Parfum Satori

2016年3月アーカイブ

匂へどもしる人もなき桜花 Cherry Blossoms

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匂へどもしる人もなき桜花 ただひとり見て哀れとぞ思ふ


慶政上人 風雅和歌集

 

Cherry Blossoms


Beautifully in full bloom

Without being seen by anyone but me

What a magnificent view

 

 

It is expressing feelings of excitement and loneliness when enjoying the beauty of cherry blossoms alone.  Isolated beauty.

 

 

匂うように美しく咲き誇っているのに、それを知る人もいない桜花

たった一人、素晴らしい風情だと思いながら見る


さくらにちなんで 毎朝の一服⑦ early_morning Tea

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「お干菓子、サクラ。

今日は春の陽気で、桜の便りももうまもなくと期待する、毎朝の一服。」


毎朝起きて、お菓子とお抹茶を頂く日課。

思いついて、ついでに写真を撮り始めてから、もう3か月を超えた。


その後、出勤途中の地下鉄で、インスタグラムフェイスブックページにアップ。

ページには、100近くの画像とコメントが載っている。


今回は桜にフォーカスしたダイジェスト版。

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ハートの形の抹茶椀。安っぽいと思ったけど、淡いピンクに若草色のお茶が映えてきれい。

「安いものを買うのはもうヤメタと言っているのに、バレンタインデー用にとハートのお抹茶茶わんをつい買ってしまう母。「一年に一回しか使えないかしら?」と言ったら、「桜の時期にも使えますよ」とお店の人に勧められたらしい。明日はホワイトデーにつき、私もハートを使ってみる、毎朝の一服。」



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「春だというのに寒いなあ、でも、お抹茶のビタミンで風邪知らず。」


宋胡録(スンコロク)とは、タイの陶器全般をさすが、もともとはタイのスワンカロークで焼かれたものという。
学生の春休み、母とバンコクに旅行に行ったときに買ったもの。

このときは、台湾とシンガポール、クアラルンプールにも周っている。




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この時期は、よく桜餅が用意されているのだが、それぞれに味が違う。
もすけだんごのが好きだ。



「やはり、主菓子があると気分が上がるわあ。もすけだんごのサクラモチ。リビングに座って、庭を眺めながら頂く今日のお茶は、見込みに薄紅色の御本手(ごほんで)の浮く、外は春霞のような刷毛目のお茶碗。」




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桜の花の塩漬けが甘さを抑えてなかなかではあるが、薄皮が厚くてすこしもっさりしたお味。

この日、インスタのコメントでさくらもちに触れていないところを見ると、あまり気に入らなかったのかも。。


「昨日、口切りのお茶を飲んで、今朝はナツメに残ってた古い抹茶を飲んだら、香りが抜けてて味がない。お抹茶は香りが命。 


雨に濡れる庭を眺めて毎朝の一服。」


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「桜もち、春の朝にはみどりの一服」


野の草花の抹茶わんにて、一足早い春を楽しむ。

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「おお、長命寺の桜もち!塩漬けの桜の葉を、ぜいたくに3枚もむいていくと、中からさくらのお姫さまが登場。毎朝の一服。 クマリン。 」



最初はお干菓子をつまむ程度だったのが、最近ではしっかり主菓子をいただく毎朝のお茶。
抹茶の効用か、肌の調子もよい。

何より、テラスに向かって座ってお抹茶を飲んでいると、心が落ち着いてくる。
母のように、あともう30年続けたいものである。 


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最後に今日のインスタグラム

「夜桜は艶やかで、心が騒ぐ。娘の頃は、持っている振り袖の中でも、この柄が一番好きだったっけ。お菓子は清月堂の落とし文。中の黄身餡が好き。」


パルファンサトリ 会社設立記念日 PARFUM SATORI Birthday

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今日、3月24日はパルファンサトリが株式会社になって7周年。

キルフェボンのケーキとお茶で、スタッフたちとお誕生パーティーをした。

フランスでは、7歳になると「分別(ふんべつ)の歳」とするらしい。

「7歳はもう子供ではないし、誰かに従わなければならない存在でもないが、社会規範に則って、自分で責任を取らなければならない」というらしい。

まだ7歳と、甘えてはいけないのだ。




2000年に、一人で香水の仕事を始めて16年になる。

始めてからずっと、「大海にたったひとり」の感であった。

四方八方、波ばかり。
進んでいるのか戻っているのかわからない中での私のモットーは
「たゆとえど沈まず(Fluctuat nec mergitur)
パリ市の紋章にある言葉だ。


そして2009年に自己資本比率100%で株式会社パルファンサトリを設立、今日で7年が過ぎた。
きわめて遅い歩みである。



会社を作ってからは、2009年秋のリーマンショック、2011年の大震災、消費税などなど、逆風と荒波にもみくちゃにされ続けて、どうやってここまで来れたのか?と思うと、やっぱり周りの人たちに恵まれ、かつ神様の加護もあったと思う。

船乗りが「板子一枚下は地獄」と、験(げん)を担いだり、海神さまを祀ったりするのがわかるわあ。。。



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最初一人でやっていた時は何もかも、自分がやらなければ、いつもまでたってもその仕事はそこに置いたままになっている。

そんな仕事したくないって、泣いたって、ふてくされたって、紙一枚のコピーだって動かない。



でも今は、スタッフの誰かにお願いすれば、自分が他の仕事をしているときに、その仕事が進んでいるというのが、本当にミラクル!

要領の悪い私がやるよりも、ずっと早くできてて、奇跡のように感じてしまうのだ。

「うわー、できてたの?ありがとう!」

あんまり喜ぶから、たまに
「ハードル低すぎる(笑)」
と返されることもあるけど。



昔に読んだ童話が思い出される。

貧しい靴職人が仕事に疲れきって眠ってしまうと、夜中のうちに、心優しい妖精たちが大勢で靴を縫い上げてくれて、朝起きたらそこにピカピカの靴がある!

というような、まさにその感謝の気持ちでいっぱいなのだ。



みんなはわからなかったと思うけど、この7年、プラス9年のことを思い浮かべると、ケーキを前にじんわり目元が潤んでしまうのであった。


社長の自覚をもって明日からまた頑張る!







志野茶碗 Shino ware

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母は志野茶碗を三つもっているが、その中の一つ。


陶芸仲間だった出光昭介(いでみつしょうすけ/元・出光社長)の作品で、実業家らしい豪快な作風がとても魅力的だと思う。


ただ、私には少し大きくて重いし、手に余る感じがする。

母曰く

「志野は60歳を過ぎないと似合わない」

と言うから、私には早過ぎるのかも。



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私は子供のころから志野焼が好き。暖かくふっくらした感じがいいと思っている。

しかし、志野なら何でもいいというわけではないということが、最近ようやくわかってきた。



上は陶芸家としては有名な方の作品らしいが、私にはしっくりこない。


持った時の重さといい、姿といい、悪くないと思うのだが、どうも肌に透明感がなくもっさりしたのが気にいらなくて使う気になれない。


有名だから良いとは限らないのが、相性と言うものである。



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ひいき目ではあるが、やっぱり母の作った志野が一番、清潔感があって好きだ。
素直な感じで手のひらにすっぽりと馴染む。

毎朝の定番はこのお茶碗で、時々は替え茶碗で季節のものを楽しんでいる。






ヒヨドリと桜 cherryblossom_&_Hypsipetes

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修善寺寒桜(しゅぜんじかんざくら)は、ソメイヨシノよりもかなり早く咲く。
2週間ほど前のことだから、もう満開を過ぎ葉桜になりかけているだろう。



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満開の修善寺寒桜には、たくさんのヒヨドリが忙しく飛び回っている。
ヒヨドリがいるときは、メジロはやってこない。

代わりに?
大勢のギャラリーがヒヨドリと桜を見に集まっている。


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桜を散らして花の蜜を食べている。

ヒヨドリは可愛いけれど、作物を荒したりすることもあって、害鳥とされることもあるらしい。


ソメイヨシノの開花宣言も出たことだし、一気に春がやってくる。
追いかけているうちに、追い越されていきそうである。






お彼岸 毎朝の一服⑦ Higan &vernal equinox

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「このお茶碗可愛い!ねえこれ、なんの柄?」


母に聞くと、いつもお彼岸の時に使うナラエだという。

「何で?」といわれを聞くと、

「そうねえ?」といいながら、奥から茶道大事典を出してきて調べ始めた。

その姿勢、勉強になるなあ。


これは奈良絵という柄で興福寺の絵仏師が始めたとか?

ホントのところ、何故お彼岸に使うかはよくわからないみたい。


そんなこと聞かれたってわかんないよ、昔っから、お彼岸にはこれを使うって決めてるから」

何かと質問するのがちょっとうるさいみたい。


お菓子は真っ黒い餡こ玉。

中身は緑のエンドウ豆の餡。甲州のお菓子だって。


毎朝の一服、久しぶりのダイジェスト版。


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3月春場所。お相撲の柄が面白い抹茶椀。
なんでも、お茶を買いに行くお店に、いつも季節のものがちょっと置いてあるので、つい買ってしまうとのこと。


「しかし、なんでもある我が家の茶道具、今週は春場所だからコレを使っているらしい。母の茶道。」


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青交趾のお皿に白い生落雁。



「生落雁(なまらくがん)というそうだ。しっとりと柔らかい落雁の間には、あんこが挟まっている。和菓子の世界も生ばやり?」





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「姫ゆずに見えるけど、コレはお饅頭。毎朝の一服は、赤坂塩野のゆずまんじゅうで。」


赤坂の塩野は、父が好きでよく買いに行った。
冬は柚子饅頭、夏ちかくになると、「青梅」というきれいな主菓子が楽しみな和菓子の名店。

日本って、いろいろはお菓子があるんだなあ・・・と3か月続けて実感!



➤インスタグラムに、「毎朝の一服」をアップしています。





香水ブランドができるまで④ フレグランスコンテストFragrancecontest

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そもそも、なんで世界調香師会議へ行ったかというと、その動機はまたさかのぼる。

だいぶ前になるが、とある日本の化粧品会社が2年に一度フレグランスコンペを開催していた。


その時のテーマは「日本女性の凛とした美しさを表現する」とかいうような内容だったと思う。

私はその年、コンテストには2回目の挑戦をした。

初めての出品のときは第2次審査まで進んだのだが、今度のテーマは
「絶対グランプリを取れる!」
との自信をもっての出品である。

そのコンペには、主催の化粧品会社と取引のある香料会社に所属していないとエントリーできないという条件だったので、くだんの、最初の取引をした香料会社の社長さんにお願いして、そこの会社のパフューマーたちと一緒に出品させてもらった。


それでなぜ、そこに出したかったか?というと、よく覚えていない。
なーんだと思われるかもしれないが、たぶん、私のようなキャリアのない人間がブランドを作るためには、賞が必要だと思ったのかもしれない。


私の出品作品のタイトルは「伽羅(きゃら)」。

そのイメージは
「座敷では、障子ごしの光のやわらかなほの明るさに、立居振舞がより美しく映えます。さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂に、その女性の面影を追う・・・そうした日本の美意識を作品にこめました。」

沈香木の香りを表現した、当時はまだあまりなかった「ウッディタイプ」の香水である。



絶対の自信作であったが、2次審査を通ったものの最終審査で落ち、ひどく落胆したのを覚えている。


その後、グランプリが発表され、展示場へ足を運んで香りを嗅いでみると、それは大手香料会社の、外国のパフューマーがとった「不思議の国のアリス」というタイトルの、オゾンマリンタイプであった。

なぜこれが、日本女性の凛とした香りなのか、私にはまったく理解できなかった。


自分の技術が未熟だったのだろうと言い聞かせてみた。

しかし、意地を張ってみれば、
「きっとまだ私の香りは早すぎて、日本では理解されなかったのだ」とのプライドもあった。

あの、サンローラン「オピウム」で有名な印籠型香水瓶のデザインだって、ピエールディナンが最初に持ち込んだ日本のブランドには採用してもらえなかったというから、身近にあるものというのは、案外評価が低かったりするものだ。

そうやって納得させたりして。


いったんは失望した私は、本場、フランスにあるという香水コンテストに出してみたいと燃えたのである。


大人の事情も分からない、世間知らずは、まったくもって懲りないというか、打たれ強いというか、持ち前の負けん気で、失意からの復活を果たしたのであった。若気の至りともいう。


記憶が芋づる式にさかのぼっていくので、いったいどこへこの話が落ち着いていくのか・・・。

ちなみに、そのだいぶ後の2006年に、「さとり」という名前で発売した茶壷香水は、この「伽羅」の香りが原型になっている。




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▶ さらさらとした衣擦れを余韻として、立ち去った後の静寂に、その面影を追う・・・そうした日本の美意識をこの香りにこめました。 茶壷香水さとり



香水ブランドができるまで③世界調香師会議world perfumery congress 

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今回は最初の大きい仕事について書こうかなと思っていたり、香料の調達についてはまた少し別のときにと思ったり。

話があっちこっち行ってしまうのはご容赦いただくとして、

香水の仕事が今に続く大きなきっかけは、2004年のWPC、世界調香師会議(フランス・カンヌ)にある。
そのご縁でたくさんの香料関係の方と知り合いになることができた。



そこで出会ったのが香料外資の日本支社長のS氏。

また、日本の大手化学メーカーから外資香料会社へ入られたF氏。

天然香料を多く取り扱っている日本の香料会社の社長さん。

そして当時は大きなオランダの会社にいて、その後独立し、パルファンサトリのバックアップをしてくださっている、南仏グラースの香料会社の社長さん、などなど。

その折、大御所パフューマーとも知り合いになり、
そのときのご縁のあった皆様には、今でもご相談に載っていただいている。


たぶん、わざわざ遠く日本から単身やってきたというアドバンテージで、そんな方々ともお知り合いになれたのだと思う。

その場の単なる名刺交換でなく、その後もずっと親身になってくださり、今の会社があるのは、皆様のおかげと本当に感謝してる。


そのWPCに行くきっかけを作ってくれたのは、私の恩師のパフューマーM先生である。

でも、またその話をするためには、どっかへそれてしまうかもしれないけど・・・。

つづく




香水ブランドができるまで 香料の調達② fragrancelowmaterial

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ある明るい秋の日だったと思う。

少量で販売してくれるという、ありがたい奇特なその香料会社を訪れてみた。
都心から電車に乗って1時間ちょっとのところである。

駅から15分ほど、駅前のまっすぐ伸びた道路を歩いたところに、その会社はあった。
正面はガラス張りで、明け放したドアから、強い香りが漂っている。
玄関の横には段ボールが積んであったりして。


声をかけて中に入ると、思いのほか若いパフューマーが社長さんで、気さくな感じ。
中を案内してもらうと、広い倉庫の中を大きく二つに仕切って、半分はラボ兼事務所、半分が香料保管室件工場、みたい。

のんびりした雰囲気の中、お年を召したパフューマーと若い女性アシスタントパフューマーが働いている。




思い起こせば16年前・・・最初に香料を発注したのは9月だった。
予算の関係もあるので、初回注文は汎用品を中心に、100グラムづつ30種類の香料を買った。

翌月は20本、さらに翌月10本、また10本と、少しづつ香料を買い足していった。

このたび記事を書くために、当時の発注書を探して読みかえしてみた。

一度には買えないので優先順位を決めて、増やしたり削ったりした痕跡が感じられる。


「こんな香料を買うのに苦労していたのか」
「あー、だいたい月の予算がこれくらいだったんだなー」
と、あまりにいじましいというか、いじらしい買い方で、思わず涙した。。。

というのは大げさであるが、「苦労したんだねえ」とほめてやりたい気分である。
そんな風に売ってくれた香料会社さんにもとても感謝している。

なにしろ、香料なしでは、「陸に上がった河童」というか、(ちょっと違うかな?)手も足も出ないでしょ。



まあ、そんな風にして注文したり通ったりしているうちに、ありがたいことに、
「大沢さん、オルガンが一つ空いているから、自分で充填するなら小分け量は半額でいいよ」
と言われ、

「渡りに船」とばかりに、自前のボトルと電子メトラーを持ち込んで、充填し、ラベルを張り、
最後に社長さんに検品してもらって、伝票を置いて帰るようになった。

そのうち、10gでも20gでも好きな量だけ買えるようにもなった。

量が少なければ、保管場所も小さくて済むということだから、割高になってもそのほうが良いのである。


そこのオルガンは、コの字型の直角なもので、どちらかというとジャンカール先生のオルガンに近い。

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そしてなぜ自前の電子メトラーまで持って行ったかというと、そのオルガンに備え付けられていたのは、アナログな天秤だったのである。(天秤についても、いつか書きたいことが満載だが、ここは後に譲るとして)


月に一回くらい通っていただろうか。
そこで、たまたま出会った方がきっかけで、初めての大きな仕事を得ることができたのである。


つづく


香水ブランドができるまで① 香料の調達 fragrancelowmaterial

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前回、私の調香オルガン台のことを書いてから、早くも1週間が過ぎてしまった。何から書いていいのか、話がひろがっていくのでとても難しいけれど。

調香オルガン台を作ったとしても、その上に並べるボトルと、その中身の香料はどうやって調達するか。
それはそれは、本当に苦労した。


香りのオルガン台に香料が無かったら、鍵盤のないオルガンと同じ。
もしくは、絃(げん)のないピアノかも。


もちろん、こだわりうんぬんは別として、料理人なら、肉も野菜も市場へ行って買うことができる。
画家なら、画材屋さんへ行って絵具を買うこともできるだろう。


しかし香料は、一般にはどこにも売っていないのだ。


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香料の原液が買えるとしたら、せいぜい、雑貨コーナーにあるエッセンシャルオイル。
いまでこそ、数十種類そろえているアロマのお店もあるだろうけれど、当時はそれすら、まだそれほど多くなかった。


調香で使う香料は、天然香料は100種類ほど、単品香料だけで最低200種類は欲しいところだ。
香料会社なら同等品の産地違いやメーカー違いなど延べていくと、軽く1000や2000は持っている。
(今はどこも減らす方向に向かっているが)

で、単品香料は売ってくれないだけでなく、仮に購入できたとしても、最低1kgとか、一斗缶(18kg)とかで流通しているのがふつう。

それを300種類も揃えるとなったら、倉庫がいっぱいになってしまう。

そこで、ほんの少しでも売ってもらえるところはないかしら、と、分厚い電話帳を片手に(そのころはネットで調べるというような時代ではなかった)香料会社をピックアップして、端から電話をしてみた。


近いところから順番に、200社くらいかけたのではないかと思う。

当然なことだが、量が小さくて種類の多い注文は、香料を詰める時間や、ラベルを打ちだし貼ったり
伝票をおこしたりと、手間ばかりかかって割に合わない。
サンプルだったら出せるけど、売るのは面倒、というのが普通だ。

やっぱりというか、ほとんどが門前払いの中、2社くらいがファックスでリストと見積もりを出してくれた。
しかし、10gあれば十分な香料でも、最低ロットが1kgからであったし、種類は20種類くらいしかない。

つまり、50ml入りの香水瓶の中に、わずか0.001gしか入れないような香料でも、なければその香りにならない。

そんな香料を1kg買ったら、100万本も作れてしまう。
ざっくり説明すると、そういうことである。



もう少し電話をしてみると、ようやく1社、埼玉にある小さな香料会社が100gでも売ってくれるというので、早速会いに出かけてみた。

そこに行ったときのことはよく覚えている。


ラボと工場と倉庫が一緒になって、体育館のように広い。
調香師が二人もいて、もうひとりアシスタントパフューマーがいて、あとはコンパウンダーさんと経理事務の人という小さな香料会社である。


本当にひとつの話をするために、その前の説明をしなくてはならず、どんどん話がそれていくような感じ・・・。

つづく。

Thyme and oil heater タイムと石油ストーブ

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Thyme and oil heater


A kettle is whistling on the oil heater. It is very warm.

This is a classic non-electric oil heater. It brings back memories.

 

When I went to a Japanese paper workshop in Kawaguchi, I had lunch at this traditional soba restaurant. Looking at the menu, I felt like eating Nabeyaki- Udon (noodles served hot in a pan).It feels like years since I had this.


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I saw an oil heater also at a café in Aoyama several weeks ago. The one I saw there looked a little more modern, maybe it was an electric type.

Since air-conditionings became popular, we rarely have a chance to see these kinds of

heaters, but the warmth of the fire is special.

 

When you turn the oil heaters on, you can smell a little sweet and oily kerosene.

 

This scent could be unpleasant but for me, a little nostalgic.

 

When I was a child, there was a ballet school next to the house I used to live in.

I could see a big window of the studio when I stepped out of the back door of my house.

 

On winter afternoons, walking down the alley before ballet lessons started, I would smell kerosene. They must have used the oil heater to warm up a room.

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Thyme essence always reminds me of a smell of the oil heater.

There is a hint of a sweet oily kerosene-like smell behind refreshing woody scent.

Also I can smell a bit of Turpentine oil that we use to dissolve oil colors.

 

Not only perfumes but smells trigger old memories, sometimes a flood of memories. It's interesting. This is why smells could help avoid dementia and increase your brain power.     I like the smell of burning charcoal.

 

Putting charcoal in a small hearth in a tea-ceremony room and when the ash warms up,

I can smell red embers with crackling sounds of charcoal.

 


日本語訳はこちら→石油ストーブのにおい http://parfum-satori.com/blog/2014/03/oilstove.html

私の<ミニ>調香オルガン台 My Perfume Organ ⑤

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このミニ調香オルガン台を作ったのは何時だっただろう。
2007年くらいだったかな?


このミニオルガンのボトルをどうするか、素材選びにはずいぶん歩き回った。
DIYの店で10ミリのアクリルキューブを買い、革製品の売り場でシルバーのキャップを見つける。

キューブとキャップをボンドで貼り付け、本体にする。
次にパソコンのプリンターでラベルを印刷し、小さい香水シールをカッターで切り抜く。


並べてみると、なんとミニ調香オルガン台のサイズにぴったりではないか。



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もう一つサイドテーブルも買っていたので、同じ色を塗る。
そこには5ミリの小さなボトルを作って置いた。

同じくパリのドールハウスのお店で買った本をちょっと置くと、ミニアトリエの誕生。

自分が小さくなって、ここに座ったつもりになってみる。
ちょっと、盆栽の楽しみ方に似ているなあ。


自分の頭に描いたものが、形になっていく喜びというのは、何かを買って得られるものとはまったく次元の違うものだ。

それが、たとえ出来栄えの稚拙なものであっても。

昨日より今日、今日より明日、人と比べるのではなく、自分の中での成長が感じられるということは、かけがえのない喜びなのである。



ウェブサイト トップページリニューアルのお知らせ PARFUM SATORI

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パルファンサトリのトップページが新しくなりました。

私の<ミニ>調香オルガン台 My Perfume Organ ④

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何か一つ、新しい事業をするということは大変だ。

こんな調香オルガン台一つ作るのだって、見つけることから始まり、送ってもらうときとか、組み立てたら「図面失敗!」で、板をまた切り直しなど、大小、細々とした問題が発生するもの。

なんでも構想を立てるところまでは楽しいけれど、すべてのことが、一度で思い通りになんか行かない。
ましてや仕事は多岐に渡って複数のことを同時にやらなくてはならないし。

そのたびに「ヒエー」とか、「ヤダー!」とかいいながら、それでも粘り強く続けることが大事だと思う。


前振りが長かったけれど、んな中で、この小さなミニオルガン台は、最初から最後まで楽しく作れたもの。


「この小さいオルガン台も、私が作ったのよ」というとやっぱりみんなびっくりする。

私はちいさなオルガン台を作り、世界中旅するときにそれをもって、景色と一緒に写真を撮ろうと思ったのだ。

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この小さなオルガン台は、二つのパーツから成り立っている。

パリのリュシュリュー・ドローにあるおもちゃ屋さんで見つけたドールハウスの店。
そこで、あれこれ探しているうちに、ミニチュアの本棚とデスクを組み合わせて、小さな調香オルガン台を作ろうと思いついた。

この上置き棚の部分は、背の高いタイプの本棚を中央から二つに切って、上の部分だけを使用。
そして、うまい具合にサイズ感の合うデスクがあったので、そこに乗せてボンドで貼った。

本棚の横の波打つ部分は、もともとの飾りを活かしたが、私のオルガン台のような、棚の曲線部分は、最初直線だったのをヤスリで削ってアーチ状にした。


買ったときは白木だったから、それをまたニスで塗ってオーク調の色にする。
これは小さいから、棚の隅の直角の部分が塗りにくい。

意外に手が込んでいて、つまみもついてちゃんと引き出しも開く。


やはり白木の椅子も買って、同じ色でついでに染めた。
これらは、日本に帰って来てからした作業だけど、、、

材料費はほんの十数ユーロだったと思うけど、パリから持って帰るときは、宝物のようにうやうやしく、壊れないように大き目の箱にしっかり入れて、スーツケースに詰めた。

フランスに行ってもブランド品を買うわけでなく、たぶんこのおもちゃが、そのときパリで買った一番大切なものだった。


このオルガン台が手作り品だというとみんな、「こんな小さなボトルもあるんですね」というから、「この瓶も私が作ったんですよ」とニヤリ。

つづく・・・。






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スクール関連ブログ記事や、スクールページも合わせてご覧ください。

スクール関連ブログ記事

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私の調香オルガン台 My Perfume Organ ③

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自作の調香オルガン台。
下の部分は、一枚の板からカットした。

その設計図をしばらく探していたのだが、ちょっと見当たらないので残念だ。
設計図と言っても、方眼紙をつなぎ合わせて、そこに手書きで実寸大の図面を引いたもの。

大きなアールが必要だったから、鉛筆に紐を結んでコンパスのようにして曲線をひいた。


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机から全部作るのはちょっと大変なので、オルガン台の本体はライティングビューローを利用することに。
小ぶりできれいなアンティークのビューローを探したのだが、日本にはなかなか適当なものがない。

ネットで調べに調べたところ、ボストンの家具屋さんに、イメージぴったりのものがあるのを発見した。
当時はまだ今ほどネット検索が盛んでなかったころだが、試行錯誤しながら見つけたときは嬉しかった。

15年前のこと、どうやって注文したのか詳しくはよく覚えていない。
ようやくお店から買うことができて、ボストンに住む知人の家に送って、そこからまた日本に送るよう運送会社を手配してもらった。

しかし、最大手の運送会社に送料の見積もりを取ったところ、な、なんと32まんえん。
送るだけで?吃驚仰天(びつくりぎょうてん)。

そこでまた知り合いのつてを頼り、輸入会社のコンテナに一緒に入れて、ボストンから送ってもらうことができた。

送料はごくごくわずかですんだ。




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ビューローの内側の部分を採寸し、それに合わせて方眼用紙に線を引く。
近くのDIYの店で板を買い、天板のサイズに合わせて板を直線カット、さらに設計図面に合わせてアール部分の曲線カットもオーダー。

さすがDIYの店、自分の糸鋸ではこうはきれいに切れない。
比較的薄い板を使ったので繊細な感じに作ることができた。

棚を階段状にするために、後ろには支え板をつけて持ち上げている。

工作をよくやる人ならすぐわかると思うが、
このひな壇のような香料を並べる台の部分は、そういうわけで、組み立てた板と板をバラせば、また元の一枚の板に戻るのである。




あとはビューロー本体と、上に置いた棚に色を合わせて、深いローズウッド調の色にニスを塗る。
ビューロー本体の中に、棚の部分が格納できるか調整。

「おおーっ」という感じで、外と中がぴったりと合ったときの感激!


そして、香料をひとつづつ並べてみると、夢にまで見たという言葉があるが、本当にイメージ通りのエレガントなオルガン台になった。


自分の頭の中の構想から、素材を選び、発注して、図面を起こして、組み立てて・・・と、自作の調香オルガン台とはいえ、完成まではいろんな人の手を借りてるので、みんなの合作でもある、と思っている。







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オードパルファン<br />SATORI(さとり)

オードパルファン
SATORI(さとり)

同じ重さの黄金より価値のある、最高の沈香木・伽羅の香りを表現したパルファン サトリの代表作品です。

上質なくらしの色と香り<br/>紺白

上質なくらしの色と香り
紺白

光をふくんだリネンのように柔らかく癒されるこの香りは、男女を問わず、お着けいただくことができます。

ギフトに!お試しサイズ<BR/>10本レフィル

ギフトに!お試しサイズ
10本レフィル

ちょっとしたギフトに、10本レフィルA。パルファンサトリの香りを少しづつお試しいただけます。フルボトルをプレゼントする前に、二人で一緒に香りを選びましょう。3240円。

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フレグランスデザイン講座 <br/>パルファンサトリ

フレグランスデザイン講座 
パルファンサトリ

調香を学び、オリジナルの香りを作る講座です

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