ちゃんとに飛べるだろうか・・・。

謎と心配を後に残して、アトリエへと向かう。

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翌朝、また前を通ってその後がどうなったかを確認。

円柱に抜け殻は残っていたが、出てきたセミは当然もういない。
無事に旅立っていったことを祈る。



蝉は「幼虫は7年を地中で過ごし、成虫は1週間で生涯を終える」とずっと思っていたが、日本の蝉の場合、幼虫時代はもっと短くてアブラゼミは3-4年だというし、条件がよければ羽化した後1ヶ月も生きる個体もあるらしい。

『思い込みって多い』と気づくこのごろである。
いきものが脱皮をするのは、小さくなった殻を破って成長するため。




蝉は中国では再生、復活の象徴であり、フランスでも幸福のシンボルとされている。アールヌーボーでは蝉のモチーフがよく用いられている。

一方、蝉の生涯は日本では無常観とともに「もののあわれ」と捉えられた。
空蝉(うつせみ)、現身(うつしみ)と言う言葉には、日本独自の情緒が感じられる。

有限の命の繰り返しが、無限に続くのである。









このたびは日曜日のイベントです。みなさまどうぞお気軽にお越しください!


御霊祭りと藤娘 The Wisteria Maiden

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昼間の暑気が残る中、九段下を通りかかった。
にぎやかな人出に誘われて靖国神社の御霊(みたま)祭りを通ってみた。


全部で3万個以上あるといわれる提灯が参道にぎっしりと並んでいる。
そんな中、偶然目にとまったひとつの提灯。

あれ?と思って見たのは上から三段目の、角の右から2番目。

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「荒川区 西日暮里 五條玉緒」と書いてある。

五條玉緒先生は私が3歳から12歳まで習った日本舞踊の師匠である。もう何十年もお目にかかっていない。

特に探していたわけでなく何気なく眺めていただけのに、三万個もあるたくさんの提灯の中からよく見つけたものだとびっくりする。


『小さい頃に母の手に引かれ、日暮里(にっぽり)のお稽古場まで通ったんだっけ・・・。』

目の前に浮かぶのはちょうどこんな暑い夏、日盛りの道。すぐ近くには床屋さんの赤、青、白の三色のポールが回っていたのをよく覚えている。



五條流は、花柳珠實(はなやぎたまみ)が尾上菊五郎 (6代目)より五條の名を許され、五條珠實として流派創設したそうである。

母は小さい頃からこの五條流を習っていたのだが、珠實先生はそれはそれは、すばらしい踊り手だったという。
大人になってお稽古を続けるのを断念したのち、私を2代目の玉緒先生に弟子入りさせたものである。




帰ってからネットで検索すると、球緒先生はもうだいぶ前にお亡くなりになっていることがわかった。母は数年前に高島屋でお姿を見たと言っていたが、それはいったい誰だったんだろう?


提灯の写真を見ながら、母と二人で昔のお稽古場の様子などにひとしきり花が咲く。お盆のこととて、御霊(みたま)のお導きなのだろうか、とあとで思ったりした。





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写真は12歳のときに踊った藤娘。初舞台が3歳でテルテル坊主。
羽の禿(かむろ)、菊尽くし、祇園小唄と舞台を踏んで、

Perfumes The Guide 2018 (English Edition)

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We are proud to announce that 9 of our fragrances are listed in the 'Perfumes The Guide 2018' written by Luca Turin &Tania Sanchez and 5 among them (Hana Hiraku, Oribe, Silk Iris, Sakura and Satori) are rated as 4 stars. Hana Hiraku is also ranked in the top 10 of New Accords.

Top Tens (and a Five)
New Accords
XI L'Heure Perdue Castaña 
Eau des Merveilles
Bleue Everlasting 
Korrigan 
Seine 
Amoureuse 
Tank Battle 
Tian Di 
Twilly


For the actual reviews of our fragrances, please see below;
Hana Hiraku (Satori) ★★★★ melon floral 
What a joy it is to be surprised by a completely novel top note! And there I was thinking that the Japanese only liked cute florals. Described as "creamy melon" on the Satori website, the top accord of this fragrance is more like papaya, with a definite overripe milky-sulfuraceous note that not everyone will want to find in a fragrance. As time proceeds, the fog clears first to a green-floral accord, then to an unexpected umami note (perfumer Satori Osawa mentions miso and soy sauce among the drydown materials). It occurs to me that this is technically a fruity floral, but the fruit are from another planet. Amazing stuff, unlike any other perfume out there. LT
Turin, Luca. Perfumes The Guide 2018 (Kindle No.2844-2850). 

Iris Silk (Satori) ★★★★ woody violets 
Not a million miles from Caron's Violette Précieuse (though less citrusy up top), and far better than the latter's 2006 iteration. Very nice work. LT
Turin, Luca. Perfumes The Guide 2018 (Kindle No.3072-3074). 

Oribe (Satori) ★★★★ green floral 
I've always wanted this and never knew it: the pure, unalloyed smell of a posh florist, the air buzzing with the mean-green gossip of flowers chosen only for their looks, the muted screams of cut stems oozing sap, and the creamy clamor of hyacinths and lilies. Many perfumers from Envy (Gucci, 1997) onwards have tried to do this nasty-flowers thing, notably Florabotanica (Balenciaga, 2012), but this one actually hits the spot. Good, stable green-tea drydown. Extraordinary work. LT
Turin, Luca. Perfumes The Guide 2018 (Kindle No.4148-4149). 

Sakura (Satori) ★★★★ minty fruity 
I naturally expected a sentimental cherry-blossom floral in the manner of Shiseido's Ever Bloom (2015), but that would be underestimating perfumer Satori Osawa. Instead, this is a lovely, transparent accord of perilla mint and a watery, quiet cherry fruit note against a smooth floral background. European perfumers guilty of garish fruity-florals would do well to study this one and repent. LT
Turin, Luca. Perfumes The Guide 2018 (Kindle No.4721-4725). 

Satori (Satori) ★★★★ woody oriental 
A beautifully judged, complex, quietly penumbral woody-spicy accord. A fragrance for the very strong, totally silent type. LT
Turin, Luca. Perfumes The Guide 2018 (Kindle No.4770-4772). 


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次世代香粧品の「香り」開発と応用 普及版出版!High_technology‗information

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2011年刊 "次世代香粧品の「香り」開発と応用" の「普及版」がシーエムシー出版よりこのたび発売されました!


- 香料デザイナー、製品企画者向けに、国内外、各分野での消費者の最新嗜好動向と 「香り」の持つ機能性と可能性を解説!!-(シーエムシー出版:解説より)


2011年版(66,960円)は企業、大学、研究機関向けの高価な大型本でしたが、出版から7年を経て、再び普及版(4,644円)として発売されることになりました。

香粧品業界の専門家15名のトップバッターとして、私がファインフレグランス(香水類)の章を受け持たせていただき、執筆から発売まで約1年がかかった思い出深い本です。

「7年前に書いた次世代」と言えば今まさに始まっていること、当時の予言は当たっているのでしょうか?

それは本書をお読みいただき、今までのパルファンサトリの軌跡をご覧いただけたらと思います。



本出版物につきましては2011年にパルファンサトリのブログでも紹介しています。





普及版は書店でもお求めになれるほか、シーエムシー出版のページからもご注文いただけます。

オープン アトリエ OPEN ATELIER 8/26 ~香りはまぜてつくられる~

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香水のアトリエで香りの体験

サンダルウッド、アンバー、ムスク、パチュリ...
 

香水をつくりあげているそれぞれの香料を、単体でかいだことがありますか?

香料の原体をみたことがありますか?


ヘッドスペースを使った香りのミックス体験をはじめ、

香料原料やスクール生徒の皆さまの作品をご覧いただけます。


パルファン サトリのフレグランススクールにご興味のある方をはじめ、

香りが好きな方にお越しいただき、

香りの世界を知っていただく機会になればと思っております。


このたびは日曜日のイベントです。

みなさまどうぞお気軽にお越しください!


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■日時:  2018.8.26(日) 13:00 - 18:00

      お好きなお時間にお越しください。

■入場料: 無料 パルファン サトリの香水サンプル プレゼント!

■会場:  PARFUM SATORI アトリエ 東京都港区六本木3-6-8 OURS 2F

       最寄駅  六本木一丁目駅/六本木駅 ⇒アクセス

最寄駅からの順路➤地下鉄南北線 「六本木一丁目」駅 西改札より徒歩3分


     または➤地下鉄日比谷線、大江戸線 「六本木」駅 3番出口より徒歩7分


当日フルボトルをご購入いただいた方には、パルファン サトリの香水5種類のサンプルセットをプレゼント♪ 

パルファン サトリのコレクションはこちら

フウラン、風蘭、富貴蘭、Vanda falcata

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そのお客様から、「風蘭(ふうらん)」という、良い香りのするお花の話は以前から伺っていた。

「こんど花の咲く時期に持ってきますよ」とおっしゃって、6月のはじめにお預かりした時は、まだ緑の細い葉と、細いうどんのような白い根しかなかった。


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「どんな花が咲くのだろう?」

7月頃に開花すると聞いて心待ちにしていたのだけど、しばらく変化が見られない。水やりだけは毎日欠かさず、時々、変わったことはないかなと観察していた。


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6月27日、ふと気がつくと根元になにか軸のようなものが生えている。

「もしや・・・これは!?」
花芽ではないだろうか?

よくみれば、あちらにもこちらにも、いくつかが顔をだしている。いよいよ風蘭(フウラン)が咲くのかと期待が膨らむ。


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7月2日になった。

ぐんぐんと伸びてきた軸先には、くるりと巻いたつぼみがついている。
翌々朝には待望の一輪が花開いた。それが1枚目の写真である。

匂いをそっと吸ってみる。
「アレ?匂わない??」

1瞬、グリーンな香りが抜けたような気がしたが、顔を近づけても匂いが感じられない。スタッフも集まって香りを嗅ぐ。みな首をひねっている。

翌日には4~5輪が固まって咲いた。

朝のみずやりをしながら、スタッフと「やっぱり匂いがないよね」と言っていたのだけれど、
夕方5時ごろになって再度香りを確認すると、ジャスミンのような強い香りがする。

おお!

花の周囲5センチほどに、バニリン、マルトールの焼き菓子のような甘い香りの、ぼわんとしたドームがあって、その中からアニマリックなインドールが突き抜けるように匂っている。



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7月9日。小さな白い花が満開。
香りは3時ころからすでに強くなりはじめ、鉢全体が甘いグルマン調に包まれている。古い花ほど、早い時間から匂うようである。


はじめは茎がくるりと巻いた先につぼみがついていると思ったが、あのらせんは花の後ろの距(きょ)が丸まっていたのだった。

長く伸びた距には蜜があって、虫をひきよせるのだとか。この花が夕方から匂いが強くなる理由は、蛾媒花(ガバイカ)だからなのだろう。


昼の花たちは視覚で蝶を引き寄せ、闇の花は匂いで蛾を引き寄せる。


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お客様がここまで育てるのに20年かかったそうだ。

ちょうど満開時に先輩のパフューマーがアトリエにいらして、「ほう、これがフウランですか、話には聞いていたけど香りを見るのは初めてです」とおっしゃっていた。



もつれた糸かレエスのように華奢(きゃしゃ)で繊細。しかし美しい姿よりも香りで魅せるというところが、玄人好みの花である。







匂いの帝王、そしてパルファン・ル・ギド Perfume the Guide/Luca Turin

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この数年間で最も幸せなニュースがお客様によってもたらされた。いわく、「香水ガイドをみてパルファンサトリを知り、興味をもって来ました」とのこと。

よくよくお話を聞いてみると、2008年、2010年に続き出版した「香水ランキングガイドブック」の第3弾の英語・キンドル版が、この程(2018/6/26)出版されたという。

「匂いの帝王~天才科学者ルカ・トゥリンが挑む嗅覚の謎~」(チャンドラー バール/Chandler Burr著)のモデルとなったルカ・トゥリン。世界中の香水を5つ★で評価する『Perfumes The Guide(世界香水ガイド)』の最新版である。


出版元からは特に連絡がなかったので、お客様からそれを聞いたときの驚きと感動たるや!!なぜならば、この本にパルファンサトリの香水が掲載されることは、私の夢のひとつであったから。



ルカ・トゥリン氏は、生物物理学者であると同時に、香料の研究者であり、香水の評論家としても名高い奇才とでもいえばいいのだろうか。


今から約15年前に、この本との出会いがあった。

「匂いの帝王」は2003年に邦訳が出版され、当時の日本は(というか今でも)、香水に関する本が少なかったので、興味を持ってすぐに購入した。


読み進むうちに、彼の「香りの言葉力」と「破天荒な生き方」に非常に惹(ひ)かれていった。文中にいくつか掲載されている彼の香水レビューは、それまでの「ブランドリリースをなぞっただけ」の香水紹介本とはまったく異っている。

常識にとらわれない表現力の豊かさ、そして香水ブランドがスポンサーにいたら書けないだろう、辛らつな内容。その後、英語版も購入して日本語版と見比べながら読んだ。

詳しい内容については別の機会を設けたいが、例えば、匂い分子がどうやって嗅覚で認識されるのか、世界で支持される「形状説」に対して「振動説」を主張する彼の長い戦いや、神話のようなアンティーク香水店から最新の香料が生まれる香料会社のラボまで、彼とともに世界中に旅をする本である。

書の最後にもかかれているように、これはポピュラーサイエンスであると同時に、ヒューマンストーリーでもある。


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そして、この「匂いの帝王」に引用されていたレビューのオリジナル、「パルファン・ル・ギド(香水ガイド)」をぜひ読みたい!と思い、パリで古書店など回ってみたりもした。


やっと私が「Parfums :le Guide Edition 1994」を手に入れたのは2006年。インターネットでフランス語バージョンのPDFを発見、ダウンロードした。プリントアウトして、辞書を片手にむさぼり読んだのである。



やがて2008年に日本語版が出版された。

読むほどに「どうしても、ルカさんに私の香水を評価してもらいたい」という切実な気持ちでいっぱいになった。自分の香りには自信があったものの、日本ではまだ、香水は海外ブランドを買うものと思われていたし、小さなメゾンフレグランスが注目されることはなかったのである。


本のどこかに書かれた彼のプロフィールに、ある「英国の大学」にいると書かれていたので、(学部も研究室もわからないまま)とにかく香水のサンプルと手紙を入れてルカ氏に宛てて、郵便で送ってみたのである。

よく考えれば、フランス語で出版された後、日本語に訳されて私の手に渡るまでに年月が経っている。彼の行動力を想えばひと所に居つづけることはないだろうから、私の手紙がもし運よく大学まで届いたとしても、彼はおそらくほかの地に移ってしまったであろう。

時々、手紙の行方をぼんやりと思い浮かべた。自分は絶海の孤島にいて、海岸から投げ入れた「ガラス瓶に詰めた手紙」は、どこかへ漂流(ひょうりゅう)していくのだ。

そして第2弾が2010年に出版されてから、次の香水ガイドは出されぬままになった。



8年がたった。
2018年の3月。一通のメールが、共著者であるタニアサンチェス(Tania Sanchez)さんから届いた。読むと、「香水ガイドを書く予定なので、今月中にあなたの香水を送ってください」と書いてある。

「え、あの?香水ガイドのあの人?」
ようやく来たチャンスにスタッフとともに手を取り合って喜んだものである。全種類にするか、それともセレクトして送るか。最終的に日本らしい香水と、海外に輸出しているものを中心に9点を提出することにした。

急ぎ準備をしてサンプルと資料を送る。送った後で『しかし、芳しくない評価だったらどうしよう・・・。』
ちょっぴり不安もよぎるが、選考に上ったこと、舞台に立てるということが何より嬉しい。

最初の香水ガイドで1437点、Ⅱには1885点が掲載されたので、おそらく今回もより多くの香水が集められ、それをすべて評価したら半年はかかるのでは?

早くても出版は年末だろうと思っていたが・・・。


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リクエストから予想外に早い出版に意外な思いもしたが、プロジェクトはもっと前からスタートしていたのであろう。お客様が帰られた後、大急ぎでアマゾンでその本を購入して、キンドルで開く。

「うわー!ドキドキする・・・見るのが怖い。。。」と私。

「でも、それを見てお客様がいらしたんだからいい評価ですよ、きっと!」と励ますスタッフ。



satori で検索して掲載の項目をチェック。結果は香水5作品が★4つ、そしてニューアコードの世界のベストテン4位にも選ばれた。詳しくは昨日のブログのとおりである。

なんという嬉しさ。ブランドの生い立ちから、一つずつの香水のできるまで、そんな限りないエピソードが次々とよぎっていく。


海外からのお客様たちがパルファンサトリの香水を自国に持ち帰り、外国のブロガーさんに取り上げられ、世界中の香水ファンのSNSで話題になる。やがて「フレグランチカ」に掲載され、海外の香水ブティックで販売されるようになった。

ガラス瓶につめた私の手紙は少しずつ波に打ち寄せられ、別の形で彼ら(Luca Turin氏とTaniaさん)のもとに届いたものと思われる。

「自分の好きな香りを思うように作っているのだから、人に何と言われようと気にしない」
「たくさんのお客様がパルファンサトリの香水を買って下さるということが、何よりの評価なのだ」
と言い聞かせてきたが、やはりこうして自分のブランドが世界でも認められたことが素直に嬉しい。



この仕事を個人で始めてから19年、会社を作ってから10年。辞めたいと思ったことは数えきれないけれど、やっていてよかったと思うこともたくさんあった。挫折の数だけ復活もあったわけだ。


周りからはスロースターターともいわれるが、ようやくスタートラインに立った気持ちである。ただ、ただ、今まで支えてくれた人々に感謝するばかりである。





結果はこちら↓



パルファンサトリ★4つの高評価! 「匂いの帝王」が世界中の香水を評価する『世界香水ガイド』

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「匂いの帝王~天才科学者ルカ・トゥリンが挑む嗅覚の謎~」(チャンドラー バール著)のモデルとなったルカ・トゥリン。

2008年、2010年に続き出版した「香水ランキングガイドブック」の第3弾の英語・キンドル版がこの程(2018/6/26)出版されました。 

世界中の香水を5つ★で評価する『Perfumes The Guide(世界香水ガイド)』の最新版です!

パルファンサトリの香水は9つ掲載され、その内5つが★星4つにランクされました。

Hana Hiraku  (Satori) ★★★★

Silk Iris  (Satori) ★★★★  

Oribe (Satori) ★★★★    

Sakura (Satori) ★★★★   

Satori (Satori) ★★★★


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また、ハナヒラクは新しい香調(New Accords)のトップ10にもランクインしています!

Top Tens (and a Five)
New Accords

 XI L'Heure Perdue Castaña 
 Eau des Merveilles
 Bleue Everlasting 
☆Hana Hiraku /Parfum Satori
 Korrigan 
 Seine 
 Amoureuse 
 Tank Battle 
 Tian Di 
 Twilly



例えばこのように書かれています↓(日本語訳)

Hana Hiraku ハナヒラク (Satori パルファンサトリ) ★★★★ 
メロンフローラル

これほどまでに新しいトップノートに出会う驚きとはなんと楽しいものだろう。これまで私は、日本人は可愛らしいフローラルしか好きではないのかと思っていた。
パルファンサトリのウェブサイトには「クリーミーメロン」と記載があるが、この香りのトップアコードはむしろパパイヤっぽく、そこにはフレグランスの中では必ずしも多くの人が嗅ぎたいとは思わないミルキーな硫黄っぽい香りもしっかりある。しばらくすると霧がさっと晴れ、グリーンフローラルアコード、そして予期せぬうまみ香調(調香師の大沢さとりはベースノートには味噌や醤油の香りと語っている)が現れる。
専門的/業界的にはこれはフルーティフローラル調といえるが、そのフルーツは他の惑星からきたもののような印象を私は受けた。
そこらにあるどの香りにも似ていない、素晴らしい香り。

 

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このガイドブックを読んで初めてパルファンサトリを知り、六本木のアトリエショップを訪れたというお客様もいらっしゃいました。

ぜひ本をお読みいただけたら、そしてみなさまに香りをご覧頂く機会がありましたら、私どももとてもうれしいです。

アトリエへのお越しを心からお待ちしております。


これからもパルファンサトリの香水を、どうぞよろしくお願いいたします!




★パフュームザガイド→Perfumes The Guide 2018 (English Edition) Kindle

Mizunara-ミズナラ- 樹木鉛筆

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アトリエの大きなテーブルにいつも出しておくペンが壊れてしまったので、代わりの筆記具を何にしようか、お茶の時間にみんなで考えていた。

お客様がいらしたときに、安っぽいペンを使っていただくのは嫌だね、とかいいながら「鉛筆はどうだろう」という話になった。

「なんか、変わった鉛筆・・・たとえばプロ仕様の・・・職人鉛筆とか?」

来週にでも、世界堂か東急ハンズへ見に行こうと思っていた矢先、こんな素敵な鉛筆セットを頂いた。

実にタイムリー。




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「樹木鉛筆」という。10種類の材を使ってセットになった、それぞれの材のナチュラルな色合いも美しい鉛筆である。

ケースごとテーブルに出していても絵になる。

10種類の鉛筆は、ヒノキ、ローズウッド、ウダインカンバ、ウォールナット、チーク、ミズナラ、マホガニー、アフリカンパドック、ナーラ、ケヤキ。

削る前の鉛筆を、フンフンと皆で嗅いでみる。これだけでは材の香りを判別できない。

あんまりきれいだから使うのがもったいないような気もしたが、匂いも確認してみたいので「一本だけでも削ってみようか」ということになった。



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こんな鉛筆なら、本当だったら小刀とか、肥後守(ひごのかみ)を使いたいところだが、あいにく私もすでに鉛筆削りの時代に育った子供。まして若いスタッフにケガをさせてもと思い、ハンドル式の鉛筆削り器をアトリエの奥から持ち出してきた。

そういえば、小学校の頃「電動鉛筆削り」というのも登場したっけ。
教室にオフィシャルに導入されたのか、「新しいもの好き」が持ち込んだのかは記憶に定かではない。

そのころの電動鉛筆削りにはストッパーがなく、押し込めばいくらでも削れていく。もの珍しさも手伝って、クラスメイト(男子)が面白がって使っていたところ、新品の鉛筆1ダースがあっという間に半分くらいの長さになってしまい、先生に叱られていた。


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話がそれた。


最初は「ミズナラ」1本だけを削ってみたが、非常に硬く、ハンドルを回す手も重い。
Yさん「けっこう固いですね~」
K君「ぼくやりますよ~」
と交代で削る。

やがてあたりに樹木の香りが漂ってきて心地よい。
「どおーれ、フンフン」
削りたての鉛筆を順番に回したり、削りかすを嗅いでみたり。

「うーん、ほかの鉛筆の香りも違うのかな・・・?嗅ぎ比べるためには、この際だからやっぱり全部削ってみっか!」

順番に削ってみると、材の硬さにかなり違いがあって面白い。もちろん香りも違う。


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そこで、それぞれの鉛筆の、材の硬さと香りをディスクリプションしてみる。

1.ミズナラ/すごく硬い。これを10のうち「硬さ7」とする。香りははっきり、さっぱりしたウッディで、白くドライだが、木の甘さもある。青いバナナのような香りも感じる。

2.ローズウッド/「硬さ3」 比重が大きいのにそれ程硬くないのが意外。アニマルで重い香り。醤油のような辛さとこげ茶を感じる香り。ローズウッドの材と香料は別物である。

3.チーク/「硬さ2~3」。みずならよりずっと軟らかい。香りは茶色っぽく少しスパイシー。コクあり、味わいあり、アニマリックもある。  

4.ヒノキ/とても軟らかい。「硬さ1」白くてハーシュ、カサカサ・チクチクした強い匂いで特徴的。ヒノキオイルと基本的に同じ。あの新しいお風呂の香り。

5.ウダイカンバ/「硬さ2.5~3」 よくある鉛筆の香り、としか表現できない。香りはある方。甘い。


5種類ほど削ったときに、ケースにたまった削りかすを見て、「1種類ずつわけておけばよかった・・・」と後悔。薬包紙にそれぞれ包んでおけば、またあとでもう一度嗅ぎ比べることができたもんね。

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6.ナーラ/「硬さ2」 すごく軟らかい。匂いはほのか。ほんのり甘い。

7.ウォールナッツ/「硬さ1」 ヒノキくらい軟らかい。匂いは普通。名前からなんとなくソルティな香ばしさを予想したが、期待はずれ。後で考えればあたりまえではあるが、ナッツではなかった。ミドル以降だんだんと匂う。

8.ケヤキ/「硬さ4」削り具合にひっかかりが多かった。 ローズウッドがアンバー的な太いアニマルだとすると、ケヤキはシベットのようなシャープなアニマル。

9.アフリカンパドック/「硬さ3.5~4」 華やかな赤みのある香り。花のアブソリュードによくあるモソモソした豆っぽさ、コクとビター感があり、カカオ的。

10.マホガニー/「硬さ2」強く香りがあり、シダーウッドオイルのようなシャープなウッディ。   



茶飲み話のついでの遊び心でしたこと。材木屋さんからみたら違うかもしれないけど、硬度はあくまでイメージなので大目にみて欲しい。



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柔らかな木の触感と芯の書き心地が、しっくりと手になじんで優しい気持ちになる。なんだか懐かしく、昔を思い出してまたデッサンとかをしてみたくなった。

えんぴつ→シャープペン→ボールペン→万年筆→ジェルボールペン→消せるボールペンと、大人になるにつれ日常に使う筆記具も変わってきた。自分の履歴に毛筆が入っていないのが残念だ。また、鉛筆や万年筆を使いたい。


ステーショナリーが大好き。




ジャスミンの調香体験教室7月28日(土) Parfum satori fragrance school

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※こちらの講座は満席を頂戴いたしました。

調香体験講座のお知らせです。

先月行ったジャスミンの調香体験、満席を頂戴しご希望が多かったため、

今月の開講も決定しました!


日程: 7月28(土)午後13時30分から約90分 

場所: パルファンサトリ 2階 アトリエ 

受講料・教材費: 10,000(10,800円税込)  (要予約)

締め切り: 7月26日(木)13:00

定員: 5名


「ジャスミン」は花の香料の中でも4大フローラルのひとつにあげられます。

一般に手にする事の出来ない単品香料を使って、香水を調香してみましょう。

香水がどのようなものでできているのか、どのように作られるのか、

疑問にお答えします!

また、お作りいただいた香り(ジャスミンの香り1/2オンス(15cc))は、

香水瓶(ケース付)に詰めてお持ち帰りいただきます。

パルファン サトリ フレグランススクールにご興味のある方は是非ご参加ください!


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 受講受付の返信メールをもって申込み完了となります。


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106-0032 東京都港区六本木3-6-8 OURS 2F    

TEL 03-5797-7241 

 最寄駅からの順路➤地下鉄南北線 「六本木一丁目」駅 西改札より徒歩3分

     または➤地下鉄日比谷線、大江戸線 「六本木」駅 3番出口より徒歩7分


     ※矢印の順路は、坂がなく歩きやすいルートです。↓
パルファンサトリ地図map小.jpg


パフューマー・大沢さとり

「パルファン サトリ」は、フランス調香師協会会員・SATORI(大沢さとり)の香水ブランドです。コレクションはすべてSATORI自身の処方により調合された特別感のある香り。初めて香水を試される方や、外国の強い香水に疲れた方にもお勧めです。日本の気候と情緒に合う、優しくおだやかな香りをお楽しみください。

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最新作☆新緑の風と芳醇な樽の香り <br/> Mizunara -ミズナラ‐

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 Mizunara -ミズナラ‐

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六本木アトリエ・ショップのご案内

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みなさまのご来店を心からお待ちしております☆

東京都港区六本木3-6-8-2F

Tel 03-5797-7241

オードパルファン<br />SATORI(さとり)

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SATORI(さとり)

同じ重さの黄金より価値のある、最高の沈香木・伽羅の香りを表現したパルファン サトリの代表作品です。

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調香を学び、オリジナルの香りを作る講座です

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