Parfum Satori

2010年7月アーカイブ

十火のあられ

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この真ん中の、黄色くてまん丸のあられ?には感動した!
本当に繊細なお菓子なのだ。

 

シェイクスピア 十二夜  杉の柩

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「杉の柩」 原題 「Sad Cypress(サッドサイプレス)」 アガサクリスティ・・・。
久しぶりにここずっと、ちびちびとクリスティを読み返している。

扉には、シェイクスピア「十二夜」の詩がある。

CYPRESS(サイプレス・イタリアイトスギ)

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針葉樹系ウッディーで軽いスパイシー感のあるこの香りは、
男性用香水に使われる。

名の知らぬ花  青いアザミのような

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カッコウアザミ(アゲラタム)の仲間かと思った。



でも、全体が大きいし、花一つ一つの形もちがうみたい。

五弁の花が集まって丸く咲いている。
しべが長く、それがとげとげしく見えるので、アザミっぽいけど。

茎も小さなとげがあって、ちくちくっぽい。

うーん、なんだろなー?
花好きだけど、知らない花って多い。

 

 

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 ▶ 南仏の花と植物  動画 ユーチューブ

 

 

かけはり器

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さとり「ちょおっとおー、小父さん、これ『かけはり』だそうじゃないか~!」
よいち「ドレスのすそを持ちあげる道具だなんて、一杯喰わされましたね」
さとり「あの、女らしい仕草は何なのさー」
よいち「さとりさま、赤っ恥でごぜいやしたね~♪」



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これはつい先週紹介したばかりの、アンティークの道具。

骨董屋の小父さんは、ドレスのすそを挟んで持ち上げる道具だと説明したもんだ。
(これについては7/22の西洋骨董の記事をご覧ください)

もっともらしい説明に、素直な私は「へえー」と納得。ところがである。


 

私のラボで、コンパウンドをしてくれているM子さんが
「さとりさん、先日のブログのあれ、ちくちくと縫物をするときに使う、布を挟んで引っ張る道具じゃないでしょうか・・・」

「あっ!そういえば、時代劇とかで見たことがある気がする!」

着物を仕立てるときなど、くけ台につけて、布を挟んで引っ張る道具で、長い生地に運針するのに使う。

 

私、お裁縫だけは(だけじゃないって)苦手だったんだよね・・・。と、過去のトラウマが・・・。

家庭科の先生「大沢さん、しつけ縫いはもういいから、ちゃんと運針でやっていいのよ」
さとり『・・・しつけじゃないってば・・・』

 

でも、カンヌで売ってたし、やっぱりこれは西洋のだと思うから、ヨーロッパでもちくちく縫うときは、同じようなかけはりの道具を使ってたんでしょう!

 


 

ノウゼンカズラとクロアゲハ

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ノウゼンカズラは、藤のようにからみついて枝を広げ、夏の暑い時期に木陰を作る。
派手な朱色の花だ。

アガサ・クリスティ リスタデール卿の謎

 
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クリスティの中で、「杉の棺」。これはいいなあ。
私の愛する作品なので、なかなか短時間では書けなくて、次の機会にしたいと思う。

クリスティ作品では、「リスタデール卿の謎」という短編集もお気に入り。特に、表題の小説は、子育てをほぼ終えた女性のシンデレラストーリーだ。

俗っぽい願望と言えば言えるかもしれないが、いくつになっても女性はおとぎ話が好き♡


小説は、没落した上流階級出身のヴィンセント夫人が、困窮する毎日の生活費を計算する、つましいシーンから始まる。
 
彼女の娘はお金持ちの青年からプロポーズを受けているが、今いる安アパートでは家に招待することができない。
そんな、頭を悩ませるある日、新聞の広告欄に、「上流階級の人限定で格安の家賃で邸宅を貸す(しかも料理人から執事までセットで)」という、夢のような話を見つけるのだ。

素晴らしい家は借りられたが、生活費はかかるはず。
夫人は、質素に暮らそうとしているにもかかわらず、食卓にはゴージャスな料理が並び、豪華な花々が飾られる。
 
ため息をつきながら、夫人は言う。
「クエンティン(執事の名前)、私たちはこんなぜいたくはできないのよ」
しかし、何もかも心得ている忠実な執事は
「奥様、こちらではいつもこのようにしております」
という一言ですませてしまう。
 
邸宅の持ち主の所有する広大な領地から届けられるものとして、なにもかもが魔法のように出てくるのだ。

何か裏があるぞー、というわけで、息子がいろいろと嗅ぎまわるわけなのだが・・・、
 
まあ短いし、夏の夜、静かに読むと言うのもよいのかも。

永遠の御姫様たち、ぜひどうぞ。

 

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亜麻 フラックス flax

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亜麻色の髪の乙女・・・。
小さい頃に聞いた懐かしいこの歌、どんな色の髪なんだろうと思っていた。


亜麻という植物の繊維は通気性としなやかさに優れ、高級なランジェリーなどの生地となる。麻とは同属ではない。

洋服のタグで、日本語表記ではどちらも「麻」になるが、「Linen(リネン)」と書けるのは亜麻の方。
麻は、ラミーと呼ばれる。

この繊維は、金色を帯びており、亜麻色はもともと金髪のことを形容したが、黄味がかった茶色のエクルベージュも亜麻色とされ、転じて栗色の髪をも指したようだ。

 

漆黒の艶のある髪が、戦前の日本女性の美の一典型だとしたら、
戦後になって欧米文化が入ってきたこともあり、
若い男性にとってのマドンナ像が変わっていったのかもしれない。

白いリネンのワンピースを着て、栗色の髪をなびかせる・・・
「亜麻色の髪の乙女」という歌には、
もう少し明るい、洋風な女性を想像させる。

そしてタイトルに「娘」、ではなくて「乙女」を選んだところにもロマンチズムを感じる。

  

ともあれ、亜麻というのは繊維としてつかわれるほか、アマニ油と言って、食用や塗料に使われる、
とても有用な植物である。
日本では、北海道の麻生町で盛んに織られていたそうだ。

花が散ると、鞘(さや)の中に亜麻の種がいくつもできる。ちょうど、ソバの実のようだ。
かの地には、亜麻でできたソバもあるらしい。

 

青い花は、例えば勿忘草(わすれなぐさ)、アジサイ、ヒヤシンス、スミレ、デルフィニウム、と、
あげていけば案外あるように思うが、黄色や白に比べ、天然界では圧倒的に少ない。

 

なよなよとした茎の先に優しい青の花がぱっちりと咲く。
風に揺られて、おとめチックだ。  

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▶ 植物事典  亜麻 アマ科 アマ属   学名:Linum usitatissimum

 

 

ブルーチーズとハニー 「レストラン カー・ウント・カー」

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アミューズと食前酒が、香水におけるトップノートだとしたら、
食後のチーズはミドルが終わりラストノートへと遷ろう、まったりとした大人のお楽しみタイムかもしれない。



とりわけ、ブルーチーズと赤ワインときたら、ひごろ清廉を心がける私の仮面をかなぐり捨てさせる、魅惑的な悪い男のようである。(ウソウソ)

 

ついはしゃいで、陳腐な説明でごめんなさい。

この「クラッハー・グランド クリュ」の一皿は、お店のお嬢さんの説明を聞くほどに、「はやく食べさせてー」とウキウキしてしまう♡

 

「さとりさん、お仕事の話を先に済ませようと思ったのですが、
チーズ来ちゃいましたから、デザートの時にしましょう。」

「ハイハイ、ゴメンナサイねー。」 

 

 

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これは貴腐ワインをしみこませ、ゆっくり浸透させて熟成を重ねたオーストリアのブルーチーズ。

切り分けずに、ヘラで掻き取るようにすくう。
「空気を含ませることにより、菌の繁殖をよりまろやかにするため」って、教えていただいたと思うのだけれど、ほろ酔いだったので、記憶が正しいかしら・・・?

合わせるのは、これもオーストリアの黒いハニー。針葉樹の樹液を含み、濃厚で香り高い。


チーズの力強さをしっかりと受け止めるだけのコクがあって、
これが普通の蜂蜜では負けてしまうところ。

両者をちょっぴりのパンにつけて、塩気と甘味と、菌類特有の揮発刺激臭が口の中に広がったところで、ワインをグビ・・・・。
『ああー、やられたー。。。。』

 

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銀座線溜池山王駅から徒歩5分。
夜になっても熱気が押し包む裏道りから、
一歩店内に入ると別世界の様なクールなインテリア。

レストラン カー・ウント・カーは、オーストリア国家公認のコンディト-ル・マイスターKayanuma氏のお店。
マダムも大変エレガントな方で、お二人に、地下にあるワインセラーも案内して戴いた。

 

正統派のオーストリア料理を戴くのは初めてだ。
(ヨーロッパ料理なら何でも出してるようなお店の、ゲシュニッツェルくらいしかしらなかった。)


ドイツに近い質実なメニューを想像していたが、
よく考えればハプスブルグ家の宮廷華やかなりし歴史を持つだけあって洗練されているのは当然か。

フレンチの様な華やかさはないが、ハーブの取り合わせや軽めのソースなどよく吟味され、大地の味を堪能できる。
むしろ日本の方にはくどすぎず、お口に合うのではないかと感じた。

 

 

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お店の写真はカタログから

 

これ何だ?西洋骨董

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これは何でしょう?
中世の女性が使ったお道具。


すてきな銀製の、手のひらに入るくらいのもの。
何か通すための穴があいていて、
上の方をつまむとばねになっており、下がはさみのように開く。

 

お茶目なお店のおじさん、フェミニンなジェスチャー付きで説明してくれた。

 

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あらかじめ、輪には紐を通しておき、紐の先を持って歩く。

これは、長いドレスを着た女性が、水たまりを歩くときにスカートが濡れないよう、 このクリップですそを挟み、たくしあげるための道具なのだそうだ。

 

なんか、エレガントだなーと思うけど、フランスではゴミでも汚物でも道路に捨ててしまい、定期的に坂の上から水をザーザー流すから、という理由もあるみたい。

汚水よけ?

道具の名前はなんていう? 

 

 

名の知らぬ花

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 この際だから、名前のわからない花を一つカテゴリにしました。

知っている方、誰か教えてください。




アゼリアのような円錐形の花で、花弁のもとはつながっているようだ。

淡いピンク。

鈴なりに咲いて美しい。

 

 

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5月のパリ、ルクサンブルグ公園にて

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夏の夕焼け

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夏の夕焼けは赤味が強い。


空気中の水分が多いからだそうだ。

アトリエの11階の窓から、北西の空を見る。
昼間の熱気そのままに、まだ風が暑い。

 

東の空はモーブ。
葵の花
のあおむらさき。

赤坂方面のビルの明かりがぼんやりとまたたき始める。

 

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場所が変わって、ここは麹町。

クレーンの先に登って、空を見てみたい。

 

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▶ 昼に咲いて夜には恋しい思いを抱いて

ブログ目次 ご案内

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香りのアトリエへようこそ、御訪問ありがとうございます。
ブログの内容をカテゴリで分けています。続きをどうぞ

パフューム パトリック・ジェーキント

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パトリック・ジェーキントによる「香水」という名の小説。

 

うなぎの香り!もうすぐ土用の丑(うし)の日

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ドヒャー!

 特大盛りのうな丼。豪快だわー。

こんがりと焼かれた身は香ばしくてふっくら。

 

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蓋をあける前の写真。

うわっ はみ出してるし!

 

 

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これは、私の普通盛り。それでもかなりデカい。 
味はやや濃いめだけど、炭で焼いているせいか焦げたところが香ばしくてまたうまい。
(ここの表現は、おいしいではなくて「うまい」と言いたいところ)

身が厚くても弾力があり過ぎて、ゴムみたいだったりするウナギもあるけど、
ここのは程よく柔らかく、しかし噛みごたえもあり。

来た時は量の多さにびっくりしたが、意外にあっさりしていてペロリと食べられちゃったことにも驚き。

 

焼く前には匂いがないが、熱を加えることによってあの香ばしい匂いが生まれる。
フレーバー・プリカーサー(前駆体)はコーヒーや焼き肉などにある。

 

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こういう感じで、わっしわっし食べるのが豪快でいいね!
うな重では、上品すぎてこうはいかない。

若い人がたっくさんご飯を食べるのを見るのって、気持ちいい。

 

 

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江戸時代に平賀源内が、「土用の丑の日」キャンペーンを考案し、夏場に売り上げの落ちる鰻の宣伝をしたのは有名な話だ。

まで景気よく広がる、もうもうの煙とおいしい匂いを集客に使うなんて、さすが!

 

夏はやっぱりうなぎでしょう☆

アンフルラージュ(enfleurage) 香料の採油法

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チュベローズ、ジャスミンなどの、熱を加えると壊れてしまうようなデリケートな花は、アンフルラージュという方法で香料を取る。
手間のかかる、古くから行われてきた方法だ。



写真の、木枠で囲ったガラス板の片面に、牛や豚の脂(ラード、ヘッド)を4対6で合わせたものを平らに塗りつける。

次に、櫛の歯のようなもので縦横に筋目をつける。これは、吸収する表面積を広くするため。

オレンジの花や、ジャスミンをこの獣脂の上に並べる。
そして花をのせたガラス板を何枚も重ねて積みあげていく。

24時間から48時間そのままにして置くと、花の中の匂いの成分は、脂に吸い取られてしまう。
木枠を起こしてトントンとしながら、しおれた花は捨てられる。

そしてまた、新しい花が並べられていく。
これを何十回も繰り返していくと、やがて、脂肪はもう、これ以上吸い取ることができないくらい飽和状態になる。
これを、ポマードという。

「この作業は3か月続く」と文献で読んだ記憶があるので、確認のために探したが、その本がどれかわからない。

いまざっと調べたところでは1回の抽出時間が3日間というものもあり、3週間くらいで飽和状態になると書かれているものもあり、さまざまだ。

 

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今度はこの脂肪(ポマード)をへらでガラス板から掻き取る。アルコールにとかして撹拌する。
すると、花の匂いの成分は、アルコールの方へと移る。

匂いの抜けた脂(ワックス)は冷えて固まり、それを取り除くと、香料の溶け込んだアルコールの液体が残る。アルコールは先に揮発するので、香料だけが残る。(2~4%の残渣がある)

これをアブソリュード(absolude)という。

チュベローズの場合はガラス板を天地逆に重ねる。花はガラス面に乗せ、脂肪の面をかぶせるようにして、直接脂肪に接触させない。一回の長さも、48時間から72時間と長い。 

 

なぜ、こんな手の込んだことをするかというと、他の採油方法、例えば蒸留法などでは、熱によって香りが壊れてしまったり、水の中に成分が逃げてしまったりする。

また、摘むと同時にどんどんと鮮度が悪くなっていく他の花と違い、ジャスミンやチュベローズ、オレンジフラワーなどは、摘み取った後も花の中で香りの成分を自家製造しつづける。

そのため、時間をかけてじっくりと抽出することによって採油効率を上げられるのである。

 

ジャスミンは朝日を浴びるとインドール臭が強くなり、香りが悪くなる。
そのため夜明け前に総出で一輪づつ手で摘む。これにはたいへんな労力が必要だ。

その後、集められた花は、体育館のような広い所に、ずらっと並ぶ女性たちの手によって香料にされた。

現在は労働力の不足と、高賃金のため、ほとんど行われていない。

 

 

初めてこの採油方法を知った時、なんと独創的な取り合わせと感じた。
花のエッセンスが獣脂に吸い取られていく過程は、官能的な物語のようである。

パトリック・ジェーキントの小説「香水」も、こんなところから発想したのかもしれない。

 

アンフルラージュという言葉の響きも美しい。

 

 

なぜ、グラースが香料の産地として有名なのですか?

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Q>なぜフランスで香水が発展していったのでしょうか?
グラースが現在一番香水の名産地で知られているのは
なぜなのでしょうか?

A)ヨーロッパにおける香料・香水の長い歴史の中で、フランスに香水文化が花開く大きなきっかけは、中世イタリアとフランスの縁組にありました。

イタリアのローマ教皇クレメンス7世の縁戚であるカトリーヌ・ド・メディシス(メディチ)は、1533年にフランスのアンリ2世に御輿入れします。

15世紀末のイタリアはルネサンスの絶頂期で、ヨーロッパの中では芸術、文化、ファッションの最先端を担っていました。一方、それに比べればフランスはまだ粗野な国。例えば今のようなテーブルマナーも確立されておらず、手づかみで食事をしていたようです。

カトリーヌ妃は御輿入れに際し、フォークを使って食事をすることや、アイスクリーム、マカロンといったお菓子、女性らしい横座り乗馬方法などたくさんの文化をフランスにもたらしたと言われています。

 

その時に彼女が連れて行った随行員の一人に、調香師レナード・ビアンコがいました。妃はフランスにも香水の文化を広めるため、香料の製造を奨励。温暖で、香料栽培に適している南仏のグラースをその地に選びました。

 

もうひとつの大きな理由として、グラースが革製品の生産地だったこともあります。

なぜか?

当時は革のなめし技術が今ほど進んでいなかったので、革特有の臭いが強くありました。この悪臭をマスキング(隠す)するため、手袋などの革製品に香料を付香するのが流行していました。そのため、両者を近くで製造するのが都合がよかった、という説が多く言われています。

 

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さらに、香料の製造に、動物性油脂が必要だという背景もありました。

花から香料を抽出するためには、豚の脂(ラード)や牛脂(ヘッド)を使います。
脂肪(ポマード)を塗ったガラス板の上に花を並べて香気成分を吸収させる方法です。
これを、冷浸法(アンフルラージュ)といいます。

一方、革をなめす時には、裏についている脂肪は掻き取られ、不要になります。

アンフルラージュのために使う脂肪が容易に手に入る場所がグラースであった、ということもあったと思います。 

上の写真は、シャッシーと呼ばれるガラス板です。脂を塗り、花を置いたガラスが、何枚も積み重ねるように木枠に入っています。香料の製造については別の回で説明しますね。(グラース香水博物館)

 

 

その後、フランスの税は重くなっていきます。とてもやっていけないと思った皮革業者は、スペインへと移って行きました。今でも、スペインは革工業で有名です。 

しかし、植物は地面に生えているので、この地を離れることができず、そのままグラースは香料産業の地として残りました。

 

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白い蓮、 ロチュス Lotus

 

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雲が厚く降りて、雨の降る直前の、今にも水滴になりそうな湿った空気。
もやと薄暗い中に、ぼんやりと光るように咲く蓮は、幻想的だ。



この白い蓮はオゾニックでグリーンな香りがする。
香りと花のイメージがぴったり合っている。

フランス語ではロチュスと発音する。なんか可愛い。

 

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蓮と睡蓮は違う。

蓮(ハス)は花が水面より高く上がって咲き、散った後「ハチス」とも呼ばれる、種の入った果托(カタク)ができる。葉も水から立ち上がる。葉が撥水性があり、水をかけるとコロコロと玉のようになる。葉は切れ込みがない。根を食用にする。レンコンのこと。

 

↓蓮の葉。水面から高く伸びた先に開く、切れ込みのない丸い葉に、水玉が転がる。
 緑が美しい。 

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↓ 蓮の花の下に、水面に浮く睡蓮の葉が見える。

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↓花びらが散った後にできたハチス。
穴の中に、種子がコロコロと入っている。 

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広い池の中に、蓮と睡蓮が一緒に活けてある。
歩いても歩いても、反対側に行けないくらい広い。
睡蓮はまだ、咲いていない。

 

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スイレンはヒツジグサともいう。午後、ひつじの刻(午後2時)に花を咲かせるといういわれからついた名前。水の上に浮かぶように花が咲く。花は毎日、時間を遅くにずらして開く。また閉じる。数日繰り返しながら、最後は閉じなくなりそのまま散る。花が散ると、水に沈むので、ハチスはできない。

(▶過去のブログ 2009/6/11 蓮と睡蓮 より)

 

 

蓮 ピンク・ロータス

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花びらの先に行くほどに淡い桃色。
内側から光るように見える。


ここは、千葉県水郷佐原水生植物園。
広い池に、睡蓮と蓮が一緒になっている。

昨日は曇ったり小雨が降ったり。
午後に行ったので、多くは花を閉じてしまっている。

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 花は何度も咲いたり閉じたりを繰り返し、やがて開いたままになる。

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 そして、ぱさっと花びらを散らせる。

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下は、池ではなく、鉢の中に咲いていた小ぶりの花。
花はアフリカの睡蓮に似ているし、葉に切れ込みがある。
しかし、水面から立ち上がっているので、蓮かもしれない。

蛍光色。

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あしたは白い睡蓮を。。。

蓮と睡蓮の違いも。

休日読書 アガサ・クリスティ 

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アガサクリスティがもっとも有名な推理作家の一人だという意見には、どこからも異論は出ないに違いない。


「本のカバー・裏表紙あらすじから

アンカテル卿の午餐に招かれたポアロは、少なからず不快になった。邸のプールの端で一人の男が血を流し、傍らにピストルを手にした女が虚ろな表情で立っていたのだ。が、それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!恋愛心理の奥底に踏み込みながら、ポアロは創造的な犯人に挑む。 

ハヤカワ文庫 ホロー荘の殺人 アガサ・クリスティ」

 

中学生時代から今に至るまで、数十年飽きずに読み続けた作家である。

「アクロイド殺人」や、「そして誰もいなくなった」など、あっと驚くようなトリックはすでによく知られているが、もし、その作品の面白さがそれだけだったなら、繰り返し読むはずがない。

ミステリーの女王と呼ばれ、からくりばかりが注目されがちだが、クリスティの小説の面白さは登場人物が織りなす人間模様と心理、豊かな叙情性にある。
テニスンやウィリアムブレイクなど、美しい詩を主軸にした作品も多く、文学作品としても素晴らしい。

すべての作品は何度となく読まれ、少し疲れると本棚の奥へとかたずけらる。数年のインターバルを挟み、ふとした時に手にし、パラパラとめくっているうちに再び虜になってしまう。年代ごとに味わいが違って感じられるのだ。

 

私の一番好きな作品は、恋愛小説とも呼べる「ホロー荘の殺人」だ。
最近、思い出したように読みたくなって、また書棚から引っ張り出してきた。


おもな舞台は美しい田園風景の中にあるホロー荘という屋敷である。
英国の名士のこの家に、週末、数人の男女が集まり休暇を過ごす中で殺人が起きる。
偶然居合わせたポワロは、この中ではむしろ狂言回しとして脇役的な存在である

主人公はだれと決められないくらい、それぞれが重要な役割を果たしているが、中でもヘンリエッタにはもっとも魅かれてしまう。美しく、知的で情熱的な、あるときは巧みに妥協し、ときにひどく頑固な女性彫刻家。無から形を生み出すと言う苦しみ、孤独な戦いと、愛に生きる姿。

結末は言えないけれども、彼女が出てくる最後のシーンは何度読んでも心を打たれる。

一方、ヘンリエッタと間逆とも言える 愚図な女、ガーダ。絶対的存在である夫の帰りをじっと待ちながら、冷えていく肉料理を前に「温めなおすかこのまま待つか」堂々めぐりの考えの中でパニックになっていく。全編に描かれる彼女の心理は、自分の中にも存在し、シンクロしてしまう。

ルーシー、ミッジ、ヴェロニカ、どの登場人物にも、自分との重ね合わさる部分があり、感情移入させ、それが物語に引き込まれていく要素でもある。

つまりは人間の多面性を、一人づつのキャラクターに独立させ、浮き彫りに描いて見せたのであって、だれもが持っている性格なのだと思う。

ポアロ、マープルといった探偵が華々しく活躍するものより、普通小説としての趣をもつ作品に、クリスティの真価があると思う。全編が詩に感じられるようでもある。

推理小説について書くのは難しい。まだ読んでいない人にとっては何を言っているか分からないし、わかるように書いてはマナー違反になってしまう。 もどかしいけれど、読んだ後で、「なるほど」と同感してくれる人がいたら嬉しい。 

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▶ 香水をお探しの方へ パルファンサトリコレクション

 

ゆりの香り

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開花とともに、しずしずと6本の雄蕊を従えて、雌蕊は中央に屹立する。
しべの先は潤い、あたりに濃厚な匂いを漂わせる。


においは、どこから発生しているのだろう?

 

昔、家の一角にカサブランカの球根を、10球ほど植えていた。

夏の夜、硝子戸をあけて庭をみると、家の光が届かない暗がりの中に
白鳥の群れが羽を休めているように、白い花がいくつも浮かんでいるのが見える。

蒸し暑い夜気の中に、狂おしいまでの匂いが淀んでいた。

カサブランカの元をたどると山百合にたどりつく。
白い大きな花には、えんじ色の班が魅力的だ。

夏に咲く山百合には、この蜜を好むクロアゲハが飛んでくる。

子供のころ山や河原で遊んだ人は、このにおいに記憶があると思う。

 

ユリという清楚なイメージに似つかない
妖しいまでに濃く甘い香り。

ユリの甘さはスパイシーなイソユゲノール(iso eugenol)が中心になっている。
そこに、イランイランのエキゾチックな香りに、
サリシレート系のビニールでできた花の様な青臭さ、
バナナの醗酵したフルーティな甘さが加わる。

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イソユゲノールなしにゆりの香りはできないといっていいが、年々イフラの規制が厳しくなり、処方中にほんの少ししか入れられない。

そのため、ゆりの香りを再現した香水はほとんどない。
メチルイソユゲノールやアセトイソユゲノールなどでは代替できない。

ストレートな百合の香りどころか、フローラルブーケのなかにも、イソユゲノールなしではできない昔の名香もあり、これからどうなってしまうのだろうと思う。

 

百合の花粉

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なぜ、今までゆりの香りについて書かなかったのか、不思議なくらい。
百合は、強い匂いがする。


夏は切り花の種類が少なく、暑さのため花もちも悪い。
そんな中で、ユリは貴重な花材である。

写真は園芸品種カサブランカの系統の大きなユリ。
一筋ピンクが入っている。

カサブランカは、Casa Balanca白い家の意味だが、
この花はイングリットバーグマン主演の映画「カサブランカ」に由来するらしい。

ゆったりとした花が1本に五輪以上はついていて、下の方から次々とよく咲く。

 

本当は、私は絶対に雄しべは取りたくないのだ。
白いユリの中央に、濃いオレンジの雄しべは絶妙のバランスで美しさを引き立てていると思う。
大柄な花をキュッと引き締めている。

しかし、この花粉は、うっかり白い洋服についたりすると悲惨だ。
水をつけて洗おうとすると、どんどん広がってしまうし、黄色く染まってなかなか落ちない。
花粉には、油分が含まれているようである。

 

花が咲いたばかりは、シベの先についた「やく(花粉の塊)」が固く、粉が散りにくいが
時間とともにやくはふくらんできて、粉っぽくなってくる。

そのため、被害に合わないためには、
咲いたらすぐに、ピンセットで「やく」の部分だけをつまんでとってしまう。

残念なことに、お店のように人の出入りのあるところでは
このしべを必ずとらなくてはならない。

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しべを取った後の、間の抜けた姿は、やや興ざめだが、
一方で、しべを取ることによって花もちはよくなる。

萎れた花をそのままにしておくと弱るので、花がらはすぐに切る。

生殖活動にかかわることは、命を削るほどの仕事なのだろう。
樹木でも、花の後は休まなければならないし、
多くの植物が結実とともに、役目を果たしたと思うのか枯れてしまうように。

 
 

下の花を切ると全体のバランスが変わるので、
向きを変え、丈をつめてまた活けなおす。

一番上のつぼみは、少し小ぶりだが、切り詰めて一輪ざしに低く入れる。


それでも最後まで開いてくれるのでうれしい。
花が咲き切るように、満足して生ききりたいと思う。

 

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▶ 植物事典  ユリ科ユリ属  学名:Lilium 'Casa Blanca'(カサブランカ) 

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PATCHOULI(パチュリ)

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パチュリはカシミアショールなどの虫よけとして使われた。



インドネシア原産で、インド、マレーシア、ビルマなど熱帯地方でおもに生産される。

90センチほどの高さになるシソ科の植物で、葉を刈り取り、日に干してから蒸留して精油を得る。

収穫した葉を数日間山積みにして発酵処理をすることで、パチュリ独特のエキゾチックな香りが出る。
採油率をよくしようと、蒸留しすぎると、出がらしの様な匂いになる。真ん中のいいところだけを採ろうとすると、採油率は減って、当然高額になる。

フレッシュが命の柑橘系香料と違い、パチュリやサンダルウッドは、年月を経るほど良くなると言われる。

昔は鉄の窯で蒸留したので、のちに脱鉄処理を行ったが、今はステンレスの窯で作られる。
色は濃い茶色をしているが、カラレス(脱色)されたものもある。

パチュリに限らず、脱色した天然香料は匂いに物足りなさを感じる。
昔風と言えば、そうなのだが、やはり色のついたままの方が好みである。

透明感は出ないので、最近の香調には合わず、昔ほど使われない傾向にある。

 

▶ パチュリ パチョリ  シソ科   学名:Pogostemon patchouli 

 

 

パチュリ patchouli-1

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パチュリは本当に面白い素材だ。



単独では、ハーブをギュッと煮詰めたような強いグリーンウッディ、湿った藁(わら)の様なにおいでもある。アーシィ(土臭い)で暖かい。

 

シプレータイプの香水は、このパチュリに、オークモス、ベルガモットが骨格になっていて絶対に欠かせない。

隠し味的に、ごく少量でもよく効く素材だが、思い切ってたくさん入れることもできる。こんなに強い素材で、たくさん入れられる香料はめずらしい。

しかし、相性を間違えると下品になり、難しい香料でもある。 

 

ナチュラルなローズの香水にほんの0.01%入れれば力強さが出る。
しかし入れすぎれば汚くなり、 
最近の香水の流行である、透明感のある香りでは使いにくい。
匙加減はとてもセンシティブだ。

一方で、古くはミスディオール、新しい香水ではテュエリーミュグレーのエンジェルや、その流れをくむロリータレンピカには、処方中15%~20%も入っている。

さらにラルフローレンのポロのように、思い切って30%まで使うこともできる。

強い素材をたくさん入れるときは、同じくらい強い香料をぶつけて、ネガティブなところを消し、よさを引き出す。

エンジェルやロリータレンピカでは、マルトールというお砂糖焦がしの匂いと、バニリン(バニラの香り)を思い切ってたくさん入れ、チョコレートの様な甘いお菓子の香りを表現している。

 

パチュリは昔に比べて価格が高くなったのと、香りの流行のせいで最近の香水にはあまり使われていないようだ。

特に、2年前には高騰したが、今はまた落ちついている。

 

学名:Pogostemon cablin

Time is money

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99ユーロ。時は金なり?

レトリカ  言葉百科

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レトリカは、色々な文学の中に出てくる、比喩表現をまとめた事典。


例えば、香水の項。

「香水の表情とは、(中略)香気のもつれに出る細かい幻想の糸の織り成す感情の展開のことです。(後略)大手拓次『香水の表情について』」(レトリカ、p116)

 

たとえば、芳香について

「清い女の声が流れ、看護服の裳(もすそ)がサラサラと鳴った。薬の匂の中に、看護婦の顔からは、化粧水の芳香が、蜘蛛の糸のやうに後を引いて流れた葉山嘉樹『海に生くる人びと』」(レトリカ,1988,p270)

 

さまざまな小説、詩、俳句、戯曲、エッセイ、経典などの中ででてくる、比喩の表現を集めている。
これは、編者の好みで抽出した言葉。


私も、自分のお気に入りの言葉をコレクションしたノートを

いつかまとめてみたいと思っている。

 

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▶ 同じカテゴリの記事を読む 大沢さとりの休日読書 へ

何十年の間にたくさん本を読んだけれど、本というものは読むべき時期に、引き合うような出会いがあって読むものだと思う。それは人生の中で1回きりのこともあるし、何十年もたって再び出会うこともある。
昔に感じなかった、理解の及ばなかった文章がその世代世代で心に沁みてくる。それでも、やっぱり自分が当時の少年少女だった頃と、本質的にはさほど変わっていないと再確認する。
書店にある何万冊もの本の中からその一冊を手に取り、そしてページを開き、その中に心が震える言葉を見つけたとき、かわるがわる、誰かが私にメッセージを届けてくれているような気がするのだ。

南フランスの花と香料・ムービー

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ユーチューブでご覧下さい。ここをクリック→ 「南仏の花と香料」

変わったティーバッグ

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ホテルニューオータニのサンローゼ、1階の角に、すてきな紅茶のお店ができていた。


いつも、正面玄関から車に乗ってしまうので気がつかなかったのだが、
4月にオープンしたようだ。

ヨーロッパ調の家具でまとめられた店内の、
カウンターでティスティングができる。

インドのブランドのようだ。

変わったティーバッグだったので、つい買ってしまった。
このアルミバッグのまま、カップに入れる。

お味はすっきりとして雑味がなくおいしい。

スタイリッシュなオフィスの午後のお茶に、いいかも。

 

シエステ

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そして昼下がり・・・。白昼なのに誰も歩いていない。


 

ランチのあと、2時半からディナーまでの朧な時間。

 

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明るいひざしだけがまぶしい。

 

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パフューマー・大沢さとり

「パルファン サトリ」は、フランス調香師協会会員・SATORI(大沢さとり)の香水ブランドです。コレクションはすべてSATORI自身の処方により調合された特別感のある香り。初めて香水を試される方や、外国の強い香水に疲れた方にもお勧めです。日本の気候と情緒に合う、優しくおだやかな香りをお楽しみください。

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