Parfum Satori

2015年7月アーカイブ

イワシでランチ ビストロヴィヴィエンヌ,BISTROT VIVIENNE

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パリ最終日、ヴィヴィエンヌのビストロでランチを食べる。
ギャルリヴィヴィエンヌの老舗ワインショップ、LEGRAND Filles et Fils の隣にあって、以前から入りたいと思っていた。


「今日のランチメニュー」をざっくり見て、サーディンと書いてあるので注文したところ、オイルサーディンの缶詰がそのまんまお皿に乗って来た。

ちょっとびっくり。まんまだよ。

箱から缶が半分くらい顔をだし、端がちょっぴりめくってある。
バターとレモンが二つ。
薄く切ったライ麦トーストがついている。

しかしパッケージは確かにステキだし、オイルに浸っているので、このまま食べた方が合理的ではある。

カリっとしたトーストにバターをたっぷり塗って、ややしょっぱいサーディンにレモンをどっさりかけてのせると、これがまた美味しい!

日本でもたまにオイルサーディン食べるけど、ここのは脂がのってて

「なんか全然ちがう~!」

この暑いパリで、ピリピリする冷たいバドー(炭酸水)と一緒だと、格別なお味。(本当はワインを頼みたかったんだけど)


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イワシは北スペインのカンタブリア海でとれたものだそうだ。

少し塩気が強いけど、汗をたくさんかいたのでそれもおいしさの秘密かも。

☆ZALLO SARDINILLAS




パリノパサージュ2014年の記事➤ ギャラリーヴィヴィエンヌGalerie Vivienne

お盆休みのお知らせ

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お盆休みのお知らせ 
 8/12(水)~8/16(日)まで、サロンをお休みさせていただきます。 
オンラインの受注は受け付けております。発送は16日から順次させていただきます。





イリスオム60.jpg
☆パルファンサトリ オードパルファン イリスオム
あっさりとしたシトラスから軽く始まり、時間の経過とともに、ミドルノートからラストノートまで、イリスの優しい香りが穏やかに香り続けます。

8月3日(月)より、イリスオムのサンプルをお送りさせていただております。
ご希望のお客様は、サンプル送付のお申込みページから→ こちら。 

パリの古書店,ギャラリーヴィヴィエンヌ,Redoute_Paris,

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エチエンヌマルセルからヴィクトール広場を突っ切って、ギャラリーヴィヴィエンヌへ。
ここはパリの中でも特に美しいと言われるすてきなパサージュ。

外出といえば仕事オンリーで、時間がまったくとれなかった今回のパリ。
日本への出発は夜の便だったので、この日の昼間ようやく自分のために街をウロウロする。


いつもはパリにくれば書店を回って、香水関係や花の本、資料などを探している。
かさばらないし、旅の思い出にも、おみやげにもいいものだ。

こうした植物画やファッション画、香水ポスターは、のみの市などで買うことも多いのだけど、今回は週末が忙しく、行くことができなかった。

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そこで近くのカフェでランチを食べた後、出発前の最後の最後に、この古書店に入ってみることにした。

パサージュの入り口からちょっと外へ出たところ。
知ってはいたけど、毎年素通りしていたのだ。

ふらっと入って見ると、なかなか雰囲気のあるお店である。

ムッシュが退屈そうに新聞を読みながらお店番をしている。

声をかけると顔を上げたので、

「香水の本ありますか?」
「ないよ」
と、つれない返事。
「じゃ、花のは?」
「あるよ」

棚には画板を2枚重ねたものがぎっしり。
おもむろに立ち上がり、3~4冊を無造作に選ぶとそこへ座れという。



目の前の折りたたみ書架を広げ、その上に画板をのせてくれる。
本ではない。

大きな画板の中にはたくさんの絵が挟まっているので、V(ブイ)字型の書架にのせたまま、広げて1枚ずつめくって見て行くようになっている。


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あまり気乗りのしない絵が多いのだけれど、いくつか香料植物などの絵をピックアップ。
このカーネーションはまあまあかな・・・。

裏には鉛筆で価格が書いてある。
このお値段なら、お財布に残ったユーロで、5~6枚は買えそうだ。


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ためすがめす眺めたり、一枚いちまい熱心に選んでいると、脈(みゃく)有りと思ったのかムッシュ、反対側の奥の棚からも大きな画板を出してきた。

閑な店かと思えば、選んでいるうちに観光客だけでなく、近くのオフィスのビジネスマンやらマダムやら、ひっきりなしにお客さんが来る。
結構はんじょうしているみたい。

この写真の左奥には、古い製本機が飾ってある。
ギアをまわして上からプレスするためのもの。

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あたらしい画板の中から一枚を取り出し、

「この葉の絵は、オーストラリアの原住民が、本物の葉を特別な加工をして、葉脈だけにしたものを貼ったもので、とてもめずらしい18世紀の作だよ。」

と薦める。
これ、夏休み自由研究とかで、重曹で葉を煮込んで作った葉脈標本みたい。。。


さわってみると凹凸があるし、確かにちょっと変わったテクスチャーだ。
味わいもあっていいけど、裏を返して価格をみたら案外なお値段。

私の驚いた表情を見てムッシュ
「あー、これは当時の値段で、今だったら安くしてあげるよ」

むむ、なおさらアヤシー。。。

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お、こっちの束の方がちょといいかも。
紙質がいいし、絵もしっかりしてきれい。

そう思ってめくっていると、心引かれる絵が出てきた。
「これいいなあ・・・」

白いジュネの絵は、地味だけれど清楚でかつ品がある。

裏を返して値段を見ると、さらに、び、びっくり。
「マルがひとつ多いじゃない!」

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「あー、それはね、ルドゥテだからね、ちょっと高いんだよ。知ってる?」
「え、ルドゥテなら、薔薇は無いの?バラ!!]

「バラなんか、高すぎるよ。こんな値段じゃ買えないよ」

探して見ると、他にルドゥテのボタニカルが5枚ある。


「カード使えます?」
もう、欲しがってるの丸わかり。

「カードはやって無いよ。現金だけ。でも、もう他のは売っちゃって、これは残りだから、この金額よりちょっと安くしてもいいよ。」

『ううむ。まずい。。。こんなところで最後に趣味のお買い物なんて。しかし・・・どうしても欲しい。』

「2枚だったらいくらにしてくれる?」
「××ユーロだね」

「んじゃ、3枚なら?」
「△△ユーロ。これっきり」

「とてもきれいだというのはわかりますよ。でもこれ、印刷でしょ?それにしちゃ高いんじゃいの?ブーブー」

「こんな値段で手描きのがあったらその方がおかしいよ。」


そりゃそーだ。

でも比べてみると、この絵を見る前に選んだものは、ずっと安っぽく見えて、もう買う気にならない。
そっちは全部やめてしまった。


なんだかんだやり取りの末、
やはり気に入ったから買うことにした。
そりゃ、ムッシュの方が絶対上手だけど。


ムッシュにはお店でちょっと待っててもらい(待つに決まってるが)、近くでお金をおろし、ついに買ってしまったのである。。。

『まあ、今回は自分の物はひとつも買わなかったので、このくらいのお買い物はいいかな。』
といいわけしてみる。


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お支払いを済ませてからは、さらにご機嫌のムッシュ。
「じゃあ・・・」といって、彼はさっきの葉脈の絵をいち枚、おまけにつけてくれた。

『えー、あの絵、わりに高かったのに、ただでくれるの?嬉しいのか嬉しくないのかわかんない△○×??』


早速お包みしてくれる。

あれ?古ポスターでくるんでるよ。

「ノンノンムッシュ、くるくるまいちゃ駄目でしょー!まっすぐ平らにして持って帰りたいの!」


こうして、ゲットした絵は、せっかくパッキンしたスーツケースをひっくり返し、一番底の固い平らな部分に入れて、大切に持ち帰ったのであった。







パリで晩ごはん foie gras&escargot

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先週パリへ来てからの毎日は、暑くて集中力が落ちているのか、思うように運ばないこともあったりして、普段の3倍くらいのエネルギーを使う。
土曜日にざっと一雨降って以来、朝の温度は少し下がって過ごしやすくなった。


さて、この日は仕事が終わって、お部屋に帰る途中、魅力的な店構えの食品店を見つけた。
いい店は外から見た感じで匂う。

入ってみたら、やっぱり当たりだ。
もしかしたら日本のガイドブックなんかでは、すでに取り上げられて有名なのかもしれない。

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フォアグラとか、いろんな瓶詰とかオリーブのものとか売っている。

この前日にマレ地区でいくつか見つけた食料品店は悪くなかったのだけど・・・少しツーリスト向けっぽかったり、ただ古いだけっぽかったり。

いまいち買う踏ん切りがつかなかったのだが、ここではあれこれ買うことに決めた。


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天井も、キャッシャーも、昔っぽくて、とっても素敵。
レジのお姉さんもキビキビしてきれい♡



お会計を済ませ、一度外に出るも、店の前にテーブルが出ているし、ふと見ると隣が併設のレストランっぽい。

こ、これはうまそうな感じ。。。
「今日はここでディナーにしませんか?」

と、連れを誘う。

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パリでは暑さと疲れで食欲がなく、朝抜き、昼抜き、夜はお部屋で簡単なものを食べる毎日。

たとえば電子レンジでご飯を炊いて、味噌のおにぎりに上等の海苔をまく。
これは私のソウルフード。

またはバゲットにバター、野菜とチーズ。
そしてワインボトルは、ガソリンタンクのようなものである。

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「せっかくキッチンがあるのに、毎日パンにサラダじゃ乗り切れないわよ、今日は栄養のあるものを食べなきゃ」
と連れに言われてその気になる。


量が多そうなので、モアチエ(シェア)しながら何品か頼むことにした。

この、エスカルゴは丸々としてツヤもあり、見るからにおいしそう。
ガーリックの匂いが、食欲をそそる。

ワインは赤。
あまり飲むと、帰りが大変なので今日はグラスで。

冷たいほうにしてもらう。
期待通り、タンはあるけど軽めの赤で、こんな疲れた日には楽に飲める。

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そして、素晴らしいフォアグラ!

私は日本ではフォアグラはめったに食べない。
脂っぽくてなんだか胸焼けがしてしまうから。

でも、このフォアグラはフレッシュですごく美味しい。
ライ麦の薄いトーストに塗って食べると、まるですっごく上等のバターのよう。

驚くのは、上の付け合わせはなんと寿司で食べる「ガリ」。

確かに、このガリの酸味とジンジャーの辛さが、フォアグラをさっぱりさせる。
日本食はこんなところまで浸透しているんだなあと感心してしまう。



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チキンサラダ。
トマトの味が濃くて、生き返る。
今フランスは猛暑が続いているので、野菜がよくないうえに高騰しているのだ。
またこのチーズがブラボー!

さても16歳の夏に初めてパリに来た時、駐在員の方に連れられて入ったレストランで食べたランチがチキンサラダ。

そのころの日本では、チキンをサラダに入れるなんてしなかったのかなあ?
なんか、びっくりするくらい美味しくて、滞在中は連日チキンサラダを食べたっけ。


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うわー、牛肉頼んでみたらすごく大きすぎる!
それに、付け合わせのニョッキも、こってり~。

でも、肉質がさっぱりしてるから、意外といけちゃうかも。


といいつつ、平らげてしまう。
肉って、消化がいいのかしら?




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左が食品店、右がレストラン。
エチエンヌマルセル通りから、モンマルトル通りに入ったところ。
たぶん。

COMPTOIR DE LA GASTRONOMIE,
http://www.comptoirdelagastronomie.com/



そしてパリヘ Paris 

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行きはシャルルドゴールからニースへ飛行機で来たのだが、帰りは近くの駅で下ろしてもらい、TGV(フランス高速鉄道)に乗ってパリへ。

チケットは前もってフランスのネットで買った。
フィックスなら安いが、行きのエアフラで痛い目にあったので、予約変更可能なチケットを選ぶ。

田舎の駅なのに、近代的。
びっくりは、なにより改札口がない。
全部、車内で車掌さんが改札する。


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来た来た。
ホームは、到着時間少し前にならないとゲートが開かない。
TGVに一人で乗るのは初めてなのでちょっと緊張する。

私は2階の席を取ったのだが、大きいスーツケースを持って、狭い階段をあがるわけにはいかないので、いち早く乗って、1階の荷物置き場を確保しなければならない。


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やれやれ、席についた。こちらは二人掛けだが、反対側は1人掛けの席。
あれれ、一人掛けの椅子をリクエストしたはずなのに・・・。


パリまでは3時間半、席はゆったりしてリラックスできるけど、寝るわけにもいかず。
バドーとパンオショコラ、パンオレザンなど、おやつを食べたりして過ごす。

少しネットを見ていたがモバイルワイファイは、切れたり繋がったりで不安定。
本も読んじゃったしな。

外を見れば、繰り返す田園風景。
日本だと、列車の窓からは田んぼや畑の中に、看板だとかヘンテコな建物があって、雑多な感じだけれど。



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ようやくパリのリヨン駅に着く。
すごく広いし、暑いし、さすがにここからはタクシーに乗ることにする。

と思ったら、タクシー乗り場は長蛇の列。
それに、なかなかタクシーが来ない。

1時間くらい待ってようやく乗ることができた。
日本で旅行するのとは違って緊張もするし、移動だけでもかなり疲れる。




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やっぱり、見慣れたこういう建物を見ると、パリに来たっていう気分になる。
でも、とにかく暑いし、暑いからよけいに街は臭うし汚い感じ。

どうしてもっと掃除しないのかなあ。
海外に出ると、日本って本当に清潔な国だって再認識する。


この日はもう、部屋でゆっくり過ごすことにした。
アパートメントホテルなので、近くのスーパーで食材を買ってお部屋で食事。


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これは、別の日に通りかかったときに撮ったノートルダム寺院。
うっかり上など向いていると危ないので、見張り付きで。


いつ、何度とっても、同じようにきれいに撮れる建物だと思う。




オランジュのローマ劇場 Théâtre antique d'Orange

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滞在中のアルディッシュからほど近く、オランジュという小さな街がある。
ここは1世紀に作られた劇場のある街。

小さな凱旋門と、このローマ劇場が世界遺産で、観光資源となっている。

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世界遺産にも登録されたローマ遺跡。
2000年も残っているとは、さすが石の文化。

約8000人から1万人が収容できると言われるが、今日はほぼ完売の7000人が入場したそうである。


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急な石段を一気に5階建て分くらい上る。
一段がとても大きく、もし足を踏み外したら転がり落ちそうで怖い。


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すり鉢状の観客席は石でできているので、4場面3時間半座りつづけるのはつらい。
そのため、会場の外ではクッションを売っている。


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舞台後ろには36メートルになる石壁。
中央からはアウグストス像が見下ろしている。



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上映中は撮影禁止のため、階段を登り切って観客席に入ったところから撮影。
まだ、あとからどんどん人が入ってくる。

暗くなるにつれ、照明やオーケストラの音合わせなど、雰囲気が盛り上がる。

そして、最初はフランス国歌ラ・マルセイエーズ。
全員立ち上がって斉唱する。



巨石を積み上げた壁は音響効果も素晴らしく、カルメンの歌うアリア「ハバネラ」が会場全体を震わせる。
圧倒された3時間半。


 Bizet  Carmen

               Carmen :Kate Aldirich
               Don Jose :Jonas Kaufmann 


L'amour est un oiseau rebelle
Que nul ne peut apprivoiser
Et c'est bien en vain qu'on l'appelle
S'il lui convient de refuser

                    (オペラ カルメン 'ハバネラ' より)

              

Théâtre antique  d'Orange ➤ http://www.theatre-antique.com/




この後、TGVに乗ってパリへ!



南仏のカントリーハウス⑤ Country life Ardèche

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本当はもう、パリに移動して数日が経っている。
でも、未体験の田舎暮らしは語りたいことが満載。
もっとも感動した場所を締めくくりにしたいと思う。

カントリーハウスから少し車で走ったところに、花崗岩(かこうがん)でできた小さい山がある。
この中腹に清水が湧いて、小さな泉があるのだという。

夕方でもまだ暑い陽が照り付ける、白い石灰質の山道をてくてく歩いていくと、やがてせせらぎが流れる森に入る。

頬を流れるひんやりした空気。薄暗い木立。

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段差のある小川を、上流に登っていく。

すると、広く浅くなって、流れがゆったりとした部分に、木漏れ日が細いいくつもの帯になって射しこんでいる。
奥の暗さと、光のまばゆさに目が眩む。

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そこには、黒い翅をもつ蝶のようなものが、光の帯の間を飛び回っている。
いくつも、いくつも。

エメラルドグリーンとターコイスブルーを時折きらめかせながら、二つの影はもつれ合い離れ、また追いかけて踊る。

これは、現実なのかしら?自分はどこにいるの?
まるで、ディズニーの映画のワンシーン。


なんとかカメラで撮りたいと思っても、ひらひらと舞いながら枠から消えてしまうし、動いているからこそ煌(きら)めくのだ。

何枚もトライしながら絶対につかめない、もしかしたら掴(つか)んではいけない瞬間。

諦(あきら)めてぼうっと眺めていると、徐々に光に慣れ、それが糸のように細いトンボだということに気が付いた。
岩場や木の枝に、数多くのそれが翅を休めている。


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日本ではハグロトンボという。
はばたきがひらひらと緩いので、飛んでいるときは残像で4枚の翅が6枚にも見える。


近づけばまたふっといなくなってしまうので、遠くからようやく撮ることができた。
青と、緑。

そして下がお気に入りの一枚。

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源流は小さな泉。
石灰によりターコイスブルーをしている。

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小さな泉の周りには、藪をかき分けて通る細い道がある。
ぐるりと回って、開けたところに腰かける。


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しかし、近づけば透明度は高く、水温は低い。
小さい魚がいるなんて!

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帰る道、森から出るころは陽は斜めになり、草原の影が長い。
なにか、映画の中に入って、そして抜けてきたみたい。


私はカタツムリ。
ゆっくり食べ、ゆっくり歩く。


遅いということは、エレガントなのだ。


ファストとつくもの、ファストフード、ファストファッション、、
世の中の早いサイクルに合わせれば、エレガントは消えてしまう。

特別なもの、特別な場所、それが、プレシャスでラグジュアリーでエクスクルーシブなもの。
それは、作り手も時間をかけて、買う人も時間をかけて探すもの。


「流されてはいけない。自分がいいと思うことをしなさい。自分がいいと思うものを作りなさい。」
それが、カントリライフの啓示。



南仏のカントリーハウス④ Country life Ardèche

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食事はいつもとてもシンプル。
ローカルな野菜と果物、少し高くても安全な食材をほんの少し買う。
加工食品はできるだけ買わない。


味付けもオリーブオイルと塩コショウ、フレッシュなバジルとか。
固いバゲットに、バターかペーストがあればそれを塗る。

昔は日本でも、お昼はごはんと味噌汁ともぎたてのきゅうりに味噌、なんて食事だったもの。

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もっとも暑い時間はあまりできることがないので、家の中で本を読んだりしてすごす。
部屋数が多く広いし、蝉しぐれ以外は静かなので、みんなどこで何をしているかあまりわからない。

わたしは靴を脱ぎ、滑らかな石の廊下を、足音をひそめて歩く。
猫は一番涼しい場所を知っているというが、北向きの二つ目のリビングで本を読む。

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夕方、近所までドライブに連れて行ってもらうこともある。
車を動かす間は、交代でワイファイやスマホの充電をする。
村まで行けば、少しの間ネットがつながる。

私の持っている電気製品は、ノートパソコン、スマホ、ワイファイ、デジカメ。
カントリーハウスについたら充電するつもりで、ほぼ空の状態である。
最初にバッテリーが無くなったのがワイファイなので、メールもラインもフェイスブックもできないから、外部との連絡が取れない。

スマホも次に電池がなくなり電話もかけられず、もともと時差があるので日本とも連絡が取りにくいのだが、まったく通信手段を失ってしまった。

それでもスタッフのおかげでアトリエは動いている。
もしかして、私がいないほうがスムーズだったりして?

すると、本当にいままでなんで忙しかったのかな。

早朝から深夜まで、次から次へとやることが押し寄せて、寝てからも夢に仕事が入り込む。
目が覚めて、また一日が始まる。
タブレットを始めた数年前から、酷くなったような気がする。


漆黒の闇、というのは久しぶりだ。
東京では全部の電気を消していても、どこからか光が入って来て、目が慣れればうっすらと見えるものだけれど。

ここでは仕事の夢をみない。朝は鳥の声で目が覚める。

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もともと、小さい頃から一人で遊ぶのは得意なので、こういう時間は苦痛ではない。

今日は風があるから、リンデンの木の下で、住んでいる家のスケッチをすることにした。
HBの消しゴム付き鉛筆を借りて、間に合わせのノートに描く。

本当に久しぶりなので難しいな。こういうものは毎日描いていないと、線がまっすぐ描けない。
なんでもそうだ。

鉛筆を動かしていると、頭の中に沸々とこだましていた雑念が徐々に鎮まって、気が付けば家だけを見ている。

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どうしても見えているところを先に描きたくなる。

当然、ディテールの美しさにひかれて描き始めるのだけれども、その飾りの背後にある、立体を正しく理解しないとヘンテコになってしまう。

建物の色の濃淡と、光と影、からまるツタと藤蔓に幻惑される。
ちゃんとデッサンを学んだ人には簡単で当たり前のことだろうけれども、家が複数の立方体と、三角柱の組み合わせでできているということが、ぱっと見にわかりにくい。

1階と2階の柱が通っていなかったり、実際の屋根が下がっているからといって、軒は下に来ているのかと思えば、構図上は上がっていることもある。

デッサンはロジカルで、描いて見ておかしいと思ったら、それは骨格が歪んでいる。

暮らしている中でも、言動や状況に違和感を感じたら、それは何かが歪んでいるのである。

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この棟の右、ちょっと開いている2階の窓が私のいるお部屋。

ほんの1枚と思っていたのが、思いのほか夢中になって、北側、南側など場所を移動しながら3枚ほどスケッチしたところで、電気の修理の人が来たようだ。
夜になる前でよかった。


電気が来た!
ライトがついて、すごくうれしい。お湯も出る。
とても便利だし、安心。
短い数日間だったけど、当たり前の生活に感謝をする。



でも、電気なしの生活も楽しかったけれどね。





南仏のカントリーハウス③ Country life Ardèche

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ジュニアが桃を摘みに行くというのでついていった。
家の前の道路をはさんで、果樹園が広がる。

葡萄棚の向こうには、桃の林が幾筋も連なっている。


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アプリコットと桃の匂いの違いについて話しながら、
もいで歩けば籠がみるみる桃でいっぱいになった。
そばにあった箱に入れて持ち帰る。

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そのフレッシュなピーチと紅茶で朝食を取った後は、みんな何かしら用事をしている。

古い車の、さびついたバッテリーを交換して走れるようにしたり、キッチンの水漏れを直したり。
使わない暖炉の掃除やら、草むしりやら。
広い屋敷の仕事はいくらでもある。

私も箒(ほうき)を持たされて、申し訳程度にテラスを掃いたりした。
なんだか、夏の林間学校に来たみたいだ。

納屋にはサイドカー付きのバイクや、トラクターや、カヤックとか、洗濯機とか。
洗濯はまだ電気が来ないからできないけど、帰る日までには直るだろう。

サイドカーに乗る?と聞かれたが、トラクターに乗ってみたいと言って笑われた。
だって、高いところから運転するって楽しいでしょう?

ご主人がこのカントリーハウスをうけついだのは30年くらい前。

来るたびにリフォームしたり、修理したりして手を入れ続けてきた。
子供たちはみんな、夏休み、クリスマスと、休暇のたびにここで過ごし、この家とともに成長した。
小さい頃からの家族写真がたくさん飾ってあって、みんな心からリラックスしているようだ。

そんな家族の愛着が感じられるからこそ、最初の印象と違って家も全然怖くなくなった、。

この土地にあった合理的な造りなどを興味深く思う。

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近くには小川が流れている。昔は家の下を小川が通り、水車小屋だったこともあったそうだ。

冬は、突然に山から水が出て、家のあたり一帯が水没することがある。
一時間くらいの間に水位が上がってくる。

半地下にあるゲストルームが水没するので、家族総出で家具を上に運ぶ。


もともとは、このあたりはシルクの産地。
養蚕が盛んで、私の寝ているこの部屋は、天井から蚕棚(かいこだな)がつるされていたようだ。
なごりのフックが天井に残っている。

昼間、息子とお父さんは農園へ行く。残った年寄りが絹を作ったそうだ。
その後、養蚕が廃り、農家が残った。
そういう歴史のある大きな農家。

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庭にはほかにも、アプリコット、プラム、葡萄、林檎、ミラベルといった果樹がある。

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チェスナッツはリスたちのために。
わんさかやってきて、残らず食べてしまうので、一粒も口に入らないと嘆いていた。

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林檎はまだちょっと早い。
豊かな恵みに囲まれて、人生観が変わるなあ。

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150年以上のプラタナス、ポプラ、リンデンの巨樹の落とす影が、太陽から家を守る。
昼食後、6時ころまでは陽が照って暑いので、皆家の中で本を読んだり、軽い昼寝をする。

家は厚い石造りで、窓が小さく鎧戸が付いている。
だから、日中は熱気の入るのを防ぐため、南と東の扉をぴったりと閉める。
家の中は薄暗くてひんやり。

そして夕方になれば、窓を開けて風を入れる。


というわけで、電気なし生活が始まったのだが、ネット以外はまったく支障がないような気がする。夜、真っ暗なのはやや不便だが、夏の日暮れは遅く、あっという間に朝になる。

南仏のカントリーハウス② Country life Ardèche

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「さとり、悪いニュースだ。我々は月曜日まで電気なしの生活となった」
ぇ?』口あんぐりの私。

「あの、それは夜は真っ暗ということですか?」
「そうだ、うちはキャンドルならたくさんある」

『ドヒャー!( ゚Д゚)』
キャンドルがたくさんあるとかの問題では・・・。

カンヌでのエアコンあり、ワイファイあり、電子レンジありの快適アパートメント生活から急転。
「ということは、インターネットも出来ないんですよね?」

「モバイルワイファイを持っているなら、敷地のどこかにかろうじて入る場所もあるわよ。でも、充電はできないわね。お湯も出ないわよ。」

「エ?それって、水で体をあらうということ?」
「だって!No electricityだもの!!」とそばで奥様もおっしゃる。

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「み、水風呂~?」
水道は貯水池から水圧で来るようだが、お湯は電気を使っているようだ。

「水風呂はいいわよ、さとりの肌もきれいになるわよ。」
「でもここの水はかなり冷たいけどね。なんだったら明日カンヌに帰るか?」

『やだー、水で髪洗いたくないな~。でもカンヌのアパートは出てしまったし、いまさら行くところないし・・・。』


「いや、たぶん大丈夫なので、一緒に残ります」

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ここは夏の間は日没が遅く、9時過ぎまで明るい。
夜7時でも、日本の4時くらいに思える。

それぞれ食事の支度をしたり、車のメンテナンスをしたり。
ジュニアは桃とアプリコットを摘みに行った。

私も家の周りをぐるっと散策した後、慌てて夕食の準備に参加。
電子レンジはないけれど、ボンベのガスレンジは4口あるし、バーベキュー用の炭もたくさんあるので煮炊きには問題がない


スターターは豚のパテを塗った固いパン。
オリーブオイルをかけたシンプル、でもフレッシュなサラダと、メインはゆでたラビオリのみ。
地元のロゼはたっぷり飲んでいい。
最後に庭でもいだアプリコットと果樹園の桃。
締めはレモンチェロ。

お腹はこれで充分だ。

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食べて笑って話すうちに、あたりは闇に満たされていく。
そしてざわめくプラタナスの葉音。
ワインも回って、宵の明星(みょうじょう)、金星が西の地平10度に輝く。


頭上には北斗七星が渡る。


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暗くなればもう寝る時間。

こっちで充電しようと思ってたから、残り少ないモバイルワイファイとスマホのバッテリー。
キャンドルの写真を最後に、フェイスブックに写真をあげた。

夜中に起きたときに、真っ暗では歩けないので、つけたまま寝ることにする。
石造りの家だということ、地震がないことだからできるヨーロッパの夜。

心細くて「寝れるかな」という心配も杞憂に、あっさりと眠りに入ったのであった。











南仏のカントリーライフ① Country life Ardèche


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なぜブログがアップできなかったかというと、しばらく電気なしワイファイなしの生活をしていたからである。

週末から7月14日の革命記念日まで、会社も休みだしどこも人でいっぱいだから、家族と一緒にカントリーハウスへ行かないかと誘われて、連れて行ってもらったのだ。

「カントリーハウスだからって、私はまき割りとか水汲みとかはできませんよ」と念を押したところ、そんな必要はないと言われたのだが・・・。

金曜日の夕方にアルディッシュに到着。
「大草原の小さな家」的な、ログハウスとかを想像していたのだが、いくつもの棟がつながった、石造りの結構大きいおうち。

いったいいくつ部屋があるのか聞いたら、10部屋あって20人泊まれるという。
200年くらいの歴史があるみたいだし、使っていないお部屋には蜘蛛の巣とか、うす暗い部屋もあってちょっと怖い。。。

うーん、この家で寝られるかなあ。。。

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部屋に案内してもらい、荷物を置いたりしていると、ふっとスタンドが付かなくなった。

パリは10時、南仏は9時くらいまでは明るいので、ライトなしでもまだぜんぜん大丈夫な明るさだが、
気が付くと遠くのほうで、ここのご主人が電話で誰かと話している大声が聞こえる。

早口のフランス語で、停電なので電気会社の人に来てくれと言っている模様。

しかし電話の向こうで担当者が言っているのは、
「今週はもう修理は5時で終わりで、どんなに早くても月曜日しか行かれない。それも何時になるかわからない」
というようなことらしい。



つづく

南仏便り ガラスの村 ビオット Biot 

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ヴァァルボンや、グルドン、ムージャンなど、南仏には小さな村がいくつもいくつもあって、それぞれに可愛らしい。
石造りの淡い色合いが、バラを引き立てている。

歴史的には、海から来る侵略者に対して、砦として生き抜いてきたという厳しい時代があったのだろうけれども。

ヴァルボンで昼食を取った後、足を延ばした、
ここビオットはガラス製造でも有名な小さな村。


話が前後して、いつどこに先に訪れたのか、もう忘れかけている蜃気楼。

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暑い暑い南仏の夏。
細い路地を抜けて、冷たい風と、暑い熱気が交互に吹きあげてくる。



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教会はいつも一番高いところに。
そして、たくさんの花が鮮やかに咲く。




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こんな、小さな野辺にも、いろとりどりの優しい草花が揺れている。

のどかな、南仏の暑い夕方。




フランスの郵便 ポスト Post box

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フランスのポストは黄色。
ブルーのマークが可愛い。

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旅先からは、いつもたくさんのハガキを出す。
だから、郵便局は一番最初に場所を覚える。

切手を買うのに並んだりすることが多い。

フランスの公務員はすごくゆっくりだ。
日本の公務員はよくやっている、と海外では思う。

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日本と同じで、ポストの場所は遠くからでもよくわかる。
それぞれ、ちょっとづつ形が違うのも日本と同じ。

右側の口が、外国郵便。


グラースの田舎のポストに、日本行きの郵便が突然どっさりはいってたら、集配の人もびっくりするかしら?



カンヌの洗濯屋さん Blanchisserie Pressing

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毎年来るカンヌの洗濯屋さん。
高級品を扱っている、「マリーとガイのクリーニングショップ」

マダム、暑いとはいえ、ビキニのトップにハイレグ、シースルーのミニスカート。
私より年上だと思うけど、年齢にかかわらず好きなカッコするって、なんか勇気もらえるわ。


でも、とっても陽気なマリーだったんだけど、なんだか痩せちゃったみたい。
どうしたのかな?

実は、ご主人のガイが今年の一月に亡くなってしまったそうなのだ。
昨年はご主人はとても元気だったのでとてもショック。

ガイが洗濯を隣の工場でして、マリーはたたんだり繕ったり。
週末は二人でビーチサイドで仲良くくつろいでいたのに・・・。

その話をしたら思い出したのか、
マリー「わたしはとても泣いて、ご飯を全然食べられなくなってしまったの」と
半分泣きそう。

でも一瞬後には明るい様子で
「仕事はうまくいってるわ。3年くらいして会社が大きくなったら、売ろうかと考えている」

ガンバレ、マリー!

カンヌの帽子屋さん Autour d'un Chapeau

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アトリエから出発するときに、うっかりお気に入りの帽子を忘れてきてしまった。
カンヌの強い日差しの中、帽子なしではちと無謀。

そう思って到着翌日の午前中、カンヌブティック街のル・ダンティーブにて帽子屋さんを探す。
「確か、10年以上前にもこのあたりで帽子を買ったけど、もうなくなってしまったかも・・・。」

そう思いながらしつこく探すも、その間にもジリジリと焼けつくような日差しが肌を焦がしていく。
『まずい、私はすごく焼けやすいタイプなのに・・・』

パリでも南仏でも、あまり帽子のマダムはいなくて、たまにかぶっているのはお年寄りか日本人くらいだ。
日焼けは一種のステイタスだということで、みんなガンガン焼いている。


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カンヌの端から端まで歩いて、いくつかのブティックをのぞく。
あんまり気に入った帽子も売っていなくて、もうあきらめかけたときにその店を見つけた。

ちょっと古い帽子の専門店。たぶん、2003年の世界調香師会議の時に帽子を買った店だと思う。

あれこれ物色するも、結局、同じような色や形の帽子を選んでしまう。
最終的に、ベージュにしようかなと思いつつ、ふと手に取ったオレンジの帽子がなんとも魅力的なのだ。

『こ、これは東京ではかぶれないゾ・・・!』
とか独り言ごちながら、ベージュかオレンジかさんざん悩んだ挙句、思い切ってオレンジを買う。

そのまま被って帰ることにした。
『遠くからでもすぐ発見されそう・・・。笑われてしまうかも!』

時々、ウィンドウに映る自分の姿をみてちょっぴり恥ずかしいきもち。

まあ、こちらでは人がどんな格好をしていようとあまり気にしないから。


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やれやれ、日焼けを防止するつもりが、日に焼けて帽子を買って帰ってきた。
肩まで隠れる大きなつば。

ずっとかぶっていると結構暑いし、ちょっと重い。

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セルフィーしてみた!



与一から愛をこめて 南仏便り BIOT & Valbonne

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「ですからね、あっしはもっと早く、たくさん登場するべきだと申し上げたでしょ?」

「なにさ、リクエストがちょっとあったからって、すぐいい気になって」

「南仏便りの人気は、(さとりさまじゃあなくって)あっしのポイントのほうが高いでやしょう?」

「お・だ・ま・り、O・DA・MA・RI、おだまり。のぼせるんじゃないよ、パルファンサトリあっての、お前だし、お客様あってのパルファンサトリなんだから」


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「ひゃー、この暑い中、昼酒は利きやすね~!
コールドアルコールドリンクはつい飲みすぎちまう!」

「よいちは運転手だからダメー!バドー(炭酸水)にしておおき」

「そ、そんな、ご無体な・・・・」

「うーん、冷たくて甘くて、瑞々しい桃の香りが・・・これは微発泡のプロセッコ(イタリアワイン)の中に、生のピーチのピュレが入っているのじゃ」

「『はいっているのじゃ』じゃ、ありませんよーグスッ」


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ずっとチキンが多かったのでポークを頼んだら、こんなにボリューミー!
カラメルで甘く味付けたこのお肉は、豚バラ煮込み風。
かぼちゃのマッシュかと思ったら、さつまいもだって。

気温の高い中、外のテーブルは暑い。
でも、お店の中もエアコンがないので、結局同じ。



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とにかく暑い!
山の方でもカンカン照りで、頭から湯気が上がりそう。

帽子、手袋、サングラス、日焼け止めと、紫外線予防のためにいろいろ持つのはかなり面倒。
じっとしているだけで汗が噴き出るくらいだもの。

無駄な抵抗とばかりに、全部やめてしまうのが毎度のことなのだ。
美白よ、さようなら・・・。




日曜日は市場に行って Cannes4

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そんなわけで、暑い海岸沿いをてくてく歩いてようやくマルシェ(市場)に着いた。
どんなわけかというと、新鮮な野菜とオリーブが買いたかったから。

今日は家に人を招待するので、近所では足りないものを調達しに来たの。

今住んでいるアパートはカンヌのクロワゼット通り、海岸沿いにある。
マルシェは湾をはさんで反対側の旧市街だから、結構遠い。
往復1万歩だから、片道2キロくらいかな~。

すでに人でごった返している。

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あったあった、毎年ここにくるの、お目当てのオリーブ屋さん。
粋でいなせなお兄さんの店に行く。

食べ物屋さんはやっぱりやる気のあるところで買うのが美味しい。
ちょっと調子がいいけれど、ラテンの乗りで。

今回は、ペースト状の黒いオリーブと、この大粒の緑のオリーブを買う。
緑のほうがしょっぱいみたい。

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ぶらぶらしながら、一人でも食べれそうなものを物色。

うわー!おいしそうだけど、どうしよう!!
チーズ、魅力的だけど、、、

帰り道暑い中、このくさいチーズと一緒に帰るのはちょっと考えものだわ。
冷蔵庫もすごい臭いになりそう。
うーん、残念。。。



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アプリコット、とても瑞々しい。
それに、種類がたくさん。



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グリーンで大粒のアプリコット。


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かと思えば、小粒のプラム。
比較物がないとわかりにくいが、本当にちっちゃいプラムだ。
今は、ピーチ、アプリコット、プラム、スイカ、メロン、フランボワーズなどが旬。


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黄色い大きなズッキーニの花。

花はたいがいしなびて、ズッキーニ本体についているものだけど、これはとても新鮮。
フリット(てんぷら)にして食べたり、肉詰めにしたりするらしい。




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フェンネルの根元は太く、スープに入れたりして食べる。

その向こうにはちいさなネギ。
大きなエシャロットみたいだけど、エシャロットではない。

これ、お味噌を付けて食べると美味しいんだよね。
よし、これと、トマトと、グリーンリーフを買おう!

結局、他にパンとローカルのピーチと、オリーブやバラの花を買って帰る。
途中、水を買ったり、ポストカードを買ったり、どんどん荷物が重くなる。



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熱気に蒸れた、背中にしょったリュックの重みを感じながら、またてくてくと歩いて帰る。
行くときは午前でまだましだったけど、もう昼すぎだから、かなり暑い。

海岸より日陰のある、1本入ったル・ダンティーブを歩く。
このあと、ピカー(冷凍食品の店)に寄ろうかな~?
でも、すでにかなり重いしな。

『こんなとき、与一の力車があれば...。』
などとしようもないことを考えながらひたすら歩くのであった。



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くったりしたミニバラも、ようやく家に帰って水切りし、ざぶっとボウルの中につける。
少し生き返ったみたい!

紫の薔薇は、小さくてもいい匂いがする。


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新鮮な何か、ネギの仲間。
これ、本当に辛くて、体が中から新鮮になるような感じなの。

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そして夜は女子会。
モー暑いし、お互いメークオフでパジャマパーティだったりして☆






カンヌのカヌレ Canelé 

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「カンヌでカヌレ」というタイトルは単なる語呂合わせで、カヌレの発祥はフランス・ボルドー。
もとは修道院で作られたものだそうだ。カヌレはすでに日本でもお馴染みのお菓子になっている。

外はかりっと香ばしく、内はしっとりとしてもっちりした食感。
ほどほどの甘さと卵の香りがこっくりしておいしい。

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4つ買ったんだけど、あっというに二つ食べた。
あとひとつかふたつは、明日、オフィスに持って行っておやつにする。
日持ちがするのもカヌレの魅力!




酷暑のビーチ  Cannes3

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午前中だというのに、猛烈な日差しで早くも酷暑。
ビーチにはまだあまり人がいない。

部屋を出て、クロワゼットの海岸沿いを、マルシェに向かってぶらぶら歩く。
炙(あぶ)られるようだ。

樹の下を選んで歩いているが、砂浜は湾にそってカーブしているので、
だんだんと日陰の向きが変わって、影が少なくなってくる。


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暑すぎて誰も遊んでいない。
人気のない遊園地って、よけいに寂しさを感じる。


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池にはアヒルがプカプカ浮いてゲートの開くのを待っている。

あー、あひるになりたい!


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土曜日に広場で開かれる蚤の市。
あまりいいものは見つからない。

アメリカ人風の紳士が二人、ウォルトのパウダーケースを買っていたくらい。
いくらで買うのかな~などと気になって観察したり。

ふーむ、なるほど。
ちょっと高いんじゃないかな?



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ようやくマルシェに着いた!
部屋からマルシェまで2キロくらいかな。
ここではオリーブと花と、新鮮な野菜を買いたかったのだ。

つづく



空と海の境界で Cannes2

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深夜、ベットの上で、遠く潮騒の音が聞こえる。
起き上がりベランダにでれば、昼間の熱気をはらんだまま、海の風が吹きあげてくる。

暗い海を眺めてみる。

昼間の喧噪が去り、海のあたりには船の灯りが浮かぶ、その明かりが遠ざかり、やがて闇に飲まれていく。

昔の人ならば、船は海の、へりから落ちてしまったのだと思うだろう。


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思考が飛躍する。

小雨振る、薄暗い林の道に、青いアジサイの灌木がこんもりと続いており、それが、緩やかに曲がった道を折れても、また同じようにアジサイの山が、前も後ろも、行けども行けどもあるのかなあと、化かされているような。

そんなとき立ち止まってガクアジサイの、中心の細かい花と、花びらのように変化したガクが、取り巻く花輪のようなブルーを見つめているうちに、水平線の、海と空のさかいはどこにあるのだろうとふと考えたのを思い出したのである。


視認できる水平線までの距離はわずか4~5キロというので、私たちが世界の果てと思っているのはほんの近所にすぎない。
距離にしておよそ御所から新宿御苑まで。


でも、追いかけるほどに水平線は遠ざかっていくのだから、世界に果てはなく、また、元に戻って来るばかりだ。

地球は宇宙に浮いているので、海と空の境は、海そのものなのだろう。


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水墨のような青い山。

湾で囲われた、凪いだ海はまるでフライパンの中のお湯のようだ。
灼熱にあぶられ、水蒸気がもうもうと上がり遠いほど霞(かすみ)がかるカンヌの夕方。



昼と夜の汀(みぎわ) France

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私たちは太陽を追いかけているので、いっこうに日が暮れない。
2時間半遅れの出発で、パリにつくのは夜の9時半。あと30分あまりある。

窓からは金色の太陽が、やや下に見える。
機体が傾き、方向が変わる。

空と地平の境は淡くオレンジ色に染まり、水色からやがて薄紫のエリアへと振れていく。
その先には白く浮かぶ月。

背には太陽。
機は大きく旋回したのである。

黄昏(たそがれ)の地平線には、薄く藤色(ふじいろ)の層がはっきりと表れている。
地球全体が、空気の膜に包まれているのだ。

機体はやがて高度を下げ、靄(もや)の中へと入っていく。



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カンヌは入り江になっており、海の向こう、対岸の山の峰に鈍く月が登っている。
さて、昨日も満月だと思ったが?



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いま、私はあの薄紫のもやの中にいて、生まれ変わった今日の月を見ている。

長い黄昏を連れて、白い船が通り過ぎていく。






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