Parfum Satori

2015年6月アーカイブ

与一出発 Go to Cannes

20150630よいち出発.jpg


「12時間(フライト)+3時間(空港)+1.5時間(フライト)の、長い道中で。」
「お互いだんだん、遠い旅はしんどくなるネエ。」
「さとりさまは後ろでふんぞり返ってるだけだからいいケド」
「これで何かと気を張っているのさ。せいぜい励んでおくれ」

レッツゴーツーサウスフランス!

ガーデニア,クチナシ,Gardenia jasminoides,

20150628ガーデニア2.jpg

クチナシについては、今まで花から香りから、何度も書いているので目新しいことも無いのだが、
やっぱりキレイだなと思うと写真を撮ってしまうし、撮ったら載せたくなってしまう。

これは八重のくちなし、白い肉厚のいい香りのする花。

中心の花びらの重なりがクリーミーで、らせんが広がる様に開いていく。


20150628ガーデニア.jpg

白い横顔も品があって美しい。
濃い緑の葉が、つやつやとしていっそう高貴な様子である。

茎が固く細いので水揚げが難しく、すぐにくったりとなりがちだ。
昔から首の細いのは美人の条件と言われているけれども。

すぐに褐色に黄ばんでしまうのは、マグノリアやジャスミンなど、ホワイトフローラルの宿命なのだろうか?


夏の夜のにおいは、甘く濃厚で官能的。





ギボウシ,白い花 plantain lily

201506025ギボウシ.jpg

ギボウシの白い花。
見た目は百合のようだが、花のつき方と葉が違う。

葉の緑がすずやかな、夏の花。
春には、「うるい」という山菜として葉を食する。
ちょっとぬるぬるする。


日陰に咲く地味な印象の花だと思っていた。
ヨーロッパへシーボルトが持ち帰って以来、園芸品種も多くうみだされ、ガーデニングの下草としてよく使われるそうだ。





水生植物,アサザ,浅沙,Nymphoides peltata

201506027アサザ2.jpg

アサザ、浅沙という。

いつものように、朝の新宿御苑の母と子の森に行って、水辺を歩いていた。


橋の上に立っていた男性がしげしげと、水の中の黄色い花を眺めている。

遠目には、私は「コウホネかな~」とか思っていたのだが、近づいて見ると
「これはアサザと言うんだ、こんな風にキレイに開くのは珍しいよ」

と教えてくださった。


学名にNymphとあるし、どうみてもスイレンの葉。

でも、あとで調べて見ると全然違う科だ。

201506027アサザ.jpg

よく見ると、花びらの縁に細かい切れこみが入り、花の雰囲気はかぼちゃとかキュウリに似ている。
これはナス目で、ヒルガオなんかの方が近そうだ。


アサザは準絶滅危惧種らしい。
先日の柿蘭(かきらん)しかり、絶滅が危惧されている多くの植物が、ここではのんびりと咲いている。

動物園が動物の箱舟なら、植物園は植物の箱舟。




アフリカハマユウ,インドハマユウ,Crinum bulbispermum

20150626アフリカハマユウ.jpg

遠めには、葉の形と花のつき方がハマユウ(浜木綿)に似ていると思ったが、そばに寄ると、白い花はユリに似ている。

いくつかの大輪の花が一緒に、背の高い太い茎にまとまっている。
ただし、若干しどけない感じで、ユリっぽくない。

きりっとエレガントな、「歩く姿はユリの花」とはいかなくて残念だ。

俗称はインドハマユウ、本当にはアフリカハマユウと言うそうだ。


ユリの匂いもしないし、タイワンハマオモトのようなクリーミーな匂いも無い。

どちらかというと、すごく薄めたブルーチーズのような、食品ぽい、グリーンソルティーな淡いかおりである。




モジズリ,ネジバナ,Spiranthes sinensis

201506026モジズリ ネジバナ.jpg

蘭科の植物は、世界で15000種類もあるらしい。
蘭(らん)の仲間は多いと聞くけれど、こんなちびっこい花まで蘭(らん)だなんて!

ネジバナ、とかモジズリ、と言う雑草。

子供のころは、どこでも見られたありふれた花だけれど、最近ではちょっと見かけないな。


201506026モジズリ.jpg

ネジバナは陽あたりの良い湿った土が好き。
これは、池のほとりの、南向きのへりに咲いていた。

舗装された道路のすみっこで見かけるよりも、すくすくと育って色も鮮やか。


ちなみに、この螺旋(らせん)は、右回りと左回りがあるんだそうだ。
意識して見たことが無かったけれど、これはどっち回りというのかな?

上から下りてくれば時計回り、下から登れば反時計回り。


ふと思い出して、昔の記事を開いて見た。

うちのベランダのプランターにひょっこり生えてきたネジバナは、
な、なんと、逆回りのネジバナだった。


090708もじずり.jpg

忘れてたわ~!



サルビア,Salvia splendens

201506024サルビア.jpg

ずっと離れた遠くから、真っ赤な塊が見える。
今は花が少ない時期だから、なんだろう?

そう思って近づいて見た。

円形花壇をぐるり取り巻いたサルビアの赤い花。
本当は、あまりサルビアって好きではなかったのだが。


なぜかと言うと、ちょっと昭和っぽい花だから。

おしゃれなカフェじゃなくて、昔の喫茶店の前に植わっていたりとか。



201506024サルビア2.jpg

でも、こんな風に近くでじっとみていると、なかなかいいもんだなあ。
目が痛くなりそうなくらい、鮮やかでキレイ。




201506024ブルーサルビア.jpg


真っ赤の外輪には、補色の紫のブルーサルビアが、これもまたぐるりと取り巻いている。
とても、和風な彩りだと思うけれど。

201506024サルビア3.jpg


歌舞伎とか、和服の色合わせのよう。



柿蘭,カキラン,茶花,Epipactis thunbergii

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いつもお願いする近くのお花屋さんで、おまけにもらった柿蘭(かきらん)という夏の茶花。

サロンの中が暗いので、あまりよく撮れなかったけど。


ほんの5mmほどの柿色の花を釣鐘状に咲かせる。
よく見ないと気がつかないほどだけど、侘びた風情がとてもステキ。

こんなに小さいのに、咲けばちゃんと蘭の形をしているのが自然界の妙というものだろう。



地域によって絶滅、絶滅危惧種、準絶滅危惧種となっている。


柳とういろう,ヤナギ,Willow

20150620ヤナギ.jpg

水辺の柳はとてもいいもんだ。

一昨日もビヨウヤナギのことを書いていて、柳つながりのテーマである。

柳を見るたびに思い出すお菓子がある。

子供の頃、和菓子メーカーの青柳外郎(ういろう)という名古屋のお菓子がとても好きで、よくお土産に買ってきてもらった。
白、黒、抹茶、あずき、コーヒー、ゆず、さくら、という歌が今でも頭に残っているが、
そのころの私は特に「さくら」というピンクが一番だった。


プルプルしていて頼りなく、もちもち、特徴的な味はなく、触感と甘さがよかったのだろう。


青柳ういろう、そして、柳をWillow(ウィロウ)と言うし、どことなくくにゃくにゃしているところからついた名前かと思えば、偶然のごろあわせらしい。


最近はとんと食べていないが、懐かしいものである。





キンシバイとも、ビヨウヤナギとも。Hypericum monogynum

20150620ビオウヤナギ.jpg

「柳眉(りゅうび)」とか、「柳眉ををさかだてる(眉を吊り上げる意味)」とか、いう言葉がある。
美人の眉の柔らかなカーブを、柳の葉の形にたとえたものだ。

梅雨の薄暗い空の下、鮮やかな黄色が目をひくし、長い蘂がなんとも美人である。
においがないのが残念だ。

美しい花と、柳のような葉を持つこの植物、
ビジョヤナギ、とか、キンシバイという異名を持つ。

しかし名前とは違い、柳の仲間でも、梅の仲間でもない。


この、ビヨウヤナギの語源は、中国の玄宗皇帝(げんそうこうてい)と楊貴妃(ようきひ)の故事による白居易の歌の一説から来ているという。


花のあとには臙脂(えんじ)色の尖った実がたくさんできて、生け花の材料でよくつかう。
実を使うときは学名でもあるヒペリウムと呼ばれる。

ハンゲショウ,Saururus chinensis,

20150614半夏生.jpg


まだ、一枚だけ白くなっているハンゲショウ。

半夏生は、夏至の頃に、半分だけ色の白くなった葉を開く。

まるでお化粧をしたようだ。
そこで、半分+化粧のハンゲショウ。

やがて白い葉がどんどん増えて、水辺が白く染まると、どこからか黄色い蝶がひらひらと飛んで来て

暑い日差しの照り返しが、意識をぼうっとさせる。
白日夢の中にいるような、梅雨の中休み。


暦の上では、夏至より11日後の(おおむね)7月2日を「半夏生」と読ぶ。
九つある雑節のひとつであり、七十二候のうちのひとつでもある。


►2011/7/2 ハンゲショウ

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あじさいの。 Hydrangea

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あるいても、あるいても、つづく紫陽花のやま




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海と空の境目はどこ?
地球は宇宙に浮いているのだから。



巨大アジサイ、紫陽花 Hydrangea macrophylla

20150613アジサイ4.jpg

再び、アジサイ(紫陽花)である。

巨大、といっても全体が巨大なのではない。
新宿御苑のアジサイの並木に、とても大きな花が一輪だけで咲いているのを見つけた。

変異なのかな?
複数の花の栄養が、この一輪に凝縮したとか。

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同じ木の鞠(まり)咲きのアジサイと比べると、花の大きさは3~4倍はあるのでは?


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それにしてもキレイなブルー。
季節が進むごとに、色味が深まるような気がする。


アジサイの花の色が青から紫、ピンクに変化するのはは、土のペーハー、酸とアルカリによるものだと思っていた。
しかし、最近知ったのだが、酸によって溶け出したアルミニウムが関係しているそうだ。

すなわち酸性の土でも、アルミニウムを含まない土では、色が変化しないということのようである。


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ガクアジサイは、大小の花のコントラストがよいし、花数が少ないところがあっさりして、日本の情緒にふさわしいような気がする。

アジサイは雨にしっとりと濡れた風情が身上であると思うので、ひなびた土の花器や、籠に1輪ほど活けたりして楽しみたい。

八重咲きやフリル咲きなど、外国で品種改良された華やかなアジサイもあるが、それは紫陽花の本来のよさを損なっていると思う。

わがままな見解である。


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これは、ついこの前までは淡いピンクだったのに。

3枚の花びらが珍しい紅いアジサイ。
ヤマアジサイ(ガクアジサイ)の紅風車(ベニフウシャ)というそうだ。




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紅白が一緒になった紅風車の株。





村上開新堂 KAISHINDO

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昨日の続きであるが、服部先生の叙勲式の引き出物は、やはり村上開新堂のクッキーだった。

「やはり」というのは、村上開新堂5代目の山本道子さんと服部先生は古いご友人だし、「僕の3時のおやつはいつも開新堂のクッキーだから」とおっしゃっていたからである。

 

フランスとの食の文化交流に尽力していらした服部先生は、いままでにもたくさんの勲章を頂いているが、このたびはレジオンドヌールを褒章された。

勲章を胸にスピーチされたときは、この叙勲を自分ひとりのこととせず、日本の食に携わる人々がこれを機会にもっと世界で評価されることを望んでいる、と語られたのが印象的である。


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この村上開新堂の初代の光保氏は天皇の御膳職をされていたが、明治維新を機とする政府の欧化政策の一環として、横浜の外国人居留地で洋菓子製造を学び、明治7年に麹町に創業する。


話がそれるが、ちょうどいま、山本兼一氏の小説にはまっていて、幕末の三舟と呼ばれる山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)の本を読み終わったところなので、なおさら維新の時代がリアルに思い浮かぶような気がする。

ちなみに、この山岡鉄舟が主人公の「命もいらず、名もいらず」という小説では、木村屋のあんぱんが創意工夫により生み出され、明治天皇の口に入るいきさつなどもかかれており、新しい食の技術に取り組んだ、当時の人々の姿がよけいに身近に感じられるのである。


20150613開新堂クッキー3.jpg

昔ながらのピンクの無地のクッキー缶

は舶来の派手なお菓子がたくさんあるので、当世風が好きな人から見たら、この素朴な装いはずいぶん地味に思われるだろう。

の中にはぎっしりと、たくさんの種類が入っている。

そのため下の方から引っ張り出してくずしたら、もう元に戻せないくらい何層にもクッキーが収まっているのだ。


村上開進堂のクッキーは、今でこそ1ヶ月ほどで手に入るが、昔は3ヶ月前に予約したものである。

若い頃はごく普通のお菓子と思っていたが、年を取ってからは、やさしいお味が安心感のあるものと感じられる様になった。

ごく普通の物を作り続けるということが、今では稀有なことのような気もする。 



今日はちょうどお教室の日だったので、サロンで開封しコーヒーと共に生徒さんたちとほおばる。 


開けっ放しに
しては、すぐに湿気てしまい香ばしさがなくなってしまう。だから食べる分だけお皿にとる。

カリッとして、いくつたべてもちっとも飽きないし嫌にならない。


青梅,アオウメ,Japanese plum

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梅の実が大きく膨らんでくると、梅雨の季節だと感じる。


梅雨の漢字の由来は色々あるようだが、「梅の実が熟す頃だから」と言う理由は、季節感がありきれいだから、そう思いたい。


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小さい頃、家の庭に大きな梅の木があって、よく実がなった。
母は棒で梅の実を落とし、焼酎につけて梅酒をつくったり、氷砂糖と酒石酸で梅ジュースをつくったりしていた。

たぶん、夏休みに飲んだのはその前の年に漬けた物なのではないかと思う。
氷をいれた冷たい梅ジュースを飲むと、汗がすっと引いたのが、おいしい思い出である。




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織部焼(おりべ)Oribe 香合/ incense case 母の茶道④

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これは、織部焼(おりべやき)の香合(こうごう)。
形はギボウシ(擬宝珠)、ニ代目池田瓢阿(いけだひょうあ)先生の作である。

二代池田先生は十年ほど前に亡くなられてしまったが、籠師(かごし)、竹芸家として作品を作られる傍ら、教室も開いておられていた。陶芸もお好きでよくなされたと聞く。

母は長い間、この池田先生に「お籠」の手ほどきを受けており、そのむかし新年会かなにかで、この香合を頂いたものである。


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先日、お茶を飲みながら織部の話をしていると、母は思いついたように、押入れから織部焼の沓茶碗(くつぢゃわん)とこのギボウシの形の香合(こうごう)を出してきた。

「そういえば昔、これ見たことあるかも。」


沓茶碗の方はあまり感心しなかったけど、この香合は小さくて、丸くて、味わいがあって好きだ
どことなく剽げたところが可愛い。


なんでも、11月のお茶事(ちゃじ)には、ひとつ織部焼のお道具を混ぜるとよいのだとか。

ただし、ギボウシの形のお道具は、お彼岸のときに使うべきものなのだそうである。
ギボウシとは、橋の欄干についている玉ねぎのような形をした飾りである。
(植物については、過去に「ギボウシュ(擬宝珠)HOSTA」で書いているのでそちらを読まれたし)

いろいろな決まりごとは、その場面になってみないと話題に登らない。
せっかく聞いても忘れてしまいそうなので、ここに書きとめておくことにした。





プレシャスPrecious7月号に掲載されました!July2015

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プレシャス7月号(2015/6/7発売)の香水特集「夏のフレグランス選び」に、パルファン サトリが大きく取り上げられました。

235,236ページ見開きに13点のベーシックコレクションが、239ページに「イリスオム」が掲載されています。

日本の夏を美しく過ごすための「夏のフレグランス」選びをテーマにした8ページ特集です。


ラグジュアリーで上質な香りのセレクト、こだわりたい大切なポイントなどを、
大沢さとりがアドバイスをさせていただきました。


写真もとても美しく、今までになかった内容と雰囲気で、読みごたえのある香水特集です。
ぜひ書店でごらんください。



簡単!抹茶を濾す方法 tea ceremony 母の茶道③

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簡単レシピ!調のタイトルにしてみたが、いたってまじめである。

茶道で使うお茶は、普通の煎茶などの茶葉とは違い、碾(ひ)き臼で細かい粉に挽(ひ)いてある。

そのため湿気を吸いやすく、保管したままの状態でお茶をたてると、きれいに溶けないでダマができてしまう。

飲んだ後に舌につぶつぶと粉茶が残ったりすると美味しくないし、茶碗の底に残ったりするのも見苦しい。


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そこで、茶濾しとか茶ぶるいとか呼ばれる道具でお茶を濾してから使う。
今回のお抹茶は、一保堂の雲門の昔を使ってみた。

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濾すときは、網目の上の抹茶を刷毛などで掃(はら)うらしいのだが、うちでは昔からビー玉を使う。
本式なのかはしらないが、粉が飛び散らずにとてもいい。


母の家のは大きいサイズなのだが、アトリエでは邪魔にならない小さい缶を使っている。

2-3個のビー玉を抹茶と一緒に入れて缶の蓋をしめる。



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軽く振る。
中でビー玉が踊るのが手ごたえでわかる。


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ほんの十回ほど振った後、缶のふたをそっと開けると、すっかり抹茶の粉は下に落ちている。


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濾し器の部分を取り外し、底にたまった抹茶をへらですくい、なつめや中次などのお茶を入れる入れ物の中に移す。

残った分は翌日まで冷蔵庫に入れてしまっておくこともある。

これはもちろん、水屋(みずや・お茶室の横にある下ごしらえをする場所)でする、いってみれば楽屋裏の作業。

缶は錆びてしまうので洗ってはならない。
きれいな布などでぬぐうだけでよい。

20150606抹茶.jpg

あとは、手前(てまえ)のとおりにお茶をたてれば、滑らかな味わいとなる。

家では昔から当たり前のように目にしていたので、気にも留めなかったのだが、調べてもこのことについてあまり書いていないので、はたして一般的なことなのかなあと疑問に思っている。

ひょっとしたら、「よそさまでそんな裏方の話をするもんじゃない」と母に叱られるかもしれない。












織部(おりべ)Oribe / A master of tea-ceremony

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大胆で自由な気風で、美の新しい価値観を茶の世界に作った16世紀の茶人、古田織部。焼き物に代表される濃い緑と黒のデザインは、今でもモダンです。

たださわやかなだけのグリーンティーとは一味違う、日本の茶の香りです。

<香調>
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☆織部(オリベ)のウェブページが新しくなりました。<写真:高崎勉>

香調などの詳しいご案内織部

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※予定数なくなり次第終了させていただきます。


母の茶道② tea ceremony

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40代の頃からだから、もう半世紀近くになるだろう。
母は毎朝、お薄(おまっちゃ)を自分のために二服(二杯)たてる。

来年90歳になろうとしているが、いまだに元気なのは、ひとえにこの緑のお茶によるものだろう。

部屋の一角に小さなコーナーをしつらえ、誰に見せるわけでもないが、季節に応じて飾り付けをし茶碗を変えて楽しんでいる。

お道具は自分の気にいったものを使う。
名物(めいぶつ)ものにはこだわらず、意匠が合えばむかし海外旅行で買った蓋物を香合(こうごう)に見立て、カフェオレボウルを抹茶茶碗にすることもある。


数寄物(すきもの)とは、生業(なりわい)とせず芸事に打ち込むこと。
母は茶道の準教(お茶名のひとつ上)ではあるが、お茶の先生として生計をたてたことはない。

ただ、歳時記を生きている人だ。


その季節季節に関わることを、なにやら話しかけてくるのだが、こちらはふんふんとうなずいているものの、耳の中を右から左へ通り抜けるばかりでたいして聞いてもいない。

それでいて、よそで何かのおりに年中行事など目にすると、デジャヴュのように思い出すのだ。


最も長く一緒に過ごしたひとが、深いところに影響をおよぼす。
この年になってようやく気がつくのは、一番の先生は母親であったということだ。

母親の佇(たたず)まいって、大切だ。



リンデンブロッサム 西洋シナノキ Tilia × europaea

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リンデンバウムの花。
新宿御苑の新宿門の外に、数本のリンデンの樹がある。
この樹に気がついたのはまだ昨年のことだ。

ドイツのベルリンにはウンター・デン・リンデンという有名な大通りがあるし、パリのテュルリー公園の並木もよく知られている。

街中のリンデンが一斉に咲くと、甘くややしつこいハニー調の香りがどこを歩いていてもまとわりつく。
パリの乾いた空気では、それが嫌味にならないから不思議だ。

そんなわけで、ヨーロッパではよく見られる樹木。


20150603リンデンブロッサム2.jpg

ここのリンデンは、ほんのり香りが薄い。
日本の気候では、あまり強くにおわないのかもしれないし、樹の個体差かもしれない。

本数が少ないからなのかな?

20150603リンデンブロッサム3.jpg

薄クリーム色の小さな花がぶら下がるように咲くのは可愛いし、
ハート型の葉と、花の根元に開く、細長いやや明るい緑の葉のコントラストも面白い。


リンデンの葉を乾燥させたハーブティーも、ヨーロッパではポピュラーだ。
リンデンとカモミールをブレンドしたドライハーブティーは安眠効果があり、合わせた方が単品よりずっと飲みやすい。





ほたるかご 蛍篭 HOTARU KAGO 母の茶道①

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蛍篭(ホタルカゴ)という意匠の中次(なかつぎ・薄茶器、抹茶の入れ物の一種)。

薄茶器全体が、蛍篭(ほたるかご)を表している。
夏草に止まる蛍が、黒い漆の上に描かれ、明滅している。

黒に黒なので、遠目には紅い点しか見えない。
よく見れば闇の中にも翅を広げた蛍がそこかしこ。

季節を表す、とても風流な絵柄である。

150531蛍篭中次5.jpg

しかしこれ、5月の末から6月2日までの、ほんの3日ほどしか使われない柄なのだそうだ。


母いわく、
「5月に入って晴天が続いた後、雨がたくさん降る。翌日になってよく晴れると、清流では蛍がいっせいに孵(かえ)るのよ。それで、蛍籠というのは、その時期にだけ使う、季節のお道具なの」

365日のうちに、たった3日しか使わない茶道具。

蛍籠の柄は夏の間は使えるものだと思っていたから、そんな話を聞いてびっくりした。
まったく、この年になっても知らないことはたくさんある。


蛍籠は中次だけでなく、なつめや炭斗(すみとり)にも意匠が使われている。


「このところずっと晴れていたから、水が減って蛍はどうなるかと心配してたけど、大雨が降ったでしょう、だからきっと今頃は、蛍がいっぱい飛んでるんじゃないかと、よかったなと思って。」

母の昔の住まいの傍に水辺はないはず。いったいどこで見たのかと問えば、
「そんなの、日本中どこだってそうよ。」
と軽く言われてしまった。


「でも、3日しか使えないなんて、いったいどうやって知ったの?お茶のお稽古で教えてもらったの?」
と聞くと、
「人に聞いたわけではなくて、いろんなお茶の本を読んでいるうちに知ったの。」
と言う。

来年は90歳だから。
ローマは一日にしてならず。
こんどその出典を発掘しなければ。

120706ホタルブクロ.jpg

いつか私がお茶の先生になったらと、母は私の若い頃から一通りのお稽古道具はそろえてくれていた。
しかし私にその気がないとわかってからは、場所ふさぎだからと、母は人にあげたりして処分してしまった。

確かに、お茶器だけでもこんな風に数日しか使わないものがある。
茶碗から水指から建水、炉や釜、台子など、季節ごとのお道具は置いておくだけでもきりがなく、都心にそんなスペースをいつまでもとっておけない。


その中でも私好みのものだけを頂戴し、少し手元に残している。

どれも、お稽古用のたいした物ではないけれど、こんな物語があるということがとても素敵なことだと思う。



母は常日頃お茶の四方山話をしていたのだが、右から左に聞き流していたものを、ようやく本気で覚えようと書きとめておくものである。




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